2/4 『株価材料』PART Ⅲ

『株価材料』PART Ⅲは、"つづきはこちらです"をクリック！

[0回]

■株価材料

△クレディセゾン<8253>、変動金利型ローン専用カード発行
クレディセゾンは1日、同日から変動金利型のローン専用カードを発行すると発表した。毎年2月1日時点の短期プライムレート（最優遇貸出金利）に 5―7％を上乗せして金利を決定する。市場金利の上昇に合わせて貸出金利を上げることで、市場環境にかかわらず一定の収益を確保することが狙い。金利が変動するタイプのローン専用カードは業界でも珍しい。発行するのは「セゾン・カードローンゴールド」。限度額が300万円のコースであれば5％、200万円のコースであれば7％を、それぞれみずほコーポレート銀行の短プラに上乗せして適用金利を出す。2月1日時点の短プラは1.875％なので、300万円コースの貸出金利は年率6.87％となる。主に 30―50台の男性を対象に顧客開拓を進める。通常の固定金利型ローンカードでは、市場金利の上昇に合わせて貸出金利を引き上げる際、規約変更などのコストがかかるうえ、顧客離れが起きやすかった。

△そんぽ24とチューリッヒ、新生のＨＰで自動車保険の販売開始
そんぽ24損害保険とチューリッヒ保険は1日、新生銀行<8303>のホームページで自動車保険の販売を始めたと発表した。販売するのは、インターネットですべての手続きが完結できる通販型の商品。新生のホームページからそんぽ24、チューリッヒの各ホームページに移り、見積もりや契約などを進めていく仕組み。銀行は圧力販売を防ぐ観点から、融資企業の代表者などへの保険商品の販売を禁止されている。そのため、新生はそんぽ24やチューリッヒのホームページに移る際、申し込む人の職業などをチェックする仕組みを取り入れた。

△三菱東京ＵＦＪ<8306>銀、初の個人向け社債
三菱東京ＵＦＪ銀行は1日、個人投資家を対象にした普通社債を発行すると発表した。発行額は200億円で定期預金より利率が高い。国内で個人向け普通社債を発行するのは3メガバンクで初めて。個人顧客向け商品の品ぞろえを拡充するとともに、資金調達手段を多様化するのが狙い。利払い日が3、6、9、12月と年4回あるのにちなみ、愛称は「四季の花」。100万円単位で期間3年。表面利率は年0.60―1.40％の範囲内で7日に決定する。募集期間は2月12日から3月3日まで。預金以外の資金調達としては、旧東京銀行が外国為替銀行法に基づき金融債を発行していたが、1996年の旧三菱銀行との合併後に廃止された。預金より利率の高い債券での資金調達に再び乗り出す背景には「貯蓄から投資へ」の流れのなか、預金のほかに有利な運用商品を求める個人顧客を引き付ける狙いもあるとみられる。

■きらやか<8378>銀、180人の希望退職募集
きらやか銀行（山形市）は1月15日から31日までに51―58歳を対象に180人の希望退職を募集、ほぼ予定人数が応募したと発表した。2007年度から2年で実施、完了後の行員数は約1100人となる。同行は昨年5月に山形しあわせ、殖産の2行合併で設立、店舗の統廃合によるコスト削減を進めている。店舗統廃合の実施を前倒しし、合わせて人員も削減することで合併効果を早期実現するのが狙い。

△日立電線<5812>、カシオ子会社から液晶用基板事業を買収
日立電線は1日、カシオ計算機<6952>子会社でジャスダック上場のカシオマイクロニクス<6760>から液晶用ＩＣ（集積回路）に使う基板事業を譲り受けることで基本合意したと発表した。買収価格、日程などは3月末までに詰める。事業規模を拡大し、収益力を高める狙い。日立電線が譲り受けるのは、液晶画面に信号を伝達するための実装基板「チップ・オン・フィルム（ＣＯＦ）」事業。カシオマイクロのＣＯＦ事業は2007年 3月期の売上高全体の約6割（約127億円）を占める。しかし出荷数量が減少しているうえ単価の下落も響き、今期の単独最終損益は31億円の赤字になる見通し。日立電線もＣＯＦを手がけているが販売数量は減少している。買収によって生産性を高め、事業立て直しを図る。

△日産<7201>、ＳＵＶ「キャシュカイ」を英国で増産・中国でも生産開始
日産自動車は1日、多目的スポーツ車（ＳＵＶ）「キャシュカイ（日本名デュアリス）」を英国で増産すると発表した。07年3月に欧州で発売され、ロシアなどで販売好調が続いている。同車を生産している英国のサンダーランド工場で新たに800人を雇用、2交代制を3交代制に増やして対応する。キャシュカイは1月末までに13万台を販売した。約6万台の受注残を抱え、購入者への納入に約4カ月間かかる。英国工場の同車の年産能力は現在、約20万台。3交代制に移行後は3割程度拡大する見通し。デュアリスは中国でも2008年後半から合弁会社の東風日産乗用車の花都工場（広州市）で生産を開始し、同国で販売を始める。生産台数など詳細な計画は未定としている。

△日揮<1963>、中国でＣＤＭ事業・セメント工場のＣＯ2削減、排出権購入
日揮は1日、中国内蒙古自治区と浙江省で計画している2件のクリーン開発メカニズム（ＣＤＭ）事業が日中両政府の承認を受けたと発表した。セメントつくる原料として一般的な石灰石の代わりに水酸化カルシウムを用い、年約50万トンの二酸化炭素（ＣＯ2）の発生を抑制。日揮は両事業で生まれる排出権を購入する。新セメント工場を建設し、セメントの中間製品の原料として隣接する塩化ビニール工場で副生する水酸化カルシウムを使う。一般的な石灰石と異なりＣＯ2が発生しないため、工場全体のＣＯ2排出量を抑制できるという。

△テレビ朝日<9409>、ＪＣＴＶを連結子会社化
テレビ朝日は1日、ニュース専門チャンネル「ＣＮＮｊ」などを放送する日本ケーブルテレビジョン（ＪＣＴＶ、東京・渋谷）の株式を3月末に追加取得し、連結子会社にすると発表した。出資比率は33.29％から56.57％に上昇。今年度の連結業績予想への影響はない。ＪＣＴＶは07年3月期の売上高が60億4200万円。連結子会社化で業務を効率化するとともにテレ朝グループ内の連携を深め、有料放送を含むコンテンツ（情報の内容）供給力を高める。

▼１月の名古屋百貨店売上高、1.7％減
名古屋市内の主要百貨店5社7店舗（松坂屋（Ｊ．フロントリテイリング<3086>）、三越<2779>、ジェイアール名古屋高島屋<8233>、名鉄百貨店、丸栄<8245>）の１月の売上高（速報値）は、合計で425億円と前年同月に比べ1.7％減少した。初売りや冬物セールの出だしは堅調だったが、主力である婦人向け衣料品の販売がセール後半に失速。ブランド品や宝飾品の販売も苦戦した。

△イビデン<4062>の４―12月期、連結営業益13％増・自社株150億円取得へ
イビデンが１日発表した2007年４―12月期の連結業績は、営業利益が前年同期比13％増の572億円となった。欧州でディーゼル車向け排ガス浄化装置（ＤＰＦ）が好調だった。売上高は11％増の3164億円だった。ＤＰＦが欧州で伸びたほか、セラミック部門がアジアでも好調だった。為替差益が７億円と縮小し、経常利益は10％増の601億円となった。純利益は20％増の411億円だった。
2008 年３月期の連結業績予想は、営業利益が前期比２％増の700億円と、前回予想の750億円から下方修正した。１―３月期の想定為替レートの見直しなどを反映した。経常利益は４％減の710億円（前回予想は775億円）と、前期実績（736億円）を下回るもよう。純利益は微減の480億円（前回予想は525 億円）、売上高は８％増の4300億円（同4350億円）となる見通し。同日、発行済み株式数の１％に当たる150万株を上限とする自社株取得枠を設定したと発表した。取得総額の上限は150億円で、取得期間は４日から29日まで。理由として、「経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の遂行を可能とするため」と説明している。

□セブン銀の４―12月期、単独経常益４％減――経常収益は11％増
セブン＆アイ・ホールディングス<3382>傘下のセブン銀行が１日発表した2007年４―12月期の単独業績は、経常利益が前年同期比４％減の186億円だった。一般企業の売上高にあたる経常収益は11％増の626億円となった。ＡＴＭ（現金自動預け払い機）の設置増加に伴い現金引き出し利用件数が伸び、ＡＴＭ手数料収入が前年同期に比べ9.5％伸びた。一方、ＡＴＭをリースから自社保有に切り替えたことに加え、電子マネー等のサービス開始に伴うシステム開発などで営業経費が増加した。純利益は７％減の103億円だった。
08年３月期通期の単独業績見通しは、前月22日にジャスダック証券取引所に上場が承認された際に示した予想を据え置いた。経常収益は前期比11％増の834億円、純利益は３％増の131億円を見込む。

△１月の新車販売、２カ月ぶり増・ホンダ<7267>効果で小型車回復
日本自動車販売協会連合会（自販連）が１日発表した2008年１月の新車販売台数は前年同月比3.7％増の24万1629台と２カ月ぶりで増加した。新車効果などで普通乗用車が引き続き好調に推移したことに加えて、前年割れだった小型乗用車が前年比横ばいにまで回復したことが寄与した。車種別では普通乗用車が15.1％増の９万8096台。小型乗用車は前年比横ばいの11万5761台となり、乗用車全体で6.4％増の21万3857台となった。小型乗用車をけん引したのはホンダ。
トヨタ自動車<7203>（前年比13.7％減）や三菱自動車<7211>（3.0％減）、日産自動車<7201>（0.1％減）が振るわない中、ホンダは 60.5％増と大幅増となった。新型フィットを07年10月に発売。自販連が発表している車名別新車販売でも07年11月、12月と２カ月連続で首位となり「売り上げ増に大きく貢献している」（ホンダ）。
普通乗用車では三菱自が77.4％増、日産自が39.8％増、トヨタが18.4％増と台数を伸ばした一方、マツダ<7261>が9.4％減、ホンダが0.2％減と伸び悩んだ。

▼中外薬<4519>が２日連続ストップ安配分 1331万7400株の売り残す
終日売り気配のまま推移し、値幅制限の下限（ストップ安）となる、前日比200円安の1205円で比例配分された。比例配分で72万3100株の売買が成立し、ストップ安水準で1331万7400株の売り注文を残した。ストップ安比例配分は２日連続。１月30日に2007年12月期決算に併せて、08年12月期通期の連結純利益が前期比58％減の170億円になりそうだと発表。インフルエンザ治療薬「タミフル」の販売減などが響くといい、嫌気した売りが継続した。

▼インキ<4631>がストップ安比例配分――1138万株の売り残す
終日売り気配のまま推移し、値幅制限の下限（ストップ安）となる、前日比80円安の394円で比例配分された。比例配分で196万3000株の売買が成立し、ストップ安水準で1138万株の売り注文を残した。１月31日の業績発表を受け、ゴールドマン・サックス証券が１日付のリポートで投資判断を３段階中真ん中から最下位に一段階引き下げ、投資家心理が弱気に傾いた。担当アナリストの横尾尚昭氏はリポートで「大黒柱の欧米インク事業が失速」と指摘。今後12カ月の目標株価を従来の540円から410円に下げた。

△デジハーツ<3620>、上場初日は買い気配のまま終える
きょう新規上場。2008年の新規上場１銘柄目にあたる。終日買い気配のまま推移し、初値は付かなかった。大引けの気配値は公募・売り出し価格（18万5000円） 2.0倍にあたる37万5000円で、差し引き2200株程度の買い越しだった。公募2000株、売り出し2025株（オーバーアロットメントによる追加売り出し525株を含む）を実施している。家庭用ゲームソフトの不具合検出サービスなどを手掛ける。主幹事は三菱ＵＦＪ証券。

△ニッセンＨＤ<8248>が大幅続伸――経常赤字の縮小発表が手掛かり
大幅に続伸。個人投資家とみられる買いが優勢で、後場に上げ幅を広げている。一時は前日比62円高の720円まで買われ、昨年12月28日以来の700円台乗せとなった。前日の取引終了後に発表した2007年12月期の連結経常損益は20億円の赤字（前期は52億2800万円の黒字）とし、従来の33億円の赤字予想から赤字幅が13億円縮小したのが買い手掛かりになっているという。通販大手。前回の予想策定時より円安に推移したため、営業外損失として時価会計による長期為替評価損が減少したことなどが赤字幅の縮小につながった。ただ、市場では「750円に近づくにつれて戻り待ちの売りが出やすくなるのではないか」（大手証券）とする見方があった。

△安永<7271>が大幅続伸――４―12月期の大幅経常増益を好感
大幅に続伸。前場には一時前日比46円高の730円まで買われ、取引時間中では１月16日以来、半月ぶりに700円台を回復。個人投資家とみられる買いが優勢で、後場も高値圏で推移している。エンジン部品の中堅で、主要顧客はトヨタ。前日の取引終了後に発表した2007年４―12月期の連結経常利益は前年同期比81％増の20億1800万円だったのを好感している。戦略製品の伸びでエンジン部品事業が順調だったほか、工作機械や環境機器など他事業が好調だったのも寄与した。08年３月期の通期業績は、上方修正した昨年11月９日の前回予想のまま据え置かれているが、「第３四半期が好調だったことで、通期業績達成の確率も高まっている」（岩井証券・イワイ・リサーチセンター）という。通期の連結経常利益は前期比51％増の25億7000 万円の見通しで、第３四半期時点での進ちょく率は78.5％と前年同期の65.4％を大きく上回っている。

▼大崎電<6644>が急落――改正建築基準法の影響などで下方修正
後場に急落。一時は前日比44円（8.6％）安の470円まで下げた。14時に2008年３月期通期の連結純利益が前期比56％減の13億円になりそうだと発表。従来予想の21億円を下回るとしたことで売りが膨らんだ。改正建築基準法の影響による住宅着工戸数の減少を背景に、電力会社向け電力量計の売り上げ減が響く。また、繰り延べ税金資産の見直しによる同資産の一部取り崩しを実施するという。

▼三菱重<7011>が続落――ジェット旅客機開発は「リスク大きい」と
続落。一時は前日比14円安の421円まで下げた。ゴールドマン・サックス証券が投資判断を３段階中の最下位に１段階引き下げたことがきっかけ。理由について、担当の境田邦夫アナリストはリポートで(1)円高と世界経済の減速に伴う産業機械の需要減退(2)国産初の民間ジェット旅客機『ＭＲＪ』の研究開発費を業績予想に織り込んだためとしている。ＭＲＪについては、研究開発費の総額を同社負担分で1000億円とし、09年３月期は 100億円の負担になることから、改めてリスクの大きさが認識されるという。
（NIKKEI NET）

△キーエンス<6861>の９カ月業績、経常利益８％増
キーエンスが１日発表した2007年12月 20日までの９カ月連結業績は、経常利益が756億円と前年同期比８％増えた。主力のファクトリーオートメーション（ＦＡ）用センサーが機械や金属加工などの製造業向けに好調を維持した。四半期ごとの推移でも今期初頭から売上高の伸び率が徐々に高まっており、08年３月期通期の業績予想は変えていない。売上高は1445億円と９％増。ほかに電機や精密、食品や医薬品など幅広い業態で効率化や安全化投資などの需要が増えた。一時、落ち込んでいた半導体や液晶関連投資も底入れの兆しが出ているという。海外拠点の拡大に力を入れており、上期には９カ所に開設。下期にはドイツや中国など３カ所に設け、現在は87 カ所に広まった。海外売上高比率は中間期段階で26％程度だったが、この四半期で若干上昇した。営業利益は724億円と９％増。海外拠点費用や研究開発費が増え売上高販管費比率が29.3％と１ポイント弱上昇したが、原料調達先の多様化などのコスト削減や増販でカバーした。純利益は456億円と９％増。

△日清食品<2897>・ＪＴ<2914>、衛生検査で協力・冷食統合は予定通り
日清食品の安藤宏基社長は1日、今春に計画している日本たばこ産業（ＪＴ）との加ト吉<2873>買収や冷凍食品事業の統合について「既定路線は変わらない」と予定通り進める方針を明らかにした。同日、都内の本社で開いた記者懇談会で述べた。ＪＴ子会社が輸入販売した中国製ギョーザで健康被害が出た点については、日清の衛生検査技術をＪＴ側に提供する考えだ。衛生検査の支援では、日清がＪＴと実務担当者同士の協議を開始。来週以降、ＪＴ製品のサンプル検査などに協力する。日清は中国産食材について上海と国内の両研究所で化学検査などを実施しており、業界でも高水準の検査技術を持つ。

▼ユニオンＨＤ<7736>が第三者割当で11億円調達、希薄化率は62.9％
ユニオンホールディングスは１日、新株と新株予約権を第三者割当により発行し、約１１億円を調達すると発表した。投資資金や運転資金に充当する。今回の資金調達により、発行済み株式総数は現行の水準より６２．９％増える。ユニオンＨＤは、新株を１株２７円で１８５１万株、新株予約権を１２６個発行する。新株予約権の固定行使価格は３０円で、普通株に転換された場合の潜在株式数は２０１６万株となる。ユニオンＨＤの現行の発行済み株式数は６１５０万５０２２株で、新たに増える普通株と新株予約権の行使により、発行済み株式数は６２．９％増える。割当先は、ソフトウェア開発・販売・投資事業のＩＡＢジャパン（東京都台東区）、陳鴻文氏（台北市、会社役員）など３者。払い込み期日は２月１８日。これによりＩＡＢジャパンは、ユニオンＨＤの２１．２８％（潜在株式は未反映）を保有する筆頭株主になる。ユニオンＨＤは、事業のポートフォリオを再構築するための新規投資案件のための資金に４億円、グループの相乗（シナジー）効果の高い分野における新たな事業を立ち上げや、グループ化する会社への投融資資金として３億円などを投じる予定。今回の調達で１株あたりの利益には大幅な希薄化が発生するが、ユニオンＨＤは、自己資金の増強による財務基盤の安定化と成長のための前向きな投資が必要と判断。企業価値を高めるために今回の資金使途は合理的で、既存株主の利益向上につながると説明している。

▼モスインスティテュート<2316>、国内投資会社などに740万株の第三者割当増資
モスインスティテュートは１日、同社の筆頭株主である国内投資会社の日本アジアホールディングス（東京都千代田区）と個人の浅野秀則氏に合計約７４０万株の第三者割当増資を実施すると発表した。発行価額は１株１３５円で約９億９９００万円調達する。Ｍ＆Ａ（企業の合併・買収）や出資、研究開発インフラの整備などに充当する計画。第三者割当増資による７４０万７５００株はモスインスティテュートの発行済み株式の約８７％であり、増資後、日本アジアホールディングスの保有比率は３３．９９％から６０．１０％に上昇する。浅野氏の保有比率は４．６６％となり第３位の株主となる。モスインスティテュートによると、浅野氏は個人で企業などに投資を行っているという。

△日清食品<2897>、小麦価格の上昇で商品の再値上げ検討も＝社長
日清食品の安藤宏基社長は１日、記者団に対し、輸入小麦の政府売り渡し価格が４月に大幅に上昇した場合、商品の再値上げを検討する考えを示した。同社は０８年１月出荷分から、即席袋めん・カップめん製品の価格を７―１１％引き上げている。安藤社長は、輸入小麦の政府売り渡し価格の上昇はある部分認めなければならないとの考えを示し、再値上げの可能性について「（小麦価格が）３０％上がると（商品価格を）上げざるを得ない」と述べた。大手小売りは消費者の買い控えを警戒し、食品メーカーの値上げ要請に慎重な対応をしているが、１月の値上げの小売りへの浸透については「きれいには上がっていない。業態によって値段は違うが、１０円程度は上がってきた」とした。安藤社長は原材料価格上昇で食品メーカーの経営は難しくなっているとし「コストアップを末端価格に反映できない企業は衰退していく」と、危機感をあらわにした。
ＪＴ<2914>・加ト吉<2873>と３社で合意した冷凍食品事業の統合について「既定路線に変わりはない」と述べ、４月の統合を計画通り進める考えを示した。ＪＴの子会社ジェイティフーズ（東京都品川区）と加ト吉は、中国製ギョーザに農薬が混入した事件で製品の自主回収を進めている。この件が３社の冷凍食品事業統合に及ぼす影響について、安藤社長は「安全性については、検査システムを駆使して早く問題が解決するよう努力していく。既定路線は変わらない」と述べた。ＪＴから日清食品への出資については「実務をどうするか詰めており、そんな話はしていない。やるべきことは山ほどある。実務の問題と資本の問題は別だと考えて欲しい」とした。安藤社長は、食品業界の海外展開は他に比べて遅れていると指摘。「これから食品業界でも、国内より海外の収益が高くなる時代を迎える。海外事業基盤を築くことは急務だと思うし、大変重要なこと」と述べたうえで、自社の対応について「Ｍ＆Ａ関係はあると思う。具体的には言えないが、これからは考えていかなければならない。ドメスティックのみの企業は、食品メーカーとしては弱くなると思う」と意欲を示した。

△キヤノンＦＴ<6421>、ニスカ<6415>株を1株2010円でＴＯＢ
キヤノンファインテックは１日、同社の子会社であるニスカに対し株式公開買い付け（ＴＯＢ）を行うと発表した。完全子会社化を目指し１株あたり２０１０円で実施する。ニスカもＴＯＢに賛同しているという。収益の外部流出を回避し経営資源の効率的な配分を図るために完全子会社化する。ＴＯＢ後、上場廃止となる見通し。ＴＯＢ期間は２月４日から３月１７日。買い付け予定数に上限・下限は設けていない。

△日産自動車<7201>が1700万株上限に自己株取得へ、発行済み株式の0.38％
日産自動車は１日、発行済み株式総数の０．３８％にあたる１７００万株を上限に自己株を取得すると発表した。取得総額上限は２３０億円。取得期間は２月４日から３月２４日まで。

△日本電産トーソク<7728>株など傘下4社の株式を追加取得＝日本電産<6594>
日本電産は１日、日本電産トーソク株など傘下４社の株式を追加取得すると発表した。追加取得するのは以下の通り。
日本電産トーソク１５０万株（発行済み株式数の７．７９％・取得後の保有比率７１．１２％）
日本電産コパル<7756>３５０万株（同５．５６％・６１．５８％）
日本電産コパル電子<6883>１５０万株（同２．２６％・６３．７６％）
日本サーボ<6585>５０万株（同１．４％・６４．３６％）

■ＮＴＴドコモ<9437>、位置情報サービスの米テラーゴと資本関係解消
ＮＴＴドコモは１日、企業向け位置情報サービスを手がける米テラーゴ（ニュージャージー）との資本関係を解消すると発表した。ドコモが保有するテラーゴ株式４９％を全て、テラーゴの筆頭株主であるスロベニア共和国のウルトラ社に売却する。ドコモは２００５年、ウルトラが設立したテラーゴに対し約３１億円を投じて同社株式の４９％を取得していた。海外における携帯電話周辺ビジネスへの出資を通じた成長機会の確保がねらいだったが、当初想定した業務の拡大が見込めないと判断した。

▼信越化<4063>、国税庁から約110億円の追徴税の通知書を受領
信越化学は１日、東京国税庁から追徴税約１１０億円の支払いを求める通知書を受領したと発表した。同社と米国子会社の収益について、国税庁が移転価格課税に基づく更正処分が必要と判断しているという。同社は処分を不服として、異議申し立てを行うと説明している。
（ロイター）