2024 11,24 03:39 |
|
2008 02,03 14:00 |
|
日経ヴェリタスonline 2008/01/31 米連邦公開市場委員会(FOMC)が30日に0.5%の追加利下げを決定し、米フェデラルファンド(FF)金利は3.0%になった。これを受けた31日の東京市場で日経平均株価は247円高と前向きに反応した形だが、日本株の投資家は米金利の行方に細心の注意を配った方がいい。経験的に「米国の利下げが止まるときが 興味のある方は、"つづきはこちらです"をクリック!
なぜだろう。日本は内需が低迷、低金利は長期化し金融政策が効かない状況が続いている。国内に成長機会が乏しく、結局頼みは米国をはじめとする外需だけだ。「日本株の多くが世界景気の敏感株という状態」(新光投信)。米景気に不安があり利下げが続く局面は日本株は苦しい。逆に利下げの必要がなくなったときが、日本株にとって追い風となる。 世界景気に対する敏感ぶりを示した象徴的な場面が昨年7月末から8月第3週だ。この間に日経平均は11.5%下げたが、米S&P500種株価指数は0.6%の下げにとどまった。振り返れば、この3週間で開いたパフォーマンス格差が昨年1年間の日本株の出遅れを決定づけた。米国の信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題から米欧の金融市場で信用収縮が表面化したタイミングであり、世界の投資家はまず日本株から売ったわけだ。世界景気が曲がり角にきたサインを最も敏感にかぎ取るかたちになった日本株は「炭鉱のカナリア」だったともいえる。 視線を先に移そう。株価反転のタイミング、米国の利下げ打ち止め時期をどう読むべきだろうか。次のFOMCは3月。市場はすでに3月の0.25%の利下げを織り込みつつあるが、これで打ち止め宣言となるなら、約10週間さかのぼった1月22日につけた1万2573円が大底だったということになりうる。 米ゴールドマン・サックスなど一部は米国の景気後退シナリオを語り始めたものの、市場エコノミストのコンセンサスは今年後半に景気が再拡大へ向かうというシナリオだ。住宅市場の調整は続いているが、雇用は過去の景気後退局面ほど悪くなっていない。ここまでの利下げ効果と景気刺激策の底上げが出れば、最悪期を短期間で抜け出せる。それなら3月で利下げ打ち止めはありうる。 もっとも31日の日経平均の上昇をもって底入れと読むのは若干難しそう。「月末特有のお化粧買いの要因も差し引かないといけない。米金融政策を好感したとそのまま見ない方がいい」(立花証券の平野憲一執行役員)。米国の取引時間後に米投資ファンド大手ウォーバーグ・ピンカスによる米金融保証会社大手MBIAへの出資完了が伝わり買い安心感につながったが、評価はこれからだ。 21世紀アセットマネジメントの清水孝則社長は、運用するヘッジファンドで、昨年まで組み入れ比率がゼロだった日本株を今5%まで高めているという。日本株はすでに大底圏で、春にかけてもう一度来る暗い局面を乗り越えれば上昇に向かい出す、と読んでいる。3、4月の金融機関の決算でサブプライムローン問題に絡んだ巨額な損失が出て、それで一巡。現実のサブプライムローンの借り換え問題も最大のヤマ場である6月を乗り越えれば、悲観ムードは峠を越すとみる。現在3.0%のFF金利は2.5%まで下がり、財政出動などもう一段の政策が打たれることが条件だ。 一方、今回ばかりは金融政策ではおさまらないとの見方もある。三井住友銀行の宇野大介チーフストラテジストは利下げは追い付かず、米国は2011年に向けて景気後退が進むというシナリオを描く。サブプライム問題の根本的な問題を除去できず、実体経済の悪化を止められない。むしろ「幸い日本株の相対的な立ち位置はいい」とみる。他市場に比べ株価調整が早かった分、売られる余地も少ないという。年央にいったん見直されて株高へ向かい、年末に再び伸び悩むとみている。 もっとも、こうした議論も日本株が世界景気の動揺に関係なく自立して飛ぶカナリアに変わることができれば話は別になる。構造改革で潜在成長力を高めることができれば内需が拡大、日本株独自の要因で飛躍する可能性もあるのだ。 PR |
|
コメント |
コメント投稿 |
|
trackback |
トラックバックURL |
忍者ブログ [PR] |