2024 11,23 18:20 |
|
2007 12,17 19:00 |
|
朝日新聞 2007年12月15日23時07分 ネパール主要7政党は15日、今年1月にできた暫定憲法に政治体制として「共和制」と明記し、実際の共和制移行は、来年前半に予定する制憲議会選挙後の同議会の第1回会議で承認することで大筋合意した。ネパールでは昨年4月、ギャネンドラ国王の独裁政治への市民の抗議運動が成功。「王制存続か共和制移行か」が問われてきたが、王制廃止が確実な情勢になった。 主要政党の一つ、統一共産党の幹部が15日、カトマンズで報道陣に明らかにした。16日にも暫定議会で共和制を明記した暫定憲法改正案が通過する見通し。改正案は、選挙を来年4月12日までに実施するとしている。 制憲議会選挙はもともと今年11月に予定され、主要7党は王制廃止の立場を決めていた。だが、武装勢力の共産党毛沢東主義派(毛派)が選挙前の共和制移行を主張して不参加を示唆したため、延期されていた。 今回は、毛派を選挙参加させるために他党が妥協し、暫定憲法での共和制明記まで踏み込んだ。同時に、「選挙を経ない共和制移行は認められない」との国際社会の声に答える形で、制憲議会での承認を共和制移行の条件とした。 今後は公正な選挙実施に向け治安の確保が課題となる。南部では今年、インド系住民の権利拡大運動が暴動に発展している。 外国為替レート 2007年12月6日現在
ネパール:平和が訪れても、人身売買は止まない 【カトマンズIPS=マーティ・ローガン】 ネパールでは10年に及ぶ流血の内戦も終結が見えてきたが、拡大する少女や女性の人身売買の問題に取り組む人々にとっては、必ずしも朗報と喜べる状況にはない。 和平交渉が成立すれば、マオイストの反政府活動のなかで国内避難民となった何万もの人が故郷に帰る。しかし一旦村に戻っても、多くの人は再び村を出て行く方法を早々に探し始め、やがて人身売買業者の犠牲となるだろう、と人身問題に取り組む当局者は危惧している。 「人身売買は増えるだろう。都会での生活を経験して帰還した国内避難民は、故郷の生活に欠けているものに気付くだろう。そして再び故郷を出る方法を見つけようとする」と、女性と子どもの人身売買に関するナショナル・ラポルトゥールを務めるパドマ・マテマ氏はIPSの取材に応えて語った。 4月の「人民運動」の圧力によってギャネンドラ国王が下院を復活させて以来、マオイストと政府の指導者間で遅々としながらも和平プロセスが進められている。きわめて脆弱に見える和平プロセスではあるが、なんとか持ちこたえており、総人口2,500万のこの国の「包括的な」新憲法を起草する憲法制定議会の選挙実施に至ることが期待されている。 マテマ氏は、平和が維持されれば、女性も少女も村の生活に戻るだろうが、しかし今度は家事の重荷や賃金労働の機会の欠如を理由のひとつに、彼女たちも村を出て行く道を探し始めるかもしれない、と言い添えた。マテマ氏の事務所「女性と子どもの人身売買に関するナショナル・ラポルトゥール・ネパール事務所」は、ネパール国家人権委員会の一角を担っている。 同事務所が9月12日に発表した報告書『ネパールにおける特に女性と子どもの人身売買、2005年』は、「女性と少女の人身売買の長期的解決策は、貧困削減と普遍的教育の有効なツールを実施して・・・持続的経済成長を遂げることにある」と述べている。 さらに報告書は、村人にも、国内外の中心地の雇用情報へのアクセスも交通のアクセスもある(それは時に最悪の結果を迎える)現代において、人身売買の既に多面的な原因はさらに一層複雑になっていると指摘している。 報告書は続けて、「都会の雇用機会は容易なものではなく、失業して、簡単に、カーペットや縫製工場そして娯楽産業での高収入の夢を売る人身売買業者の餌食となる」と記している。 報告書は、娯楽産業といっても、通常は、首都カトマンズや他の都市の公然には売春はしていないもののいわゆる性風俗店であるダンスレストランやキャビンレストランで働くことになる、と説明している。 男性の人身売買も行われている。男性は、職に就けるとの見通しで中央に出てくるが、結局は労働搾取の犠牲となる。 報告書は、この南アジアの国の人身売買の60%が性労働の目的、40%が縫製工場での辛い仕事など労働力供給の目的であると推定している。 「性労働以外のさまざまな目的の人身売買については、戦略的に取り組む必要がある・・・きちんとした定義がないために法律、計画、政策の策定に混乱が起きている」と報告書は付言している。 また、毎年およそ1万人の女性や少女が、長い歴史を持つ職業である性労働のためにインドに人身売買されていると言われている。しかし今日、ネパールの南のこの巨大な隣国は女性をバングラデシュ、マレーシア、クウェート、カタール、ドバイ、韓国、タイ、香港に売り渡す中継地にもなっている、と報告書は述べている。 正規労働のために移住する女性のうち実際何人が人身売買され、搾取されているか、ネパールには統計がない、とマテマ氏は述べている。 この10年に及ぶ紛争で、人身売買を生む温床が出来上がったことは明らかである。「国内各地から都会に出てきた女性や少女は、ホテルやレストランで働き始める」と報告書は述べている。 「(こうした場所が)人身売買業者の『連絡所』となり」、業者はもはや獲物を探しに村にいく必要はなくなっている。 反政府勢力のマオイストと治安部隊との戦闘を逃れて1日500人もの子どもがインドに逃げたが、インドでも同様に脆弱な立場に置かれた、と報告書は伝えている。 2005年に発表された調査結果によれば、インドの大都市の売春宿の主人は、途方もない利益をあげられることから強欲にも新しい働き手を求めている。ムンバイとコルカタの売春宿の主人は、7カ月で少女や女性の「代金」を取り戻せるという。 つまり、彼女たちが「奴隷状態」にある間に創出される収入の残りの部分はまったくの利益になるということだ、とNGO「Terre des hommes」の調査報告書『ムンバイとコルカタにおけるネパールの人身売買された少女と女性に関する調査』は断定している。 国連の国際労働機関(ILO)によると、インドのこの2主要都市の売春宿ではおよそ3万人のネパール人が働いており、平均3年から5年間奴隷状態にある。 彼女らの多くは帰郷を望んでいるが、家族やコミュニティから疎外されることになると承知している、と「Terre des hommes」は伝えている。マテマ氏の報告書は、それ故に社会復帰に政府は優先して取り組むべきと提言している。 「私たちの社会文化的規範と信条から言えば、女性が人身売買されたら、家に再び受け入れられることはない・・・したがって、どこか別の場所で暮らさなければならず、彼女たちは心身のケアとともにトレーニングを必要としている」と、マテマ氏は語っている。 マテマ氏の報告書は、問題への取り組みに向けて39の提言を行なっており、その多くが長いもので、政府とNGOの数多くの活動の調整に関するものである。 マテマ氏は、9月14日、女性省の高官およびNGOの統轄団体である社会福祉協議会の役員と面談し、協力協定の立案について話し合う予定であった。 ネパールの歴代の政府は、人身売買に対処するため国際条約に調印し、国内法を制定し、行動計画を作成してきた。しかしさらになすべきことは多い、と報告書は結んでいる。 例えば、政府は、75ある郡のうち26の郡を「人身売買が多い」地区と指定した。しかしながらそれから1年、人身売買が疑われ、報告された事例はわずか150にすぎない。マテマ氏は「資金が十分でない」と述べている。 JANJAN PR |
|
コメント |
コメント投稿 |
|
trackback |
トラックバックURL |
忍者ブログ [PR] |