10/26 朝の『株価材料』PART Ⅳ

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■株価材料

△ＦＴＴＨ加入者、値上げ響き伸び悩み－ＩＳＰ各社まとめ
インターネット接続事業者（ＩＳＰ）における家庭用光ファイバー通信回線（ＦＴＴＨ）の加入者数が伸び悩んでいる。各社は今春以降、集合住宅向けプランの値上げを断行。急増する通信量に対応するための設備投資負担増を補うためだが、加入者の新規獲得が低迷することも予想していた。その懸念が実際に数値に表れてきた。
ニフティ<3828>は０８年３月期末のＦＴＴＨ会員数目標を１０７万人から９７万人に下方修正した。同社は他社に先駆け５月の加入分から金額ベースで最大４２０円、率で同１２・７％値上げ。２５日の中間決算会見で和田一也社長は「他社も早々に追随値上げすると読んだが、意外に遅かった」とこぼす。
ソネットエンタテインメント<3789>は７月に１０月からの値上げを発表。７―９月期のＦＴＴＨ加入者の伸びを見ると、０６年の５万人に対し０７年は３万人にとどまった。吉田憲一郎社長は「値上げしない他のＩＳＰにお客さまが流れた」と分析する。
９月に１２月からの値上げを発表したＮＥＣビッグローブは「他社がすでに値上げを表明していたこともあり、今のところお客さまの反応は冷静。ただ１２月にならないと分からない部分もある」（佐久間洋専務）。現状は先行値上げ組の苦戦が目立つが、各社の足並みがそろう今年度末の加入者数が注目される。

△総務省、ＮＧＮ制度整備に着手－他事業者の利用条件など情通審に諮問
総務省はＮＴＴ<9432>が０８年３月に開始する次世代ネットワーク（ＮＧＮ）の制度整備に着手する。２６日の情報通信審議会電気通信事業部会に、他事業者がＮＴＴのＮＧＮを利用または相互接続する際の接続ルールのあり方を諮問。ＮＧＮをどこまで開放させ、接続料をいくらにするかをはじめ、接続条件や接続料の決め方などのルール整備が検討される。なかでも焦点になるのがＮＴＴの光ファイバー回線の他事業者への貸し出し問題。今後検討される光回線の接続料認可も巻き込み議論が紛糾するのは必至だ。
ソフトバンク<9984>、ＫＤＤＩ<9433>、イー・アクセス<9427>など７社はこのほど連名で「ＮＴＴ光回線を分岐回線単位で借りられる制度整備を求める」との意見書を総務省に提出した。
ＮＴＴ東西地域会社が他事業者に貸し出す方式の一つに、１心の光ファイバーを最大８回線に分岐するシェアドアクセス方式がある。現在のルールでは他事業者は１心を一括借りする必要があり、接続料は月額５５１１円。近隣で加入者を多数獲得すれば１回線あたりのコストは低くなるが、現状では１心の下に１世帯しかいないことが多く同５０００円程度の提供価格との逆ざやが発生している。このため７社は貸し出しルールを変更し、１心をＮＴＴを含む複数事業者で共用。１回線ごと（８分の１心）に割安で借りられる料金を設定してほしいと主張している。これに対しＮＴＴは「共用すると通信速度やサービス提供に必要な品質を維持できない」として拒否している。このほかにもＮＧＮを開放義務づけの根拠となる第１種指定電気通信設備とするか、ＮＧＮ接続料として加入電話回線と同様制度を適用するか、あるいはインターネット・プロトコル（ＩＰ）時代に対応した新方式とするか、といった多くの検討項目がある。総務省は１１月にも関係事業者のトップを集めて意見を表明をさせ、議論を進めていく方針だ。

△電線各社、モーターショーに出品－車向け環境対策競う
自動車の燃費向上には小さな努力の積み重ねが必要だ。電線メーカーは車用ワイヤハーネス（組み電線）を細く、軽くするなどの取り組みを強化している。ハーネスの総量は一台当たり３０００メートル、４０キログラムに上ることもある。地球温暖化への意識が一段と高まる中で、電線メーカーとしても車両軽量化による環境負荷低減への貢献が求められている。
住友電気工業<5802>は“世界最小径・最軽量”をうたったインパネ用ワイヤハーネスを展示。重さは従来品比７・７％（３０８グラム）減で、電線１本の断面を０・１３平方ミリメートルに小径化した。体積が従来品の半分のコネクターも出品している。
矢崎総業（東京都港区）も住友電工と同じ細さ０・１３平方ミリメートルの「高強度極細電線」を披露。
トヨタ自動車<7203>の「レクサスＬＳ４６０」に搭載されている。いまのところ高級車に限定されるが、今後は採用車種拡大が見込まれる。
フジクラ<5803>はハロゲン不使用で環境負荷を低減する「エコフレキシブルフラットケーブル（ＦＦＣ）」などを展示。「実績はないが、ルーフランプのハーネスの用途などで採用が期待できる」（担当者）。スクリーン印刷法を活用して現行の太陽電池の２０―５０％のコストで製造できる「色素増感太陽電池」の試作品を展示、発電量は「ソーラーカーを動かせる」（同）という。自動車の軽量化に伴い、ワイヤハーネスの使用量は減少傾向にある。電線各社は新たな付加価値を盛りこんだ製品を開発することで事業規模の維持、拡大を進める。

△デバイス各社、超小型の水晶振動子を相次ぎ来年量産
水晶デバイスメーカーが業界最小クラスの超小型水晶振動子の量産を始める。
東京電波<6900>は０８年初めに、日本電波工業<6779>と京セラ<6971>キンセキは０８年春の量産を計画する。携帯電話の地上デジタル放送用チューナーや、無線通信規格「ブルートゥース」の通信モジュールなどで利用される見込み。携帯機器の小型、高機能化に合わせ、超小型の水晶デバイスの需要が生まれている。各社が量産を始めるのは縦横１・６ミリ×１・２ミリメートルの超小型の水晶振動子。東京電波は月数十万個規模で量産を始め、市場状況をみながら同１００万個にまで引き上げる。日本電波工業は０７年初めからサンプル出荷を行ってきたが量産の見込みがついた。京セラキンセキは今後、サンプル出荷を開始。市場動向に合わせて数十万個規模での量産を計画する。
これまではリバーエレテック<6666>が超小型の水晶振動子を他社に先駆けて８月に量産を始めた。段階的に生産量を引き上げており、年明け以降の増産も検討する。超小型の水晶振動子は生産技術の難易度が増すため主流の３・２ミリ×２・５ミリメートルの製品と比べて「価格は数倍高い」（業界関係者）。従来の大きさであれば機械加工が可能だが、超小型の場合はフォトリソグラフィー技術など別の加工技術が必要とされている。携帯機器の小型化に合わせここ数年、水晶振動子の小型化・薄型化も進んでいる。主流の３・２ミリ×２・５ミリメートルは各社が量産体制を整備。ただ、セットメーカーは電子機器の小型化、多機能化を推進しているため、最近では２・５ミリ×２・０ミリメートルの振動子の需要も伸びている。加えて２・０ミリ ×１・６ミリメートルの振動子はモジュール部品でのニーズが強い。

△富士ゼロックス（富士フイルムＨＤ<4901>）、１分で９００枚出力できるデジタル印刷機を発売
富士ゼロックスは２５日、カラー・モノクロともにＡ４換算で一分当たり９００枚出力できるデジタル印刷機を発売したと発表した。個人の関心に応じた広告と組み合わせた請求書や保険証券、特定の言語や地域に特化して発行するフリーペーパーなどの印刷需要を掘り起こす。プロダクション印刷事業を２０１２年までに現在の２・３倍の３０００億円に引き上げる。新製品は両面印刷タイプと片面印刷タイプ。価格は標準的な機器構成で４億５０００万円と２億５０００万円程度。既存製品の買い替えでない新たな需要だけで３―５年間に１５０―２００台の販売を目指す。連続用紙による基幹系データの高速印刷と一インチ当たり６００ドットの高解像度を実現、ランプ光でのトナー定着技術により用紙のねじれや縮みを抑える。

△ジェイテクト<6473>、クライスラーからシリンダーブロック加工ラインを受注
ジェイテクトは米クライスラーから自動車エンジンのシリンダーブロックの加工ラインを受注した。受注額は５０億円強。
クライスラーの大型プロジェクトとなる新型エンジンの加工ラインでは、日平トヤマ<6130>がシリンダーヘッドの加工ラインを、
三菱電機<6503>がＮＣ（数値制御）装置をすでに受注している。同一エンジンの加工には同じタイプの工作機械が求められることから、追加設備投資の際にはジェイテクトなど３社が有利に受注活動を展開できる。ジェイテクトは新Ｖ型６気筒（Ｖ６）エンジンのシリンダーブロック加工ライン向けにトランスファーライン（自動搬送複合工作機械）を納入する。トランスファーマシンは工作機械を加工順に配置し、ワーク（加工対象物）が機械と機械の間を自動的に送られるようにした一群の装置。一方、シリンダーヘッドの加工ラインを担当する日平トヤマはトランスファーマシンを９０億円で受注。

△日本精機<7287>、カラー液晶パネル搭載の車向け計器開発
日本精機は大型のカラー液晶パネルを搭載した自動車向けの計器「ワイドビジョン魁」を開発した。計器と車載用カメラを接続し、撮影した映像をパネルに表示できる。また冷温計など複数の計器の画像を必要に応じて選択し示せる。自動車メーカーなどと製品の完成度を高め、５年後の実用化を目指す。ワイドビジョン魁は１５インチの液晶パネルを用いた。パネルの上に実物の速度計を搭載しており「アナログ的な質感と、デジタル的な利便性を兼ね備えた」（Ｒ＆Ｄセンター）という。今回の計器の開発に併せて全方位の映像を撮影できるカメラを開発しており、計器につないで自動車周辺の画像を視認できる。

△川重<7012>、海外のガスタービン事業を拡大
川崎重工業は海外のガスタービン事業を拡大する。東南アジアでインドネシア大手のエンジニアリング会社に設備設計や建設の委託を拡大。欧米でも現地企業に機材の調達や設備工事の委託を増やす。中東での販売・保守拠点の開設も検討する。天然ガスを利用するガスタービンは原油高を追い風に需要が伸びている。２０１３年度に海外の同事業で、売上高７００億円（０６年度約２２０億円）を狙う。川重は海外のガスタービン販売・サービス拠点としてマレーシア、独フランクフルト、米ヒューストン、中国・上海の４カ所を持つ。これらの拠点を通じ、独自開発のガスタービン「Ｍ７Ａ」（出力７メガワット級）と「Ｌ２０Ａ」（同１８メガワット級）をボイラなどと組み合わせたコジェネレーション（熱電併給）システムなどを拡販する。

△オムロン<6645>、視線やまぶたの動きで居眠り検知する車用センサー開発
オムロンは運転手の視線やまぶたの動きから脇見や居眠りの状態を検知する自動車向けのセンサーを開発した。独自の２次元画像解析技術を活用し、目の位置や動きを確実に捕捉する。顔の向きだけで検知する技術に比べ、より迅速で正確に状態を判断できるという。運転手の危険運転防止システムなどとして、数年内の実用化を目指す。製品名は「ドライバモニタセンサ」。車内に搭載したカメラで運転手の顔を撮影し、視線の方向やまぶたの開閉状態を調べる。長時間、自動車の進行方向から目をそらしたり、目を閉じた状態を続けると異常を検知する仕組み。瞬時に目の位置を捕捉できるため、人物の登録や目の位置補正を行わずに誰でも簡易に利用できる。顔の向きから判断するセンサーでは、顔の向きと逆方向を見ている場合などに対応しにくいという。脇見や居眠りを検知するシステムとして自動車メーカーに提案する。

△日本精工<6471>、車の前輪の左右を個別に制御するステアリングシステム開発
日本精工は２５日、自動車の前輪の操舵角を左右別々にコントロール可能な電子制御式ステアリングシステムを開発したと発表した。舵角を切るためのアームと制御用モーターを左右に一つずつ独立して配置したのが特徴。より安全な走行が可能になるほか、将来の自動操縦実現にもつながるという。今後完成車メーカーへの売り込みを進める。開発したシステムは操舵のためのモーターとアームを左右に１個づつ配置した「デュアルピットマンアーム式」。モーターとハンドルの間は「ステア・バイ・ワイヤー」と呼ばれる電子通信ケーブルで結び、ハンドルを切った角度や路面からハンドルに伝わる荷重といったデータをやりとりする。中間シャフトやラック＆ピニオンをなくしてスペースを大きくとれるほか、車軸搭載型の荷重センサーなどと組み合わせればより安全な制御を実現できるという。

△Ａ＆Ｄ<7754>、自動車向け計測器事業を強化
エー・アンド・デイ（Ａ＆Ｄ）は自動車向けの計測器事業を強化する。風洞試験設備内で実車を走行させるベルトシステムを本格発売したのに続き、１１月に新タイプの受注も始める。自動車エンジンの模擬実験用ボードコンピューターも開発中で、０８年度をめどに事業化する。既存製品の自動車エンジン用テストベンチ（動作検証装置）に加えて、自動車向け計測器の事業領域を拡充し、一段と攻勢をかける。同社は、風洞実験用の実車走行システム「実車風洞用５ベルトシステム」を製品化し、市場に投入した。５本の金属ベルトを回転させて車両を載せ、実際に走行するのと同じ環境を作り出す装置。独自技術によりベルトの回転速度やたわみなどを制御し、空気の流れと同期させた。

△デンソー<6902>と独ボッシュ<6041>、「コモンレールシステム」で火花
デンソーと独ロバート・ボッシュが、コモンレールシステムで火花を散らしている。東京モーターショーの会場では、両社ともブース中央で大々的にＰＲ。ディーゼルエンジンの普及が今後期待できる日本や米国向けの車への売り込みにも意欲を示す。一方では、同じ環境対策部品である粒子状物質減少装置（ＤＰＦ）などでは、タッグを組む両社。世界２大部品メーカーは、「競争」と「協調」の関係を保ちながら、完成車メーカーへの影響力を確実に強めている。クリーンディーゼルエンジンの中核部品を担うコモンレールシステム。燃料噴射圧２０００気圧と世界最高レベルのシステムを、ボッシュは０７年中に市場投入する。デンソーも０８年に商品化、真っ向から勝負を挑む。主戦場は欧州。しかし「２０００気圧までくるとかつての乗用車の感覚に近い」（深谷紘一デンソー社長）とし、「市場は小さいが伸び率は高い」（同）日本や米国向けにも拡販をにらむ。

△東海理化<6995>、アクセル・ブレーキを手で操作できるステアリング開発
東海理化はアクセルとブレーキを操作できるステアリング型コントローラーを開発した。ステアリングの表と裏に備え付けたパドルで、アクセルとブレーキの機能を操作する。パドルを使うことで同時操作が可能になり、自動車での実用化に近づける。同コントローラーは、操作内容を電気信号に変換しエンジンなどに伝える。すでに開発済みのスティック型はスティックを前後に動かしてアクセルとブレーキを操作するため同時操作できない。ステアリング型はアクセルとブレーキのパドルが別々で、同時操作や急制動がしやすい。現在の機械的機構に比べペダルなどがなくなり軽量化できる。今後は電気信号の信頼性を高めて実用化する考え。

△日野<7205>、国内新工場を検討－海外販売急増に対応
日野自動車の近藤詔治社長は２５日、東京モーターショー会場で記者団に、車両やエンジンの国内新工場を建設する検討に入ったことを明らかにした。国内販売は減少しているが、資源国を中心に海外販売が急増しており「供給力が足りず、売れるのに断っている状況。どこかに拠点が必要になる」と述べた。そのうえでエンジンや変速機を生産する新田工場（群馬県太田市）の拡張を含めて「（工場の規模を）シミュレーションしている」とした。日野は現在、トラックやトヨタ自動車<7203>からの受託車を日野工場（東京都日野市）、羽村工場（東京都羽村市）で生産している。

△積水化成<4228>、鉄筋コンクリ構造物の鉄筋腐食を防止する工法開発
積水化成品工業は水分を多く含むハイドロゲルを使って鉄筋コンクリート建造物の鉄筋腐食を防止する工法を開発した。コンクリート表面の亜鉛シートとコンクリート内部の鉄筋との間を電線で結んで微弱電流を発生させて鉄筋の腐食を防ぐ流電陽極方式を採用。ゲルは亜鉛シートに張り付けて使う。すでにオランダの施工会社に試験供給を始めており、２０１０年をめどに事業化への移行を目指す。積水化成品工業のハイドロゲル製品「テクノゲル」を張り合わせた亜鉛シートと鉄筋を電線で接続した構造。まずゲルで亜鉛を安定的に腐食させ、電子を発生させる。鉄筋も電子の放出により腐食するが、今回は鉄筋が放出した電子を亜鉛側の電子で補完することで鉄筋の腐食を防ぐ。

△クラウディア<3607>、生産の国内回帰推進－高知でウエディングドレス縫製に着手
クラウディアは高知県安芸市でウエディングドレスの縫製に着手する。同市が管理する工場と生産設備を借り受け、０８年６月に本格稼働に移行する計画。総ドレス生産枚数の約１０％、年間約２０００着の生産を担う規模に育成する。現在、ウエディングドレスの５割以上を海外で生産しており、その大半を中国で手がけているが、今後は中国での生産に伴うリスク回避などから、生産拠点の国内回帰を推進する。将来は協力工場も含めた国内生産比率を５０％以上に高める。借り受ける工場の貸与は安芸市が企業誘致策として行っている。敷地面積２５４２平方メートル、鉄骨一部３階建てで、延べ床面積２１３４平方メートル。クラウディア直轄の生産工場として国内の基幹拠点に位置づける。現在、現地雇用スタッフ１８人に技術教育を実施。０８年６月までに作業者を３０人に増やし、０９年度には５０人体制とする予定。

△宇部興産<4208>、廃プラ受け入れ能力を増強－伊佐工場で年３万トン
宇部興産は伊佐セメント工場（山口県美祢市）で、セメント製造用の燃料である廃プラスチックの受け入れ能力を増強する。破砕投入設備などを新たに導入する計画で、０８年度の稼働を目指す。処理能力は年間３万トン。これにより宇部セメント工場（同宇部市）、苅田セメント工場（福岡県苅田町）を合わせた同社の廃プラ処理能力は年間１５万トンに拡大する予定。宇部興産は廃棄物処理事業の売上高を０６年度の１２０億円から０９年度に１５０億円へと引き上げる計画で、伊佐セメント工場における廃プラ処理設備の設置もこの一環。０９年度には苅田セメント工場で第３期の廃プラ処理能力増強も検討している。また、セメントの原料に関しては０８年度初めから自治体の最終処分場に埋め立てられている焼却灰の処理設備を苅田セメント工場で稼働するほか、下水汚泥・し尿汚泥の受け入れ量も拡大していく計画。

△宇部マテ<5390>、研磨水処理材を開発－半導体向け純水コストを低減
宇部マテリアルズは２５日、ノリタケカンパニーリミテド<5331>、ＫＮプラッツ（大阪府柏原市）と共同で半導体製造工程の研磨水をリサイクル処理できる「高強度モスハイジ成形品」を開発、国内半導体メーカーに納入したと発表した。半導体の微細化が進む中、従来の排水処理装置では困難な１００マイクロメートル未満の超微粒子であるシリカを含む機械化学研磨（ＣＭＰ）廃水を処理できる。廃水のリサイクルにより、純水費の削減が可能。ＫＮプラッツが既存の廃水処理装置に設置するリアクター装置とともに、内外の半導体メーカーに売り込む。宇部マテの塩基性硫酸マグネシウム「モスハイジ」が従来の有機系高分子凝集剤で不可能だったシリカ超微粒子を凝集し、リアクター装置を通じて分離、除去する仕組み。ノリタケが中平敦大阪府立大大学院教授の協力を得て高強度な成型品を開発した。３社は今後、半導体以外の工場廃水への適応を進める。

△東京製綱<5981>、ワイヤロープの２４時間保守・監視システムを開発
東京製綱は２５日、ワイヤロープのメンテナンスシステム「ＳＥＭＳＯＲ」を開発し、営業活動を始めたと発表した。クレーンやエレベーターなどで使用しているロープを測定装置で２４時間監視し、断線などの異常を早期に発見する。ロープの正確な寿命を判断し、最適な交換時期を提案することで、安全性だけでなくコストダウンにも寄与できるとしている。同社では製鉄所や造船会社、埠頭（ふとう）のコンテナターミナル向けに拡販し、２、３年後に売上高２億 ―３億円を目指す。同サービスはワイヤロープの供給に加え、監視、保守点検、ロープの調査解析、技術提案などのメニューで構成する。メニューごとに料金を設定した。ロープ検査は専用の検出装置を使用。磁束で素線１本１本の断線を検査するため、目視検査では確認できないロープ内部の断線まで発見できる。

△清水建<1803>など、古いビルを最新デザインに一新する改修技術を開発
清水建設は２５日、三協立山アルミ、日本ビソー（東京都港区）と共同で、既存の中低層オフィスビルを最新デザインに一新する改修技術「ＳＳＮ工法」を開発・実用化したと発表した。軽量で意匠性に優れたアルミ板で外壁をカバーリング。低コスト・短工期で古いビルを新築同等の外観によみがえらせるという。３社は首都圏中心に１１月から提案活動を開始、初年度１０棟、０９年度までに４０棟の受注を目指す。新工法はカバーリングパネルに積水樹脂プラメタル製のアルミ樹脂積層複合板を採用。フッ素樹脂焼き付け塗装を施し、不燃性芯材を挟み込んだ外装材で、金属的な意匠を持つ。１平方メートル当たり１１・６キログラムと軽量。添加剤として不燃性無機フィラーを芯材に混ぜ、耐火性を高めた。また、部材の接合工法を工夫し、中低層ビルに十分な耐風圧性能を確保した。部品数の削減や施工性向上などで、コスト・工期を従来工法に比べて最大２５％削減できる。

△サッポロ<2501>ビール、栃木・那須工場が本稼働－少量生産品を集約
サッポロビールは２５日、国内７番目のビール工場となる那須工場（栃木県那須町）を２６日に本稼働させると発表した。少量生産品と高価格帯品の生産拠点と位置づけ、少量生産品の製造を那須工場に集約するほか、高価格帯品の商品開発を加速する。また、０８年４月をめどに那須工場に併設するレストランで飲食事業を始める計画も発表した。那須工場は「黒ラベル」「ヱビスビール」など主力商品の小瓶や１３５ミリリットル缶、１０リットル樽など少量生産品を中心に製造している。年間製造能力は約８０万ケース（１ケースは大瓶２０本換算）で、既存工場に比べると１回分の仕込量規模で約３分の１、貯酒量で約１０分の１程度と小規模なのが特徴。

■鉄スクラップ、東西で小幅下落基調へ
鉄スクラップ市況が関東、関西両地区そろって小幅下落基調に転じそうだ。改正建築基準法施行の影響による鋼材需要の停滞や、鉄スクラップ輸出の伸び悩みが要因。関東地区は１０月から先行して下げ足を強めており、関西地区も横ばい基調ながら現行価格にピーク感が出てきた。メーカー炉前価格も９月第２週から続いた「東高西低」傾向が終息し、以前の「西高東低」に戻りそうだ。関東地区の問屋買値はＨ２で前週比５００円安のトン当たり２万８０００―２万９０００円どころ。電炉メーカーが、鋼材出荷の遅れなどから購入価格を引き下げたためだ。東京製鉄は１０月に入り、宇都宮工場での購入価格を５００円刻みで引き下げ、特級（Ｈ２）の買値は２４日には、月初に比べ２５００円安の３万９５００円。メーカー炉前価格も１０月第４週で前週比７００円安の平均３万７７００円と続落している。
（日刊工業新聞）

△毎日コムネット<8908>　リプラス<8936>との業務、資本提携を発表
毎日コムネットは、２５日引け後にリプラス、リプラス・レジデンシャル投資法人、リプラス・リート・マネジメント３社との業務提携とリプラスとの資本提携を発表した。首都圏における学生専用ワンルームマンションの開発、賃貸、管理に特化し、不動産の有効活用提案と合わせ、独自の学生マンション開発を行っている。９月３０日現在の総管理戸数は１３１棟、５１７９室。この背景には、少子化に反して増加している大学生の、一人暮らしに対する安全性・快適性といったニーズがあり、同社がそのニーズに応えているといえる。一方、リプラスは賃貸保証事業と不動産ファンドのアセットマネジメント事業を行っているが、順調に業績を伸ばしている。今回の提携により、毎日コムネットは、独自の学生マンション開発が加速されるだけでなく、不動産情報が豊富になることから、これまでのノウハウを活かし、新たな不動産開発の可能性も拡大する。リプラスは、毎日コムネットが保有する良質な物件情報を入手・活用し、運用する私募によるファンドやリプラス・レジデンシャル投資法人への物件の組み込みを加速させることが可能となり、更なる管理下資産の増大にも寄与することが見込まれる。

△インフォマート<2492>　第３四半期業績も２ケタ増収増益と順調
インフォマートが２５日引け後に発表した０７年１２月期第３四半期の業績は、売上高１６億６３００万円（前年同期比１８．０％増）、経常利益４億４１００万円（同２４．７％増）、純利益２億４３００万円（同１９．１％増）と２ケタ増収増益となった。今期末の「ＦＯＯＤＳ　Ｉｎｆｏ　Ｍａｒｔ」全体の利用企業数の前提は前期末比２０００社増の１万６１６４社（売り手企業１５００社増の１万３１３５社、買い手企業：５００社増の３０２９社）としている。第３四半期末では、「ＡＳＰ受発注システム」の利用拡大により、売り手企業数が１万３９０９社と前提を上回っているが、業績の影響については、今後の推移を注視し、重要な影響を与えることが判明した場合には速やかに公表するとしている。通期業績予想は、売上高２４億５５００万円（前期比２５．６％増）、経常利益６億２０００万円（同２３．４％増）、純利益３億４１００万円（同１５．０％増）との従来予想を据え置いた。株価は横ばいで推移しているが、業績は順調だ。食品食材の買い手企業と売り手企業をネット上で結びつける、フード業界の標準プラットフォームを構築し、日本全国にそのシステムを普及していることから、業容拡大はさらに進むものと期待されている。同社のＡＳＰ事業の一つに「ＦＯＯＤＳ信頼ネット」があるが、こちらも着実に利用企業数が増加している。背景にはここ最近、食の安心・安全を脅かす事件が多いことで、その対応強化策として商品規格書データベースシステムの必要性が高まっているもので、まさに時流に乗っているといえよう。

△ヴァリック<2387>　中間・通期ともに上方修正を発表
ヴァリックは、２５日引け後に０８年３月期中間及び通期業績予想の上方修正を発表した。９月中間期は、売上高が前回予想を１億３３００万円上回る９６億９３００万円（前年同期比１６．１％増）、経常利益は１億４１００万円上回る７億７１００万円（同４７．４％増）、純利益は７５００万円上回る３億７０００万円（同４５．７％増）と２ケタ増収大幅増益を見込む。カラオケルーム運営事業（前年同期比１．９％増）及び複合カフェ運営事業（同５．９％増）ともに営業施策が奏功し、既存店が好調に推移したことが要因。利益面では、増収効果に加え、店舗の地域特性を考慮した広告宣伝媒体の選択及び効率的な店舗リニューアルの実施が寄与した。３月期通期は、売上高が前回予想を５０００万円上回る２０１億円（前期比１５．５％増）、経常利益は８０００万円上回る１５億４０００万円（同１９．９％増）、純利益は３０００万円上回る６億円（同３２．５％増）となる見通し。
（証券日刊新聞）

■電力各社の業績圧迫　猛暑と原油高
歴史的な原油高が電力会社の業績を直撃している。原油価格が最高値圏で推移する中、電力１０社のうち東北電力<9506>、九州電力<9508>、中国電力<9504>など７社が２００８年３月期の業績見通しを下方修正。今夏の記録的猛暑で急増した電力需要をまかなうために、原油高で割高となった火力発電用の燃料費の調達コストがかさんだためだ。
なかでも原子力発電所の停止により火力発電の調達費用が増加した東京電力<9501>と東北電力への影響は甚大。電力会社の足元の業績に、原油高が暗い影を落としている。（今井裕治）
電力１０社の０７年度上期（４～９月）の販売電力量は前年同期比１・９％増の４５５１億キロワット時となり、０６年度上期の４４６８億キロワット時を上回り、過去最高を更新した。夏場の記録的猛暑で一般家庭向けの冷房需要が膨らんだうえ、景気回復を受け産業用も全業種で伸びたのが寄与した。だが、販売量が過去最高まで増加したにもかかわらず、各社の利益は軒並み減少する。猛暑による販売量増でかさ上げされる増収効果を燃料調達費の増加が打ち消すため。
九州電力は販売量の増加に伴い０８年３月期の売上高を従来予想に比べ２５０億円増額する一方、経常利益は逆に２８０億円減額の９１０億円に下方修正した。原油高に伴う燃料費の増加などで９月中間期までにコストが４４０億円増えるのが響く。
また通期の経常利益見通しは北海道電力<9509>が予想に比べ３０億円減、沖縄電力<9511>も２２億円減とそれぞれ減額修正している。
電力会社の中でも原油高の影響が直撃するのが東電と東北電力、北陸電力<9505>だ。それぞれ、発電コストに占める燃料費の割合が、ウランを使う原発に比べはるかに高い火力発電を増やしたことなどが影響する。
東電は新潟県中越沖地震で柏崎刈羽原発（新潟県）が停止。これに伴う代替火力の燃料費が３６００億円に達する見通しで、通期の経常利益予想は２７００億円減額の１３００億円程度に引き下げた。東北電力も女川原発（宮城県）２、３号機の停止が響き４００億円減額の６００億円、北陸電力も志賀原発（石川県）１、２号機の運転停止の影響などで１０億円減の４０億円へ経常利益見通しを下方修正している。東電は７月末の段階で原発停止に伴う火力発電の増加で、重原油の調達量が前年の２倍となる１０００万キロリットルに膨らむと試算。だが原油価格の指標となる米国産標準油種（ＷＴＩ）は足元で一時、１バレル当たり９０ドル弱となり、７月末の７８ドルから跳ね上がっている。こうした中、７月末の試算時点に比べて、一段のコスト増加は避けられず、勝俣恒久社長も「大変影響が大きい」と表情を曇らせている。今冬が厳冬となり暖房向けの電力需要が急増すれば、原油高はさらに経営を圧迫するだけに、電力各社は原油相場の動向に神経をとがらせている。

△水管橋を守り断水防ぐ　栗本鉄工所<5602>、新システムを開発
栗本鉄工所は２５日、河川などを水道管路が横断する「水管橋」を保護し、断水を防ぐシステム「みずごろう（水護ろう）」を開発したと発表した。１１月７、８日に横浜市西区のパシフィコ横浜で開かれる「横浜水道展」に出展し、全国の自治体に既設・新設の水管橋への採用を働きかけていく。「みずごろう」は鋼（はがね）の５倍の引っ張り強度を持つアラミド繊維を使用した落橋防止ロープと、耐圧カバーやゴム製水密カバーなどを組み合わせ、水管橋の両岸部の伸縮管を覆う。地震で伸縮管が破損しても落橋を防ぎ、管から漏れた水もカバー内に保持することで断水を回避できるという。設計上、阪神大震災クラスの大規模地震にも耐えられる強度をもつ。伸縮管の破損で水が漏れた際の異常圧力も１・２７メガパスカルまで耐えられる。伸縮管は温度変化による収縮を吸収する機能しかない。このため、従来は橋自体を補強したり、金物によって橋の変動を抑える大がかりな補強策をとっていたため、費用がかさんでいた。また、工事個所が狭く、必要な補強部品を設置できない場合もあった。「みずごろう」は口径８００ミリ以下の伸縮管に対応する。同８００ミリの伸縮管に設置する場合、工事費用は１８００万円と従来工法より１０～２０％安いという。工期も従来の半分以下の１週間程度ですむ。今後３、４年で年間３億円の売り上げをめざす。

△コンピューター・フォレンジック調査　ＵＢＩＣ<2158>、ＮＴＴＰＣと共同提供　企業の不正リスク軽減
電子データの改竄（かいざん）などの分析・情報収集を行うＵＢＩＣ（東京都港区）は、社内パソコン（ＰＣ）の情報セキュリティー管理サービスなどを手掛けるエヌ・ティ・ティ　ピー・シーコミュニケーションズ（ＮＴＴＰＣ、東京都港区）と協業で、コンピューター・フォレンジック調査サービスの提供を開始した。同サービスは、情報漏洩（ろうえい）や内部不正などの問題が発生した際、依頼者から提供されたＰＣなどを調査し、どのＰＣから不正があったかを特定するサービス。ＮＴＴＰＣが提供する社内ＰＣセキュリティー統制管理ソリューションサービス「ＳｅｃｕｒｉｔｙＢＯＳＳ」のネットワークを活用するため、万が一、情報漏洩や不正などの問題が確認されると、ＮＴＴＰＣからシステム管理者へ警告メールが発信されるとともに、そのＰＣ端末までが特定できるという。ＵＢＩＣは、その特定されたＰＣ端末の記録装置を独自のコンピューター・フォレンジック技術を使って調査にあたる。ＵＢＩＣでは、「同サービスを導入すれば、情報漏洩や不正会計、横領などの企業の不正リスクが大幅に軽減する」（管理部）と話している。

▼セメント９月販売　基準法改正で１１％減に
セメント協会は２５日、９月のセメントの国内販売が前年同月比１１・１％減の４４５万９０００トンだったと発表した。２けた台の減少は２００４年１０月以来。今年６月に施行された改正建築基準法で着工前審査が厳格化されたことで、ビルやマンションなどの着工が低迷したのが響いた。併せて発表した０７年度上期（４～９月）は、前年同期比３・５％減の２６８７万トン。地域別では、近畿（２府４県）が０・１％減の微減だったが、東北は１０・４％減、北陸（北陸３県と新潟県）は９・０％減、四国は１８・６％減と落ち込み幅が大きかった。同協会は「民間需要の活発な大都市圏と、公共事業の依存度が高い地方との差が広がっている」としている。

△明電舎<6508>、工場跡を「街」に
オフィスやレストランなどから構成される複合施設「ＴｈｉｎｋＰａｒｋ（シンクパーク）」が２５日、東京都品川区大崎にオープンした。明電舎の工場跡地に同社と不動産賃貸の世界貿易センタービルディングが共同事業として建設した。明電舎、日本ハム、モスフードサービスなど１４社が入居するオフィスタワーは、地上３０階で敷地面積１万８８５０平方メートル、延べ床面積は東京ドームの３・３個分にあたる１５万１９３７平方メートルに達する。低層階に位置する商業施設には国内外の２６店舗のレストラン、カフェのほか、書店、コンビニエンスストアなどが入居する。オープニングセレモニーで明電舎の片岡啓治社長は「今年で明電舎は１１０周年を迎えた。大崎は弊社の創業の地で心のふるさとのような場所。この大崎の地にふさわしい施設が完成したのは無上の喜び」とあいさつをした。ゲストとして出席した女優の菊川怜さんは「大崎には今まで来たことがなかったけど、人が集まるビルができたので友達とぜひ来たい」と話し、４人の小学生と一緒に植樹した。

△石炭火力向けチューブ　住金<5405>、生産能力１・５倍に
住友金属工業は２５日、高性能ステンレスボイラーチューブの生産能力を１・５倍に引き上げたと発表した。高エネルギー効率の超々臨界圧石炭火力発電所向け製品で、兵庫県尼崎市の特殊管事業所で、昨年９月から６５億円を投じ行っていた設備増強が完了した。環境対応強化が迫られる中、発電の石炭依存度が高い欧州や中国を中心に、同タイプの発電所は毎年４０基のペースで新増設が進んでいる。このため、５６５度以上になる発電タービン蒸気に耐えるボイラーチューブの年間需要は、２００４年の４０００トンから０７年には２万トンに急増する見通しだ。住金は現在、このチューブで世界シェアの８割を握る。年産能力を１８００トンに増やして需要に応え、強みのエネルギー分野向け鋼管事業を一段と強化する。
（FujiSankei Business i）