01/07『株価材料』PART Ⅳ

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■株価材料

▼佐川子会社が二重派遣　グッドウィル<4723>労働者　改善命令へ
厚生労働省は、佐川急便グループで物流大手の佐川グローバルロジスティクス（ＳＧＬ、東京）に対し、労働者派遣法に基づく事業改善命令を出す方針を固めた。日雇い派遣大手グッドウィルから労働者を受け入れ、別の企業に送り込む違法な二重派遣をしていた。物流大手への改善命令は極めて異例。グッドウィルもすでに、ＳＧＬにからむ二重派遣を含め、違法派遣の多発で事業停止命令の通知を受けており、違法派遣問題は広がりをみせている。ＳＧＬは０４年１１月から０７年８月まで、グッドウィルから派遣された労働者延べ約１万１０００人を、浜松市内の大手通信販売会社の倉庫に送り込んで働かせていた。１回の派遣で最大数十人程度とみられる。二重派遣は雇用責任があいまいになり、派遣企業の手数料（中間マージン）もかさむため禁止されている。さらにＳＧＬは、派遣法が定める派遣可能期間を大幅に超えて労働者を働かせていた。グッドウィルとの間で、派遣法に基づく適正な派遣契約も結んでいなかった。派遣労働者の申告をきっかけに昨年８月、静岡労働局が立ち入り調査して発覚。ＳＧＬは物流会社だが、一部で派遣事業も行うために０７年３月に派遣事業の許可を受けており、派遣法による処分の対象となった。厚労省は、二重派遣された人数が多く悪質で、改善命令が必要と判断した。昨年１２月１９日付で不利益処分の予定をＳＧＬに通知しており、弁明を聞いた上で最終的に決める。物流業界では季節による業務量の変動が大きく、日雇い派遣を大量に活用している。二重派遣といった違法行為が横行しているとみられ、厚労省は派遣会社だけではなく受け入れ側も処分することで、業界全体の適正化を促す考えだ。ＳＧＬは「法令順守体制に甘さがあった」として処分を受け入れる方針。業務監査課やコンプライアンス推進課を新設し、自社で直接雇う労働者を増やす。
グッドウィル側は「０６年１１月ごろ二重派遣に気づいたのでＳＧＬに指摘し、改善されたはずだった」と、ＳＧＬ主導で二重派遣が続いたと主張。ＳＧＬは「グッドウィルの担当者も二重派遣を知っていた」と反論している。グッドウィルは浜松市以外でも二重派遣が発覚。禁止されている港湾、建設業務への派遣も明らかとなり、厚労省は近く、７３７ある事業所のうち違法行為があった８９事業所は４カ月間、残りは２カ月間の事業停止命令を出す方針だ。グッドウィル・グループ広報ＩＲ部は「弁明書を８日に提出するため、現時点では取材に応じられない」としている。
（朝日新聞）

▼グッドウィル<4723>－06年クリスタル社買収で謎の383億円
（東京新聞）

□あゆ（エイベックスＧＨＤ<7860>）告白「左耳の聴覚失った」
歌手の浜崎あゆみ（２９）が６日までに、左耳の聴力を失ったことを会員制のファンクラブサイトで明かした。昨年、検査で明らかになったとし「左耳はもう完全に機能しておらず、治療のすべはないと診断された」と説明。今年は歌手デビュー１０周年を迎え、４月からはアジアツアーが組まれている浜崎。「ボーカリストであり続けたい」と記しており、予定通り開催する意向だ。
（スポニチ）

△大塚商会<4768>、中国での暗号化ソフト利用申請支援サービスを拡充
大塚商会は中国に進出した日系企業向けに暗号化ソフトの利用申請支援サービスを拡充する。中国はパソコン内の機密データ保護などに用いられる暗号化製品の使用を規制。同サービスにより企業は煩雑な申請作業に悩まされることなく合法的に暗号化ソフトを使用することができる。申請後認可を得るまでの期間は約２カ月。価格は７０万円から。サービスの拡充で大企業を中心とした需要を取り込み２０１０年までに１５０社の利用を見込む。支援サービス「暗号製品利用らくらくパック」の新メニューとして７日に追加するのは、
日立ソフトウェアエンジニアリング<9694>の暗号化ソフト「秘文ＡＥフルディスクエンクリプション」への対応。同ソフトの利用許可が得られれば、ハードディスク駆動装置（ＨＤＤ）内の全データを暗号化したパソコンを中国の法制度に適した形で使用できる。従来のメニューは日立ソフトの情報漏えい防止ソリューションの「秘文ＡＥシリーズ」のうち、ＣＤ―ＲＯＭなど外部メディアに書き込んだデータを暗号化する対策品や、パソコンから外部へのデータ持ち出しを制御する製品などにとどまっていた。新メニューの追加でユーザーは中国で使用する機密データを外部メディアに書き込むことなく暗号化できるようになる。中国では「商用暗号管理条例」によって外資系企業による暗号化製品の生産や販売を厳しく規制。出張などによる持ち込みや現地法人での使用も制限を受け、国家暗号委員会へ申請しなければならない。申請には内容調査や中国語による書類作成といった煩雑な作業が必要となる。このため大塚商会は市場での認知度が高い同ＡＥシリーズを対象にした申請の準備から認可を得るまでのコンサルティングや輸出手続き、インフラ構築・運用を支援する同らくらくパックの提供を０７年２月に開始。大企業を中心にこれまでに１３０件の引き合いを得ている。

△ＮＲＩ<4307>など３社、資産運用分析支援システムを開発
野村総合研究所（ＮＲＩ）など３社は、株式銘柄情報データを高速処理・分析する資産運用分析支援システムを共同開発した。４００ギガバイトの大量データベース（ＤＢ）を９０分で多次元的に分析し、集計データを１０秒以内で検索できる。ＮＲＩが汎用システムとして販売し、利用料金は月額１５５万円から。初年度１０社への導入を見込む。新支援システムは日本ヒューレット・パッカード（日本ＨＰ、東京都千代田区）のサーバとストレージ（外部記憶装置）、マイクロソフト（ＭＳ、同渋谷区）のＤＢソフトを用いて開発。銘柄の過去の値動きや特性値などの情報を加工し、商品に組み込むかどうかの分析処理を自分のパソコンからできるようにした。従来の専用端末を用いた処理に比べ、データ加工時間を大幅に削減できる。またＭＳのエクセルソフトを利用して自由にデータを加工できるなど、使いやすさも向上させた。

△ＮＥＣ<6701>、海外事業者向けに携帯向け情報自動配信基盤を販売
ＮＥＣは海外の携帯電話事業者向けに、ニュースなどの情報を携帯端末に自動配信するサービス基盤（プラットフォーム）の販売に乗り出した。第１弾として、イタリアの大手通信事業者「ウィンド・テレコムニカッチィオーニ」に同サービス基盤を納入した。日本が先行していた携帯向けインターネットサービスが世界で始まっており、それに伴う配信需要拡大に応える。ＮＥＣのインターネットサービス提供基盤を導入している携帯電話事業者を中心に、自動配信サービス基盤を売り込む。ウィンドはＮＥＣの自動配信サービス基盤を導入し、天気やスポーツ、占いなどの情報を自動で配信し携帯端末の待ち受け画面に表示させるサービスを加入者に提供する。同サービス対応端末を利用すれば、専用ボタンを押すだけで配信情報を一覧できる。
日本ではＮＴＴドコモ<9437>が「ｉチャネル」の名称で同様のサービスを行っている。ＮＥＣは携帯電話向けインターネットサービス提供基盤「ＮＥＭＩＰ」を欧州やアジアなど約１０カ国の携帯電話事業者に納めた実績がある。ＮＥＭＩＰの上に自動配信システムなどを構築。自動配信システムの良さを訴求することで、ＮＥＭＩＰ自体の拡販にもつなげる。海外で最初の自動配信サービス基盤納入先となったウィンドは、イタリアの携帯電話市場でシェア１９％、３位の事業者。

△フジクラ<5803>、業界最小級の気圧測定用小型圧力センサー開発
フジクラはスイスのＳＴマイクロエレクトロニクスと技術協力し、外形０・８ミリ×０・８ミリメートルと業界最小級の気圧測定用小型圧力センサーを開発した。携帯電話端末などのモバイル電子機器の軽薄短小化が進む中で、それに搭載する圧力センサーも小型化が求められているため。全地球測位システム（ＧＰＳ）機能付き携帯端末のほか、腕時計やナビゲーションシステム向けに売り込む。量産化の準備は整っており、近くサンプル出荷を始める見込み。フジクラのウエハーレベルパッケージ技術とＳＴマイクロの半導体圧力センサーウエハー加工技術を組み合わせて、従来品の外形７ミリ×７ミリメートルから大幅に小さくした。厚さは０・７ミリメートル。計測圧力範囲は５００―１１００ヘクトパスカル。

△森精機<6141>、３年で１５００人増－グループで６０００人体制に
森精機製作所は２０１０年度にもグループ全体の従業員を約６０００人と、０７年度比で１５００人増やす。国内外で事業拡大が続いているため、要員確保に本腰を入れる。国内では研究開発やエンジニア、技術管理、営業、法務を中心に採用する。０７年度（０８年３月期）の売上高は１９７０億円（見込み）と０２年度から３倍超に急伸した結果、各部門で人材がひっ迫状況にある。０８年度からは増員を重要な経営課題と位置づけ、組織の強化につなげる。森精機は０８年度から２０１０年度までに、海外拠点も含むグループで少なくとも年間４００人採用する。このうち国内は年２００人。新卒を中心に通年採用も加えて確保する。

△ニッパツ<5991>と仏フォルシア、日産<7201>向けシート事業で提携拡大
ニッパツと仏大手部品のフォルシアは、日産自動車向けのシート事業で提携を拡大する。世界各地にある既存工場を相互ＯＥＭ（相手先ブランド）供給拠点として活用するほか、日本以外で新たな合弁会社の設立も検討する。日産向けのシート供給では、米ジョンソンコントロールズや米リアなど世界の大手がしのぎを削るなか、フォルシアとニッパツは連携強化で競争力を高め、日産からの受注を伸ばす。ＯＥＭ生産するのはフォルシアのスペインや中国の工場、ニッパツのタイや台湾の工場など、いずれかの企業が持つ現地の拠点が有力で、相互に供給を補完する格好。また合弁事業展開は、インドやロシアなどの新興国とみられる。「地域ごとにＯＥＭか合弁かそれぞれ検討していく」（天木武彦ニッパツ社長）方針だ。

△ヤマハ発動機<7272>、船外機組み立てを静岡県袋井市に集約
ヤマハ発動機は船外機の国内生産を再編する。船外機の開発・製造子会社のヤマハマリン（浜松市南区）が本社工場などで行っている船外機の組み立てを、０８年５月に稼働予定の新工場（静岡県袋井市）に５年内をめどに集約する計画。船外機部品の生産体制や協力メーカーからの調達ルートも効率化し、世界で約４割のシェアを占める船外機の競争力を強化する。ヤマハマリンの生産台数は０７年が約３６万台。うち本社工場など浜松地区で約１８万台を生産している。０８年５月に稼働する新工場へは、稼働時に大型４ストローク船外機を中心に７万台を移管。その後、本社工場などに分散している船外機組み立てを順次、新工場に集約する。移管後、本社工場は部品生産や素材加工が主力となる。

△大豊工業<6470>、子会社の自動車用軸受生産を月６４０万個体制に
大豊工業は、自動車用軸受の主力生産拠点である生産子会社の大豊岐阜（岐阜県御嵩町）の月産能力を０８年夏をめどに８０万個増の６４０万個に引き上げる。３億円を投資して、国内の顧客向けに仕上げまで行う全加工ライン１本を増設する。コイル材料を切断し、プレス成形して仕上げる。
トヨタ自動車<7203>グループからの受注増に対応していく。大豊岐阜は、大豊工業の細谷工場（愛知県豊田市）に続く自動車用軸受の主要拠点。大豊工業の海外子会社に仕上げ前の半製品を輸出する拠点としても活用。既存ラインのうち２本を海外生産子会社向けに使用している。自動車用軸受は、トヨタ自動車グループを中心に燃料噴射ポンプ用やトランスミッション（変速機）用などで受注が増えている。

△トヨタ<7203>、昨年の米自動車販売２位に－低燃費車シフト追い風
トヨタが、米国の年間販売台数で初の２位となった。ガソリン高を追い風に、低燃費車が得意なトヨタがシェアを伸ばした格好だ。しかし０７年夏以降は、サブプライムローン（信用度の低い個人向け住宅融資）問題の影響などで伸びが鈍化。０８年の米国販売は、０７年比微増の２６４万台を計画するなど、成長スピードはこれまで通りとはいかない様相だ。トヨタの０７年の米国新車販売台数は、約２６２万台。小型車「カローラ」、中型セダン「カムリ」など主力車のほか、ハイブリッド車（ＨＶ）が好調だった。フォード・モーターやクライスラーなど米大手の稼ぎ頭である小型トラックが、ガソリン高を理由に販売台数を落としたのとは対照的だ。

△ジヤトコ、中国・広州ＣＶＴ工場の現調率を引き上げ
ジヤトコは、０９年半ばに稼働する中国広州市の無段変速機（ＣＶＴ）新工場「ジヤトコ広州」の現地部品調達率を６０％まで上げる。現在、調達先の確保を急ぐが、稼働当初は４５％程度にとどまる見込み。低コスト生産を目指し、既存取引先だけでなく日系や現地企業のほか、中国以外のアジアの国で新規調達先を模索する。ジヤトコ広州は中国初の工場で、ジヤトコが全額出資した。
前輪駆動車用ベルト式ＣＶＴを生産し、日産自動車<7201>の現地工場向けに供給する。年産能力は１４万台。現地調達率向上の課題は、新工場がジヤトコにとって中規模で既存調達先の中国への工場進出が進みにくいこと。このため現地調達した部品を日本に輸入、量を確保することも検討し既存調達先の進出を促す。また、ほかのアジアの国を含め新規供給先を広げる考え。

△松下<6752>、薄型テレビの品ぞろえ拡充－ＴＶの覇者狙う
松下電器産業が薄型テレビの品ぞろえを拡充する。
日立製作所<6501>、キヤノン<7751>と包括提携し、液晶と有機エレクトロルミネッセンス（ＥＬ）の開発、生産に乗り出す。松下の成長戦略はデジタル家電が中核。家電の顔の薄型テレビで「何としてもトップに立つ」（大坪文雄社長）との意地がある。松下の薄型テレビ事業は０７年上期以降、パネル調達に苦しんだ。３２型の販売が世界中で好調だったためだ。薄型テレビの売上高の伸びも液晶の方がプラズマより大きかった。松下が自社のプラズマパネルを採用するテレビのサイズは３７型以上。３２型は日立製作所主導の液晶パネル製造会社からの調達に頼るため、急増する需要に応じた数量を確保できなかった。０８年の五輪商戦でさらに液晶パネルの品薄感が強まると予想される。松下は必要量を手当てしなければならない。日立、キヤノンとの包括提携合意は調達不安を解消する意味が大きい。

△ユーラスエナジー、太陽光発電事業に参入
風力発電事業を展開するユーラスエナジーホールディングスは、太陽光発電事業に参入する。韓国の全羅北道淳昌郡に１０００キロワットの太陽光発電所を建設し、６月から商業運転を開始する計画で、発電した電力は韓国電力取引所（ＫＰＸ）に売却する。設備投資は８億円強を見込んでいる。
建設する太陽光発電所は設置面積約２９００平方メートルで、三菱電機<6503>社製太陽電池モジュールを使用。事業運営は１００％子会社のユーラスエナジージャパンが全額出資で設立した西南太陽光開発（韓国光州広域市）が行う。

△高圧ガス工業<4097>、雨音の抑制塗料を開発
高圧ガス工業は制震機能などを持つ新塗料「シャオンクール（仮称）」と既存塗料の併用で鋼板屋根の雨音抑制に成功した。１平方メートル当たり０・６キログラムのシャオンクールと既存塗料との組み合わせにより未塗装の状態に比べ、雨音を約１０デシベル低減する。遮熱や断熱効果もアップするため、省エネルギーに役立つ塗料として流通ルートに供給を始めた。シャオンクールについては初年度１００トンの売り上げを見込む。シャオンクールは高圧ガスの開発で、制震機能などを備えた充填（じゅうてん）材を含有する。同じ自社製品で遮熱機能を持つ塗料「クールトップＳｉスーパー」を上から重ねて鋼板やスレート屋根表面に塗布すれば、雨音を大幅に低減。遮熱効果も高く、層状塗布した場合の屋根の裏面温度は一般塗料より１０―１５度Ｃ低いという。

△大日本インキ<4631>、粘着テープの生産設備を増強
大日本インキ化学工業は携帯電話の部品はり付けなどに使う粘着テープの生産設備を増強する。埼玉工場（埼玉県伊奈町）敷地内に新たに建屋を建設。テープ用紙に粘着剤を塗る塗工機を導入し、月産能力を現在比２倍の２００万平方メートルに引き上げる。投資額は約２７億円。１１月に稼働する。携帯電話以外に、自動車向け需要の増加に対応する。同社は粘着テープのほかラベルなども合わせた粘着製品全体で２０１２年度に約２００億円の売上高を目指している。今回の能力増強で、目標達成に弾みをつける。

□日鉱金属（新日鉱ＨＤ<5016>）、金属加工と電子材料の両部門を事業統合
日鉱金属は４月１日に電子材料と金属加工の両カンパニーを統合する。電子材料分野は市場変化が激しいため、電子材料が主力の両部門を一本化、情報交換を密にして対応力を高める。両部門が統合した後の０８年３月期の売上高は、単純合算で約２０８０億円に膨らむ。
非鉄業界の電子材料部門は現在、電子材料を主力とする三井金属<5706>に住友金属鉱山<5713>が肉薄し、ともに約２５００億円の売上高がある。日鉱金属の電子材料部門は業界３位ながら、トップ２社と規模の差を大きく縮め存在感を増す。電子材料部門の０７年９月中間の営業損益は、液晶向けターゲットのインジウム価格が低下、在庫評価損が膨らみ、約２・７億円の赤字だった。一方、金属加工部門の営業利益は３１億円の黒字で、収益は安定している。

△関東つくば銀<8338>、基幹系システムを共同利用型に移行
関東つくば銀行は基幹系システムを地銀共同システム「じゅうだん会共同版システム」に移行した。
八十二銀行<8359>の業務パッケージを基盤とした共同利用型のシステム。運営組織「じゅうだん会」は現在、八十二銀をはじめ地銀７行が参加。
すでに阿波<8388>、山形<8344>、武蔵野<8336>、琉球<8399>の４銀行で稼働しており、今回でシステム移行した銀行は５行目となった。同共同版システムはシステムの運用・管理やアプリケーション（応用ソフト）の保守などを日本ＩＢＭがアウトソーシング（外部委託）で請け負う仕組み。今後の新規業務や機能の開発については、八十二銀行と各行が「システム協議会」で検討し、実際の開発を八十二銀行が担当する。

△ローソン<2651>と九九プラス<3338>、協業体制を拡充－商品・物流など３分野で
ローソンと生鮮コンビニ「ＳＨＯＰ９９」を展開する九九プラスは協業体制を拡充する。ローソンが１０日付で九九プラスの第三者割当増資を引き受け、筆頭株主になるのを機に、商品の共同開発や物流の乗り入れを拡大、九九は３年後をめどに、利益面で１５億円の協業効果を引き出す。九九はローソンの物流インフラなどを活用、一方のローソンは九九の商品開発ノウハウを取り込み、生鮮を強化した「ローソンプラス」に導入するなどして相乗効果を高める。

△三重県、高度部材産業のクラスター形成へ－四日市に研究拠点
三重県は世界に通用する高度部材産業のクラスター（集積）形成に乗り出す。研究開発の中核拠点となる「高度部材イノベーションセンター」を四日市市に今春開設し、国内外の企業や大学、研究機関を結ぶネットワークを構築。地域に集積している化学産業と自動車や電機などの川下産業、大企業と中小企業との連携を促進する。地域産業の再生を図りながら、世界的な競争力を持つ高度部材の発展につなげる。高度部材産業のクラスター形成は三段階で進める。第１段階（０８―２０１２年度）は国内の研究開発基盤を整備する。
拠点となる「高度部材イノベーションセンター」を三菱化学（三菱ケミカルＨＤ<4188>）四日市事業所内に３月に開設。電機や自動車などで約１０の研究開発プロジェクトを同センターに呼び込む。経済産業省の「超ハイブリッド材料技術開発」プロジェクトの一部も入居する。
（日刊工業新聞）

△温暖化からサンゴ守れ　大手企業、積極支援
２００８年は先進国に温室効果ガスの削減を義務づけた京都議定書の第１約束期間（１２年まで）の最初の年であるとともに、各国がサンゴ礁保護に協力して取り組む「国際サンゴ礁年」でもある。これに沿って日本でも行政機関や自治体、企業、ＮＰＯ（民間非営利団体）などで組織する推進委員会を中心に、今後、サンゴの保全活動が本格的に始まる。サンゴがつくる地形であるサンゴ礁は、赤道をはさんで北緯３０度から南緯３０度の海に広がっている。サンゴの北限にあたる日本では、琉球列島にもっとも多く分布し、九州、四国、本州と北に行くほど少なくなる。すでに日本でも地球温暖化が原因とみられる白化現象の被害が広がり、現状を詳細に分析したうえで適切な対策を取る必要性に迫られている。日本での国際サンゴ礁年の活動では、こうした実情を踏まえ、まずサンゴが置かれている危機的な状況について、一般にも関心をもってもらい、保護活動参加者の増大を図る方針だ。これと並行して企業、ＮＰＯなどがサンゴの植え付けによる保全活動を展開するのをはじめ、保全に結びつけるためのイベントが沖縄や東京などで年間を通じて開かれる。サンゴの白化現象が問題化するのに連れ、このところ目立ってきたのは大手企業の保全活動への積極姿勢だ。国際サンゴ礁年の日本でのプロジェクトでも、企業が音頭を取って進めるケースが少なくない。
例えばＮＴＴレゾナントは、ネット上で運営するポータルサイト「ｇｏｏ」へのアクセスに応じて、沖縄の海にサンゴを植える仕組みを作り出し、支援を始めた。
三菱商事<8058>も大学や環境ＮＧＯ（非政府組織）と一体となり、サンゴ礁保全プロジェクトに取り組んでいるほか、住友生命保険、
沖縄電力<9511>、全日空<9202>（ＡＮＡ）なども支援活動を展開している。サンゴ礁には生態系を維持して海の恵みを提供する機能に加え、外洋から打ち寄せる波から人家を守る防災などの機能もある。国連環境計画（ＵＮＥＰ）の試算によると、サンゴ礁の経済的価値は１０００平方メートルあたり年間１０万～６０万ドル（１１００万～６６００万円）に達するとみられている。これをもとに算出すると、約７万平方メートルのサンゴ礁がある沖縄本島周辺だけでも、１年間に７億７０００万円から４６億円の経済的価値を生み出していることになる。
（FujiSankei Business i）