9/11 朝の『株価材料』PART Ⅱ

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■株価材料

▼サイボウズ<4776>の7月中間、純利益56％減に
企業向けソフト開発のサイボウズは10日、2007年7月中間期の連結純利益が、前年同期比56％減の2500万円になったと発表した。従来予想は1億 3000万円だった。
06年3月に通信機器販売のレカム<3323>の発行済み株式の9.3％を3億8600万円で取得したが、レカムの株価が取得時の半値以下に落ち込んでいることから、株式評価損を特損計上する。売上高は27％増の58億4700万円で、従来予想を4700万円上回る。主力のグループウエアは中堅企業などへの新規の販売が好調で前年同期比7％の増収だった。既存顧客からの受注も堅調に推移した。前期に傘下に収めたソフトウエアなどの子会社3社が期を通じて寄与した。経常利益は49％増の4億3300万円。従来予想は3億8000万円だった。広告宣伝を下期に重点的におこなうため、広告宣伝費1億円の計上を上期から下期にずらした。子会社の増加に伴い人件費が増え、販管費は前年同期に比べ約5億円増え29億円だったが、増収効果で吸収した。

△セガミ<2797>の今期、単独経常益25％増
関西地盤のドラッグストア、セガミメディクスは10日、2008年3月期の単独経常利益が前期比25％増の35億円になりそうだと発表した。従来予想は31億円だった。地域特性に応じて品ぞろえや価格を見直したことで利益率が向上する。売上高は7％増の876億円と従来予想を16億円上回る見通し。既存店の約4分の1に当たる77店舗で改装や増床を実施したことで、既存店の売上高が増収を維持する。税引き利益は19％増の15億円と、従来予想を2億円弱上回りそうだ。今期からの連結決算移行を受け連結業績予想を併せて発表。今期の売上高は903億円。5月1日付で同業の子会社、國廣薬品（山口県）を連結対象にしたことで27億円の増収効果が出る。経常利益は35億円、純利益は15億円となる見通し。

▼セルシス<3829>の11―7月期、単独経常損益が赤字に転落
携帯電話向け漫画閲覧ソフトのセルシスが10日発表した2006年11月―07年7月の単独業績は、経常損益が1000万円の赤字（前年同期は8200 万円の黒字）だった。閲覧ソフト「ブックサーフィン」の導入サイト数の増加に伴い、紙に印刷した漫画をブックサーフィン形式に加工する受託制作が伸びたため人件費が増加。売上高総利益率が悪化した。売上高は前年同期比49％増の11億7500万円だった。漫画制作などのソフト販売は4％減ったが、ブックサーフィンの導入サイト数が7月末時点で前年比2.2倍の約360となり利用料収入が増加。紙媒体の漫画をブックサーフィンに対応する形式に加工する受託制作も伸びた。最終損益は2900万円の赤字（前年同期は6800万円の黒字）。ソフトウエアの売却損などを特損計上した。

△キヤノン<7751>、トナーカートリッジ新工場建設を正式発表
キヤノンは10日、プリンターや複写機に使うトナーカートリッジを増産するため、生産子会社のキヤノンプレシジョン（青森県弘前市）の隣接地に新工場を建設すると正式発表した。800億円を投資して最新鋭の設備を導入。組み立て工程を完全無人化するなど大幅に自動化を進める。今年11月に着工し2008年8月から生産を開始する予定。生産能力は明らかにしていないが、同子会社のトナーカートリッジ生産能力は5割以上増えるとみられる。自動化を徹底することで従業員数は同子会社の既存工場の約半分の1000人に抑える。

△7月の産業機械受注、32.2％増・2カ月ぶり増加
日本産業機械工業会が10日発表した7月の産業機械受注額は、前年同月比32.2％増の4605億円と2カ月ぶりに増加した。国内は製造業、非製造業がともに堅調だった。海外はプラントで大型受注があったほか、幅広い機種で前年を上回り、大幅増となった。国内向けは9.7％増の2580億円と9カ月連続の増加。製造業は化学や石油、鉄鋼などで好調で8.3％増と2カ月ぶりに増えた。非製造業も14％増と5カ月連続増。海外向けは78.8％増の2025億円で、2カ月ぶりに増加した。

△アストモス（出光興産<5019>・三菱商事<8058>）、東ティモールからＬＰＧ購入
液化石油ガス（ＬＰＧ）元売り最大手のアストモスエネルギー（東京・千代田）は10日、東ティモールからＬＰＧを長期購入する契約を結んだと発表した。まず2008年に日本全体の輸入量の約9％に相当する120万トンを購入する。同社の輸入元はサウジアラビアなど中東が約8割を占めており、購入先の多様化を進める。オーストラリアと東ティモールの共同石油開発海域内のバユ・ウンダン・ガス田で生産されるＬＰＧを購入する。同ガス田を管理する米コノコフィリップスと08年1月から1年間の購入契約を結んだ。日本の元売り企業が東ティモールからＬＰＧを長期購入するのは初めてという。アストモスの年間輸入量は約320万トンで中東比率は約82％。08年には中東などからの輸入の一部を東ティモールに切り替え、中東比率を約55％に下げる。船の輸送日数は約20日と中東の約半分に短縮でき、経費削減も見込む。

△松屋フーズ<9887>、豚肉を中国産からデンマーク産に切り替え
松屋フーズは10日、「豚めし」に使う豚肉を中国産からデンマーク産に切り替えると発表した。全約730店のうち半数近い350店ですでに1日から切り替えており、残りの店舗も14日から変更する。加工肉しか輸入できない中国産の味への不満が根強いうえ、中国産の食品への信頼感が低下しているのに対応する。デンマーク産への切り替えで豚めしの価格は従来より10円高い330円となる。

△日航<9205>と全日空<9202>、中国の航空会社と共同運航・羽田―上海便
日本航空と全日本空輸は、29日から就航する羽田―虹橋（上海）便で中国の航空会社と相次いで共同運航を実施すると10日発表した。日航は中国東方航空と、全日空は上海航空、中国国際航空と実施、それぞれの航空会社が運航する旅客機に提携相手の便名を付与する。この結果、日本と中国を結ぶ便数は日航が週 294便から同301便に、全日空は3社合計で週267便から同281便にそれぞれ増える。

□荏原<6361>、羽田工場の生産機能を移転・10年9月末メド
荏原は大型ポンプを手がける羽田工場（東京・大田）の生産機能を移転させる。2010年9月末をめどに大型の送風機や冷凍機などを手掛ける袖ケ浦工場（千葉県袖ケ浦市）などに統合する予定。老朽化が進んだことに加え、ポンプや送風機など風水力機械を効率よく生産する体制を整える。移転後の跡地利用は今後検討する。

△みずほ<8411>銀、ＪＳＴと連携協定・中小企業の技術支援
みずほ銀行は10日、中小企業の技術支援を目的に、科学技術振興機構（ＪＳＴ）と産学連携の協定を結んだと発表した。みずほの顧客企業が抱える技術的課題をＪＳＴが分析し、大学や研究機関がもつ解決のための技術を紹介する。中小企業向けのビジネスマッチング業務の一環で、顧客企業の育成と新たな資金需要の開拓につなげる。

△持田製薬<4534>、持田シーメンスの出資比率49％に引き下げ
持田製薬は10日、独シーメンスとの医療機器の合弁会社、持田シーメンスメディカルシステム（東京・千代田、石井秀一社長）の出資比率を引き下げると発表した。10月1日付で発行済み株式の16％をシーメンスに譲渡する。出資比率は持田が49％、シーメンスが51％になる。シーメンスは循環器分野などに使う自社製品の診断機の営業を強化する狙い。持田シーメンスは2004年9月に発足した。主に持田が婦人科分野に使う廉価の診断機、シーメンスは循環器や腹部分野に使う高級機種の診断機を分担していた。少子化が原因で婦人科向け製品の売り上げが頭打ちになっていた。

△全日空<9202>、上海航空・中国国際航空と共同運航
全日本空輸は10日、上海航空、中国国際航空と羽田―虹橋（上海）便で29日から共同運航を実施すると発表した。全日空、上海航空が運航する旅客機にそれぞれの便名を付与する。この結果、日本各地の空港と浦東空港を含めた上海間の便数は3社合計で週104便まで増える。

△ＫＤＤＩ<9433>、インドに企業向け国際データ通信の現法設立
ＫＤＤＩはインドに企業向け国際データ通信サービスの営業拠点となる現地法人、ＫＤＤＩインド（ニューデリー市）を10月に設立する。資本金は2500 万ルピー（約7500万円）。現地に進出する日系企業からオフィスや工場内の通信網の構築・保守などを請け負う。インド南部バンガロール市や西部ムンバイ市にも支店を順次開設する。

△7月の普通鋼鋼材受注、3.2％増・鉄鋼連調べ
日本鉄鋼連盟は、7月の普通鋼鋼材受注量が前年同月比3.2％増の661万5000トンとなったと10日発表した。15カ月連続で前年実績を上回った。製造業向けの約5割を占める自動車用が6.2％増と好調。電機や機械、船舶など他の主用途でも軒並みプラスとなった。製造業向け全体では5.5％増。建設用（建築と土木の合計）は4.5％増。輸出用も7.5％増となるなど、堅調な鋼材受注が続いている。

▼7月の環境装置受注額、16.2％減・2カ月ぶりマイナス
日本産業機械工業会（東京・港）が10日発表した7月の環境装置受注額は365億5100万円となり、前年同月比で16.2％減少した。2カ月ぶりのマイナス。民需は95億1200万円で、同27.3％減。製造業向けは伸びたものの、電力など非製造業向けが落ち込んだ。官公需は260億4100万円で、同比8.8％減った。

▼セブン（セブン＆アイＨＤ<3382>）銀、顧客2万6000人分の個人情報を紛失
セブン銀行は10日、顧客約2万6000人分の個人情報を記録したコンパクトディスクを紛失したと発表した。同行は「誤って廃棄したとみられ、外部に流出する可能性は低い」としている。当該のコンパクトディスクには顧客の氏名、口座番号、電話番号などが記録されていたが、これまでに不正使用の報告はないという。問い合わせ窓口は電話0120・771・179。

△「白い恋人」の石屋製菓、森永製菓<2201>から幹部受け入れへ
主力商品「白い恋人」の賞味期限改ざん問題などで生産を全面停止している石屋製菓（札幌市、島田俊平社長）は10日、品質管理の強化に向け、森永製菓から人材を受け入れる方針を決めた。生産管理に精通した部長級の幹部を製造部門責任者として招き、年末か年明けをメドに臨時株主総会を開いて取締役にする。森永製菓は石屋製菓にチョコレートの原料などを供給しており、石屋側が幹部の派遣を求めていた。大手のノウハウを取得し、現場の従業員の意識改革や、危険度分析による衛生管理（ＨＡＣＣＰ）の認証取得を目指す。
（NIKKEI NET）

△米ペリーがＮＥＣエレ<6723>株を5.03％保有＝大量保有報告書
米投資顧問のペリー・コーポレーション（本社ニューヨーク）が１０日提出した大量保有報告書によると、ペリーの９月７日までのＮＥＣエレクトロニクスの株式の保有比率は５．０３％となった。保有目的は「投資顧問業者として、その裁量により顧客の資産運用を行うこと」と明記している。ペリーは、ＮＥＣエレとその親会社ＮＥＣ(6701.T: 株価, ニュース, レポート)の「親子上場」を非難しており、保有比率を５％超に引き上げて、ＮＥＣにプレッシャーをかけたい考えを示していた。ペリーの投資手法は、割安株を見つけて投資するバリュー投資。大量保有報告書の保有目的には、「企業経営の向上、長期的な企業価値・株主価値の向上を目指して、投資先企業の経営陣との間で建設的な会議の機会を持つことがある」としている。さらに、適切であると考えた場合は「重要提案行為などを行う場合がある」という。過去６０日間の取引状況によると、ペリーは７月１０日以降、市場内取引で段階的にＮＥＣエレの株式を買い増した。取得金額は２２２億２３４４万円。

△アドミラルシステム<2351>、三井住友<8316>銀などに同社発行株の3.4％を譲渡
アドミラルシステムは１０日、発行済株式の３．４％を金融機関に譲渡すると発表した。今後の事業展開を考慮し、金融機関との関係強化を図る。譲渡額は合計１億０９９５万６０００円で、三井住友銀行に１３６３株、埼玉りそな銀行に１１３６株を、それぞれ譲渡する。取得する資金は、主に新社屋などの設備投資や運転資金に充当する予定。

△印刷セキ<7857>、読売新聞と日刊紙印刷など受託の合弁会社設立へ
印刷業のセキは１０日、読売新聞大阪本社（大阪市北区）と、合弁会社設立による業務提携に向けて交渉を開始すると発表した。合弁会社は２００８年４月に設立し、同年１０月に事業を開始する予定。出資比率はセキが６５％、読売新聞大阪本社が３５％。読売新聞社の日刊新聞の印刷などの業務を受託する。業績への影響は、協議の進ちょくにあわせ、必要に応じて開示するとしている。

△日銀の年内利上げに疑問符、長期金利1.5％割れが視野
米国の金融政策が利下げ局面に転じることが一段と現実味を帯び、日銀の利上げの道筋についても見通しの修正が余儀なくされている。１０日午前の東京市場では、１０年最長期国債利回り（長期金利）は、２００６年３月の量的緩和政策解除前の水準となる１．５００％に低下した。多くの市場参加者は、行き過ぎた金利の低下に不安を感じつつも「これで（金利環境を取り巻く）世界が変わるのではないか」（ＵＢＳ証券・ストラテジストの道家映二氏）として長期金利が１．５％割れまで低下する可能性を視野に入れざるを得なくなっている。前週末に発表された８月米雇用統計は予想外の前月比マイナスとなり、米連邦公開市場委員会（ＦＯＭＣ）９月会合での政策金利の引き下げは決定的になったとみられている。米国のファンダメンタルズの悪化が浮き彫りになる中で「日銀としても、米国の動きに逆行する金融政策は取りにくい」（みずほ証券のシニアマーケットアナリスト、落合昂二氏）との見方が市場の大勢だ。日経平均株価が１万６０００円割れの水準に急落したほか、信用不安の高まりで「質への逃避」が顕著に現れている外為市場では円高リスクが根強く残っている。金融市場が安定性を欠くなかで、９月日銀金融政策決定会合で利上げは困難になった、とみる声が市場の大勢をしめている。
年内に日銀が利上げを実施することすら困難だとの見方も増えている。日銀の金融政策見通しが顕著に現れるユーロ円３カ月金利先物は、年内の利上げ織り込みは完全になくなった水準まで上昇（金利は低下）した。また、オーバーナイト・インデックス・スワップ（ＯＩＳ）金利は、もともと９月の政策決定会合での利上げの可能性の織り込みは１０％程度まで低下していたが、きょうの市場では５％以下まで一段と縮小。年内の利上げについても、１２月会合までの利上げの織り込みは前週は５０％台あったものの、直近では３０％程度まで低下している。ある大手邦銀の先物担当者は、日銀の政策運営についても見通しが変わることもあり得ると指摘する。「利上げ派である水野審議委員も、米国が利下げすればシナリオが変わってくると言っており、政策委員の中で利上げ派がいなくなる可能性がある。これまでは、日銀がどのタイミングで利上げに踏み切るかという点が焦点だったが、今後は、利上げそのものの実現性を見極める必要が出てくるだろう」（同じ担当者）と話している。みずほ証券の落合氏も「金融政策においては、日本は米国とずいぶんサイクルが違い、チャンスがめぐってくれば利上げの可能性はもちろんある」と期待を残すが「今の時点ではなかなかその展望は見えてこない状況だ」（落合氏）としている。
長期金利は一時、１．５００％まで低下し、昨年３月の量的緩和政策解除前の水準をつけた。「場合によっては利下げを織り込んでいく水準であり、あるいはかつて時間軸効果が存在していたときのような金利体系に突入することになる」（落合氏）ため、金利の低下余地に限界を感じているとの声は多いが、一段の低下を視野に入れざるを得ないとの声も多い。東海東京証券・債券ディーリング部長の有麻智之氏は、年内の利上げすら難しいとの観測が強まっているとし、利回りについては「今期中に債券残高を積まないといけない投資家は、１１日の５年債入札に向け買ってくるだろう。目先的に１０年債利回りは１．５％を割り込み、１．４％付近まで低下する場面もあるのではないか」と見込んでいる。

△タカラＢＩＯ<4974>、臨床開発ライセンスを韓国企業に供与
タカラバイオは１０日、同社が新たに開発したＴリンパ球培養法によるがん免疫療法について、韓国内における独占的な臨床開発ライセンスを韓国企業に供与すると発表した。同培養法をライセンス供与するのは初めて。Ｔリンパ球は、体内に侵入した有害な細菌やウィルスなどへの攻撃に関連した細胞。従来のがん免疫療法の一つである活性化リンパ球療法では、リンパ球を増加させるほど腫瘍への攻撃力が低下することが、米国立がん研究所の研究で明らかになっているという。タカラバイオは、同社が開発した組み換えたんぱく質レトロネクチンなどを用いたＴリンパ球培養法では、リンパ球を増加させながら体内での攻撃力を向上させることが期待できるとしている。

△阪神快進撃で関西経済に刺激、過去2回の優勝時は年末高相場
プロ野球阪神タイガースが快進撃している。地元では熱狂的なファンが多いだけに、阪神が優勝ともなれば関西圏のムードが明るくなり、経済にも刺激を与える期待材料になるとの見方が少なくない。０３年、０５年と過去２回のリーグ優勝時には年末高となった株式相場のアノマリーを注目する向きもいる。９日に行われた巨人戦で阪神は連勝を１０に伸ばし、首位をがっちりキープ、２年ぶりのリーグ優勝が視界に入ってきた。
株式市場では、球団親会社の阪急阪神ホールディングス<9042>のほか、試合中継に関連して関西キー局で唯一の上場企業である朝日放送<9405>など、阪神が優勝した場合の関連銘柄をピックアップする動きが出ている。今季から上位３チームまでが日本シリーズ出場をかけて争うクライマックスシリーズ（ＣＳ）が導入されたため、かりに、優勝を逃したとしても、このまま好調を持続しＡクラスを確保するだけでも、関西経済にプラスに作用するとみる関係者は少なくない。ある証券会社の大阪駐在役員は「具体的な経済効果は不明ながら、消費などに相当な貢献をするのは間違いない。自分は関東出身で阪神ファンではないが、それでも過去の優勝時にはスタッフと一緒に盛り上がった」と話す。みずほインベスターズ証券・調査部部長の一尾仁司氏は、現在、セリーグの上位争いをしている３チームに関して「全国区と言われる巨人は人気が落ちる傾向、中日の名古屋は景気がもともと良い。やや低迷している関西圏の景気を刺激するという意味で、阪神の優勝が最も経済効果があるとみられる」とコメントしていた。地元からは当然のことながら、阪神の好調を歓迎する声が出ている。
阪神タイガースの「ヘルメット」や「選手ユニフォーム」に自社のロゴを掲出するスポンサー契約を結んでいる上新電機<8173>によると「地元で一緒になって応援しようという空気が大きいだけに、関西経済に大きな効果をもたらす。スポンサーとして、ビジネスチャンスを逃さないようにする考えだ」（同社広報担当者）という。上新電機では、リーグ優勝はもちろんのことＣＳ出場決定でも、何からのセールを実施する予定で、これから阪神サイドと内容を詰めていくとしている。
かりに、阪神優勝となった場合、阪急阪神ホールディングスに統合してから最初のケースとなる。傘下の阪急、阪神両百貨店は１０月１日、持ち株会社のＨ２Ｏリテイリングに経営統合するが、
阪急百貨店<8242>としては、もちろん初めての体験だ。同社の広報担当者によると「統合する阪神は確実に行う方向。阪神側と統合後は協議することになるが、現時点で阪急百貨店がタイガースに関するセールは、優勝、ＣＳ進出ともに検討中としか言えない」という。他方、阪神優勝と株価動向のアノマリーについて、マーケット関係者も注目し始めた。ある中堅証券の情報担当者によると「あくまでもアノマリー現象と割り切ってとらえる材料だが、阪神優勝の年は年末にかけて株価が上昇した経緯がある」という。阪神が優勝した２００３年と２００５年の１０─１２月（９月末日終値から大納会終値まで）の日経平均は、０３年が１万０２１９円０５銭から１万０６７６円６４銭、０５年も１万３６０６円５０銭から１万６１１１円４３銭までそれぞれ上昇した。それより以前の１９８５年も、１万２７００円１１銭から１万３０８３円１８銭まで上昇。直近３回は「全勝」となっており、買い方にとってすがりたい過去データとなっている。

△ＳＵＭＣＯ<3436>が08年1月期営業益予想を上方修正、半導体ウエハー好調
ＳＵＭＣＯは１０日、２００８年１月通期の連結業績予想を上方修正し、営業利益見通しを前年比６１．２％増の１３６０億円に引き上げると発表した（従来予想は１２００億円）。半導体材料であるシリコンウエハーの上半期の販売が堅調に推移したため。ロイターエスティメーツによる主要アナリスト１８人の予測平均値は１４２２億円。売上高は前年比５０．３％増の４８００億円（従来予想は４７００億円）、経常利益は同７４．１％増の１３２０億円（同１１５０億円）、当期利益は同２．７％増の７４０億円（同６５０億円）に引き上げた。通期予想の上方修正には、好調だった上半期の業績結果のみを織り込み、下半期については従来見通しを据え置いた。会見した重松健二郎社長は「為替が上半期は１ドル１２０円で終わったが、下半期は１１５円で見ておくべき」と述べ、慎重な姿勢を崩さなかった。子会社の設備投資計画を前倒すことも、下半期の見通しを変更しなかった理由だという。好業績を受け、ＳＵＭＣＯは中間配当と期末配当をそれぞれ従来予想の１株１７円５０銭から２７円５０銭に引き上げた。これにより、年間配当予想は１株３５円から５５円となった。

△日理化<4406>が59.57万株・1.33億円を上限に自己株取得へ、発行済み株式の1.57％
新日本理化は１０日、発行済株式総数の１．５７％に相当する５９万５７００株・１億３３４３万６８００円を上限に自己株式を取得すると発表した。１１日午前８時４５分の大阪証券取引所Ｊ─ＮＥＴ市場における自己株式の取得に関する委託をする。

▼現状判断ＤＩ、0.6ポイント低下＝8月景気ウォッチャー調査
内閣府が発表した８月の景気ウォッチャー調査では、景気の現状判断ＤＩが４４．１となり、７月の４４．７から０．６ポイント低下した。４４．１は２００３年６月（４２．１）以来の低水準。横ばいを示す５０の水準を５カ月連続で下回った。家計動向関連ＤＩは上昇したが、企業動向関連ＤＩと雇用関連ＤＩが低下した。原油・原材料価格の上昇や円高、求人数が伸び悩んだことが影響した。２、３カ月先を見る先行き判断ＤＩは４６．５となり、７月の４６．７から０．２ポイント低下した。４６．５は２００４年１２月（４４．０）以来の低水準。家計動向関連ＤＩが上昇し、企業動向関連ＤＩが横ばいだったが、雇用関連ＤＩが低下した。内閣府は、８月の景気ウォッチャー判断について「景気は回復に弱い動きがみられる」を維持した。
雇用関連ＤＩは、現状、先行きともに横ばいを示す５０の水準を下回り、現状は２００３年６月以来、先行きは２００４年１２月以来の低水準となった。８月は、米国のサブプライムローン（信用度の低い借り手向け住宅ローン）問題を発端に金融市場が混乱した。現状の企業動向関連について「米国での売上が停滞しているところへ、株安と円高が加わり、米国での売上は予定を下回っている」（東海・電気機械器具製造業）、「最近の円高等で繊維関係の物量が動かず、特に東南アジア向けの衣料品出荷が少なくなっている。また、燃料価格の上昇分を転嫁できず、ますます厳しい」との指摘が出ていた。また、家計動向関連でも「猛暑にもかかわらず前月よりも引き合い件数は増えている。ただし、月末になっても秋物の売れ行きは例年よりも悪いほか、株安の影響で高額品の引き合いも少なくなっている」（近畿・百貨店営業担当）との指摘があった。地域動向では、全国１１地域中、４地域で現状判断ＤＩが上昇し、７地域が低下した。最も上昇幅が大きかったのは北陸、最も低下幅が大きかったのは四国だった。先行き判断ＤＩは、全国１１地域中、４地域で上昇し、１地域で横ばい、６地域で低下した。最も上昇幅が大きかったのは北陸で、最も低下幅が大きかったのは沖縄だった。

▼米雇用者数の予想外の減少、年末商戦に暗雲
８月米雇用統計で非農業部門の雇用者数が予想外の４０００人減となったことで、既に不安に駆られている消費者が財布の紐を引き締め、年末商戦の売り上げがリセッション（景気後退）の水準まで減速する恐れがあるとの見方が浮上している。非農業部門雇用者数は４年ぶりに減少に転じ、住宅不況やガソリン・食品価格上昇に加え、雇用が消費者の新たな懸念材料となった。リテール・メトリックスのプレジデント、ケン・パーキンス氏は「稀に見るひどい数字だ。懸念が高まるのは明らか」などと述べた。

△レッグス<4286>が700株上限に自己株取得へ、発行済み株式の2.58％
レッグスは１０日、発行済み株式総数の２．５８％に相当する７００株を上限に自己株を取得すると発表した。取得総額上限は１億０５００万円。取得期間は９月１１日から１２月２１日まで。
（ロイター）

▼ふくおかＦＧ<8354>：新株発行などで最大492億円の資本増強－親和銀増資に
ふくおかフィナンシャルグループは10日、公募による新株発行と自社株の売り出しなどで月内に最大492億円の資本増強を行うと発表した。調達する全額を10月に経営統合する親和銀行の増資引き受け資金の一部に充てる。同日１株当たりの発行価格を556円に決め、増資額が確定した。統合後は総資産で横浜銀行を抜き地銀トップとなる。この増資方針は先月末に発表していた。ふくおかＦＧは９月28日に親和銀行が実施する1000億円の第三者割当増資を全額引き受けたうえで、10月１日に経営統合する予定。ふくおかＦＧによる親和銀行の株式取得や増資引き受けなどを含めた支援額は1760億円となる。
（ブルームバーグ）

△ダヴィンチ<4314> いちよし証券では7日付で、投資判断「1-A-HR」を継続している。
含み益を考慮すれば、当面は年率40％のＥＰＳ成長が可能と。また、フェアバリューについては16万円としている。

△電化<4061> 堅調。
野村では投資判断を「３」から「２」に格上げ、本日の買い材料につながっている。主力事業のクロロプレンゴム市況が予想以上に好調であるとして、今期の営業利益は会社計画320億円に対して、340億円と予想している。株価水準も割安で中期的成長力はまだ株価に織り込まれていないと判断。

△ロックＦ<2910>---しっかり、第1四半期伸び悩みも想定線
しっかり。先週末に第1四半期の決算を発表、営業利益は前年同期比5.5％増益を確保したが、中間期予想は44％増益であり、下ブレ懸念は強まる格好となっている。ただ、野菜価格の上昇など足元の業績伸び悩み傾向は想定線との見方、8月の月次売上は回復傾向に向かっていることなど、比較的評価する見方が多いようだ。

■マネパ<8732>---強弱感が対立しやすいところか
大幅続落で25日線を割り込む。為替相場が再び円高基調を強めてきており、ＦＸ（外国為替証拠金取引）人気への影響が警戒されているようだ。ただ、25日線割れも下げ渋りをみせているほか、一目均衡表の遅行スパンは上方転換シグナルを発生しやすいところに位置している。強弱感が対立しやすいところか。
（フィスコ）

□１０日の東京外為市場＝ドル・円下げ止まり
１０日の東京外国為替市場で、ドル・円は下げ止まり。米８月の雇用統計が市場予想から大きく下ブレ、サブプライムローン問題が米国の実体経済に波及したことで、早朝は外国勢のドル売り（円買い）に、１ドル＝１１２円６１銭までドルは急落（円は急騰）した。その後、本邦平均株価が下げ渋ったことや、ドル急落の反動で、輸入企業のドル買い（円売り）が活発化。特に、１ドル＝１１３円台ではドル買い（円売り）圧力が強まった。欧州時間には、クロス円の上昇から、一段のドル高・円安が進行した。ただ、市場では米景気後退懸念から「ドルを積極的に買いには向かえない。今週中にドルの年初来安値１１１円５８銭を試す展開もあり得る」（邦銀）との声が聞かれた。

△カプコン<9697>が２カ月ぶり高値、バイオハザードの新シナリオを公開
大手ゲームソフト会社のカプコンが反発。一時１８０円高の２６９５円まで上昇し、７月１１日の年初来高値２５７０円を約２カ月ぶりに更新した。終値ベースで東証１部の値上がり率第３位。
同社は先日、１１月１５日に発売予定の任天堂<7974>Ｗｉｉ用ソフト「バイオハザード　アンブレラ・クロニクルズ（バイオＵＣ）」の新シナリオと最新画像を公開。年末商戦にかけての同社最大の話題作であり、盛り上がりを見せてきた。また、信用倍率は８月３１日時点で０．４３倍と前週の０．４６倍からさらに低下。好需給を形成している。この日の出来高は１２９万株に膨らみ、先高期待が強まっている。

△Ｊパワー<9513>にディフェンシブ人気、配当権利狙いの買いも
Ｊパワーが１５０円高の４４００円と続伸。電力各社への電力卸が主業務で、全般の地合いの悪化からディフェンシブ（防御）感覚の買いが継続している。９月中間配当として、１株に付き３０円を実施の意向で、配当権利狙いの買いもあるようだ。時価は連結予想ＰＥＲ１９倍台と割高感もなく、９月の配当権利最終日に向けて、さらなる水準訂正が有望視される。

△ニチイ学館<9792>が高値で引ける、日本シルバーサービスなど子会社化、モルガン証は投資判断を引き上げ
ニチイ学館が続伸、８２円高の１８９５円とこの日の高値で取引を終了した。
７日にグッドウィル・グループ<4723>の子会社・コムスン関東および日本シルバーサービス（ＮＳＳ）の株式取得と、ＮＳＳが横浜市内で運営する施設「桜湯園横浜緑」の取得を発表した。これを受けてモルガン・スタンレー証券では１０日付で、ニチイ学館の投資判断を「アンダーウエート」から「イコールウエート」、目標株価を１４６０円 →１９００円に引き上げた。遅れを取っていた施設介護の拡大が期待できるとコメント。また、今回の買収総額を６５億円と算出。グッドウィルは前回の居宅３事業と合わせて２７５億円を受け取ることになり、多少なりとも財務状況を改善させることができると評価している。

▼ダスキン<4665>が後場一段安、子会社が東京都から処分
清掃用具レンタルと「ミスタードーナツ」など飲食店を加盟店方式で展開するダスキンが後場一段安、一時３５円安の１９９０円まで売られている。同社は１０日後場、子会社ダスキンゼロケアが、東京都より４事業所の指定訪問介護事業所に係る指定取り消し処分を受けたと発表した。ダスキンゼロケアは５月から資料提出および東京都福祉保健局の立ち入り検査を受けていたが、拠点設立時の虚偽の指定申請に加え、訪問介護員の欠如など人員基準違反があったとして、指定訪問介護事業所に係る指定処分の取り消しを受けた。なお、今３月期連結業績に本件が与える影響は軽微としているが、今後何らかの影響がある場合は適正に開示していくとしている。
（株式新聞ダイジェスト）

▼ＳＢＩ<8473>が年初来最安値更新、日経平均に採用されず
ＳＢＩホールディングスが一時、前日比1990円（6.96％）安の2万6620円まで下落して、年初来最安値を更新。同銘柄に関しては７日発表予定だった日経平均の定期構成銘柄入れ替えで新規採用になるのではないか、とする見方があったが、実際には選ばれなかったことを受けて、市場の一部で失望売りもでているようだ。
他、日経平均構成銘柄から除外となった日清オイリオグループ<2602>が一時、前日比31円（5.22％）安の563円まで下落、トピー工業<7231>が一時、前日比27円（7.12％）安の352円まで下落するなど大きく下げる展開ともなっている。

▼ミクシィ<2121>が安い、ソーシャルネット世界最大手のマイスペースが本格参入
ミクシィが一時、前日比4万4000円（5.64％）安の73万6000円まで下落。８日付けの日経新聞がソーシャルネット世界最大手の米マイスペースが今月中旬から日本語版サイトで携帯電話向けの音楽や動画配信サービスを始めると報じたことが懸念材料の一つとなったようだ。日本語版のマイスペースの知名度はまだ低いが、競争に陥った場合にはミクシィの業績圧迫要因になるのではないかといった見方もでている。

□オストジャパングループ<2757>が札証上場、初値は公開価格を14％下回る
オストジャパングループがきょう10日、11万7000円の公開価格を14％下回る10万1000円の初値を付けて札幌証券取引の新興市場「アンビシャス」に上場した。同社は調剤薬局の経営を手がける。主幹事はみずほインベスターズ証券。

▼マネーパートナーズ<8732>が急落、円高の進行を受けて再び先行き懸念感
マネーパートナーズが一時、前日比2万7000円（7.20％）安の34万8000円まで下落して、急落。先週末比で2円近くも、円高が進行したことを受けて、外為証拠金取引を行う個人投資家を中心に損失を出したのではないか、といった懸念感が生じている。昨年来、ドル高＝円安が進行する過程で外為証拠金取引に参入した個人投資家のほとんどが、ドル買い＝円売りのポジションを立てて利益を上げてたと見られており、最近になってから顕著化しているドル高＝円安の動きは個人投資家の外為証拠金取引離れの要因になるのではないかといった見方もでている。

▼オンライン証券株が大幅安、ネット証券５社の信用残高が縮小
マネックス・ビーンズ・ホールディングス<8698>が一時、前日比4500円（6.43％）安の6万5500円まで下落、松井証券<8628>が一時、前日比44円（5.09％）安の820円まで下落、カブドットコム証券<8703>が一時、前日比5000円（4.17％）安の11万5000円まで下落、ＳＢＩイー・トレード証券<8701>が一時、前日比5000円（5.05％）安の9万4000円まで下落するなど主力のオンライン証券株がそろって大幅安。８日付けの日経新聞がネット証券５社の信用残高が縮小し、８月末は前月比で15％の減少となったと報じたことが懸念材料視されている。信用取引の取引高の高いオンライン証券の下落率が目立つところとなっており、市況の調整の長期化を受けて損失をこうむった個人投資家を中心に市場から撤退を余儀なくされる例が増えているのでは、といった見方もでてきている。
（テクノバーン）

△三井ハイテック<6966>が業績修正～エアコンモータ向け好調
三井ハイテックは１０日、２００８年１月期７月中間期および通期の連結業績予想の修正を発表した。営業利益については、中間期を期初予想から４億円増額の２２億円（前年同期比８．５％増）に、通期を２億円増額の４０億円（前期比６．１％増）に、それぞれ上方修正した。中間期の営業利益は期初の時点では１１．１％減益の予想だったが、今回の修正で増益見通しに転じたことになる。モータ用の金型やその金型から作るモータコア（鉄心）が、特にエアコン向けで好調だったことが主因。一方、主力のＩＣリードフレーム事業は苦戦が続いた。第１四半期（２－４月）の在庫調整から回復を見込んでいたものの、回復の度合いは想定よりも鈍かった模様。汎用品では価格競争も激しくなっているという。

▼ＳＫエレク<6677>が下方修正、通期最終損益は小幅赤字へ
エスケーエレクトロニクスは１０日、２００７年９月期通期の連結業績予想の下方修正を発表した。売上高を５月時点の予想＝２００億円から１８０億円に、営業利益を６億３０００万円から１億１０００万円にそれぞれ減額。最終損益はそれまでの３億５０００万円の黒字予想から１０００万円の赤字に転じる見通しとなった。配当予想についても、５月時点の予想＝期末のみ１２００円から同７００円に減額した。前期実績は期末のみ１９００円だった。同社は液晶用フォトマスクを手がける。通常、生産調整などにより液晶パネルメーカーの生産ラインが空いているときに新規開発が行われフォトマスクの需要が発生するが、４月以降の液晶パネルの流通在庫減少による需要対応でパネルの生産活動が活発だったため、フォトマスクの需要が盛り上がらなかったという。

△日水<1332>が好人気
日本水産が商いを伴って上伸している。メリルリンチ日本証券が同社株の投資判断を新規に「買い」としたことが手がかり材料。来期以降は２ケタ営業増益になることなどを評価している。リポートでは「今期業績および来期を最終年度とする中期経営計画の利益目標が未達に終わることを危惧して、１Ｑ決算発表前後から株価は急速に調整し、６月の最高値から実に４１％も下落した。我々は足もとの弱い業績モメンタムは株価に織り込まれつつあると判断」などとしていた。養殖事業の将来性も前向きにとらえている。
（ラジオNIKKEI）