9/6 朝の『株価材料』PART Ⅲ

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■株価材料

▼花王<4452>の９月中間、営業減益率が縮小・９％減に
花王の2007年9月中間期の連結営業利益は前年同期比9％減の530億円程度となる見通しだ。従来予想は16％減の490億円。主力の家庭用品の販売が高価格帯を中心に伸びる。原材料高の影響を吸収し、減益率が縮小する。売上高は9％増の6550億円程度と従来予想を150億円上回る見通しだ。販売体制の強化が奏功し、家庭用品が従来計画を上回る。猛暑効果もあり、シャンプーリンスの高価格帯の新ブランド「セグレタ」、既存商品「エッセンシャル」が好調。洗浄料「ビオレ」シリーズ、高価格帯歯磨き「薬用ピュオーラ」も伸びる。家庭用品の原料となる天然油脂を中心に原材料価格が高騰。営業利益の圧迫要因となるが、増収効果とコスト削減で吸収する。買収したカネボウ化粧品ののれん代（53億円）を計上し営業減益になる見込み。

△稲葉製作所<3421>の７月期、経常利益16％増
稲葉製作所の2007年7月期は連結経常利益が前の期比16％増の32億円程度になったようだ。従来予想は28億円。鋼材価格が期初の想定ほど上昇せず、仕入れ価格が抑えられた。売上高は348億円前後と3％増えたが、従来予想を9 億円下回ったようだ。競争激化でオフィス家具の単価が下落した。中小型の新型物置は伸びた。
08年7月期は連結売上高が前期推定比3％増の358億円程度となる見通し。鋼材物置製品の品ぞろえを拡充する。

△上海でｅラーニング・ネットラーニング、日本語など研修
キヤノン<7751>や小学館などが出資するインターネット教育大手、ネットラーニング（東京・新宿）は、中国・上海で日系企業向けのｅラーニング（ネットを利用する遠隔教育）事業を始める。9月中にも現地法人を設立し、主に中国人社員を対象に日本語やビジネスマナーを研修する。日系企業の中国人社員の離職率は高く需要が見込めると判断した。初の海外進出で、今後は中国企業向けにも事業を拡げる計画だ。9月中にも14万ドル（約1620万円）を投じ上海に100％出資会社を設立、中国語によるｅラーニングの提供を始める。会社の個人端末などから好きな時間にログインし、画面に従ってメニューをこなしていく仕組み。

□米スティール、日本での運用実績急低下・１―７月、マイナスに
日本株に投資する米系投資ファンド、スティール・パートナーズ・ジャパン・ストラテジック・ファンドの運用実績が急低下している。1―7月の経費などを差し引いた後の利回りはドル建てでマイナス0.4％、円建てでは同2.2％。ピークの2005年はドル建てで33.7％だった。日本の株式市場の環境悪化に加え、投資銘柄の株価が一時に比べ下落したり、上昇が一段落したりしたためとみられる。同ファンドが運用状況について投資家に送った手紙で明らかになった。手数料などの経費を引いた後のドル建ての利回りは03―05年に20―30％台の高水準に達したが、06年には8.4％に縮小している。02年のファンド設定当初からの利回りは126.6％になる。利回り低下の理由は明らかにしていないが、市場環境の悪化が原因とみられる。スティールによるＴＯＢ（株式公開買い付け）や増配要求への期待が高まった銘柄で、株価上昇が落ち着いた影響もあるようだ。

△コマツ<6301>、09年度までの設備投資1500億円に・基幹部品を増産
建設機械世界2位のコマツは、2007―09年度の建機の生産設備への投資額を当初計画より300億円上積みし1500億円に引き上げる。上積み分は主にエンジンや油圧機器など基幹部品の増産に充てる。中国など新興国を中心に世界の建機需要が予想を上回るペースで拡大している。過去最大規模の投資を継続し、世界首位の米キャタピラーを追い上げる。小山工場（栃木県小山市）のエンジンや油圧機器、真岡工場（栃木県真岡市）の車軸、粟津工場（石川県小松市）のトランスミッションなど、国内工場で集中して生産している基幹部品の増産に振り向ける。中国やインド、ロシアなど新興国の建機工場の生産能力も増強する計画だ。

△製紙大手、古紙の配合比率下げ・再生紙、ＣＯ２排出抑制
製紙大手が一部の再生紙で古紙配合比率を下げている。三菱製紙<3864>は上級再生紙の同比率を40―70％から15％に変更。日本製紙<3893>は9月中に古紙100％の再生紙の生産をやめる。資源の有効活用の視点から古紙配合比率を上げてきたが、比率が一定水準以上になると製造段階で重油や石炭の使用が増え二酸化炭素（ＣＯ2）排出量が膨らむ難点があったという。温暖化ガス削減を進める狙いだが、一方で森林資源保護とのバランスをどう取るかを問われることにもなりそうだ。

△穀物などの種子処理用農薬、三井化学<4183>が欧米で販売
三井化学は穀物などの種子にあらかじめ農薬を塗布する「種子処理」事業を2008年をめどに本格化する。需要の多い欧米地域で種子処理用に使う除草剤や殺虫剤の有効成分（原体）を販売。将来は現地に製剤や販売、技術サービスを手掛ける拠点を開設する。16年3月までに20億円の売上高を目指す。農薬を塗布した種子は、土中で種が腐食したり虫に食べられてしまうことを防ぐ機能がある。農薬を散布する手間も省けて、発芽の率を高める効果があるため北米や南米を中心に世界的に需要が拡大しているという。

■ゼンショー<7550>、スシロー<2781>と休戦・新株発行、差し止め請求見送り
外食大手のゼンショーと投資ファンドのユニゾン・キャピタル（東京・千代田）は、回転ずし大手のあきんどスシローの企業価値拡大に向け協力することで合意した。スシローの筆頭株主であるゼンショーは、スシローが予定している増資に対する差し止め請求を見送る。両社は資本政策を巡り対立していたが、ユニゾンを仲介役にひとまず「休戦」となった。ゼンショーは現在、スシロー株の発行済み株式数の27％を保有する筆頭株主。ユニゾンはスシローが14日に実施する第三者割当増資の引受先で、18％を保有する第3位株主となる。ゼンショーとユニゾンの経営トップは覚書を締結。スシローの企業価値向上策を話し合うため、定期的な会合を開く。

△ＨＳＢＣ、日本での個人向け金融に参入・資産1000万円以上が対象
欧州金融グループ最大手で香港上海銀行を傘下に持つ英ＨＳＢＣグループは2008年1月から日本で個人向け金融業務を始める方針だ。預かり資産1000 万円以上の顧客を対象に富裕層向けビジネスを手掛ける。まず東京と大阪に専門店を開設し順次全国に店舗網を広げる。
日興コーディアル<8603>グループを買収した米シティグループに続く欧米金融大手の富裕層向け参入で、日本を舞台にしたマネー争奪戦は一段と激しくなりそうだ。香港上海銀のスチュアート・ミルン在日代表が日本経済新聞記者に5日明らかにした。6日に正式発表する。

■消費税上げ、ハードル高く・政府税調、来週にも再開
政府税制調査会（首相の諮問機関）の香西泰会長と与謝野馨官房長官は5日、首相官邸で会談し、当初方針通り今月から消費税を含む税制の抜本改革議論を始めることで一致した。これを受けて政府税調は来週にも会合を再開する。消費税率の引き上げにどこまで踏み込むかが焦点だが、参院の与野党逆転で早期実現は難しい情勢。政治情勢をにらんで難しいかじ取りを迫られそうだ。香西会長は会談後に記者団に対し「政府税調の議論を再開すると報告した。個別の税目については特に話し合っていない」と述べた。政府関係者によると、与謝野長官は「難しい政治情勢にとらわれず筋道だった議論をしてほしい」と要請した。香西会長は近く安倍晋三首相とも会談する方向で調整している。

△ジーエヌアイ<2160>、資金調達見込み下回る・第三者割当を失権
バイオベンチャーのジーエヌアイは5日、オーバーアロットメントによる売り出しに伴う第三者割当増資に申し込みがなく、全株が失権したと発表した。約1 億5700万円の追加的な資金調達ができなかった。同社の株価は公募・売り出し価格の90円を下回る水準で推移し、5日の終値は75円で、主幹事の野村証券への割当予定価格を下回っていた。ジーエヌアイは8月31日に東証マザーズに新規上場した。目論見書提出時点で想定した公募・売り出し価格は130円だったが、実際は仮条件の下限の90円。公募増資による資金調達額は当初見込みを3億7000万円下回る約8億円にとどまった。オーバーアロットメントによる第三者割当増資の失権と合わせると、当初見込んだ調達額を約5億3000万円下回ったことになる。同社は調達した資金を主に研究開発費にあてるとしているが「短期的には研究開発に大きな影響はない」と説明している。

△日本アジアホールディングズ、アジア航測<9233>の筆頭株主に
日本アジアホールディングズ（東京・千代田、呉文繍社長）は、航空測量大手のアジア航測の発行済み株式27.68％を取得し、筆頭株主となる。
6日付で現在の筆頭株主であるソフト開発のトライアイズ<4840>（東京・渋谷、池田均社長）から、約19億6200万円で譲渡を受ける予定だ。日本アジアは昨年12月に航空測量大手の国際航業の株式を27.87％取得し、筆頭株主になっている。今後、傘下にアジア航測を加え、両社の業務の相乗効果を狙う。トライアイズ（当時ドリームテクノロジーズ）は2005年にアジア航測株を大量取得し筆頭株主になったが、昨年12月に取得株の売却を公表していた。
（NIKKEI NET）

△ダイソー<4046>、強化剤製造で新技術、植物原料プラ　１割安く

△日立<6501>公共システムエンジニアリング、中国で要員２００人に倍増

△ＮＥＣ<6701>、仮想ＬＡＮ、設定ミス　数分で検出

△日鉄<5401>鋼管、生産体制を増強、大阪・福岡に新工場　月産２万８０００トンに

△三菱重工業<7011>・新日本製鉄<5401>、ＪＦＥ<5411>は見送り　消えた３社連合

△ライオン<4912>、高層建築物のヒビ防ぐコンクリ用散布剤

△松下電工<6991>、照明器具を拡販――ビル・工場用、更新需要狙う

△ケンウッド<6765>、欧州でオーディオ機器拡販

△８月のウイルス被害、５カ月振りの増加・トレンドマイクロ<4704>調べ
セキュリティー対策大手のトレンドマイクロは５日、８月のコンピューターウイルスの活動状況をまとめた。同社に報告があったウイルスの被害件数は5183件と前月より17％増えた。被害件数が前月より増えたのは３月以来、５カ月ぶり。ただし感染報告の多いウイルス上位10種を合計しても全報告数の５％にとどまり、ウイルスの種類の分散が進んでいることがうかがえる。単一のウイルスの大流行はなく、特定の集団や地域を狙う多種多様なウイルスが流行している。８月は３日にジャストシステムの日本語ワープロ「一太郎」を、17日に無償で利用できる国産ファイル圧縮ソフト「Ｌｈａｚ」を狙ったウイルスが確認された。

△松竹<9601>、ヤフー<4689>で映画をネット配信、２次利用拡大
松竹はヤフーを通じた映画のネット配信を始める。松竹が権利を保有する洋画や邦画などを好きなときにパソコンで視聴できるようにする。松竹はこれまでも他の映像配信サイトを通じて映画配信事業を手がけてきたが、閲覧数の多いヤフーと組むことで、サービスの知名度を向上させるとともに、映画の２次利用による売り上げ拡大を見込む。７日から「ヤフー！映画」で配信を始める。第１弾としてレオナルド・ディカプリオ主演の洋画「アビエイター」や松竹が製作出資した邦画「クイール」など18作品をそろえる。料金は１作品につき367円。ストリーミング（逐次再生）形式のため、映画をパソコンに保存することはできないが、７日間であれば何度でも視聴できる。

△セガ<6460>、カラオケ携帯サイトを開設・３万曲以上無料で
ゲーム大手のセガは１人でカラオケを歌う人向けの携帯電話サイト「ヒトカラ」を開設した。歌詞を見ながら歌の練習ができ、３万曲以上を無料で歌うことができる。カラオケ携帯サイトでは月額課金などの有料サービスが多く、無料サイトは初めてという。
まずＮＴＴドコモ<9437>向けサイト（http://mkara.jp）を開設する。ＫＤＤＩ<9433>（ａｕ）向けは10月にオープンし、ソフトバンク<9984>モバイルにも順次対応していく予定。

△技術者が働きたいメーカー、ホンダ<7267>が首位に・日経ＨＲ調べ
就職・転職情報サービスの日経ＨＲが実施した2007年版電気・電子・機械技術者調査によると、技術者が働いてみたいメーカーのトップがホンダだった。研究開発に熱心で専門性を生かせるとの評価を得た。
任天堂<7974>や東芝<6502>も順位を上げ「攻めの経営が研究開発の連想を誘い人気を高めている」（同社）。日経ＨＲが今年３月末から４月初旬にインターネットで調査し、ハードウエア技術者446人から回答を得た。

△不二越<6474>、国内営業窓口を顧客ごとに一本化
不二越は国内の営業体制効率化などを柱とする組織改正を発表した。このほど子会社化した機械専門商社のナチ常盤（東京・港）に、営業や技術サービスの人員10人を新たに出向させる。そのうえで両社の顧客企業の分担を明確にし、営業窓口をそれぞれ一本化する。不二越は持ち分法適用会社だったナチ常盤を６月に子会社化した。ナチ常盤は不二越の工作機械の販売・技術サービスを手がけていたが、不二越本体の営業と顧客企業が一部重複していた。

△資生堂<4911>、40歳以上向けスキンケア品を刷新
資生堂は５日、40代以上の女性を対象にしたスキンケア製品「リバイタル」を10月21日に刷新すると発表した。保湿効果のある新成分を新たに加え、たるみやしわ、くすみ、しみの原因となる肌へのダメージを防ぐ機能を強化した。主力品の化粧水と乳液の刷新は７年ぶり。新たな保湿成分「カスムナールエキスＧ」を化粧水と乳液、クリームに配合した。同成分はショウガ科の植物から抽出したもので、従来品よりもさらに肌のはりを保つ効果を期待できるという。2006年発売のクリームを除き、00年以来の刷新となる。商品名は化粧水「ローションＥＸ（１・２）」と乳液「モイスチャーライザーＥＸ（１・２）」、クリーム「クリーム　エンサイエンス　ＡＡ　ＥＸ」と、それぞれに「ＥＸ」を付け加えた。乳液の税抜きの希望小売価格は従来品に比べ1000円高い7000円に設定。化粧水とクリームは従来と同じ 6000円と２万円に据え置いた。

△エステー<4951>、お酒の香りの芳香剤
エステーは25日、お酒の香りのする消臭芳香剤「シャルダン　マイアロマ」ブランドを立ち上げる。香りは「ジンライムの香り」「カンパリグレープフルーツの香り」「マスカットフィズの香り」の３種類で、価格は315円。缶詰タイプの容器にゼリー状の芳香剤80グラム入りで、香りは１―２カ月持続する。初年度150万個の販売を目指す。30―40代の女性に人気のあるカクテルの香りに合わせ、かんきつ系果実を絞って抽出した天然オイルを配合した。果物の写真を缶の表面に大きく印刷するなど、カクテルを連想させる容器を採用した。

△ＮＥＣ<6701>、インテル製の最新ＣＰＵを搭載したブレードサーバー
ＮＥＣは５日、ブレード（刀身）型サーバーの新製品を発表した。米インテルが同日から出荷を始めた最新ＣＰＵを搭載し、処理性能を最大で２倍に高めた。大規模システムでも省スペースのブレード型サーバーの需要が高まっているのに対応する。新製品「Ｅｘｐｒｅｓｓ５８００／１４０Ｂａ―10」は、インテル製ＣＰＵ「Ｘｅｏｎ」を最大４個搭載できる。ＣＰＵとしては、中枢回路を４個持つ「クアッドコア型」と２個持つ「デュアルコア型」のどちらかを選択する。クアッドコア型ＣＰＵを搭載するモデルが143万円から、デュアルコア型が125万円から。

△クレオ<9698>、住所録活用ソフト「Excelで宛名印刷２」
ジャスダック上場でシステム開発のクレオは５日、14日から表計算ソフト「エクセル」で管理する住所録を、はがきや封筒などに直接あて名印刷できる「Ｅｘｃｅｌで宛名印刷２」を発売すると発表した。エクセルの最新バージョンに対応するなどした。エクセルで管理している住所録などをはがきや封筒に印刷する場合、あて名印刷ソフトへの住所録のデータ移行が必要なことが多い。今回発売するソフトと同社の主力「筆まめＶｅｒ．18」など一部ソフトを組み合わて使うと、郵便番号や住所などがはがきや封筒のあて名の位置に自動的に割り当てられ、印刷できる。同社の直販サイトなどで販売。ダウンロード版は2625円。
（日経産業新聞）

△ベスト電器<8175>：グループ会社の運営強化を狙い、関連企業本部を同日付で新設。
拡大する連結子会社全体を一括して管理する必要性が生じたことが背景。同時に、地盤の九州での営業を一段と強化するための体制も構築する。

△三井金属エンジニアリング<1737>など：元村上ファンド社員の高坂卓志氏が取締役を務めるエフィッシモ・キャピタル・マネジメント（シンガポール）がＭＥＳＣＯ、
新立川航空機<5996>、ダイワボウ情報システム<9912>の株式の保有比率をそれぞれ引き上げていたことが大量保有報告書（５％ルール報告書）で明らかになった。

△アステラス<4503>：自己株650万株を６日午前のTOSTNET-２で買い付けすると発表。
取得する株式総数は650万株で、５日の終値5170円で実施する。

▼日糧製パン<2218>：「ホットケーキ マーガリン＆メイプル」を自主回収する。
一部製品にカビが発生したためで、該当商品の出荷数は766。製造した一部コンベアの洗浄、殺菌が不十分であったことが要因と推測している。
（ブルームバーグ）

△米エクソン、シンガポールに大規模石油化学施設＝三井造<7003>や三菱重<7011>にも発注
米石油大手エクソンモービルは5日、シンガポールの石油基地ジュロン島に2基目の大規模な石油化学複合施設を建設することを最終決定し、発表した。建設するのは年間生産能力100万トンのエチレンプラントなど複数の施設で、一部事業を三井造船や三菱重工に発注した。稼働は2011年初旬を目指す。　

■福島県、核燃料税で東電<9501>と合意＝重量課税、1キロ2000円上げ
福島県は5日、現行の課税期間が12月30日に満了する核燃料税について、重量1キロ当たりに対する課税額を2000円引き上げ8000円とすることで東京電力側と正式合意した。県は9月議会に新条例案を提出する。　

□三菱ウェルファーマ（三菱ケミカルＨＤ<4188>）、薬害エイズ事件の報告書など公開＝田辺製薬との合併控え
三菱ウェルファーマ（旧ミドリ十字）は5日、薬害エイズ事件についての報告書と今後の改善策を公開した。報告書は2006年5月に発足した三菱ウェルファーマ社員と外部有識者による調査委員会がまとめた。　
（時事通信）

▼株信用取引手数料に不当つり上げの疑い…証券監視委が検査
株の信用取引をする投資家が、証券会社を通じて株を借りた相手に手数料として支払う「品貸料（しながしりょう）」が不当につり上げられている疑いのあることがわかった。
品貸料を決める証券金融会社の入札で、最大手の「日本証券金融<8511>」（東京都中央区）が、入札に参加する証券会社に高めの価格を提示するよう働きかけていたとみられる。信用取引が個人投資家に広がる中、割高な手数料を支払わされていることになり、証券取引等監視委員会は同社の検査に着手した。証券金融会社は、金融庁の免許を受けた専門会社で、証券会社に信用取引の決済に必要な株や資金を貸し付ける業務などを行っている。金融当局の検査を受けるのは２５年ぶり。日証金と大阪証券金融（大阪市）、中部証券金融（名古屋市）があり、日証金は東京、福岡、札幌、ジャスダックの４証券取引所を担当している。

■塾帰りの男児、小田急<9007>バスが置き去り…車庫入れで見落とし
小田急バスの生田営業所（川崎市多摩区）の男性運転手（５３）が先月２４日、車内で寝込んでいた塾帰りの小学校の男児を置き去りにしたままバスを車庫に入れ、帰宅していたことが５日、分かった。男児は約１時間にわたって車内に閉じ込められた。同社は、男児の健康に問題はなかったとしている。同社によると、運転手は先月２４日午後９時過ぎ、終点までの運行を終え、同営業所の車庫にバスを入れた。その際、最後部の座席で寝ていた男児に気づかず、ドアなどを閉めて帰宅したという。帰りが遅いことを心配した親が、携帯電話で男児と連絡を取ったところ、「周りにたくさんバスがある」と話したため、男児が利用しているバスから生田営業所を調べ、午後１０時過ぎに営業所を訪れた。職員らと手分けして約９０台のバスの中から男児を捜し出した。
（読売新聞）

■日清食品<20897>　新株予約権の発行登録実施へ　敵対的買収に備え
日清食品は５日、敵対的買収に備え、新株予約権の発行登録を１４日付で行うと発表した。同社は「機動的に買収防衛策が発動できるようにするため」と説明している。事前に予約権の発行登録を済ませておくことで、防衛策発動を決めた際に、予約権を発行するまでの手続きが約１週間短縮する。

△グリコ<2206>　「ポッキー」内容量１割減で価格維持　原材料高で
江崎グリコは５日、人気菓子シリーズ「ポッキー」の３種類の製品について、１０月２日発売分から内容量を１割減らす方針を明らかにした。原油高などの影響で、チョコレートなどに使う乳製品の価格が高騰していることが主な理由。コスト吸収が限界に達し、価格を維持するため、内容量を減らすことにした。対象は、「ポッキーチョコレート」「メンズポッキー」「ポッキー極細」。いずれも８０グラムから７２グラムに１割減らす。
（毎日新聞）

△Googleマップをアバターで歩く　仮想空間「alis」
ドリコム<3793>は9月5日、Googleマップ上でアバターを動かし、他ユーザーとチャットしたり、地図と連携したブログを書ける仮想空間「alis」β版を公開した。アバターは女の子や男の子、オタク風の男性など10種類から選べるほか、画像を自由にアップロードして作成することも可能だ。ログインすると、Googleマップ上にアバターが現れ、近くに他ユーザーがいればチャットできる。基本操作は地図上をクリックして行う仕組み。移動も地図上を右クリックして行い、矢印キーなどでは移動できない。建物などのアイコンを地図上に置き、コメントを付けることができる。おすすめのレストランがある場所に建物のアイコンを置き、解説を書いて他ユーザーに見てもらう――といった使い方が可能だ。アイコンは規定のものから選ぶほか、自由に画像をアップロードして作成することもできる。アバターがいる地点に関連するブログやWikiの記事を、地図付きで作成することも可能。地図から更新したブログやWikiはユーザーページで保存・公開される。サービスのトップページからは、最近行われたチャットやブログ、Wikiの新着情報が見られる。サービスは、6月からα版として公開していた。
（ITmedia News）

△エクセディ<7278>、ＡＴ用トルコン生産の国内第２拠点を設置
エクセディは自動変速機（ＡＴ）用トルクコンバーターの生産で、国内第２拠点を設置する。リスク回避の観点から上野事業所（三重県伊賀市）での一極集中の生産方針を転換し、分散生産を進める。場所は明らかにしていないが、川越工場（埼玉県川越市）への併設が有力とみられる。同社はＡＴの重要構成部品であるトルクコンバーターで国内シェア約２６％を持つ業界トップ。新潟県中越沖地震で、国内自動車メーカーが減産に追い込まれた“リケンショック”が判断を後押しした。新設する第２拠点は、上野事業所以外の既存工場に併設する計画。トルコン生産能力は、年間５０万―１００万台程度になるもよう。エクセディは国内生産拠点として、上野事業所のほか、本社・寝屋川工場（大阪府寝屋川市）と川越工場、子会社でダイナックス（北海道千歳市）、ディーケープロナック（広島県東広島市）などを持つ。同社は２０１０年度に国内外で、トルコンについて年間８００万台の生産を計画。このうち、国内は年産５００万台としていた。上野事業所の現在の生産能力は年間４８０万台。当初は同事業所に年間２０万台に対応する生産ラインを増設して賄う計画だった。上野事業所は増産を受け入れられる体制にあるが、用地の１００％使用は避け、一定の余裕を残す考えから生産増強は行わない。このため、２０１０年度以降のトルコン生産能力増強は第２拠点を対象とする。同社は、中越沖地震でピストンリングの国内シェア５０％を持つリケンが被災し、自動車各社が減産に追い込まれたことを教訓に、生産拠点の一極集中について見直しを進めた。運用上便利な１拠点体制より、複数拠点を備え、緊急時のリスクを回避することを選択。「取引先など迷惑をかけないための社会的責任」（同社）と説明している。同社推定によると、トルコンの国内シェア（０６年度実績）はエクセディ約２６％、各自動車メーカー内製約２３％、アイシン精機約２１％、ジヤトコ約１５％。

△ＮＥＣ<6701>ビッグローブ、携帯サイトの構築・運営サービス基盤提供開始
ＮＥＣビッグローブは、携帯電話サイトの構築・運営に最低限必要な機能をまとめたサービス基盤の提供を６日に始める。会員の登録・管理や課金、アクセス解析、検索などの機能をパッケージ化。携帯電話事業者間や機種間のサービス互換にも柔軟に対応する。コンテンツ（情報の内容）配信を手がける中小事業者を中心に３年で１００社への導入を目指す。サービス名は「ケータイ基盤ミニ」。月額制のアプリケーション・サービス・プロバイダー（ＡＳＰ）形式で提供する。コンテンツ収納用のデータベース（ＤＢ）とウェブサーバの容量はともに１ギガバイトで、１時間当たり約１万８０００のページ閲覧数に対応できる。価格は大手３事業者に対応した携帯サイトを運営する場合、初期費用１２０万円、月額３６万円。複数の事業者や機種に対応したページを一括作成できる機能「カスタムタグ」を搭載。装飾メールなど事業者ごとに名称が異なるサービスを提供する場合、名称が登場する部分に同タグを用いてページ作成することで、利用者側では事業者に応じた名称が表示される。機種の画面サイズに応じて写真を掲載したい場合などにも利用でき、機種ごとにページ全体をつくり替える手間やコストを省ける。総務省の調査によると、動画配信などのコンテンツ市場と物販などのコマース市場を合わせたモバイルコンテンツ産業の市場規模は、０７年に１兆円を突破する見通し。一方で中小事業者はシステムの初期投資が重荷になるケースも多い。ビッグローブはサービス基盤をＡＳＰ提供することで、中小事業者に少ない初期投資でサービスを運営できるようにする。

△日本オラクル<4716>、基盤ソフトとの連携強化したミドルウエア最新版発売
日本オラクルは５日、自社の基盤ソフト「フュージョン・ミドルウエア」との連携を強化したインメモリーデータグリッドの最新版「コヒーレンス３・３」を１１日に発売すると発表した。超高速トランザクション処理（ＸＴＰ）で求められるアプリケーションサーバのグリッド対応を実現したミドルウエア。価格は小規模向けが１プロセッサーあたり５２万５０００円から。中規模から大規模向けが同１３１万２５００円から。企業全体で共有するプラットフォーム向けが同２６２万５０００円から。６月に経営統合した米タンゴソルの製品。最新版では高速処理に加え、システム障害時の大量データ処理の消失を防ぐ高可用性や、米マイクロソフトの「ドットネットフレームワーク」対応などを実現した。　新機能ではタイムアウト設定付き分散タスク処理とスケジューリング機能を搭載。クラスターを拡充する機能として、動的なフロー制御など自己調節型の通信機能なども装備した。複数のサーバマシンを配置したクラスター（並列構成）内で、それぞれのサーバマシンのメモリーにまたがってデータを動的にパーティション（区画）する仕組み。特定のサーバマシンに障害が発生した場合でもデータの継続的な可用性と大量のデータ処理の完全性を確保できる。クラスター内のメモリーデータは、単一サーバと同じように簡単に共有。クラスター全体の中で最速のプロトコル（手順）を用い、データ修正のレプリケーション（複製による負荷分散）と配布を実行。同時に修正に関する通知を必要なすべてのサーバに配信する。

△三菱電<6503>、設置簡単な低価格の大型ＬＥＤ表示装置を発売
三菱電機は発光ダイオード（ＬＥＤ）を使う大型映像表示装置「オーロラビジョンＬＥＤ」で、表示部や電力供給部などをあらかじめ組み込んだ製品を近く発売する。薄型テレビのように手軽に設置できる。画面寸法は幅３３５０ミリ×高さ１８７２ミリメートルで、奥行き１５０ミリメートルと薄型化を実現。価格はこれまでの受注生産品の３分の１程度に抑え、３０００万円前後で売り出す方針。低価格を武器に中小規模の駅構内や商店街、ゲームセンターなどでの採用を狙う。同装置は高輝度ＬＥＤで映像を表示する。表示部には赤、緑、青を組み合わせた３色ＬＥＤ素子を４ミリメートル間隔で配置し高精細な映像を実現した。同社は０６年に米国でオーロラビジョンの現地生産を始めるなど、同装置の用途拡大と販売促進に力を入れている。同年９月には東京競馬場に世界最大のスクリーンを納入した。これまでは同装置を用途や設置場所に合わせて設計、製作してきた。同社は表示部や電源などを一体にしたパッケージタイプを「普及品として売り込みたい」としている。

△田淵電機<6624>、ベトナムで変成器生産－来年４月に稼働
田淵電機はベトナムで高周波トランスなど各種変成器を生産する。全額出資の生産子会社を設立し、１０月に着工、０８年４月に操業開始する。コスト競争力の強化が狙いでタイ、中国に続く新たな海外生産拠点となる。０９年度に３０００万ドル（約３５億円）の売り上げを目指す。新会社の名称は「ベトナム田淵電機」で、資本金は５００万ドル（約５億８０００万円）。約３万２０００平方メートルの工場用地を確保しており、第１期として延べ床面積約６０００平方メートルの工場棟を建設する。人員は０９年度の時点で約２０００人を予定している。順次工場を拡張するほか、ハノイ工科大学やハノイ貿易大学などとの連携や、アジアにおける開発拠点の設置も検討する。

△日立建機<6305>、世界の各工場で品質統一－診断制度を導入
日立建機は世界の各工場の品質の統一に乗り出す。同社の主力である油圧ショベルの工場を対象に、品質レベルを点検する「グローバルモノづくり診断」を今年度より実施する。外観の塗装については大手トラックメーカーの協力を得て「外観検査員資格制度」を０８年度に導入する。塗装や溶接などの品質を底上げするとともに、需要拡大で生産が追いつかない市場向けに世界規模で製品を相互供給する体制を構築する。日立建機は完成車の国内主力生産拠点である土浦工場（茨城県土浦市）を「世界のマザー工場」と位置づけ、同工場を基準に海外工場や関連会社でグローバルモノづくり診断を始める。同社は０７―２０１０年度の４カ年中期経営計画を実行中。

△川重<7012>、鉄道車両の開発体制強化－２０１５年めど設計者６００人体制に
川崎重工業は鉄道車両の開発体制を強化する。２０１５年までに国内の設計要員を現在に比べ１５０人増やし、６００人とする。米国など海外での鉄道車両需要拡大に対応するためで、受注拡大を狙う。ここ数年、車両設計人員を段階的に引き上げている川重は、さらに増員することで、海外の大型案件に迅速に対応できる体制を構築する。設計者を増員するのは、鉄道車両製造・開発拠点である兵庫工場（神戸市兵庫区）。車両需要を背景に設計要員を段階的に増やしており、０５年末までに０２年に比べ１８０人増の４５０人体制となっている。０７年３月には同工場内に分散していた設計者を、同じ工場敷地内に完成した総合事務所に集約、効率化を推進した。

△アンリツ<6754>、出力５００ミリワット実現した増幅器用の励起光源を発売
アンリツは１・５５マイクロメートル（マイクロは１００万分の１）帯の信号光を増幅する光増幅器（ＥＤＦＡ）用の励起光源「ＡＦ４Ｂ１５０Ｆシリーズ」を７日に発売する。光源の出力は世界最高水準となる５００ミリワットを実現、従来は増幅器に複数搭載していた光源を一つに集約できる。価格は２５万円。増幅器や制御機器のメーカーに初年度５００個販売する。ＡＦ４Ｂ１５０Ｆシリーズは光源のほか、光を一方向に透過させる光学素子の光アイソレーターや、光出力を制御するモニターＰＤなどを内蔵する。１個の光源で光を高出力に増幅でき、ＥＤＦＡの小型化や製造コストの低減などを図れる。欧州特定有害物質規制（ＲｏＨＳ）に対応し、環境にも配慮した。

△住友重機械<6302>テクノフォート、来夏からハードプレートを内製化
住友重機械テクノフォートは０８年夏からプレス機の金型を受けるハードプレートを内製する。４億円を投じ、ハードプレート加工用の工作機械、プラノミラー２台を本社工場に導入する。プレス機の生産拡大に伴う外注先の負担を軽減する。難切削材の加工経験を蓄積し、新製品の開発に生かす狙いもある。ハードプレート生産を取り込むことで納期やコストの管理を徹底する。高硬度材を使うハードプレートの生産を通して難切削材の加工ノウハウを吸収し、プレス機の開発に反映させる。自動車や航空機ではアルミニウムなど難切削材部品の採用が増えている。７月には半導体製造装置に使うアルミニウム加工用の工作機械も本社工場に導入するなど、難切削材の加工に力を入れている。

△日立<6501>オートモーティブ、中国の開発機能拡充－世界４極体制構築へ
日立製作所オートモーティブシステムグループは、中国・蘇州のエンジン制御機器工場内にある開発オフィスを「研究開発センター」に格上げする検討に入った。一部の部品試験・検査にとどまる開発機能を拡充し、アジア地域で、設計から評価試験まで幅広く顧客に対応する体制を整える。時期は未定だが「すぐにでも（研究開発拠点として）自立させたい」（本田恭彦同グループＣＥＯ）と、早期に日米欧中の世界４極の研究開発体制を確立する考え。日立製作所の同グループの蘇州開発オフィスには、車の動力を測定するシャシーダイナモや、高温環境下での部品の性能を評価する高温室などがあるが「（開発拠点として）自立できていない」（同）。当面は「現地の技術者確保」（同）が課題で、今後、開発機能を高めていく意向だ。

△東レ<3402>、ＣＦＲＰ製車台を１０分で成形する実験を今秋実施
東レは炭素繊維強化プラスチック（ＣＦＲＰ）製自動車用プラットフォーム（車台）を、１０分で成形加工する最終実験を秋から実施する。すでにドアインナーパネルを１０分以内で成形加工する技術を実現しており、これら技術をプラットフォームに応用する。
同実験は新エネルギー・産業技術総合開発機構（ＮＥＤＯ）からの受託で、日産自動車<7201>などと共同で推進している国家プロジェクト「自動車軽量化炭素繊維強化複合材料の研究開発」の一環。０７年度は同プロジェクトの最終年度で、自動車用構造部材でもっとも重要なプラットフォームでＣＦＲＰの実用化に向けた加工サイクルの証明を目指す。このプロジェクトは自動車用部材の成形サイクル１０分以内を目指して、ハイサイクル一体成形技術の確立に取り組んできた。これらを実現するため、これまでに超高速硬化型成形樹脂や立体成形賦形技術、高速樹脂含浸成形技術などを開発。

△出光<5019>、北海油田で探鉱鉱区獲得を活発化－ノルウェーで入札
出光興産は北海油田での探鉱鉱区獲得を活発化している。ノルウェー政府による０７年度年次公開鉱区入札に応札。期限は９月末までだが、すでにいくつかの鉱区に対して開発計画を提出。１０月以降、審査が始まり年末から年明けに結果が発表される。加えて英国領北海でも公開入札が実施され次第参加し、鉱区獲得を目指す。北海では産油量の減少も指摘されるが、中小規模のガス・油田では開発余地はまだあると判断。生産量の維持、拡大を目指す。出光の上流事業の生産量は日量３万バレル強だが、そのすべてがノルウェー領北海。生産が４鉱区、探鉱では１０鉱区の油・ガス田の権益を保有している。特にここ数年、探鉱に積極的で、３年間で９鉱区を獲得。０６年度の年次公開鉱区入札でも２鉱区を獲得している。一方、同社では５月に英シェトランド諸島沖合の探鉱４鉱区で権益の一部を英国の石油開発会社から取得し、英領北海にも進出したばかり。

△ビックカメラ<3048>―ソフマップ<2690>連合、東京・秋葉原で巻き返し
東京・秋葉原地区の巨艦店「ヨドバシカメラマルチメディアＡｋｉｂａ」に対するビックカメラ―ソフマップ連合の巻き返しが始まる。２月にビックの傘下に入ったソフマップはビックのノウハウを導入、初めて白物家電を品ぞろえした基幹店「秋葉原本館」を６日に開業、巨艦ヨドバシからのシェア奪還を狙う。ソフマップは秋葉原が発祥の地だけに小型店舗が点在するが、基幹店の開業と店舗の再編で売上高を約５割程度引き上げる計画だ。秋葉原本館開業にあたり、野口進ソフマップ社長は「ヨドバシなど競合他社は意識していない」と断言する。だが、ＪＲで３駅と至近の有楽町駅前に基幹店を構えるビックからすれば、秋葉原のヨドバシはいわば目の上のコブ。関係筋によると「ビック有楽町店はヨドバシ秋葉原店とも競合、影響を受けている」とされ、ビックとしてもヨドバシ秋葉原店対策が急務だったとみられる。

△神戸物産<3038>、中国産冷凍・乾燥野菜の残留農薬を全量検査
神戸物産は中国から神戸港に輸入される冷凍・乾燥野菜など積載した全コンテナを対象に、残留農薬検査に踏み切る。また微生物検査を缶詰などにも広げる。中国などに生産基地を持つ小売業では不定期に検査する例があるが、全コンテナを検査するのは珍しい。同社が展開する業務用スーパー（店舗名「業務スーパー」）は中国産の製品が売り上げの２割程度を占め、中国産野菜の残留農薬報道以来、売上高も低迷している。そこで全コンテナ検査を実施し、その結果をホームページ（ＨＰ）に掲載。安全・安心をアピールし、業績回復を目指す。検査は今月から、神戸港に年間２２００程度陸揚げされる中国を中心とした輸入商品を積載した全コンテナを対象に行う。このうち冷凍・乾燥野菜、茶葉は外部の検査機関に委託し、１００項目の残留農薬検査を実施。また、一般細菌や大腸菌の微生物検査を、果物の缶詰、レトルト食品など加工食品にまで広げる。

□ダイエー<8263>、食品ＰＢを年末まで１０％値下げ
ダイエーは５日、「セービング」などのプライベートブランド（ＰＢ）を期間限定で値下げすると発表した。０７年度が創業５０周年にあたることから「感謝価格」として実施する。対象はセービングの食料品１００品目。平常価格から平均約１０％下げる。期間は６日から１２月３１日まで。また、生活用品のＰＢ「サリブ」全２１２品目も、６日から９日まで平常価格から１０％値下げ販売する。小売りではイオンが８月からコーヒーやティッシュペーパーなどのナショナルブランド（ＮＢ）品約１００品目について「価格凍結」を宣言。年末まで価格を上げない方針を打ち出している。一方、食品メーカーなどは原材料価格の高騰を理由に相次ぎ値上げに踏み切るなど、「川上インフレ、川下デフレ」（後藤雅治菱食社長）状態が続いている。
（日刊工業新聞）

△解読コストは「無限大」　富士通<6702>、ＲＳＡ暗号安全性証明　
富士通と富士通研究所は、現在のインターネット暗号通信で広く使われているＲＳＡ暗号の解読コストを試算し、ＲＳＡの開発者でもあるイスラエルのシャミール教授が２００２年時点で「公開カギの長さが１０２４ビットのＲＳＡ暗号は１０億円かければ１年で解読可能」とした予測を否定した。現行技術では１０２４ビットを解読する装置の開発は困難なため、強度の低い７６８ビットを対象として解読装置を試作し、「１年で解くには数十億円かかる」と導いた。１０２４ビットでは「事実上コストが無限大」となり、ＲＳＡ暗号の安全性が証明された形だ。解読装置を実際に作製してコストを突き詰めたのは初めて。この実証実験は、ネットの安全性を確認するため、情報通信研究機構（ＮＩＣＴ）のプロジェクトで３年間かけて行われた。暗号化カギを公開でき、ネット上での使い勝手に優れるＲＳＡ暗号は、大きな数の素因数分解が難しいことを安全性の担保にしている。素因数分解の過程で最も計算量が多いのが、素因数分解のヒントとなるデータを集める篩（ふるい）という作業。ヒントになるデータを篩にかける段階で、データが持つ２次元規則性を利用すると効率が高いことが知られていたが、そのアルゴリズム（算法）を実装することに成功した。プロジェクトの経費は約３億円。７６８ビットの数を１年で素因数分解するにはこの装置が２７０台必要で全コストは数十億円に上るという。１０２４ビットを解くには、ボード間の高速データ通信やメモリー制御回路の増大など新たな課題を解決しなければならず、現時点での開発は困難と結論づけた。この実証実験を受けた政府の暗号評価プロジェクト「ＣＲＹＰＴＲＥＣ」の報告書では、１００億円以上にはなる世界トップクラスのスパコンで「２０１０～２０年」のレンジで１０２４ビットの解読が実現。専用解読装置を使用すれば、さらに早まるとしているが、犯罪者が入手できるには技術が陳腐化する数年がさらに必要とみられる。

△電飾に「優しい光」　レシップ<7213>、商業ビルに制御装置納入
バスや鉄道などの電装機器を製造・販売するレシップ（岐阜県本巣市）は、今月１日に銀座で開業した都市型商業ビル「マロニエゲート」の外壁の電飾装置に同社製の新光源「コールド・カソード・ランプ（ＣＣＬ）」を納入した。ＣＣＬの特徴である優しい発光をアピールし、今後、新規の商業ビルを中心に営業攻勢をかける考えだ。同ビルの３～９階と屋上部分などにＣＣＬが設置された。ＣＣＬ本体が約６００台と光の点滅・調光を制御するコントローラーやコンバーターなどの制御装置一式を納入した。ＣＣＬは、ネオン管の発光原理と高い発光効率の電子バラストを組み合わせた技術。ＬＥＤ（発光ダイオード）と比べて、発光効率が３倍以上と高いのが特徴だ。寿命もＬＥＤとほぼ同レベルで、制御システムもＬＥＤと比べてシンプルで、ローコストで運営できるという。今回採用された建築用ＣＣＬは、建物の外壁向けに３色の特別色を選定し、優しい光を演出。ＣＣＬから放たれる光は、従来のネオンのようにビルの屋上で展開される広告やＬＥＤのような点で発光する照明とも一線を画しており、同社では「街の風景に溶け込む新しいタイプの建物用照明」（管理本部総務部）と形容している。照明デザイナーの表現する色彩イメージを忠実に再現し、クリスマスやバレンタイン、春夏秋冬など季節に合わせた光の演出ができるという。

△カワサキプラント　下水汚泥から活性炭　新潟・胎内市から設備受注
川崎重工業<7012>子会社のカワサキプラントシステムズは５日、下水汚泥から活性炭を製造する設備を新潟県胎内市から受注したと発表した。自治体がこうした設備を導入するのは初めて。受注額は約５億６０００万円で、来年３月に完成する。この下水汚泥活性炭化設備は、下水汚泥を乾燥する設備と高温で活性炭化する設備で構成。同市中条浄化センターに設置する。処理能力は１時間当たり３００キログラム。活性炭は微細な穴でダイオキシンなどの吸着性能が通常の炭に比べて２倍。ごみ焼却場のダイオキシン除去用などに利用することができるという。従来、下水汚泥を炭化する設備は自治体に導入された事例があるが、さらに高温で処理し、炭の表面に微細な穴がある活性炭として再生する設備はなかった。

△吉野家<9861>の既存店売上高は１２カ月連続で増加
吉野家ディー・アンド・シーが５日発表した８月の既存店売上高は前年同月比２０・７％増と１２カ月連続で増加した。既存店の客数は１７・６％増と１２カ月連続で増加し、既存店客単価は２・７％増と３カ月連続で増加した。この結果、上期（２００７年３～８月）の既存店客数は２４・１％増、既存店客単価は２・９％増となり、既存店売上高は２７・７％増と大きく伸びた。既存店売上高は、０６年９月の牛丼販売再開以来、２けた増を続けている。３月からは深夜０時まで牛丼販売を延長したことで、２０～３０％増と高い伸びを継続している。

△出光興産<5019>、天津で潤滑油生産を倍増
出光興産は、中国で潤滑油生産体制を強化する。全額出資会社の天津出光潤滑油（天津市）の潤滑油ブレンド工場の生産能力を２００８年７月までに年５万６０００キロリットルに倍増する。これにより、常州工場（江蘇省）と合わせた潤滑油生産能力は約１・６倍の年８万キロリットルとなり、自動車向けを中心に現地での旺盛な需要に対応する。天津出光と常州工場を合わせた現時点での生産能力は約５万キロリットル。出光では、現地生産品と日本からの輸入品を加えた中国での潤滑油販売量は、０６年度が３万５０００キロリットル、０７年度は４万３０００キロリットルを計画している。中国では自動車需要が急激に拡大しており、日系メーカーも増産を進めている。今後、自動車用をはじめとした高性能潤滑油の需要は年率１０％で伸びると見込まれていることから、出光は生産能力の増強を決めた。天津出光は０４年１２月から操業を行っており、今回は約７億円を投じて、ブレンドタンクや充填（じゅうてん）機を増設する。

△販売巻き返しへ高級感と低価格　セイコー（セイコーＨＤ<8050>）・シチズン（シチズンＨＤ<7762>）腕時計秋冬モデル
セイコーウオッチとシチズン時計は５日、都内で腕時計の秋冬新モデルの展示会を開催した。国内の腕時計市場は若者の時計離れで縮小傾向が続いているが、大手２社は、最大の需要期となる冬のボーナス商戦で巻き返しを図る。セイコーは、１０月２５日に発売する「セイコー　ブライツ」の新製品を展示した。アナログ式電波時計としては世界で初めて２地域の時刻を同時に表示するのが特徴。メーンの針に加え、フェースの下側に時分針を備えることで、海外旅行時の時刻調整の手間を省いた。電波時計は受信のために、文字盤をプラスチックにする必要があるが、ブライツは文字盤に立体感をだし、金属部品を効果的に配置して高級感をだした。価格は１４万１７５０円と、通常５万～１０万円の電波時計よりも高めに設定した。マーケティング企画一部の望月己義（きよし）課長は「上級機として目の肥えた３０～５０代の時計ファンに訴求したい」と語った。シチズンは、１９９６～２０００年に展開していた若者向けファッション時計ブランド「インディペンデント」を復活し、１１月上旬から全１５機種を投入する。時分針のほか、デジタルの時刻表示も配するユニークなデザインと、１万５７５０～２万７３００円と低価格で、２０代以下の需要を喚起していく。

▼米新車販売は２カ月連続減　８月
米自動車メーカー各社が４日発表した８月の米市場の新車販売台数によると、首位のＧＭが前年同月比６・１％増（営業日数調整済み）の３８万５５２９台と３カ月ぶりにプラスに転じた。
２位のトヨタ自動車<7203>は２・８％減の２３万３４７１台と、２カ月連続で前年同期を下回った。
自動車調査会社オートデータの集計によると、全米の新車販売台数は１４７万８２１１台で０・６％減。特に乗用車は５・３％減少した。サブプライム（高金利型）住宅ローンの焦げ付き問題が消費意欲に影響したとみられる。ＧＭは小型トラックが１６・５％上昇し、乗用車の減少（７・８％）を補った。部門別でも主力のシボレーが８・６％と全体を牽引（けんいん）した。トヨタは乗用車が６％減少。特に小型車「カローラ」は１２・８％減。半面、ハイブリッド車「プリウス」は２５・７％増と好調で、小型トラックでは「タンドラ」が６９・３％増だった。
他の日本車メーカーは、ホンダ<74267>が４・７％増の１５万８３４２台、日産自動車<7201>が中型セダン「アルティマ」の好調などで６・３％増の９万５５２７台と好調だった。
（FujiSankei Business i）