11/13 朝の『株価材料』PART Ⅳ

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■株価材料

△「水木しげるモデル」など5種追加　ソフトバンク<9984>モバイル
ソフトバンクモバイルは2007年11月9日、同社の端末「fanfun. Softbank 815T」(東芝製)に、「忍者戦隊ガッチャマンモデル」「水木しげるモデル」など5モデルを追加する、と発表した。同機種は端末本体の表面や待ち受け画面などに関連キャラクターがデザインされている。発売日は「水木しげるモデル」と「DOLLY GIRL BY ANNA SUIモデル」が11月17日で、「忍者戦隊ガッチャマンモデル」「玉置成実モデル」「松岡充 produce mm'71 Mobile」が11月23日。
（J-CASTニュース）

△スバル（富士重工業<7270>）がイギリスの爆撃機の復元を支援
スバルUKは、イギリス政府が行った爆撃機アブロ「バルカンXH558」（Avro Vulcan）の復元作業を支援する。アブロ・バルカンは、主に1950 - 60年代に英空軍で使用された爆撃機で、1984年に退役した。今回、イギリス政府の資金援助と、部品会社の協力によって復元された。2008年1月より、航空ショーなどでその姿を披露する。スバルの前身は航空機メーカーの中島飛行機だが、今回の支援は、爆撃機の復元作業そのものではなく、航空ショーの作業用車両として、スバルのSUV『トライベッカ』（Tribeca）を提供することになった。
（レスポンス）

△日立<6501>と東北大、出力電圧５０倍以上の磁気センサーを試作
日立製作所と東北大学電気通信研究所は共同で、次々世代の大容量ハードディスク駆動装置（ＨＤＤ）の読み取り部に使う新構造の磁気センサーを試作、実用の可能性を実証した。素子の微細化に適した「スピン蓄積効果」と呼ばれる原理を応用し、従来比５０倍以上の高い出力電圧を得た。記録密度が現行製品の５倍以上となる１平方インチ当たり１テラビット（テラは１兆）を超える２０１０年以降のＨＤＤ製品に適用を目指す。スピン蓄積効果は磁石の性質を持つ磁性体と、持たない非磁性体を重ねて電流を流すと、一部の電子（スピン電子）が非磁性体に蓄積する現象。磁性体に加わる磁界の向きと非磁性体を流れるスピン電子の向きが一致すると電流が流れ、逆だと流れなくなる。外部からかけるこうした磁界で大きな電圧変化が生じ、センサーとして機能する。共同チームは、ＨＤＤ記録媒体の情報を読み取る磁気ヘッドの主要部である磁気センサーにこの効果を応用した。非磁性体にアルミニウム、磁性体にコバルト鉄の薄膜を使用。アルミの薄膜に二つのコバルト鉄薄膜を平行に載せ、それぞれスピン電子を注入する固定層と磁界の反転を検出する自由層とした。また接触面には酸化アルミニウムの絶縁膜を挿入し、スピンを選別しやすくした。この新構造で試作した素子幅５０ナノメートル（ナノは１０億分の１）の磁気センサーに１００マイクロアンぺアの電流をかけたところ、最大で４２マイクロボルトの大きな電圧変化を確認。素子寸法を微細化するにつれ電圧が増大する理論特性も実証した。磁気センサーの小型化や検出感度の向上を見込めるため、将来のＨＤＤ磁気ヘッドに有効としている。この研究は文部科学省委託事業の一環で行った。

△ＮＥＣエレ<6723>、神奈川・相模原に訓練場開設－熟練ワザ数値化し伝承
ＮＥＣエレクトロニクスは相模原事業場（神奈川県相模原市）内に熟練技能者を配置した「半導体ものづくり推進センター」を開設した。樹脂封入（パッケージング）など半導体製造後工程の生産性向上が狙い。推進センター内に半導体製造装置の分解や組み立て、調整などができるトレーニングルームを１２月に設置し、各地の生産拠点から従業員を受け入れて技能訓練する。これにより製品不良率を減らすほか、労働生産性を２０％向上する。半導体ものづくり推進センターは、熟練技能者の経験や勘に基づく“暗黙知”を数値化し目に見える“形式知”として標準作業手順に落とし込むことを主眼とする。半導体の製品不良率は一般的に１ｐｐｍ（百万個に１個）から０・１ｐｐｍほどで、マイクロコンピューターでは１０００万個に１個、ダイオードで１億個に１個発生する可能性がある。この不良率の一ケタ改善を目指す。また、作業をマニュアル化して、従業員一人当たりの付加価値生産性を２０％高めていく。まず、製造後工程を担う海外工場から研修生を受け入れ、日本国内のＮＥＣセミコンパッケージ・ソリューションズ（ＳＰＡＣＫＳ）に広げる。１年後には国内の拡散（製造前）工程からも受け入れる。ＮＥＣセミコンダクターズ・マレーシアではパッケージの下面にハンダボールをつけたボール・グリッド・アレイ（ＢＧＡ）製品を、中国上海市の首鋼日電電子とＮＥＣセミコンダクターズ・シンガポールでは外部入出力用のピンをパッケージの四辺に配置したクアッド・フラット・パッケージ（ＱＦＰ）製品の生産をそれぞれ拡大する。これに向けて、半導体ものづくり推進センターが研修生を受け入れ、組立工程の技能水準の向上を図る。ＮＥＣエレクトロニクスは２月に公表した経営計画で、０９年度までに原価率２％改善を目指し製造後工程の海外移管などを打ち出した。今回設けた半導体ものづくり推進センターはこの方針に沿い、主に海外工場の労働生産性向上を後押ししていく。

△松下電工<6991>、工具の傾き検知するＭＣ向け装置を発売
松下電工はマシニングセンター（ＭＣ）の工具の傾きを検知する「プロファイルチェッカＰＫ１０」を１２月１日に発売する。運転時の主軸の振動音を波形解析し、傾いた工具による精度低下や加工不良の防止につなげる。価格は１台１４５万円。０８年度は月間１００台の販売を目指す。振動波形解析技術と人工知能技術を利用。工具先端の傾きで５マイクロメートル（マイクロは１００万分の１）の検出が可能となった。正常・異常を判断する基準である閾（しきい）値は、良品の音データを収集するだけで自動生成可能。専門知識がなくても検査が行える。松下電工は基板の外観検査を自動化する画像処理検査事業をすでに展開。同装置の投入で、波形検査事業にも本格参入する。

△ＮＥＣ<6701>、米社とＯＳＳ違反使用防止検査ツールの日本販売で合意
ＮＥＣはソフト開発の潜在リスクになるオープンソースソフト（ＯＳＳ）の使用条件（ライセンス）違反を未然に防ぐ検査ツールの国内販売で、開発元の米ブラックダック・ソフトウエア（マサチューセッツ州）と基本合意した。１０００種類以上のＯＳＳライセンスに対応。使用を想定していないＯＳＳのソースコード（設計図）が自社開発ソフトに混入していないかを自動検出できる。導入支援サービスなどを含め、３年間で１５億円の販売を見込む。販売する「プロテックスＩＰ／ディベロップメント」は海外で３５０社以上の採用実績を持つ。ＮＥＣは自社での導入実績を踏まえて、ソフト開発のライセンス管理を総合支援するサービスを体系化。価格は最小構成で１サーバあたり年間２７０万円。同ＩＰはウイルスソフトなどの検知と同様にマッチング方式によりＯＳＳソースコードが混入していないかを検出。検査項目に該当するコード部分とそれに適用されているライセンス条件を的確に掌握する。マッチング用には１０００種以上のＯＳＳライセンスに関する詳細情報を知識ベースとして管理。１５万種類以上に及ぶＯＳＳソースコードをカバーし、日々更新している。無償公開・利用改善自由なＯＳＳは世界中の開発者がかかわり「ソースコードはギガバイト単位で日々増え続けている」（ＮＥＣ）という。これに伴って自社ソフトを開発する際、ＯＳＳのソースコードを改変したりその一部を利用するケースが増加している。一方でＯＳＳの使用条件に対する理解と管理が不十分なため、知らないうちにライセンス違反となるケースも相次いでいる。ＮＥＣはまずＯＳＳの活用が必須の組み込みソフト分野を中心に同ＩＰの拡販に乗り出す。さらにソフトのオフショア（外部委託）開発でも委託先が不用意にＯＳＳを利用し、ライセンス違反を引き起こすケースなども想定。「ソフト開発に関する内部統制強化の観点」（同）でも需要拡大を見込む。

△日立<6501>、ユーザーＩＤを一元管理するソフト発売
日立製作所はさまざまなシステムのユーザーＩＤを一元管理するソフトを発売した。業務システムで管理するユーザー情報を取り込んで複数のシステムにユーザーＩＤ情報を配信できるため、退職や人事異動によるユーザーＩＤの変更漏れを防げ管理コストも削減できる。価格は３１５万円から。金融機関や自治体、企業向けに３年間で１５０社への販売を見込む。新製品「ヒットソフィア」は入館管理システムで許可されたユーザーのみパソコンへのログインや印刷を可能にするなど複数のシステムと連携したセキュリティー対策が可能。各システムの認証状況や操作ログ（履歴）の一括管理もできる。

△通信機器各社、ＣＯ２削減へ省電力化を促進
通信機器メーカーはＣＯ２削減のため製品の省電力化を促進する。
ＮＥＣ<6701>や日立製作所<6501>は回線の中継を行うスイッチなどの消費電力を５０％低減するほか、富士通<6702>も大幅に省電力化したネットワークサーバを発売した。通信の高速大容量化に伴い機器の性能も飛躍的に向上する中で、急増する消費電力量への懸念が拡大している。次世代ネットワーク（ＮＧＮ）が０８年に始まることもあってデータ通信量のさらなる増大が予想され、各社は省エネルギー対策の強化を打ち出した。ＮＥＣは２０１０年度までに、同社が製造する全通信機器の消費電力を０５年度と比べ処理能力（スループット）当たり半減を目指す。０６年度実績ではスイッチとルーターに限れば、同３０％弱から９０％までと削減率に幅がある。組み込む高密度集積回路（ＬＳＩ）の低消費電力化や高集積化をさらに進めて、０７年度削減率目標の同２０％から年１０％ずつ引き上げる。日立はスイッチなどの通信機器の消費電力を自社従来品比で５０％削減する。試作段階ではすでに達成しており、商用化レベルでの目標達成へ向けて開発を進める。ＬＳＩの集積率向上により部品点数を減らす「集中エンジン方式」を採用。キャッシュＤＲＡＭ（記憶保持動作が必要な随時書き込み読み出し高速メモリー）などを使い、高速通信性能は維持する。富士通も通信機器の環境負荷低減への取り組みを進める。外部通信網と社内網の間に設置するネットワークサーバの消費電力を従来品比で最大５７％減らした。スイッチング電源回路の電力損失などを抑えることで大幅な省エネを実現した。

△関電<9503>システムソリューションズ、０９年度めどＳＥ５００人体制に
関電システムソリューションズ（兵庫県西宮市、北本浩之社長、０７９８・４６・２２００）は、０９年度までにシステムエンジニア（ＳＥ）を約２００人増の５００人体制に拡充し関西電力グループ以外への販売力を強化する。新卒、中途採用を積極化するほか、企業の合併・買収（Ｍ＆Ａ）により営業体制を充実。外販比率を現在の約１０％から３０％に引き上げる。外販では自治体向け水道事業や住民サービスシステム、医療システムなどに力を注ぐ。また企業の再編・統合の活発化に対応し、グループ統合会計システムや災害時の事業継続プランなどで市場開拓する。同社は関西電力系の総合情報システム企業。情報システムの設計、開発、運用管理やデータセンター、コンサルティング事業などを主力にし０７年３月期の売上高は約２９９億円。うち約３０億円を関電グループ以外で計上した。経営体質強化のため関電グループ以外への外販力拡充を課題にしてきたが、ＳＥ不足から十分対応できずにいた。

△富士電機<6504>デバイス、プラ中の有害物質分析で国際規格の認定取得
富士電機デバイステクノロジーは国際標準化機構（ＩＳＯ）と国際電気標準会議（ＩＥＣ）が定める試験能力規格「ＩＳＯ／ＩＥＣ１７０２５」の認定を取得した。プラスチック中の有害物質の分析について認定を受けた。半導体の封止樹脂の自社分析が目的。認定取得のため、測定器の準備や担当者の配置などで数億円をかけた。測定のための試料づくりや、分析技術やデータの取り扱いかたなどのノウハウ蓄積も進めてきた。欧州特定化学物質規制（ＲｏＨＳ）対応製品を供給するときに、認定に基づく信頼性の高いデータを提示できるようになる。材料技術部分析技術グループが認定を取得した。ポリエステル、エポキシ樹脂、ポリエチレン、ポリアミドの中のカドミウム、鉛、クロムの有害元素の分析、測定が認定の対象となる。認定機関は日本適合性認定協会。ＩＳＯ／ＩＥＣ１７０２５の認定を得たのは国内半導体メーカーで３社目。認定取得により分析などを外部機関に依頼せずにすむため、コストを削減できるメリットもある。今後半導体封止用樹脂だけでなく、ほかの樹脂の分析でも認定を取得していく方針。ＲｏＳＨは有害物質の使用を規制する。今後は規制物質のデータは認定試験機関での分析、測定を義務づけるなど測定方法に関する規制も検討しており、富士電機デバイステクノロジーはこの動きを先取りした。

△ＯＫＩ<6703>、指紋認証０．８秒以下のワンチップＬＳＩをサンプル出荷
ＯＫＩ（沖電気工業）は１２日、指紋認証をワンチップで実現できるＬＳＩ「ＭＬ６７Ｑ５２５０」のサンプル出荷を始めたと発表した。３２メガヘルツクロックにより指紋画像取り込みから認証までを０・８秒以下で実行。従来、外付けしていたフラッシュメモリーやＳＲＡＭ（記憶保持動作が不要な随時書き込み読み出しメモリー）を内蔵、最大１５指まで指紋データを登録できる。指紋認証アルゴリズムには指紋の凹凸を波形データに変換して照合する周波数解析方式を採用した。スライド・センサーやタッチ・センサーに対応する。サンプル価格は１５７５円。１２月にソフトウエア開発キットの出荷を開始。０８年４月に量産を始める。月産２０万個を計画する。

△昭和飛行機<7404>、米ボーイング７８７向け炭素繊維複合材部品を増産
昭和飛行機工業は米ボーイングの次期旅客機「７８７」用の炭素繊維複合材部品を増産する。０８年春までに３億円を投じて複合材硬化炉（オートクレーブ）を導入する。昭和飛行機は現在、同硬化炉を１基保有しているが、老朽化しているうえ、受注量が増加。追加導入により、同部品の生産能力を現状比８０％増とする。導入する複合材硬化炉は炭素繊維複合材部品を、高温高圧で焼き固める装置。同部品は従来のアルミニウムやチタン合金に比べ軽量で強度に優れており、民間旅客機などへの採用が拡大するとみられている。同社は０６年以来、７８７をはじめ防衛省向け次期固定翼哨戒機（ＸＰ―１）や次期輸送機（ＣＸ）用の複合材部品を生産能力を超えて受注している。「フル生産の状態を続けている」（赤沢淳取締役）ことから、硬化炉の追加導入を決めた。

△木村化工機<6378>、スイス・ビアッチと契約し水素化反応設備など独占販売
木村化工機はスイスのビアッチ（モントレー市）から水素化反応設備、ニトロ化設備の販売を受託する契約を結んだ。国内の化学、医薬品、食品業界向けに独占販売する。価格は反応釜容量約５立方メートルの水素化反応設備で約３億円。初年度約１０億円の販売を見込む。ビアッチはプラントの基本設計や気液混合撹拌システム、反応器内部に取り付けるプレート式熱交換機などを木村化工機に供給。木村化工機はプラント設計業務のほか周辺機器製作、プラントシステム建設を行い、国内企業に納入する。ビアッチは接着剤や抗生物質などの製造プラントで使う水素化反応設備やニトロ化設備を開発している。木村化工機は技術力を生かし、ビアッチの両設備の高速反応、ランニングコスト削減などの機能、安全性をセールスポイントに拡販する。

△建機大手、中国で販売代理店向け顧客情報管理システムを導入へ
建設機械大手の日立建機<6305>とコマツ<6301>は、それぞれ中国全土の販売代理店と営業情報を共有するＩＴシステムの導入を始めた。代理店の商談情報をいち早くつかみ営業強化や代金回収に役立てるほか、現地工場の生産計画に生かす。日立建機は顧客管理システムを９月に開発、現地合弁会社で試験運用を開始した。コマツもこのほど代理店で本格導入に着手した。中国の販売代理店向け顧客管理システムの開発はコマツが先行、日立建機が追随する。日立建機とコマツは顧客管理システムがない中国で代理店向け顧客管理システムの運用ノウハウを蓄え、東南アジア、東欧など新興工業地域への水平展開も視野に入れている。日立建機はシステム普及を最優先するため、代理店に導入費用の負担は求めない方針。システムは顧客管理、訪問情報などを登録できる。

△アルパイン<6816>、中国でカーナビなど増産－大連工場に最新設備
アルパインは、主力の中国大連工場（遼寧省）でカーナビゲーションシステムや車載オーディオ機器を増産する。８億―１０億円を投じて０８年夏までに工場を拡張し、年間生産高を売価ベースで現行比２０―２５％増の５００億円に引き上げる。中国自動車メーカー向けＯＥＭ（相手先ブランド）市場の需要拡大に対応し、廉価品だけでなく高付加価値製品も製造できるよう、生産体制を整えていく。中国の連結子会社「大連アルパイン」は、主に中国、欧州市場向け製品を生産する。すでに拡張工事に着工しており、０８年上期の稼働を目指す。新型の生産設備を導入し、製品の大型化や高機能化への対応を急ぐ。大連工場は現在、安価な製品を多く生産するが、今後製品ラインアップを見直し、高機能製品を増やす。現在、日本で生産している製品を一部移管する。オーディオ機器とカーナビシステムの年間生産量の総計は、約１５０万台で現在とほぼ変わらない見通し。

△ショーワ<7274>、車用パワステ部品をタイ工場で増産
ショーワは、今月下旬に稼働するタイの自動車用パワーステアリング部品生産会社「ショーワオートパーツタイランド」の生産計画を上積みする。０９年度に２３万台分だった当初計画を、同３９万台分に修正する。２０１０年度は年産４１万台分に引き上げる見通し。
主要取引先のホンダ<7267>が、タイで０８年後半に４輪車第２工場を稼働し、年産能力を２４万台に倍増させるのに対応する。同工場はホンダのタイ拠点、ホンダオートモービル（タイランド）が生産する「アコード」「シビック」「ＣＲ―Ｖ」など向けに、電動パワステ用部品を中心とする自動車部品を生産する。近く、グローバル生産が始まる戦略車「フィット」用の電動パワステ部品も受注したもようで、ホンダの増産に合わせ、前倒しで生産数を増やす必要が生じてきた。部品内製用の加工設備や、トルクセンサーなど構成部品の組み立て設備を急ぎ拡充して、対応する。総投資額は１０億円の計画。

△三菱マテ<5711>、伸銅新会社で構想－５年後に年産２０万トンへ
三菱マテリアルは、連結子会社で０８年４月に合併する三菱伸銅<5771>と三宝伸銅工業（堺市堺区）の伸銅新会社について、５年後の２０１２年度に年産２０万トンにする構想を明らかにした。子会社がもつ生産設備の効率的な活用や生産品目の最適化を図り、現行の約１５万トンから約３割増産する。増加分の大半は強みの銅合金ベースの銅条に割り当て、小型・薄肉化と高強度が要求される「高級銅条」で世界トップを目指す。三菱伸銅と三宝で重複する生産品目を一方に移管し、空き設備を銅条の生産に転用する。すでに三菱伸銅が生産していた一般材２００トン分は三宝での生産に切り替えた。三宝は５０億円前後を投じ０９年１月稼働に向けて大型圧延機を導入し、代表的な銅条である半導体リードフレーム向け電子材や、端子コネクター用の端子材を生産する。圧延機の導入に際しては、三菱伸銅がもつ電子材や端子材の技術ノウハウを活用する。

▼油脂４社、０７年９月中間－原料高響き軒並み減益
油脂大手４社の０７年９月中間が１２日出そろった。値上げ効果などで全社増収となったが、原料高の影響が大きく、軒並み減益。下期も原材料価格は上昇する見通しで、各社はコスト削減や高価格帯商品の拡販と並行して、一層の値上げに意欲をみせている。油脂は業務用・家庭用ともに価格が上昇しており、加工食品などへの影響もさらに広がりそうだ。
日清オイリオグループ<2602>は値上げ効果で増収だったが、原材料価格が前年同期比１１５億円増となり、当初見込みから上振れした。販管費の削減や値上げに踏み切るも、「原料高が急ピッチで進み、コスト高をカバーできなかった」（日清オイリオ）ことから、大幅減益を余儀なくされた。
不二製油<2607>は国内でのパーム油関連商品の販売増に加え、海外でチョコレート用油脂などが好調だったため増収。しかし、国内を中心に原料高のあおりを受けた。
昭和産業<2004>は業務用油脂全体の販売数量は前年を割ったが、値上げが寄与し増収。

△北海道電<9509>、ボイラ管を超音波で検査する石炭火力向け装置を開発
北海道電力は、日本製鋼所子会社の日鋼検査サービス（北海道室蘭市）と共同で、石炭火力発電所のボイラ管を超音波で検査する測定装置を開発した。０８年度から発電所の定期点検で使用する。日鋼検査サービスでは電力会社をはじめとして全国のボイラ点検などに活用する。同装置によって点検期間は最大で半減し、費用も同３分の１程度まで削減できるという。石炭火力のボイラ管の肉厚測定には、狭いところにボイラ管が密集しているため、まとまったブロックごとに切り出して行う必要があった。両社で開発した測定装置では、ボイラ管間のすき間を利用して非破壊検査できるのが特徴。厚さ３・２センチメートルの薄型の筐体に左右前後にスライドする探触子を備え、管周、管軸方向とも１ミリピッチの精度で超音波測定できる。

△日本化成<4007>、南関東・中京地区に尿素水の製造拠点を新設
日本化成は１２日、南関東と中京地区に、ディーゼル車の排ガス処理に使う高品位尿素水「アドブルー」の製造拠点を新設する方針を明らかにした。０９年以降の排ガス規制強化に伴い需要増が見込めるため。２０１０年までに稼働させる考え。同社は、外部企業への委託なども含め新拠点の設置方法を検討している。設備投資額や生産能力などは未定。アドブルーは現在、黒崎工場（北九州市八幡西区）と小名浜工場（福島県いわき市）で生産する。１２月には兵庫県尼崎市の委託先工場内にも製造拠点を新設する予定。これにより同社の生産能力は年６万２０００キロリットルになる。さらに需要拡大が見込まれる南関東などでも製造を始め、供給体制を拡充する。

△鹿島<1812>、保全管理システムを開発－生産設備を３次元表示
鹿島は３次元ＣＡＤデータの活用で生産設備の保全管理をしやすくするシステム「ピー・サーバント」を開発した。工場の建物と内部の設備を３次元ＣＡＤデータにし、コンピューターで設備管理者に立体的な画像で設備個所を分かりやすく表示する。これにメンテナンスの作業履歴など設備の保全に必要なデータベース（ＤＢ）を組み合わせて保全業務を支援する。システムのソフト価格は単体で８４０万円。これに建物や設備のデータを作成するための構築費がかかるが、鹿島が設計・施工をした物件についてはデータを保有しているため割安となる。設計図が残っていない古い建物の場合も、同社がレーザー計測で図面を作成し、それを３次元ＣＡＤデータ化する。設備の保全に関する情報は、各クライアントからアクセス可能な共通のＤＢとしてサーバに保全されるため、保全情報を社内で共有できる。

△住商<8053>とペトロブラス、南西石油を共同経営－ブラジルの重質油精製へ
住友商事は１２日、東燃ゼネラル石油がブラジル国営石油会社のペトロブラスに売却する南西石油（沖縄県西原町）の共同経営について、ペトロブラスと基本合意したと発表した。計画によれば、両社は３年後をめどに、ブラジル産の重質原油に対応するための新規設備投資を行う。石油製品は引き続き沖縄県内に供給するほか、需要の旺盛なアジア地域にも輸出を始める。南西石油の現在の精製能力は日量１０万バレル。沖縄県内の需要は同４万バレルにすぎず、設備稼働率は５０％程度に低迷。しかも東南アジア産の軽質原油しか対応できないため、両社では、常圧蒸留装置（トッパー）に重質油精製に対応する２次装置を取り付ける計画。ブラジル産原油による採算向上を狙う。設備投資額は１０００億円規模の見通し。両社は、日本やアジア地域でのバイオエタノール事業でも南西石油を活用する。

△伊勢丹<8238>と三越<2779>、競合店舗を一体運営－統合に向け新潟で実験
伊勢丹は０８年４月に経営統合する三越の店舗と競合している地区の対策として、新潟で両社の店舗を一体的に運営する実験を始める方針だ。両社の店舗は現在、東京・新宿、札幌、福岡、新潟で競合している。伊勢丹によれば、新潟は両社とも１００％子会社が運営している。そのため両子会社がそれぞれ運営している現体制を改め、店舗運営を事実上、一元化するとしている。新潟市内にある両社の店舗は信濃川を挟んで２キロメートル程度の至近距離。イベントの共同企画や物流をはじめとする後方業務を一体化する方針。１、２年程度かけてノウハウを蓄積し、札幌や福岡でも同じ運営形態を導入するとしている。ただ、東京・新宿については、伊勢丹が進める同地区の再開発計画の中で三越新宿店の位置づけを考えていきたいという。

△ソフマップ<2690>、ビックカメラ<3048>内に中古パソコン買い取り販売の店舗設置
ソフマップはビックカメラ店舗でのインショップ展開に乗り出す。すでにビック店内に中古パソコンなどの買い取りセンターを設けているが、それとは別の、中古パソコンやカメラの買い取り・販売店舗とする。ビックの新品買い替え顧客の利便性を高めるとともに、中古の販売でビックの商品政策を補完する。ソフマップはビックの連結子会社になって以来、すでに仕入れ業務の統合に向けた基盤整備にも着手しており、協業が活発化してきた。インショップ展開は２０日にビックが開業する「岡山店」から始める。買い取りセンターの展開とともに、中古パソコンや中古ソフトを販売していく。ソフマップはこれまでビックの既存店１０店舗に買い取りセンターを設けているが、今後、岡山店で中古パソコンの買い取りおよびインショップのノウハウを蓄積する。また岡山店では同店限定でソフマップとビックの初のポイント交換サービスも実施。

△オリコ<8585>、伊藤忠<8001>建材と提携－住宅リフォームローン拡販
オリエントコーポレーション（オリコ）は伊藤忠建材（東京都中央区）と提携し、建材流通店や地域の工務店を通じた住宅リフォームローンの拡販に月内に乗り出す。伊藤忠建材と取引のある建材流通店を窓口として、工務店との加盟店契約の締結を進める。当初１年間で工務店５００社との加盟店契約締結を目指し、提携によるリフォームローン残高の純増額は１０億円を見込む。オリコは伊藤忠建材と取引の深い全国約２００の建材流通店に対し、伊藤忠建材と共同でリフォームローンの導入提案を行う。さらに、建材流通店から工務店の紹介を受けることで、各工務店との加盟店契約の締結を進めていく。オリコは伊藤忠建材の取引網を通じた販路開拓により、個別に地場の工務店にリフォームローンの取り扱いを提案する手間が省け、効率的な加盟店拡大が図れる。
（日刊工業新聞）