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利下げとは思えない現時点での日銀の興味 Klug 2008/03/20 ある外資系証券会社のエコノミストが、3月中に米国との協調利下げ、ないしは4月8日の金融政策決定会合で利下げをする可能性があるとのリポートを発表し、市場関係者の間で話題になっています。これまで日本銀行は、緩やかながらも利上げを続ける姿勢を示していましたので、利下げの可能性の指摘は、市場関係者の耳目を集めたようです。 最近の日本経済は、日本銀行が指摘するほどの力強さを示していません。3月19日、大田弘子経済財政担当相は関係閣僚会議に、景気の基調判断を2カ月連続で下方修正し「回復は足踏み状態」とした月例経済報告を提出しています。回復をけん引してきた企業部門の動きが弱まっているとの判断のもと、米経済の減速や金融市場の混乱が、日本の景気回復を鈍らせているとしています。 民間エコノミストの多くも、日本景気に変調の兆しがあると指摘しています。日本銀行は、日本の成長率が2%程度で推移するとしていますが、民間エコノミストによる見通しの多くは、成長率が潜在成長率(1%後半)程度にとどまるとの内容になっています。 興味のある方は、"つづきはこちらです"をクリック!
ただ、個人的には、日本銀行が景気判断を変えたとしても、すぐさま利下げに踏み切ることはないと考えています。日銀総裁が空席という状況の下、副総裁になったばかりの白川総裁代行が、利下げという重要な決断をするかというと、常識的には難しいように思えます。 日本の消費者物価の伸びが高まっていることも、利下げの現実可能性を低くしている気がします。今年1月の消費者物価指数(生鮮食料品を除く総合)は、前の年に比べ0.8%の上昇と、2ヶ月連続で高い伸びを示しています。この伸び率は、消費税率引き上げの効果が残る1998年3月以来の高さです。一般に利下げは、物価上昇を促す効果がありますので、行き過ぎた物価上昇に歯止めをかけるはずの日本銀行が、物価上昇に弾みをかけるように利下げをするとは考えにくいです。 米国が利下げを続けていること、ドル安・円高が急速に進んでいることを踏まえると、日本銀行が利下げに踏み切ることは、可能性として否定できません。ただ、現状を考えると、現時点で日本銀行による利下げは、あくまで「可能性の有無」が議論される程度なのでしょう。あくまで推測ですが、現時点の日本銀行の興味は、利下げの実施ではなく、総裁人事の行方のような気がします。 PR |
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