10/25 朝の『株価材料』PART Ⅱ

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■株価材料

△世界の家電市場、07年は12.5％増の71兆円・独社調べ
家電調査会社の独ＧｆＫグループは24日、世界家電市場の調査結果を発表した。2007年は06年比12.5％増の6186億ドル（約71兆円）の見通しで、携帯電話や液晶テレビ、ノートパソコンなどの需要増がけん引する。音楽プレーヤーなど携帯機器市場も拡大基調が続くとしている。08年は8.2％成長を予測。地域別では、日本市場は薄型テレビやＤＶＤレコーダーの価格下落などで0.8％増とほぼ横ばいだが、中国市場が伸びるため、アジア大洋州全体で07年比11.1％増を見込む。欧州・中東・アフリカ地域は8.1％増で、北米・南米地域は5.8％増にとどまるとしている。

□東和銀<8558>、不適切融資解明へ「経営責任調査委」
群馬県の第二地方銀行、東和銀行は24日、金融庁から業務改善命令を受けた不適切な融資について、実態や責任の所在などを検証する第三者機関「経営責任調査委員会」を設置した。不適切な融資は増田熙男前頭取が主導したとされる。委員会は月2回程度開き、今年度内に調査結果をまとめる見通しだ。同委員会は、弁護士と公認会計士の計3人で構成。委員長には東京高裁判事などを務めた松岡登弁護士を選出した。

△９月の外食売上高、ファストフード伸び3.1％増
日本フードサービス協会が24日発表した9月の外食企業の既存店売上高は、前年同月比3.1％増で、2カ月連続でプラスとなった。ファストフードが 8.5％増え、引き続き全体をけん引した。不振が続いていたファミリーレストランも0.1％増で、今年1月以来8カ月ぶりにプラスに転じた。土・日曜日が、それぞれ昨年より1日多かったため来店客数が増えた。

△光世<8617>の中間期、単独経常益2.91億円に回復――トレーディング益が増加
光世証券が24日発表した2007年９月中間期の単独決算は、経常利益が２億9100万円（前年同期は2500万円）だった。期初から夏場にかけての株式相場上昇などを追い風に、トレーディング利益が膨らんだ。売上高に相当する営業収益は前年同期比65％増の10億6200万円だった。株券の委託手数料などは減少したが、自己売買部門の伸びで補った。営業利益は２億6700万円（前年同期は600万円）と急回復した。特別損失１億円を計上したが、税引き利益は前年同期比約９倍となる１億8800万円となった。

△ヤフー<4689>営業利益22％増・９月中間、広告収入が好調
ヤフーが24日に発表した2007年９月中間期の連結決算で、営業利益は前年同期比22％増の597億円となった。広告事業が順調に推移し、不動産や求職情報などのビジネスサービス業が利益を押し上げた。売上高は17％増の1177億円だった。利用者の行動履歴を基に配信する「行動ターゲティング広告」や、検索結果に関連した広告を自動で選び出して表示する「検索連動型広告」が好調だった。「Ｙａｈｏｏ！不動産」や求人系情報サイト「Ｙａｈｏｏ！リクナビ」といったビジネスサービス事業も伸びた。９月に連結子会社となったオーバーチュアの売上高約30億円も寄与した。経常利益は21％増の578億円となった。
持ち分法適用会社のバリューコマース<2491>の株価が下落したことによる特別損失37億円が響き、純利益は前年同期比９％増の292億円だった。07年10―12月期の連結業績は、売上高が684億―708億円、営業利益は297億―311億円、経常利益は293億―308億円、純利益は166億―175億円をそれぞれ見込んでいる。

■政府保有の銀行優先株、含み益が半年で８割減
政府が金融危機時に公的資金注入で抱えた銀行株の含み益が急減している。10行が発行する優先株の9月末時点の含み益は約1100億円となり、3月末と比べて8割目減りした。
中央三井トラスト・ホールディングス<8309>（ＨＤ）を除く9行で含み損が発生している。各銀行・グループは公的資金の返済を急いでいるが、政府は含み損を抱えたままでは売却しにくい。返済計画に遅れが生じる可能性が出てきた。政府は1998年から2006年にかけて26行に対して公的資金を注入。３メガバンクなどは完済し、15行が返済途上にある。このうち清算手続きに入った九州親和ＨＤや、非上場のあしぎんフィナンシャルグループなどを除く10行は、株式相場や経営体力を勘案していつでも返済時期を探れる立場にあり、早めの返済を予定していた。

△米ウォルマートＣＥＯ「西友<8268>ＴＯＢは長期投資」
ウォルマート・ストアーズのリー・スコット最高経営責任者（ＣＥＯ）は23日、西友の完全子会社化について「ウォルマートにとっては米国以外の市場での成長が大変重要。（西友への追加投資で）長期的な投資を決めた日本もその戦略の一部だ」と述べた。投資家向け説明会での質問に答えた。赤字脱却のメドがつかない西友について「何年後に投資回収を見込んでいるのか」との質問に、トム・ショーイ最高財務責任者（ＣＦＯ）は「日本での投資回収は短期的には難しく、しばらく時間がかかる。3―5年後には著しい前進を遂げられる」と答えた。12月に完全子会社化すると、西友への投資額は2002年からの累計で約2500億円となる。西友は07年12月期まで6年連続で最終赤字となる見通し。進出後8年間不振が続き昨年に撤退を決めたドイツと状況が似ているとの指摘には「西友は日本の市場環境や顧客を熟知している。買収時に十分に市場環境を理解できていなかったドイツとは違う」（ショーイＣＦＯ）と反論した。
（NIKKEI NET）

□07年米国販売計画は達成できそう＝ホンダ<7267>
ホンダの米法人で米市場向け商品企画やマーケティングを担当するエグゼクティブ・バイス・プレジデントのジョン・メンデル氏は２４日、２００７年米国販売は当初示した計画台数の１３６万台（高級車アキュラ除く）を達成できそうとの見通しを示した。ロイターのインタビューで語った。またメンデル氏は、ガソリン高などを追い風に、０８年の米市場におけるホンダのシェアが拡大するとの見通しも示した。メンデル氏は米国における足元の販売状況に触れ「難なく（０７年の）計画台数を達成できるペースできている」と語った。ホンダは燃費に優れる車種のラインアップが整っているなどと説明。ガソリン高が販売の追い風になるとの認識を示したほか、年間４０万台規模を販売する主力セダン「アコード」の全面改良車を投入したことや、近く発売する小型車「フィット」やＳＵＶ（スポーツ多目的車）「パイロット」の全面改良車が台数増に貢献するとして、０８年のホンダの市場シェアが拡大するとの見方も語った。メンデル氏は、２００８年米自動車市場規模を１６００万台程度と見ており、弱含みの状況が継続すると予想。米サブプライムローン（信用度の低い借り手向け住宅ローン）問題の影響で冷え込んだ米消費者心理が本格的に好転するには「２００９年までかかるのではないか」との見方を示した。

■日興ＣＧ<8603>の株主オービスが保有株売却、ファンド4社の保有比率は全て5％未満に
日興コーディアルグループの筆頭株主だったオービス・インベストメント・マネジメント（バミューダ）は日興ＣＧ株を売却し、保有比率が５．３０％から０．３３％に下がった。オービスが２４日提出した大量保有報告書で明らかになった。これにより、米シティグループ(C.N: 株価, 企業情報, レポート)による日興ＣＧ買収をめぐり１株１７００円の公開買い付け（ＴＯＢ）価格は低すぎると反対したファンド４社の持ち株比率は、すべて５％未満に低下した。この他、マッケンジー・ファイナンシャル（カナダ）もＴＯＢ反対派だったが、現時点の日興ＣＧ株の保有比率はゼロ。ハリス・アソシエイツ（米イリノイ州）も４月に４．９７％まで持ち分を減らしたほか、米投資顧問のサウス・イースタン・アセットマネジメント（米テネシー州）も１０月１８日に大量保有報告書を提出し、保有比率を２．０１％に減らしていた。　日興ＣＧをめぐっては、シティ がＴＯＢを実施したが、取得できた日興ＣＧ株は、約７割にとどまっていた。シティは株式交換で日興ＣＧを完全子会社化する方針を打ち出している。シティは為替レートとシティの平均株価を勘案して１株当たり１７００円の価値のシティ株を対価として日興ＣＧ株主に交付する予定で、両社は、今年１２月に開催予定の臨時株主総会までに株式交換の詳細を詰める。臨時株主総会では特別決議の承認を得て、株式交換を２００８年１月中に完了することを目指している。

△ｎｇｉ　ｇｒｏｕｐ<2497>、2500株・7.5億円上限とする自己株取得を決議
ｎｇｉ　ｇｒｏｕｐは、発行済み株式の２％にあたる２５００株を上限とする自己株取得を決議したと発表した。取得総額上限は７億５０００万円。取得期間は１０月２５日から１２月３１日まで。

△パル<2726>が続伸、自社株買い発表を材料視
パルが続伸、一時１６０円高の２３２５円まで上昇した。２３日引け後に発表した自社株買いが好感された。取得金額の上限は１０億円、取得株数の上限は４５万株（発行済み株式総数の３．８９％）。取得期間は、０７年１０月２４日から０８年１月３１日まで。株価は１７日の年初来安値１８２５円以降、下値切り上げ型の戻りに転じている。

△ＪＦＥホールディングス<5411>のアウトルックをポジティブに変更＝Ｓ＆Ｐ
スタンダード＆プアーズ（Ｓ＆Ｐ）は、ＪＦＥホールディングスとＪＦＥスチールの長期会社格付けのアウトルックを安定的からポジティブに変更した。Ｓ＆Ｐによると、アウトルックの変更は、高級鋼への注力により収益基盤の一段の強化が見込まれること、設備投資を積極化させつつも、健全な財務基盤を維持する方針が確認されたことに基づく。

■自動車08年3月期業績、為替などの先行き懸念で強まる不透明感
国内自動車メーカー各社の２００８年３月期業績は、米経済や為替、ガソリン価格などの先行きに大きく揺さぶられる可能性が高まってきた。
２５日のホンダ<7267>の発表で幕を開ける中間決算では、下期の見通しに対する各社のスタンスが注目される。
サブプライムローン（信用度の低い借り手向け住宅ローン）問題の影響が懸念される米市場が失速すれば、自動車販売台数の低下と、それに伴う生産能力の余剰問題が生じかねない。主要各社は現地生産を増やしているが、ミニバンやＳＵＶ（スポーツ多目的車）などのライトトラック、中型セダンなど米国で多くの需要が見込める車種が中心。このため、容易には他国・地域への輸出用に生産を振り向けられない。日本からの輸出も影響を受け、国内工場の稼働率が低下する可能性もある。０７年の米国市場の全体需要について、メーカー首脳たちは１６００万台程度と見ている。
ただ、０８年については日産自動車<7201>のカルロス・ゴーン社長が「１５５０―１６００万台の間」との見方を示しており、先行きは予断を許さない。ゴールドマン・サックス証券の湯澤康太アナリストは、米国市場が０８年に１４３０万台まで落ち込む「最悪」の事態を仮定し、０９年３月期営業利益を試算。
トヨタ<7203>が前年比１３％減、ホンダが同２４％減、日産自が同１６％減になると分析している。ただ、０８年３月期業績については「急激に年１４００万台ぐらいの販売ペースに落ち込まなければ、影響は限定的ではないか」（外資系証券アナリスト）と見られている。一方、ドル／円レートの変動による影響は、会社計画の前提となる想定レートの違いが影響する。トヨタをはじめ多くのメーカーは１１５円程度と見ており、足元の１１３円台後半というレートはすでに割高な水準。ただ、上期の円安局面で得た利益押し上げ効果の「貯金」があるほか、３─６カ月先まで為替予約をしているため、下期の平均レートが１１３円程度で推移しても「会社計画は達成可能」（別の外資系証券アナリスト）との見方が多い。各社別では、日産自はドル／円レート＝１１７円ともっとも円安に見ており、円高が続けば会社計画に対する業績の下振れ要因になる。
スズキ<7269>は同１１２円ともっとも高く見ており、円高への抵抗力が強い。ガソリン価格高騰の影響は、燃費に優れる車種の品揃えの違いに左右されそうだ。クレディスイス証券の遠藤功治アナリストは、日本車は米メーカーに比べ燃費に優れるとして、米市場では「全体市場が落ち込むときに日本車のシェアが上がる傾向がある」と指摘する。しかし、ガソリン価格の高騰が過度に進行し、全体市場の減少が大きくなると、「下振れリスクの影響は相対的に低いと考えるが、何らかの影響が出てくると見る必要がある」としている。全体の販売台数減少のほか、利幅の大きい大型車から利益の薄い小型車へと消費者のニーズがシフトして商品構成が悪化し、利益が圧迫されるおそれもある。環境対応車として中型車からミニバン、ＳＵＶと、複数車種でハイブリッド車を展開するトヨタに強みがある。逆にホンダは、中型車以上の車種はガソリン車より３割程度燃費に優れるとされるディーゼル車で対応する考えで、足元のハイブリッド車ラインアップは１車種のみ。日産自も北米でトヨタのシステムを搭載したハイブリッド車を販売しているが、生産可能台数が限られており、業績への貢献は限定的になりそうだ。
ハイブリッドと並び注目されるクリーンディーゼル車は、０８年の日産自に続き、ホンダ、三菱自動車<7211>などが国内市場に投入する計画を打ち出している。日本の消費者はディーゼル車に良いイメージを抱いていないとされるが、ガソリン高が継続すれば国内導入の立ち上がりに好影響を与える可能性もある。
外部環境の悪化懸念はくすぶるが、各社は自助努力の取り組みを着実に進めている。トヨタの下期業績は、新車立ち上げにともなう費用増加が一巡し、欧州・中国と全面改良車を順次投入してきた主力車種「カローラ」の販売が本格寄与。加えて原価低減も見込まれる。中国やアジアの販売増によって米国比重が低下しているのもリスク分散に寄与する。０８年３月営業利益について会社側は前年比０．５％増の２兆２５００億円としているが、ロイターエスティメーツによる主要アナリスト１９人の予測平均値は同約１割増の２兆５０３２億円となっている。ホンダの下期は、今秋に全面改良したアコードの販売が北米市場をけん引、国内でも１０月に全面改良の主力小型車「フィット」で巻き返しをねらう。世界販売は主力ＳＵＶ「ＣＲ─Ｖ」が堅調。新車効果のあるアコードが加わることで、商品構成が改善し利益を押し上げそう。ただ、２輪車事業がインドネシアなどのアジアや北米で振るわず、リスク要因になる可能性もある。日産自は昨夏以降投入してきた新車が米市場で堅調に推移。不振が続いたピックアップトラックなども減少幅が縮小するなど、回復の兆しも見えている。国内生産も輸出主導で増加に転じた。商品構成の悪化などにともなって上期は増収・減益が予想されるが、下期以降は北米中心に新車攻勢をかける見込みのため、回復局面に入るとの見方が有力。ただ、ドル／円レートを自動車メーカーの中でもっとも円安に見ており、円高による為替の影響に注意する必要がある。
新興市場で急成長を続けるスズキ<7269> は、ドル／円を１１２円と円高に想定している影響もあり、大幅の上方修正になる可能性が指摘される。主力のインドでは市場成長率を上回るペースで販売を伸ばし、ハンガリー工場もフル生産。スズキは米国依存度が小さいため、米サブプライム問題の影響も受けにくい。クレディスイス証券の遠藤功治アナリストは、中間期、通期とも「自動車各社の中で最も幅の大きい増額修正になる可能性がある」と指摘している。
マツダ<7261> は下期に、販売台数の増加が見込まれる。今年全面改良した小型車「マツダ２（日本名デミオ）」の本格寄与や、主力セダン「マツダ６（日本名アテンザ）」の全面改良車の下期投入が寄与する。足元の株価は年初から２割程度下げているため「割安な水準」（遠藤アナリスト）との見方もある。

△任天堂<7974>がストップ高、決算発表に対する期待感から
任天堂がストップ高となっている。輸出型企業全体について慎重な見方が広がる中、ゲーム機の好調で２５日に発表を予定している決算に対する期待感が高まっており、それを先取りする動きが活発化しているという。

△インドの提携先との「3000ドルカー」、2010年に投入したい＝日産<7201>社長
日産自動車カルロス・ゴーン社長は２４日、東京モーターショーで会見し、インドの提携先、バジャジオートと開発の可能性を調査している超低価格車「３０００ドルカー」について、２０１０年にもインド市場に投入したいとの考えを示した。超低価格車をめぐっては、インドのタタモーターズが２５００ドル程度の自動車を発売する計画を打ち出している。ゴーン社長は、調査は継続中でまだ正式決定ではないとしたが「自信はある。他社がすでに開発を進めているのだから」などと述べ、発売に向け意欲を示した。

■高炉大手3月期は増額含み、コスト上昇と鋼材値上げが綱引き
高炉大手の２００８年３月期決算は、増額修正含みとなりそうだ。堅調な需要を背景に鋼材の値上げは順調に行われており、会社側の予想を上回る原材料価格の上昇をカバーしている。ただ、原材料価格上昇は長期化の様相を呈しており、下期以降の懸念材料であることに変わりはない。さらには、米経済に不安要素が増えており、世界経済が足踏みすると、鋼材需要に陰りが出てくる懸念もある。
馬田一鉄連会長（ＪＦＥ<5411>スチール社長）は、１９日の定例会見で「鉄鋼業界の前年比でのコスト増は８０００―９０００億円になる」と述べ、春先に７０００億円としていた見通しよりも負担が増しているとの認識を示した。スクラップやフレート（海上運賃）の価格が一段と上昇しているためだ。
一方、４―９月の粗鋼生産量は前年比３．０％増の５９８０万トンで、年度上半期では１９７３年に次ぐ過去２番目の高水準となった。こうした堅調な需要は「下期も続く」（鉄鋼メーカー関係者）との見方が多く、自動車向け高級鋼材を中心に値上げも順調に進んでいる。
新日鉄<5401>は９月６日、神戸製鋼所<5406>は１０月１５日にそれぞれ２００８年３月期業績見通しの上方修正を行っているが、アナリストからは、着地は会社予想を上回る、との指摘が多く出ている。
新日鉄の連結経常利益は、ロイターエスティメーツによる主要アナリスト１３人の予測平均値が６３８５億円（会社側予想６０００億円）、ＪＦＥホールディングスは同５５７７億円（同５４００億円）、神戸鋼は９人の予測平均値が１５６７億円（同１５００億円）となっており、３社とも会社予想を上回っている。各社好調な決算が見込まれる中でも、コスト高の影響の濃淡は業績面に現れてきそうだ。
野村証券アナリストの大川将氏は、ＪＦＥＨＤは高炉他社に比べてスクラップの外部購入量が少なく、フレートでの滞船の影響も少ないとし「価格上昇の効果が原材料の上昇を上回り、業績を上方修正する。０８年３月期の増益率は、高炉会社の中で最も高くなる」と高評価だ。一方、新日鉄については、スクラップの外部購入量が多く、他の高炉会社よりもスクラップ価格上昇の影響が大きいため「原材料高は当初予想を５５０億円上回り、通期で１１５０億円の減益要因となる」との見方を示している。大川氏は、ＪＦＥＨＤの０８年３月期連結経常益は５６５０億円（前期比１０％増）、新日鉄は６２５０億円（同４．６％増）と見ている。
中国向けに好調な建設機械など、製鉄とは異なる側面からも業績にはポジティブな動きが出ている神戸鋼<5406>が１５日に行った業績修正は、多くのアナリストから慎重と受け止められた。モルガンスタンレー証券アナリストの五老晴信氏は、１）第２・四半期以降の特殊鋼棒線や自動車用鋼板など高級鋼材の値上げ効果が着実に表れている、２）機械・建設機械部門の受注拡大と収益率改善が確認されつつある、とし「会社側の計画は、依然として鋼材価格上昇効果等を慎重に見ている」と述べている。五老氏は、神戸鋼の０８年３月期連結経常利益を前年比３．７％減の１７６５億円と予想している。　下期から来期に向けての懸念材料は、引き続き、原材料価格上昇と言える。また、建築基準法改正により建築着工が大幅に減少していることも「建築用鋼材や流通に大きな影響がある」（馬田鉄連会長）とし、長期化を懸念する。すでに、着工統計では大幅な落ち込みとなっているが、実際の建築用鋼材の生産にはタイムラグを持って影響が出るため、今下期の懸念材料のひとつだ。さらには、サブプライムローン（信用力の低い借り手向け住宅ローン）問題により景気の先行きに懸念が出ている米経済。２０日にワシントンで開かれた国際通貨金融委員会（ＩＭＦＣ）でも、金融市場の混乱が今後の世界経済を減速させるとの見通しを示し、世界経済の下振れリスクは上昇しているとする声明を採択し、懸念を表明した。鋼材の値上げも堅調な鋼材需要が背景になっているだけに「世界経済の成長鈍化は、最大の懸念材料」（鉄鋼メーカー関係者）とも言える。

▼ソニー<6758>と京セラ<6971>、米カリフォルニア州山火事で一部の操業休止
ソニーと京セラは、米カリフォルニア州南部の山火事の影響で、サンディエゴでの操業を一部休止したことを明らかにした。ソニーは２２日以降、米現地法人のサンディエゴ本社と、同本社付近にあるパソコン「バイオ」を生産する小規模工場の操業を停止。操業再開は、山火事の状況をみて決めるという。京セラも、サンディエゴの半導体パッケージング工場で一部の操業を停止。現在、同工場の正確な生産削減規模を調査している。ソニー米現地法人のサンディエゴ本社では、従業員が自宅で電話や電子メールを使って業務を行っているため、本社機能に大きな混乱はないという。

△電気自動車めぐる競争が激化、三菱自<7211>は前倒しでの投入も
三菱自動車の益子修社長は２４日、東京モーターショーの会場で、電気自動車の市場投入時期を当初計画の２０１０年から前倒しが可能との認識を示した。
富士重工業<7270>の森郁夫社長も電気自動車を２０１０年に市場投入する計画を表明。電気自動車をめぐる競争が激化してきた。
三菱自と富士重工は、軽自動車をベースにした電気自動車について、東京電力<9501>などの電力会社とともに実証試験をしている。両社ともモーターショーに電気自動車のコンセプトカーを展示して、消費者の認知を高めたい考え。
（ロイター）

△日テレ<9404>株、オービスインベストが５％超保有―外人保有は上限に接近
投資ファンドのオービス・インベストメント・マネジメントが日本テレビ放送網の発行済み株式総数の５％超を保有していることが大量保有報告書で明らかになった。日テレ株の外国人保有率は放送法で定める上限の20％に接近している。オービスは24日、日本テレビ株式を報告義務発生日の15日までに取得した分の５％ルール報告書を提出。グループ全体では合計130万3320株保有し、発行済み株式に対する保有比率は5.14％となった。日テレの同日の発表資料によると、同社の外国人の有する株式は９月30日現在で合計498万8104株、議決権保有割合は19.99％となっている。放送会社は、放送法で定める外国人などの有する議決権について、議決権の割合として20％以上となる場合には、電波法により放送免許が取り消されることになっている。ただし、放送法に基づき、外国人などから株式の名義書換請求による株主名簿への記載または記録を拒むことができ、外国人による議決権行使は制限されることになっている。日テレの清水篤総務局株式部長は「大量保有報告書は確認済み」としたうえで、「当社の株主名簿では、オービスは確認できていない」と述べている。オービスはまた、この日の大量保有報告書で、保有していた日興コーディアルグループ株式の保有比率を従来の5.30％から0.33％に引き下げたことを明らかにしている。

▼日水<1332>：エビ・サケ不振で中間純利益は予想比76％減、原油・すり身高騰
日本水産は24日、2007年９月中間期の連結純利益が従来予想を76％下回る12億円になったもようだと発表した。前年同期の実績との比較でも68％と大幅な減益となる。原油価格高騰による船舶コスト増や、すり身価格の世界的な上昇を背景に、収益源のエビやサケ事業が予想を大幅に下回ったのが響いた。連結売上高は予想比2.9％減の2670億円、営業利益は38％減の62億円となった。広報ＩＲ室の谷口隆課長によると、「原油や材料価格が上昇傾向にある中、収益源のサケやエビの国際価格が高騰しているが、国内市況が低迷したことや国内冷凍食品販売の低迷で10億円の減益要因となった」という。さらに、チリでのサケ養殖事業で寄生虫が発生したこと、北米の冷凍エビフライ事業が中国製品との競合で苦戦し、業績が計画を大幅に下回った。通期（08年３月期）の連結純利益予想も、従来の120億円から100億円（前期比7.5％増）に引き下げた。

△豪マッコーリー子会社：日空ビル<9706>株を追加取得、保有比率は19.89％に
マッコーリー・エアポートが率いる投資会社のインターナショナル・インフラストラクチャー・ホールディングスは日本空港ビルデング株式を買い進め、発行済み株式の19.89％まで追加取得したことが、明らかになった。インターナショナル・インフラストラクチャーが24日、日本空港ビルデングの株式を８月27日から報告義務発生日の10月22日までに取得した分の大量保有報告書（５％ルール報告書）を提出。合計2000万400株保有し、発行済み株式に対する比率は従来の12.47％から19.89％に引き上げた。保有目的は「政策投資」とし、大量保有者のインターナショナル・インフラストラクチャー・ホールディングスによると、マッコーリー・エアポーツが発行済み株式総数の75.1％を、マッコーリー・バンクが同24.9％を間接的に保有する。ブルームバーグ・プロフェッショナルの大手機関投資家売買動向データによると、インターナショナル・インフラストラクチャーは日本空港ビルデングの第1位の大株主。そのほか、日空ビルを大量保有しているフィデリティ投信が保有比率を従来の12.47％から5.09％に引き下げる変更報告書（大量保有報告書）を提出している。

▼マネックス<8698>の純利益23％減、カブコム証<8703>10％減－中間期手数料低迷で
マネックス証券を傘下に持つマネックス・ビーンズ・ホールディングスが24日発表した2007年９月中間期連結決算によると純利益は前年同期比23％減の39億円だった。個人投資家の株式売買代金の落ち込みを受けて主力の委託手数料が減少した。７－９月期の純利益は同4.9％減の21億円だった。カブドットコム証券も同日中間決算を発表。４－９月期の当期利益は前年同期比10％減の31億円だった。個人投資家の売買低迷の影響を受けたが、７－９月期は金融収益の増加などが寄与し、当期利益は同９％増の16億円と増益を確保した。

△日本製粉<2001>：東福製粉<2006>株11％を追加取得、筆頭株主に－保有比率17.99％
製粉業界２位の日本製粉は24日、同業界中堅で九州を地盤とする東福製粉の株式11％を２億1100万円で追加取得し、筆頭株主になったと発表した。製粉業界は輸入麦売渡制度の改正で競争激化が予想されることから、出資比率引き上げと製販・物流面での提携により競争力を強化する。追加取得により、東福製粉の発行済み株式総数に対する比率は6.99％から 17.99％に上昇した。日本製粉広報グループの大西正浩氏は「もともと当社は東福製粉の大株主で、両社の関係強化のため株式を追加取得した」とし、「九州地方の製造・配送の効率化、強化を目的としている」と述べた。一方、東福製粉の筆頭株主となっていた冷凍食品倉庫業のヤマオカ（尼崎市）が東福製粉を全株売却処分する大量保有報告書を関東財務局に提出。ヤマオカは24日に日本製粉に対して、１株192円で東福製粉株式をすべて譲渡し、保有比率は従来の10.90％からゼロになった。
（ブルームバーグ）

△船井電機<6839>---ストップ高、後場は買い気配推移
前場にストップ高をつけ、その後は買い気配推移となっている。特に目立った材料は観測されないが、同社のＩＪＰ販売先であるレックスマークが同事業撤退の可能性を否定したこと、アメックスの決算内容から米国個人消費の先行き懸念が後退ともされていること、先に日興シティが投資評価を引き上げていること、また、ウォルマートによる西友買収を受けてウォルマート関連として思惑が高まっていることなどが材料としては挙がっているもようだ。

△カプコン<9697>---任天堂ストップ高でゲーム関連への波及期待も
高値レベルでの底堅い値動きに。10/15高値3300円以降はやや上値を切り下げてはいるが、下値も堅い。信用倍率は0.42倍と1倍を下回る状況が慢性化しており需給妙味大きい。任天堂ストップ高でゲーム関連への波及期待も。

△サイバーＳ<3810>---膠着も直近戻り高値18万円は射程圏に
膠着も直近戻り高値18万円は射程圏に。リバウンド後の調整も25日線がサポートとして機能、一目均衡表の雲上限を突破。外部環境を不透明要因に左右されにくい新興市場の中小型株への参加意欲は高い。前日に世界ゲーム市場の35％以上を占める米国での自社運営サービスを今冬より開始すると発表。

▼三井住友<8316>---メリル決算に対する警戒モードに
下げに転じる。25日線が上値抵抗線となった。リバウンド狙いで買っていた反動も。後場に入り下げに転じているが、今晩のメリルリンチの決算に対する警戒感のようだ。ＮＹタイムスの電子版では、新たな評価損計上の可能性を伝えており、これが為替相場の円高につながったようだ。
（フィスコ）

△ＫＹＢ<7242>がストップ高比例配分、上方修正に好感買い殺到、７００万株超の買い残す
ＫＹＢが１００円ストップ高の６０３円で比例配分。出来高は１４８万５０００株、７１０万８０００株の買い注文を残した。同社は２３日、今０８年３月期の９月中間期連結業績推定の上方修正を発表、好感買いが殺到した。経常利益を従来計画の７０億円から９８億円（前年同期は６７億６７００万円）とした。増産における固定費の増加抑制や円安進行に加え、アジア子会社の好調も業績に寄与した。

▼フジオフード<2752>が一時ストップ安、第３四半期決算に失望感、下ブレ懸念も
関西で食堂経営を手掛けるフジオフードシステムが一時４万円ストップ安の２１万４０００円まで売られ、９月１３日の年初来安値２２万６０００円を割り込んだ。２３日に発表した今０７年１２月期の第３四半期決算（非連結、１～９月）に失望感が出た。税引利益で前年同期比４８．８％減の２億８３００万円と大幅減益になったうえ、通期税引利益予想９億５９００万円に対し、進ちょく率は２９．５％にとどまっていることから下ブレ懸念も出ているようだ。この日の出来高は７７２株（前日は２５２株）と増え、大引けでは下げ渋ったが、下値模索の様相となっている。

▼秀英<4678>が値下がり率２位、中間期業績推定値・通期予想を下方修正
秀英予備校がストップ安となる１００円安の６０１円まで売られ、０７年８月２４日に付けた東証での上場来安値６６３円を更新した。東証１部で値下がり率２位。２３日引け後に、今０８年３月期の９月中間期業績推定値・通期予想を下方修正した。通期は最終赤字に転落する見通しで、嫌気された。同社は単独決算。中間期は最終赤字幅が拡大。税引後損益推定値は７億８２００万円の赤字から８億１３００万円の赤字に修正した。通期の税引後損益は、従来予想の３２００万円の黒字から３億１６００万円の赤字に修正した。夏期講習の募集が不調。その影響で９月入学者数が減少したことが響く。

△デサント<8114>が好人気、中間期業績推定の上方修正を好感
デサントが一時６７円高の６０６円と好人気。出来高は３８万９０００株と膨らんだ。２３日に今０８年３月期の中間期業績推定を上方修正。９月中間期の連結経常利益を１３億円から２０億円（前年同期比５４．０％増）に引き上げた。売上高の増加や売上原価率・販管比率の改善が増益となって表れた。主に韓国の海外子会社での売上が拡大したことも寄与。通期の業績予想は中間決算発表時に公表するとしている。

△ＮＥＣネＳＩ<1973>が後場一段高、利益率高い事業の売上増加し個別中間期業績推定を上方修正
ネットワーク関連サービスのＮＥＣネッツエスアイが後場一段高、一時７８円高の１２５９円まで買われている。同社は２４日前場引け後、今０８年３月期の９月中間期の個別業績推定を上方修正。経常利益を従来の３４億円から４４億５０００万円（前年同期比２．３倍）に増額した。比較的利益率の高いネットワークインテグレーション・サポートサービス事業の売上高が増加。機器等販売事業での原価率改善も利益増に貢献した。通期の連結・単独業績予想は、１１月１４日に予定している中間決算発表時に公表するとしている。
（株式新聞ダイジェスト）

△野村上証５０<1309>がストップ高比例配分、中国株人気を受けて
前日に大証に上場した上海株式指数・上証５０連動型上場投資信託が値幅制限の上限となる前日比1万円（12.87％）高の8万7700円まで上昇してストップ高比例配分となった。比例配分での出来高は21株、差し引き1335株の買い注文を残した。同銘柄は中国・上海株式市場の株価指数「上証50指数」を円換算した金額に連動する上場投資信託（ＥＴＦ）。中国・上海オリンピックの開催を来年に控えて投資家の間で中国株市場の上昇期待が高まっていることが今日の株高の要因となったものと見られている。

△任天堂<7974>がストップ高比例配分、調整の一巡感で押し目買いが優勢に
大証上場の任天堂が値幅制限の上限となる前日比5000円（7.84％）高の6万8800円まで上昇して、差し引き１万4800株の買い注文を残してストップ高比例配分となった。株価は15日に年初来最高値を付けた以降は相場全体の下落に押されて調整。株価はこの１週間で10％近くも調整が進んだこともあり、火曜日以降は再び押し目買いが優勢となっている。体重移動型の新コントローラー「Ｗｉｉフィット」が12月１日に発売予定となっていることもあり、Ｗｉｉフィットの発売でＷｉｉ人気に再び拍車がかかるのではないか、といった思惑が投資家の間で高まっている。
（テクノバーン）