10/23 朝の『株価材料』PART Ⅲ

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■株価材料

□デンソー<6902>、産業機器事業を集約
デンソーは、グループ会社で産業機器事業のデンソーウェーブが移転すると発表した。現在は、デンソー本社内にある開発・設計部門と管理部門の全てを2009年4月に阿久比製作所内の新オフィス棟に移転する。新オフィス棟はデンソーが建設するもので、2008年5月に着工し、2009年3月に完成する予定で、投資額は26億円。産業機器であるバーコードリーダなどの電子製品と産業用ロボットは、デンソーウェーブが開発と販売を、デンソーエレックスが製造を担当している。今回、この2社を阿久比製作所へ集結することで、開発と製造の連携を深めて、製品開発力を強化する。また、生産設備を開発・製造するデンソーの工機部を含めて、阿久比製作所をデンソーグループのメカトロニクス拠点とする方針だ。

△ホンダ<7267> MotoGP レプリカモデル…KONICA MINOLTA<4902>
ホンダは、スーパースポーツバイク『CBR600RR』にMotoGP（ロードレース世界選手権）に参戦する「KONICA MINOLTA Honda」チームのマシンカラーリングを採用した、『CBR600RR・スペシャルエディション』を期間限定で11月20日から発売する。CBR600RR・スペシャルエディションは、パールサンビームホワイトをベースに、スポーティーで爽やかなイメージのカラーリングやシルバーのフレームを採用し、フロントカウルには「KONICA MINOLTA」のロゴを配すなど、レーシングマシンに忠実なカラーリングを施したレプリカ。足回りには「コニカミノルタブルー」のホイール、シルバーのスイングアームに加えて、高級感のあるゴールドのドライブチェーンやブレーキキャリパーを採用するなど、細部にわたってMotoGPマシン『RC212V』を彷彿させる特別感を演出したモデル。また、テクニカルスポンサーステッカーとホイール用ピンストライプシールを付属品とし、好みに合わせてより忠実なレーシングマシンイメージの再現を可能としている。

▼知多鋼業<5993>中間決算…営業減益　生産弱含みで
知多鋼業が発表した2007年9月中間期の連結決算は、営業利益が前年同期比1.4％減の5億5900万円と営業減益となった。売上高は同8.9％増の74億5200万円と増収だった。同社の主要取引先の二輪車、四輪車ともに生産は弱含みで推移したが、受注量確保に注力、増収となった。しかし、収益が悪化して営業利益は減益だった。経常利益は同3.7％増の6億4400万円と増益で、当期純利益も同4.8％増の3億6100万円だった。通期業績予想は、売上高が同8.1％増の155億円、営業利益が同3.8％減の11億2000万円、経常利益が同2.6％増の13億1000万円、当期純利益が同3.8％増の7億3000万円だった。

△日本電産トーソク<7728>、中間期業績予想を上方修正…自動車部品好調
日本電産トーソクは、2007年9月中間期の連結決算業績見通しを上方修正した。売上高は115億円を予想していたが、122億円に上方修正した。自動車部品事業や半導体製造装置事業などの受注が好転しているため。収益面でも売上げが予想以上になるのに加えて、原価低減活動が寄与し、営業利益は6億5000万円の予想を8億円に上方修正したほか、経常利益も6億5000万円から8億3000万円に上方修正した。中間期純利益は3億2000万円から4億5000万円に上方修正した。通期業績見通しの修正は、中間決算発表時に公表する。

△オートウェーブ<2661>と伊藤忠<8001>子会社が業務提携
オートウェーブは、伊藤忠商事のカー用品販売子会社ICSと業務提携を締結したと発表した。今回の提携で、オートウェーブとICSは、カー用品オリジナル商品の開発と販売チャネルの拡大、仕入れで協力する。ICSは伊藤忠のグローバルなネットワークを活用して海外ブランドタイヤを中心に販売するカーショップ、オートテック、ピット100を関東に13店舗展開するほか、タイヤの卸売りを行っている。オートウェーブは、カーショップを関東で22店舗展開しており、両社ともカー用品業界では規模が小さい。今回、両社は業務提携を締結、協力してオリジナル商品を共同開発して開発投資を分散したり、両社で共有する物流・配送システムの構築や仕入れで協力することでコスト低減して競争力を強化する。

△ホンダ<7267>は、MotoGP（ロードレース世界選手権）参戦マシンの開発などで培われた先進技術やスタイリングなどを継承したスーパースポーツバイク『CBR600RR』の、カラーリングを変更して11月20日から販売すると発表した。
CBR600RRは、「イタリアンレッド」、「グラファイトブラック」の2色のカラーリングに、新たに「マットアクシスグレーメタリック」のミドルカウルを採用し、より精悍なイメージに仕上げた。これら2色に加えて、「パールサンビームホワイト」、「グリントウェーブブルーメタリック」の2色をあわせた、計4色のカラーリングを設定する。また、各色ともに、スイングアームをブラックアルマイト仕上げにすることで、足回りを引き締めたイメージとしている。

▼クインランド<2732>、臨時株主総会を延期
クインランドは、10月25日に予定していた臨時株主総会を延期すると発表した。同社は10月18日付けで、民事再生手続きを大阪地方裁判所に申立てを行い、受理された。これに伴って、10月25日に予定していた臨時株主総会は延期する。株主総会開催のスケジュールは現時点では未定で、決定次第公表するとしている。

△帝国ピストンリング<6463>、インドで自動車部品生産工場を新設
帝国ピストンリングは、インドに自動車部品を生産する工場を新設すると発表した。自動車需要が急増しているインドで、自動車メーカーが自動車エンジン製造の現地化しており、これによる需要の増加に対応する。新設するのはTPRオートパーツ（インディア）で、資本金は約12億円、帝国ピストンが全額出資する。今年11月に設立する予定で、シリンダーライナーを年産360万本生産する工場を建設、2009年7月から操業する計画だ。総投資額は約19億円を予定しており、新会社は2010年に売上高12億円を目指す。

△スタンレー電気<6923>、自己株式取得を決定
スタンレー電気は、22日開催の取締役会で、自己株式の取得を決議した。株主への利益還元と企業環境の変化に対応した機動的な資本政策を遂行するため、自己株式を取得する。取得する自己株式は上限200万株で、発行済株式総数の1.06％。取得価額の上限は50億円で、期間は2007年10月23日から2008年3月16日まで。同社は9月30日現在、自己株式を481万9347株を保有している。

■名鉄<9048>、トラック運送子会社を解散
名古屋鉄道は、連結子会社の東濃鉄道の子会社でトラック運送事業を行う東鉄運送を解散すると発表した。東濃鉄道は、グループ事業を見直しており、経営資源の効率化を図るため、東鉄運送の事業の全部を他社に譲渡して、東鉄運送を解散することにした。臨時株主総会で承認した後、2008年3月に解散する。これに伴って名古屋鉄道の業績に与える影響は軽微としている。

■旭テック<5606>、環境装置事業を分社化へ
旭テックは、環境装置専業の子会社を設立すると発表した。2008年4月に既存の環境装置事業部門を分割した上で、新会社に事業を移管する。環境装置事業を発展させるため、子会社を新設する。新設する子会社は「旭テック環境ソリューション」で、10月31日付けで設立する予定だ。資本金は1億円で、旭テックが100％出資する。旭テックでは、現時点で2008年3月期業績見通しに与える影響は無いとしている。
（レスポンス）

□ＮＴＴ<9432>、ＮＧＮ商用サービスで東西間の直接接続は断念
ＮＴＴは次世代ネットワーク（ＮＧＮ）の商用サービスで計画していたＮＴＴ東西地域会社間のＮＧＮ網を直接接続する形態を断念する方針を固めた。総務省が「ＮＴＴ東西の一体運営につながる」として認めない方針を示したため。ＮＴＴはＮＴＴ東西でばらばらに提供する現在のインターネット・プロトコル（ＩＰ）系サービスを、ＮＧＮでは名称を統一するなど利用者に分かりやすく示すことにしている。ＮＧＮ網の直接接続もその一環として実現を目指していた。ＮＴＴ東西地域会社は総務省に対し、２５日にＮＧＮ商用化を踏まえた活用業務の認可を申請する。ＮＴＴ法で規定されたＮＴＴ東西の県内通信業務という業務範囲を超えてサービスする場合、国の認可が必要になるためだ。ＮＴＴは当初ＮＧＮでのサービス品質をＮＴＴ東西間で同等に維持するには、ＮＧＮ網の直接接続が必要と考えていた。しかし総務省との事前交渉で認められない、との感触を得たことで断念。今後ＮＴＴ東西間を接続するために、別の通信事業者を公募しＮＧＮ商用化に備えることにした。これにより活用業務として申請する具体的な項目は、新たにサービスとして追加する地上デジタル放送の再送信やステレオ音声品質のインターネット・プロトコル（ＩＰ）電話、ハイビジョン映像によるテレビ電話サービスなどとなった。総務省は申請内容について他事業者との公正競争確保や、ＮＴＴ法で規定したＮＴＴ東西の地域通信サービスと新サービスの関係などを総合的に判断して認可の可否を決める。決定には一般からの意見募集など４カ月程度かかる見込みだ。

△エルピーダ<6665>、線幅５０ナノＤＲＡＭを０９年量産へ－生産コスト削減
エルピーダメモリは、パソコンなどのメーンメモリーに採用されるＤＲＡＭ（記憶保持動作が必要な随時書き込み読み出しメモリー）を微細化する。０８年初頭にチップ上の回路線幅に５０ナノメートル（ナノは１０億分の１）プロセス技術を採用したＤＲＡＭの評価を始め、０９年をめどに量産に乗り出す。回路線幅６５ナノメートルプロセス品に比べてチップ寸法を３割強小さくできるため、その分、１枚のウエハーから取れるチップの数が増え、生産コストを下げられる。ＤＲＡＭ大手の韓国サムスン電子に対抗する。回路線幅５０ナノメートルプロセスを採用した先端ＤＲＡＭの生産では、０８年１月にレンズとウエハーの間を純水で満たして解像度を高めたフッ化アルゴン（ＡｒＦ）液浸露光装置を導入、段階的に液浸露光装置の台数を増やす。１年間の評価期間を経て０９年に量産を始める。まず、生産子会社の広島エルピーダメモリ（広島県東広島市）から先端ＤＲＡＭの量産を立ち上げる。広島エルピーダでの量産立ち上げから少し期間をおいて、台湾の力晶半導体（パワーチップセミコンダクター）との合弁会社「瑞晶電子（レックスチップエレクトロニクス）」でも先端ＤＲＡＭの量産を始める。エルピーダメモリは現行では、回路線幅７０ナノメートルプロセス品を先端品に位置づける。０７年１２月には広島エルピーダで生産する同７０ナノメートルプロセス品の比率を７５％まで高めて生産を一段と効率化。さらに、０８年第２四半期（４―６月）には回路線幅を６５ナノメートルまで微細化したＤＲＡＭの量産を開始。これと並行して、６５ナノメートルプロセス品から一気に５０ナノメートルまで微細化した先端ＤＲＡＭの評価も進める。ＤＲＡＭのスポット価格は現状で、２ドルを下回る水準が続いているため、メーカーの生産効率化が急務となっている。韓国のサムスン電子も回路線幅を５０ナノメートル台まで微細化したＤＲＡＭの開発・量産を計画していることから、開発競争は一段と激しさを増す。

△ＮＥＣ<6701>、基礎研究体制を強化－中長期の成長へ布石
ＮＥＣは先端技術の研究を行う基礎研究体制を一段と強化する。早ければ０８年度にも研究開発費などの基礎研究に振り向ける割合を約４０％から５０％に引き上げるほか、研究開発拠点の人員増も計画する。００年前後には事業に直結する研究開発が大半を占めたが、中長期的な成長を目指すためには基礎研究の重要性が再認識されているため。ＮＥＣでは００年にはＩＴバブル崩壊などの影響で、基礎研究比率が全体の約２５％に落ち込んでいた。現在は４０％程度まで回復しており、さらに０８年度にも上積みして５０％に高める。研究開発費を含めたリソース配分を見直すことで、ＩＴ技術やナノテクをはじめとした先端技術研究への投資を加速する。０７年度の研究開発費は前年度比微増の３４００億円以上になる見通し。また、情報通信システムの基礎研究を行うＣ＆Ｃイノベーション研究所（奈良県生駒市）の人員を将来、外部から受け入れる研究要員も含め現在の１０倍の１００人規模に増やす。同研究所は今年７月に本格稼働したばかりで、産学官連携を促進するオープンラボなどを併設し、基礎研究における一大拠点にする。大手情報通信機器メーカーは０１年度前後に軒並み営業損失を計上するなど、ＩＴ不況の波を強く受け、事業部主導で短期に製品直結する研究にシフトしていた。その後、事業構造改革を経て業績が回復し、将来を見据えた基礎研究に力を注ぎ始めた。富士通や沖電気工業も新たな部署の設置などで基礎研究の再強化を打ち出している。

△松下電工<6991>、女性技能職を育成－現場監督に登用促進
松下電工は女性技能職の計画的な育成に乗り出した。製造現場の監督職への女性登用を促進するのが狙い。班長などの監督職に必要な知識や、当事者の経験談に学ぶ事前研修を１０月に実施した。引き続き、支援施策を強化し、監督職になるための研修を受講する意欲を高める。女性監督職は現在４０人弱で、５年後をめどに３０人程度の増員を目指す。能力の高い女性技能者の登用を積極化し、製造現場の活性化につなげる。松下電工の技能職社員数は約４５００人。このうち、女性は約３割を占める。職長や技能士長、班長などの監督職に限ると、約１３００人いる中で女性社員は構成比で約３％と低い。従来は、優れた技能を持ちながらも、家庭の事情などで、監督職になるための「技能職開発研修」を受講する女性社員が少なかった。登用の推進には受講を後押しする仕組みが必要と判断。動機付けを促す機会として、同社にとって初めての事前研修を実施した。事前研修は上司に推薦された候補者が参加し、監督職に必要な心構えや知識の習得を促す研修。この事前教育を踏まえ、上司の支援を得ながら能力開発計画に基づく課題解決を進め、研修の受講に臨む。０８年度以降も継続していく方針で、当面は推薦された社員が参加する形態で進める。将来は自発的に参加できるように、女性技能職の登用を拡大し、全社的に機運を高めていく考えだ。製造現場で能力に見合う人材登用を進めることで、現場力の強化を図る。

△ＮＴＴ<9432>東西、スマートフォン対応の法人向けＦＭＣサービス開始
ＮＴＴ東西地域会社は２２日、法人向けインターネット・プロトコル（ＩＰ）電話サービスと、台湾ＨＴＣ製スマートフォン（通信機能付き携帯情報端末）を組み合わせた固定と携帯の融合サービス（ＦＭＣ）を２３日に始めると発表した。外出先でもオフィス内と同様の音声通信環境やデータ通信環境が実現。ＮＴＴのＦＭＣサービスで第３世代（３Ｇ）スマートフォンに対応するのは初めて。提供するのは法人向けＩＰ電話サービス「ひかり電話ビジネスタイプ」と、ＨＴＣ製端末「ｈＴｃＺ」を利用したサービス。ひかり電話対応のソフトウエアを移植したＨＴＣ製端末は、ひかり電話ビジネスタイプの内線電話機として使える。また「ワード」や「エクセル」など文書の閲覧・編集、メールの送受信も可能。ソフトの価格は２万７９０円、追加ライセンスは１万２９０円。

△松下<6752>、電子マネー向けリーダーライターのマルチ端末を拡販
松下電器産業は電子マネーの決済に使用するＩＣカード読み取り書き込み装置（リーダーライター）を拡販する。複数の電子マネーを１台で読み取れるマルチ端末の品ぞろえを増やすほか、電子マネーの用途に合わせたアプリケーションソフトウエア開発の人員を増強する。０８年度に２０万台の販売を目指す。同装置拡販のために、利用しやすい機種の商品化を進め市場を広げる狙いで、クレジットカード決済端末と融合した機種を開発する。ガソリンスタンド、タクシー、運送トラックなど業種業態に適した機種、アプリケーションソフトも開発する。同社は７種類の電子マネーの切り替えを２０ミリ秒以内で行い、決済時間を短縮できるマルチ端末を発売、これまでの９カ月間に累計１０万台を販売した。電子マネーサービスの本格開始に伴い、市場に出回っているさまざまな機器でＩＣカード・リーダーライターが搭載可能な台数は１０００万台になると推定されている。業界トップの松下の累計出荷台数が２０万台程度で、電子マネー対応機器の需要が今後も拡大すると見込む。

△ケンウッド<6765>と日本ビクター<6792>、地デジチューナーなど共同開発
ケンウッドと日本ビクターは資本・業務提携の一環として、地上デジタル放送用チューナーや次世代ＤＶＤ、ホームシアターの共同開発を進める。これらの分野で両社共通の技術基盤（プラットフォーム）をつくることで開発費用を低減するのが狙い。共同開発の成果は、早ければ０８年度上期に両社の製品に反映していく。ケンウッドとビクターは０８年中に持ち株会社方式での経営統合を目指している。０７年１０月には技術開発の共同出資会社「Ｊ＆Ｋテクノロジーズ」を設立。カーナビの画像表示などの主要機能を担う演算処理部など、車載機器分野で共通プラットフォームの開発を始めた。さらに共同開発のテーマをカーナビに内蔵する地上デジタル放送向けチューナー、次世代ＤＶＤ規格「ブルーレイディスク」（ＢＤ）に対応した光ディスクドライブ、ホームシアターのアンプなどに拡大していく。両社の共同開発の具体的な品目が明らかになったのは初めて。地上デジタル放送向けチューナーでは、ケンウッドが得意とする無線技術とビクターが持つ映像技術を組み合わせた商品の開発を目指す。経営統合後も両社のブランドは存続させ、それぞれの商品戦略を立てる。今回の共同開発の成果をどの製品に組み込むかは現段階では未定だという。ケンウッドとビクターは７月に経営統合を目指すことで合意した。資本・業務提携を結び、協業の具体策を模索している。

△東芝<6502>、原子力エンジ強化へ横浜に１００億円投じ新棟建設
東芝は２２日、原子力発電プラントの設計や調達などエンジニアリング機能を強化すると発表した。原子力事業の中核拠点である磯子エンジニアリングセンター（横浜市磯子区）に約１００億円を投じて新エンジアニリング棟を建設。関連会社も含めエンジニアリング関連従業員を現在の２０００人弱から５年内に３０００人以上に増やす。世界で相次ぐ原子力発電所の新設計画に対応し規模を拡大する。磯子のエンジニアリング棟は３棟目。地上５階建て、０８年度中に完成する。最新のＣＡＤや高速超並列計算機などの設備を導入する。既設プラントの保守サービス機能も担うため、災害時に機能保全するように新棟には免震構造や液状化対策工事を施す。人員増強はエンジニアを中心に実施、調達担当者などスタッフも増やす。市場環境を見ながら増強し、早ければ３年後に３０００人体制とする。

△ＮＴＴデータ<9613>経営研究所、排出権ビジネスを開始
ＮＴＴデータ経営研究所は、企業や個人が排出した二酸化炭素（ＣＯ２）を自主的に削減するカーボンオフセット事業を２２日開始した。会員企業を募り「オフセット」に必要な温室効果ガス排出権を共同購入する。排出削減量の算定から排出権の調達、「ＣＯ２ゼロ」商品やサービスの開発まで請け負う。これまでに５社が参加を表明している。既に欧州企業から京都議定書に基づく排出権の調達のめども立っており、参加企業とオフセット対象とする製品やサービスについて具体化する。初年度は１０社程度に契約を拡大し、１０万トン規模の排出権を扱いたい考えだ。自ら削減できないＣＯ２を植林などで相殺するカーボンオフセットは、企業や個人など幅広い層が参加できる地球温暖化対策として注目されている。９月には有限責任中間法人「日本カーボンオフセット」が発足、流通など１６社が参加している。ＮＴＴデータ経営研が立ち上げる事業も同様の手法だが、企業コンサルのノウハウを生かし、経営戦略に軸足を置いた排出権ビジネスを展開する計画だ。

△三菱電機<6503>、「環境ビジョン２０２１」策定－ＣＯ２排出量３０％削減へ
三菱電機は２２日、２０２１年に生産時の二酸化炭素（ＣＯ２）排出総量を９０年度（関係会社は００年度、海外は０５年度）比３０％削減することを掲げた「環境ビジョン２０２１」を策定したと発表した。自社製の太陽光発電システムや省エネ機器を各工場に導入するなど、グループ全体で排出総量の削減に取り組む。今後は同ビジョンをもとに数カ年の短期環境計画を策定し、ＣＯ２削減に向けた具体的施策を実施していく。三菱電機の生産時のＣＯ２排出総量は９０年度に６０万トンあり、現在（０６年度）は４６万トンに削減している。これを２０２１年に４２万トンまで減らすほか、国内関係会社は００年度の２３万トンを１６万トンに、海外は０５年度の２４万トンを１７万トンにそれぞれ削減する。「生産高比０・１％をめどにした省エネ投資を続ける」（山西健一郎常務執行役）ほか、発電効率の向上に取り組んでいる太陽光発電システムをグループのモデル工場に順次導入し、グループ全社で省エネとクリーンエネルギーの活用などを推進していく。

△４―９月の輸出船受注、７０％増の１２１３万総トン
日本船舶輸出組合によると０７年度上期（４―９月）の輸出船受注量は２６９隻で、前年同期比７０・６％増の１２１３万総トンとなった。９月末の輸出船手持ち工事量は１２１７隻で３月末比約５００万総トン増の５９５５万２０００総トンとなり、６６年に同組合が統計開始以来、最高を記録した。世界的に旺盛な海運需要を背景に依然として新船受注は高水準の実績で推移している。上期の船種別内訳は、バラ積み船２３０隻（約１０４１万３０００総トン）、油送船２６隻（約１１７万７０００総トン）、貨物船１３隻（約５３万９０００総トン）となっている。９月の輸出船（一般鋼船）契約実績は４０隻で、前年同月比３・５倍の２００万７０００総トンだった。

△ＪＵＫＩ<6440>会津、ＭＩＭ用焼結炉を増設－生産額２倍に
ＪＵＫＩ会津は、西会津工場（福島県西会津町）に金属射出成形法（ＭＩＭ）真空脱脂焼結炉を増設した。焼結炉は３基目。ＭＩＭを使った製造部門生産額をこれまでの２倍の月間４０００万円に引き上げる。ＭＩＭは金属粉末をプラスチックと混ぜてペレット状にして射出成形する。脱脂槽に浸してプラスチック分を溶かし、さらに焼結炉でプラスチック分を除いて１３００度Ｃで焼結する。ＪＵＫＩ会津はミシン部品や電動工具部品、治工具、人工骨などを製造している。ＭＩＭの需要が増えてきたことから２基ある焼結炉を１基増設して３基体制にし、さらに脱脂槽も１台増やした。投資額は約６０００万円。同社ではＭＩＭを使ってステンレス合金やコバルト合金などの部品を製造するが、これまで難しかった人工骨の骨頭などもコバルト合金で可能になるとしている。

△日立住友クレーン、０９年度めど印で大型クレーン生産
日立住友重機械建機（日立建機<6305>・住友重機械工業<6302>）クレーンはインドで、最大吊り上げ能力１００トン以上の大型クレーンの現地生産を０９年度にもはじめる。日立建機の現地合弁会社、テルコン（ベンガルール）に生産を委託する。現地政府は電力不足解消のため発電所建設を加速する方針。日立住友クレーンは建設用大型クレーンの現地生産で、いち早く需要を取り込む。日立住友重機械建機クレーンはテルコンと、現地生産する大型クローラークレーンの機種選定を含め事業化調査（ＦＳ）をはじめた。日立住友クレーンはインドの発電所建設には１２０トン以上の吊り上げ能力を持つラチス（格子式）ブームクローラークレーン（写真、ＬＢＣＣ）が必要と見ており、同社の既存の１２０トン機をベースに価格を抑えたインド専用機を開発する可能性もある。

△日立ツール<5963>、ＤＬＣ被膜性能を向上した切削工具を１２月発売
日立ツールはダイヤモンドライクカーボン（ＤＬＣ）コーティングの切削工具を１２月に発売する。豊橋技術科学大学などと共同開発した新しい蒸着装置により、ＤＬＣ被膜の性能を高めた。各種超硬エンドミルやドリルなどの製品に適用し発売、年間１億円の売り上げを目指す。豊橋技科大の滝川浩史教授などと開発した蒸着装置を採用した。従来のＤＬＣ膜よりも高密度な膜が得られるほか、コーティング表面に付着する微粒子をフィルターにより除去できる。平滑なコーティング面が得られるため、切りくずの排出がスムーズになる。ソリッドエンドミルや刃先交換式エンドミルなどに適用。ケイ素を含んだアルミ合金のドライ加工や、繊維強化材の切削加工用途などに販売する。

▼７―９月の鍛圧機械受注、６．１％減で５四半期ぶりマイナス
日本鍛圧機械工業会がまとめた鍛圧機械の０７年度第２四半期（７―９月）の受注実績は前年同期比６・１％減の７５７億９２００万円となった。好調だった前年の反動があり、５四半期ぶりに前年同期実績を割り込んだ。ただし自動車メーカー向けを中心とした輸出は拡大し、「好調を持続している」（日鍛工）と見ている。国内は前年同期比２６・４％減の４２８億８１００万円となり、３四半期連続で減少。業種別では自動車向けが同４５％減、金属製品向けが同２３・２％減となった。電機向けは同２・９％増となり４四半期ぶりに増加した。輸出は同４６・６％増の３２９億１２００万円で、４四半期連続で増加。仕向け先トップの中国向けは同２５・４％増、北米向けは同３３・５％増となった。

△アマダ<6113>、静岡・富士宮事業所に門型ＭＣ２台導入
アマダは０８年春、富士宮事業所（静岡県富士宮市）に大型工作機械２台を導入する。１１月に発売するレーザー加工機の新製品「ＬＣ―Ｆ１ＮＴシリーズ」を増産する。同機の海外販売が始まる０８年秋には新製品の生産台数を現在の倍以上の月６０―７０台に引き上げる。アマダは新製品を世界戦略機に位置づけており、早急に生産体制を整えることにした。投資額は１５億円。富士宮事業所に導入する大型機２台はオークマ製の門型マシニングセンター（ＭＣ）。同事業所には今春稼働したばかりのレーザー加工機の組立工場がある。新鋭の門型ＭＣを活用して新製品用ベッド（土台）などの生産効率を高め、生産台数を引き上げる。新製品は３軸ともリニア駆動で、加工速度が速く、加工時間が同社従来機比の半分で済む。１１月に出力４キロワットの発振器を搭載した機種を国内で先行発売する。門型工作機械の設置が完了するまでは月２５―３０台を生産する。

△ロジコム<8938>、物流加工事業を拡大－九州地域に重点
ロジコムは独自の「物流加工事業」を拡大する。自社倉庫で、異なる自動車部品メーカーの部品を組み合わせ完成車メーカーへ納入するもので、部品メーカー側の組み立てコストを削減する。現在１０社程度の物流加工の顧客を９０社に増やす。とくに完成車生産台数が増えている九州地域などを強化していく。これにより０９年３月期の売上高を０７年３月期比４０％増の２３５億円にする計画だ。物流加工は完成車組立工場に近接する自社倉庫に異なるサプライヤーの部品を集荷し、組み立てて納入する事業。対象は小物プレス部品など組み立てが簡易なものに限るが、完成車メーカーの求めるモジュール化に対応する。サプライヤーは他社製品と組み合わせる工程を省け、相互間物流の負担も軽減できるメリットがある。

△日産<7201>、来月から「リヴィナシリーズ」を南アで製販開始
日産自動車は２２日、新興国向け戦略車「リヴィナシリーズ」を南アフリカで現地生産・販売すると発表した。ミニバン「グランド　リヴィナ」は１１月、小型車「リヴィナ」は０８年１月に投入する。日産は０６年末から中国を皮切りにリヴィナシリーズをインドネシアや台湾に投入。中国では月に約８０００台販売し、インドネシアでは０７年４―９月期で１万３０００台を受注した。０８年にはインドネシアで生産を始めるほか、フィリピンでも生産・販売を開始するなど、主にアジア地域で販売を拡大していく計画。

□東電<9501>、柏崎刈羽原発の被害情報を海外へ積極発信
東京電力は新潟県中越沖地震で全面停止に追い込まれた柏崎刈羽原子力発電所（新潟県柏崎市、刈羽村）について、海外へ積極的に情報を発信する。９月以降、国際会議で繰り返し現状を報告してきたほか、１１月中旬に予定されている世界エネルギー会議でも経営トップによる講演を行う。原発が地震災害に遭った事例は世界でも珍しく、それだけ海外関係者からも関心が高い。加えて東電からは、原発が安全に自動停止した事実を改めて伝えたい狙いもある。東電では９月に入ってから、米国で開かれた電気電子学会（ＩＥＥＥ）の電力流通委員会、南アフリカでの電力研究国際協力機構（ＩＥＲＥ）の総会でそれぞれマネジャー級の幹部が講演。同２５日には米国の世界原子力発電事業者協会（ＷＡＮＯ）総会に勝俣恒久社長と小森明生執行役員原子力品質・安全部長が出席し、講演を行った。

△メディネット<2370>と東大、ガンマ・デルタＴ細胞療法用いた臨床研究開始
メディネットは、東京大学と共同で結腸・直腸がんの肺転移に対する新たな治療法として、ガンマ・デルタＴ細胞療法を用いた臨床研究を開始した。共同臨床研究は、肺に移転した患者の転移巣切除後におけるガンマ・デルタＴ細胞療法の有効性と安全性を検討することが目的。中島淳東京大学大学院医学系研究科臓器病態外科学講座呼吸器外科准教授の指導のもと、同研究科免疫細胞治療学（メディネット）講座との連携で実施する。ガンマ・デルタＴ細胞療法は活性化自己リンパ球療法で、腫瘍細胞で発現している特定のマーカーをターゲットに腫瘍細胞を殺傷することが実験で確認されている。化学療法や放射線療法と異なる作用メカニズムで、生活の質（ＱＯＬ）を維持しながら全身に広がる微小がんに対する抗腫瘍効果が期待されている。

△新日鉄<5401>住金<5405>ステンレス、光を反射しにくいクロム系ステンレス発売
新日鉄住金ステンレスは、表面仕上げを改良したクロム系ステンレス「ＮＳＳＣ１８０ＳＦ（スーパーフィニッシュ）」を発売した。従来品に比べて白っぽく光沢度を落とし、光を反射しにくくしたほか、鏡のように背景が写り込まないようにした。これにより、代表的なニッケル系ステンレス「ＳＵＳ３０４」とほぼ同等の意匠性を実現した。クロム系ステンレスは、ニッケル原料の高騰で価格が上昇したＳＵＳ３０４の代替用途で需要が拡大中。しかし、表面の「２Ｂ仕上げ（ＪＩＳ規格）」では、ＳＵＳ３０４に比べて「光が反射してまぶしい」、「鏡のように風景が写ってしまう」、「加工時に傷が付きやすい」といった課題があった。ＮＳＳＣでは冷延工程の製造条件を変更し、表面粗度を調整したことでこれらの課題を克服。ＳＵＳ３０４の２Ｂ仕上げに匹敵する表面に仕上げた。

△独メトロ、日本市場を開拓－会員制卸売り業態店を首都圏に８店新設
独メトログループで会員制卸売り業態を国際展開するメトロキャッシュアンドキャリーインターナショナルは２２日、今後２年間で首都圏に８店舗を新設するなど、日本の店舗網を本格的に拡大する方針を発表した。
メトロは０２年の上陸以来、丸紅<8002>との提携を通じて東京近郊に３店舗を展開し、拡大に向けたノウハウを蓄積できたと判断した。首都圏を固めた上で、全国に店舗網を広げる計画だ。メトログループで出資する日本法人、メトロキャッシュアンドキャリージャパンのアントン・クナイフ社長は会見で、「インフレのない日本で２ケタ成長」とし、丸紅の協力を得て好調を維持してきたと強調。その要因として、日本は不動産コストが高いため当初標準タイプより売り場面積を３０％削減して屋上に駐車場を設置、店舗構造や運営を効率化できたこと。またマグロの品ぞろえを拡充するなど国内市場に合わせた商品政策を構築したことなどを挙げた。

△オリックス証、ドットコモディティに参画－営業面で相乗効果追求
オリックス証券は、オンライン専業の商品先物会社、ドットコモディティ（東京都渋谷区）の社債を引き受けると同時に、北山社長が社外取締役に就任、経営に参画した。インターネットによる商品先物取引が今後、成長する可能性が出てきたことから、ネット取引による商品先物専業でトップクラスの営業基盤を持つドットコモディティに実質的に出資し、営業面での相乗効果も追求していく。ドットコモディティは旧ドットコモディティ、ひまわりＣＸ、アストマックス・フューチャーズの３社が、１０月１日付でネット取引による商品先物取引受託事業を統合して発足した。これを機に、オリックス証券はドットコモディティの社債を引き受けた。全額を株式に転換した場合、発行済み株式総数の３０％程度を保有することになる。ドットコモディティには楽天、松井証券などが出資している。

△ジャスダック、ＬＰ制度導入で手数料割引－オークションを活発化
ジャスダック証券取引所は２２日、０８年４月をめどに自己売買を行う証券会社の手数料を優遇する新制度「リクイディティ・プロバイダー（ＬＰ）制度」を導入すると発表した。従来の値付け（マーケットメーク）制度に代えて導入する。競売買（オークション）取引を活発化させるため、ＬＰに認定された証券会社の手数料を割り引く。対象はジャスダックの本則、ネオ両市場に上場する全銘柄。ただし、半期ごとに算出する出来高上位１０銘柄と、新規上場後３カ月未満の銘柄を除く。自己売買を行う証券会社は、ＬＰとなるために各銘柄ごとに届け出を行う必要がある。初回は１２月末時点で上場している銘柄を対象に７―１２月の流動性を調査し、銘柄を選定。それに伴ってＬＰとなる証券会社は２月中に届け出を行い、４月に取引を始める。
（日刊工業新聞）

△オウケイウェイヴ<3808>　米国子会社を設立
オウケイウェイヴは２２日、今年１１月上旬の予定で米国子会社「ＯＫＷａｖｅ　Ｉｎｃ．」（資本金：１００万米ドル）を設立すると発表した。世界のインターネット人口の４５％を抱える英語圏でのＱ＆Ａ事業の展開に向けたＲ＆Ｄ（研究開発）及び米国でのサービス提供が目的。米国インターネット市場では、検索エンジンがカバーできない分野を埋める手法としてＱ＆Ａサービスへの注目度が高まっていることから、同社では日本で培ったＱ＆Ａサイト運営のノウハウをもとに、米国市場向けのＱ＆Ａサービスを早急に立ち上げる計画としている。さらに、年々規模が拡大するインターネット広告市場でのシェア獲得に加え、新たな課金モデルの創出を目指す考え。
（証券日刊新聞）

△ヤマト<9064>運輸、政府統計調査に参入
ヤマト運輸は２２日、政府が２００８年度から民間に本格開放する政府統計調査事業に参入すると発表した。日経リサーチと業務提携し、全国ネットワークを生かした調査網の構築を進め、０８年前半をめどに順次全国で試験調査を展開する予定。ヤマト運輸は、社員やメール便の委託配達員「クロネコメイト」の中から訪問調査員を募集。日経リサーチは統計調査の専門ノウハウをもとに教育プログラムを作成し、共同で人材育成を行う。大規模な統計調査にも対応できるよう４０００～５０００人規模の調査体制の構築を進める。政府は昨年９月に公共サービス効率化を目指して政府統計の調査事業を民間事業者に開放する方針を決定したが、大規模な調査業務を担う企業や調査の品質が確保できるか不安視されていた。各省は国勢調査などの重要調査を０８年度から段階的に民間委託を始める見通しで、開放される調査業務の市場は「最大で年５００億円超」（ヤマト）とみられる。両社は各省や都道府県からの受託を目指す。

△昭和シェル<5002>、宮崎に太陽電池の第２工場　生産能力４倍に
昭和シェル石油は２２日、全額出資子会社の昭和シェルソーラー（東京都港区）を通じて宮崎県清武町に太陽電池の第２工場を建設すると発表した。投資総額は１５０億円。年産６０メガワット規模で、２００９年上期の稼動を予定している。新工場建設により同社の年産能力は従来の４倍の８０メガワットに拡大。急速な需要増に対応する。第２工場で増産するのは薄膜多結晶（ＣＩＳ）太陽電池。カルコバイライト系の化合物を使っているのが特徴で、シリコンを使った太陽電池に比べ発電効率が高く、量産に適しているという。新工場の敷地は約５万平方メートルで、ＯＫＩが運動場として地域に開放している土地を取得した。
（FujiSankei Business i）