7/23 朝の『株価材料』PART Ⅳ

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■株価材料

△買い物も「指静脈」で、日立<6501>が決済システム開発
日立製作所は指静脈の形で本人確認できる新しい決済システムを開発した。消費者はクレジットカードを使わずに小売店などに設置した読み取り装置に指をかざすだけで決済が完了する仕組み。カード会社のジェーシービー（ＪＣＢ）と協力し9月から実証実験を始め、年度内に事業化する方針。他のカード会社とも組みシステム普及を促す。
日立は銀行のＡＴＭで偽造や盗難カードによる被害を防ぐため「指静脈認証」で本人確認するシステムを開発、みずほ<8411>銀行などが導入を進めている。イギリス、米国、中国、シンガポールなど世界８拠点に、指静脈認証装置の営業支援要員を合計20人配置した。各拠点の営業部隊と連携し、装置販売する。

△ダヴィンチ<4314>、テーオーシー<8841>への敵対的ＴＯＢが23日に期限
不動産ファンド運営のダヴィンチ・アドバイザーズがビル賃貸のテーオーシーにかけている敵対的ＴＯＢ（株式公開買い付け）は23日、応募の期限を迎える。ダヴィンチが50％以上の株取得をめざし海外の投資会社などから賛同を進める一方、創業家一族は市場での買い増しで対抗してきた。ＴＯＢ成立には態度が不明な1割超の投資家の動向が左右するとみられ、敵対的ＴＯＢが日本で初めて成立するかどうか、最後までぎりぎりの攻防が続きそうだ。ダヴィンチがＴＯＢを発表したのが5月18日。海外専門会社を用いてテーオーシー株を保有する機関投資家の特定作業を進めるなどして、株主に応募を促してきた。

△エコカーは「エコ工場」から、トヨタ<7203>が太陽光発電導入
トヨタ自動車はハイブリッド車「プリウス」を生産する堤工場（愛知県豊田市）に太陽光発電システムを導入する。工場の動力源の一部に二酸化炭素（ＣＯ2）の排出など環境負荷の少ないエネルギー源を採用することで、製品だけでなく、製造工程そのものの環境対応を一段とアピールする。近く工場の屋上などに太陽光発電パネルを設置、生産設備の動力源を一部賄う。トヨタが工場に太陽光発電を本格的に導入するのは初めて。パネル設置規模や投資額など詳細は今後詰める。敷地を囲むコンクリート塀を撤去し、木を植える活動も進める。

△動画共有、多機能競う・米ユーチューブ追撃
インターネットで動画を投稿・視聴できる動画共有サイトの利用者獲得競争が激しさを増している。
ソニー<6758>は携帯電話からも投稿や視聴しやすくするなど機能を拡充、ヤフー<4689>は著名人を起用した企画で投稿を増やす。動画共有サイトへの参入が相次ぐなかで他社との差別化を急ぎ、先行する米ユーチューブを追撃する。各社の取り組みが動画の楽しみ方を広げることになりそうだ。ソニーは動画共有サイト「ｅｙｅＶｉｏ（アイビオ）」に新機能を加える。まず7月中に投稿動画を友人だけで共有できるようにする。利用者が特定のテーマで「チャンネル」を開設し、テーマに沿う動画を友人同士が自由に投稿。限られた利用者だけが視聴できるようにして、プライベートな動画を投稿しやすくする。携帯を多用する10―20代の若年層の利用拡大を狙い、携帯から動画を簡単な操作で投稿・視聴できる機能も加える。ヤフーが開設した「ヤフー！ビデオキャスト」はヤフーが持つ豊富なコンテンツや掲示板、ブログなどのサービスと連動した特集を企画、投稿を増やしていく。今月は「花火」を特集、花火の動画募集を始めた。アーティストらを起用した企画も充実させ、人気グループ「ドリームズ・カム・トゥルー（ドリカム）」の好きな曲をカラオケで歌う様子を募集する企画を始めた。ドリカムとの共同サイトとして運営、投稿動画の著作権侵害を調べる体制も整えた。

△近鉄エクスプレス<9375>、シベリア鉄道で家電など輸送
国際物流大手の近鉄エクスプレスはシベリア鉄道を使った日本―ロシア西部間の貨物輸送事業を9月にも始める。家電製品や自動車部品を従来の海上輸送より約4割短い25日程度の日数で運ぶ。
シベリア鉄道を利用した貨物輸送は三井物産<8031>も参入する方針。日本の自動車メーカーや家電メーカーのロシア進出を受け、物流事業の獲得競争も激しくなってきた。同鉄道を運営するロシア鉄道の貨物子会社、トランスコンテナと26日に調印し、近鉄エクスプレスが日本代理店となることを決める。神戸港など国内3港からロシア極東のウラジオストクまでコンテナ船で運び、コンテナを鉄道に積み替えてモスクワなど同国西部に運ぶ。

△三井物産<8031>、松竹<9601>と提携拡大・今期は共同製作で４本
三井物産と松竹は映画事業での提携を拡大する。昨年の資本・業務提携に基づいて共同製作した第1作に続き、今期中に共同製作映画3本を公開。来期は 5―6本を製作して公開する考え。三井物産は脚本などの企画段階から関与し、同社が扱う商品を作品中に登場させるなどの宣伝にも活用する。両社は28日に共同製作の第2弾となるアニメ映画「河童のクゥと夏休み」を、10月には恋愛映画「未来予想図」を公開する。来年3月にも動物を主人公にした作品の公開を計画している。

△三洋電機<6764>社長「リストラに聖域ない」
三洋電機の佐野精一郎社長は日本経済新聞のインタビューに応じ、経営再建に向けた事業の再構築について「聖域を設けるつもりはない」と強調した。同時に大株主である三井住友<8316>銀行、大和証券<8601>ＳＭＢＣグループ、米ゴールドマン・サックスグループには2010年度まで継続支援を求める考えを示した。

△東芝<6502>、インドでノートパソコン拡販
東芝は今秋にもインドの現地法人にパソコン販売部門を立ち上げ、国内メーカーとして初めて同国市場でパソコンの本格拡販に乗り出す。インドでは世界のＩＴ企業がソフト開発拠点を相次ぎ設立しており、ノートパソコン需要の拡大が続く見通し。インドでのノートパソコン出荷台数を3年間で現在の約6倍の60 万台規模へと大幅に増やす。今秋をメドに現地法人の東芝インド社に、パソコン販売やマーケティング、サポートを担当する専門部門を現地採用の従業員を中心とする数十人体制で設立する。

△旅先で木を植えＣＯ2抑制、ＮＥＣ<6701>が社内ツアー
ＮＥＣはグループ従業員などを対象に、旅行中の航空機移動などに伴う二酸化炭素（ＣＯ2）排出分を植林で埋め合わせる自然体験ツアーの参加者募集を始めた。ＮＥＣはオーストラリアで手掛ける植林活動と組み合わせて従業員の温暖化対策の意識向上に役立てる。8月下旬のオーストラリア（募集30人）と10月の沖縄（100人）のエコツアーを対象に実施する。オーストラリアでは1人当たり2000キログラム相当、沖縄は360キログラム相当のＣＯ2を排出するため、オーストラリアツアー参加者はツアー中に自分でユーカリを1人10本（20年で4000キログラムのＣＯ2を吸収）植林し、沖縄ツアー参加者はオーストラリアで1人2本を植林する費用を旅行代金に含める。
（NIKKEI NET）

△三幸<4843>、電力利用効率　２倍に、電流を精密に制御

△昭和電線ホールディングス<5805>、１度に５００メートル焼成

△ユニ・チャーム<8113>、若年女性が購入しやすく、尿漏れ対策商品

△ニッポンの工場　変速機鍛造　工程も圧縮
自転車部品の国内最大手、シマノ<7309>の下関工場（山口県下関市）は欧州向けの内装変速機などを作るマザー工場だ。部材をたたいて形を変える冷間鍛造や、力を加えるねじ切り加工などを駆使、精度の高い複雑な形状の部品をつくる。コスト競争力を高めるため、２００３年から生産改革に着手、０６年に内製化、工程集約などを加速し、原価低減と品質向上を同時に進めた。

△アイフリーク<3845>、携帯向け無料メルマガ発行サービスに成果報酬型広告
携帯電話向け「デコメール」サービス大手のアイフリークは、誰でも無料で携帯向けのメールマガジンを発行・購読できるサービス「デコ★スタ」の機能を拡充した。自分のメルマガに任意のアフィリエイト（成果報酬型）広告を掲載できる機能を追加。メルマガの読者が広告をクリックしたり、商品を購入したりすると一定の手数料が発行者に入る仕組み。メルマガ発行者はアイフリークが用意した約400種類の広告から好きなものを選択。自分が発行するメルマガのレイアウトに合わせて好みの場所に広告を掲載できる。成果報酬の額は広告の種類によって50―数千円まで。発行者への報酬の支払いはイーバンク銀行のメール送金サービス「メルマネ」を利用する。

△日立<6501>、ＢＤ対応のビデオカメラ技術を開発
日立製作所は20日、次世代ＤＶＤ規格のブルーレイ・ディスク（ＢＤ）に対応したビデオカメラ技術を開発したと発表した。8センチＢＤの駆動装置などを新たに開発し、フル規格のハイビジョン画質で１時間の録画を可能にするビデオカメラを今秋に発売する。長時間のハイビジョン記録ができるビデオカメラを投入し、シェア拡大を目指す。新開発の8センチＢＤ駆動装置は従来のＤＶＤビデオカメラの駆動装置とほぼ同サイズで、本体をコンパクトにした。また動画を効率的に圧縮できる画像処理ＬＳＩ（大規模集積回路）を開発。動きが多い場面でも高精細な画像処理をできるようにするとともに、207万画素のフルハイビジョンに対応する。世界最高の約530万画素の撮像素子も米社と共同開発した。
8センチＢＤ用記録メディアは市場に出回っていないが、グループ企業の日立マクセル<6810>が開発中。ビデオカメラの発売と同時に売り出す見通しだ。

△ウェザーニューズ<4825>、中国で気象総合サイトを開設
気象情報サービスのウェザーニューズは中国でパソコン向け気象総合サイトを開設する。中国全土から市町村単位までの天気予報や、降雨状況の詳細データなどを無料で提供する。認知度を向上したうえで、将来は日本同様に課金制を導入し、新たな収益源に育てる。23日に中国版の「ウェザーニュース」を開く。254の市町村の１時間ごとの天気予報や7日先までの詳細な気象情報を提供する。各地の降雨状況を10分ごとの雨雲の動きをもとに特徴を解説し、台風の進路予測もする。独自収集した気象情報を使って、コンテンツは日本で制作する。

△松下電工<6991>、撮像範囲を広めたテレビドアホン
松下電工は従来品に比べ、撮像範囲を3.3倍に広めたテレビドアホンを8月1日から発売する。従来の撮像範囲は縦80センチ、横100センチだったが、縦 120センチ、横220センチに拡大した。同社製の火災警報器と接続すれば、火災発生時に親機などから警報音が鳴るほか、火災警報器の停止や点検も親機で簡単に操作できる。価格は録画機能搭載タイプで親機と子機のセットで、3万1500円（工事費別）など。

△ＴＯＴＯ<5332>、長いす装備したシステムバスルーム
ＴＯＴＯは戸建て住宅向けのシステムバスルーム「フローピア魔法びん浴槽」シリーズに長いすを装備した追加機種を8月1日に発売する。一般的なふろいすより奥行きが大きいためゆったりと座れるという。一部に木目調の部材を使用し、２種類から選べる。オプションで浴室暖房乾燥機やテレビなども設置できる。価格は１坪タイプが163万円、1.5坪タイプが196万円から。3年後に年間3000台の販売を予定している。

△新晃工業<6458>、オフィスビル向け空調機器――28度でも快適除湿

△積水化学<4204>、住宅外壁の塗装不要に――補修費を低減

△富士通ゼネラル<6755>、英でエアコン販売強化――倍増の年４万台狙う

△富士製薬工業<4554>、来秋までに新薬販売進出

△蛇の目ミシン<6445>、産業機器の欧米販売を強化――米独に販社設立へ
（日経産業新聞）

△グローリー<6457>：08年3月期の連結経常利益予想を5割引き上げ
グローリーは２０日、２００８年３月期の業績予想を上方修正した。連結経常利益見通しは１２０億円から１８０億円（前年比３４．２％増）と５割引き上げられた。減益見通し（前年比１０．４％減）から一転、増益見通し（同３４．２％増）となる。金融機関における事務の合理化や厳正化が進んでおり、積極的な設備投資が行われていることを背景に、同社主力のオープン出納システムや海外の金融機関向け窓口用紙幣入出金機などの販売が予想を上回る見通しとしている。
０８年３月期連結業績予想は売上高が１７００億円から１８５０億円、営業利益は１２０億円から１８０億円、純利益は８０億円から１２０億円にそれぞれ引き上げられた。２０日終値は前日比４０円高の２８４０円。一株利益予想も１０７円９０銭から１６２円５１銭に引き上げられたことから予想株価収益率（ＰＥＲ）は２６倍から１７倍に低下する。
（ロイター）

▼三洋信販<8574>：21日付の日本経済新聞朝刊は、プロミス<8574>と経営統合交渉を進めている三洋信販の2008年３月期の連結最終損益が800億円程度の赤字になる見通しだと報じた。
プロミスの要請を受け、利息制限法の上限金利を超える「過払い金」返還の見込みなどを査定し直した結果、引当金の積み増しが必要と判断したためという。当初は約50億円の黒字の予想だったが、一転して２期連続の大幅な赤字となる。

▼王子製紙<3861>：21日付の日本経済新聞朝刊は、王子紙の2007年４－６月期連結経常利益が前年同期比39％減の80億円程度になったようだと報じた。
古紙や原油を中心に原燃料高が利益を圧迫したとしている。報道によると、４－６月期の売上高は同３％増の3200億円程度になったもよう。商業用向けを中心に印刷用紙が約２％伸びたという。

□ジョイフル<9942>：郊外型レストランを展開。月替わりメニューの導入やドリンクバーなどによる客単価上昇で、６月中間期（１―６月期）の連結経常利益が前年同期比2.3％減の12億2000万円になる見通しになった。
前回予想は９億4900万円だった。不採算店に関わる減損損失やドリンクバー導入に伴う固定資産除却損などが発生したが、純利益は４億5000万円と前回予想を 19％上回る公算。
（ブルームバーグ）

△アムスライフ<2927>が今８月期業績を上方修正
健康食品を製造・販売するアムスライフサイエンスが２０日の今０７年８月期の第３四半期業績（０６年９月～０７年５月累計）発表時に、通期の業績予想を上方修正。連結経常利益を従来の６億５０００万円から７億円（前年同期比４４．９％増）に引き上げた。０７年６月に新たに連結化した子会社の業績３カ月分を加算。また、ＯＥＭ（相手先ブランドでの製造）部門や通販部門も予想を上回る水準で推移しているため。

△帝国ホテル<9708>が第１四半期決算発表、経常ベースでの対通期予想進ちょく率は４０％
帝国ホテルが２０日後場、今０８年３月期第１四半期の連結決算を発表した。売上高は前年同期比０．４％増の１４５億６２００万円と微増収。経常利益は前年同期比９．２％減の１５億１０００万円で、通期業績予想（３７億円）に対する進ちょく率は４０．８％と高い。減益となったのは税制改正に伴う減価償却費の増加によるもの。

△味の素<2802>を日興シティ証が目標株価を１８００円に引き上げ
味の素には日興シティグループ証券が２０日、目標株価を１７００円から１８００円に引き上げた。飼料用リジンの価格予想を従来の１キロ当たり１．６５ドルから同１．７５ドルに引き上げたことによる。モルガン・スタンレー証券も２０日、「リジン価格は上昇トレンドに」と題し、不需要期にもかかわらず、家畜の飼料に使われるリジンの国際スポット価格が上昇基調にある点に注意をうながした。欧州における６月初旬のスポット価格は従来の１キログラム当たり１．７～１．８ドルが、直近では２．０～２．１ドルまで上昇した。不需要期での市況上昇に関して、モルガン証では「需要期に入る秋以降のさらなるリジン市況上昇を予想させる」と解説しており、リジン市況の業績への影響が大きい味の素の先高観が強まっている。

▼石塚硝<5204>が第１四半期業績を発表、営業利益が２０．９％の大幅減益に
石塚硝子が２０日後場、今０８年３月期の第１四半期（３月２１日～６月２０日）業績を発表。連結経常利益は４億６７００万円（前年同期比３．２％増）と増益だったものの、本業のもうけを示す営業利益は４億５９００万円（同２０．９％減）と大幅減益だった。ガラスびん需要の減少傾向や紙容器の不調、ガラスブロックの生産終了などが収益を押し下げる要因となった。
（株式新聞ダイジェスト）

△遺伝情報編集を邪魔する物質発見＝新抗がん剤開発に期待－理研やエーザイ<4523>など
遺伝子の「設計図」に基づきたんぱく質が作られる過程で、遺伝情報を編集する「スプライシング」を邪魔する物質を、理化学研究所などの研究チームと、製薬大手エーザイなどの研究チームがそれぞれ発見した。これまでと全く違うメカニズムによる新たな抗がん剤の開発が期待される。論文は23日、米科学誌ネイチャー・ケミカル・バイオロジーの電子版で同時発表された。
（時事通信）

△三洋電機<6764>、海外強化へ－佐野社長「事業買収も」
（朝日新聞）

■ＣＭ削減や返済最長５年、貸金業者・信販の自主規制案判明
改正貸金業法が年内に本格施行されるのに合わせ、消費者金融などの貸金業者や信販会社が実施する自主規制ルール案が２２日、明らかになった。若者らの安易な借り入れを防ぐため、テレビコマーシャル（ＣＭ）の放映時間を大幅に制限する。パチンコ店や公営ギャンブル場近くに自動契約機を新設することも禁じる。改正貸金業法は貸金業者らに、各社が加盟する新しい協会を設け、自主規制ルールを作ることを義務付けた。これを受け、大手消費者金融などが中心となってルール案を検討していた。協会は年内にも発足する。ルール案によると、視聴者が多い午前７～９時と午後５～１０時の時間帯はテレビＣＭを放映しない。午後１０時～午前０時の間は、関東や近畿など放送地域ごとに１業者あたり月間１００本までとする。大手消費者金融７社は昨年４月からの自主規制で同様の制限を行い、放映時間を約６割減らした。大手はこれを時限的な措置と想定していたが、今後も続けることになる。
（読売新聞）

△ＮＥＣエレ<6723>、電力用半導体事業を強化－マレーシア工場を増強
ＮＥＣエレクトロニクスは電力用半導体（パワーデバイス）事業を強化する。パワーデバイスの製造後工程を担うマレーシア工場を増強し、国内のＮＥＣ福井（福井県坂井市）から生産移管を進める。同時に、パワーデバイスの中でも伸び率が高いパワーＭＯＳＦＥＴ（電界効果トランジスタ）に注力する。海外移管で製造コストを下げるとともに、自動車電装品やリチウム電池、パソコン向けにパワーＭＯＳＦＥＴの新製品を投入して増収を図る。パワーデバイスの製造後工程は量産ラインがあるマレーシア工場への移管を決め、徐々に比率を高める。現在、同工場の製造後工程の生産能力を増強している。０７年に９億個だったパワーデバイスの１カ月当たりの生産能力を、０９年には約１５％増の１０億３０００万個に引き上げる。そのうち、製造後工程の海外比率を０７年の６０％（５億５０００万個）から０９年には７５％（７億９０００万個）に高める。パワーデバイスの中でもパワーＭＯＳＦＥＴ分野に注力する。モーター駆動やバッテリー充電などの電源制御・供給を担うパワーデバイスは自動車や携帯電話、パソコン、デジタル家電などの生産・出荷台数が増えるに連れ需要が拡大しており、パワーデバイス市場の年平均成長率は７％。特に、装置電源やモーター、液晶パネルのバックライトなど大電流のスイッチとなるパワーＭＯＳＦＥＴは同９％と高い成長率を示している。このため、低オン抵抗値のＭＯＳＦＥＴに的を絞って開発・拡販する。

△ＫＤＤＩ<9433>、次世代通信「コグニティブ無線」の基地局を試作
ＫＤＤＩとＫＤＤＩ研究所（埼玉県ふじみ野市）は、複数の無線通信技術を瞬時に切り替えて通信を維持する次世代通信技術「コグニティブ無線」の基地局装置を試作した。第３世代（３Ｇ）携帯電話や次世代高速移動体技術「モバイルＷｉＭＡＸ」など合計５チャンネルを用いてパケットを伝送することに成功。電波がひっ迫している都心部や災害時の緊急通信確保など多様な用途が期待でき、今後は実証実験や受信端末の開発を進め実用化を目指す。各国が開発にしのぎを削るコグニティブ無線は、「ソフトウエア無線」とも言われ究極の周波数有効利用を実現する技術の一つ。さまざまな無線通信技術の中から余裕のある帯域を探し出し、通信の最小単位である「パケット」ごとに最適な無線システムを選び通信チャンネルを切り替えて伝送する。今回ＫＤＤＩが試作した基地局と空電センサーは、総務省の委託研究助成を受け３年がかりで完成させた。基地局には３Ｇ携帯電話規格「ｃｄｍａ２０００ＥＶ―ＤＯ　Ｒｅｖ．Ａ」、モバイルＷｉＭＡＸ、無線ＬＡＮの３規格「８０２・１１ｊ／ａ／ｇ」の５チャンネルを収容。空電センサーで周波数に空きのあるチャンネルを探し出し、最適な伝送路に切り替えて伝送することを実証した。実用技術になれば、携帯電話のように周波数のひっ迫している通信システムでの輻輳回避に役立つ。また特定の地域に限定した自律型ネットワークを構築することもでき、災害の発生時に被災地で臨時の通信を確保するといった使い方も可能になる。ただ実用化には「センサーの精度向上や基地局間の干渉を抑制する技術などが課題」（ＫＤＤＩ研究所）と開発の余地を残す。このため実用化のめどは１０年後を想定している。

△日本オラクル<4716>、ＳＯＡでアプリ統合－業種別パック製品投入
買収から統合へ―。日本オラクルは異種アプリケーション（応用ソフト）の統合基盤「アプリケーション統合アーキテクチャー（ＡＩＡ）」に基づき、買収したシーベルやピープルソフトなどの製品群をはじめユーザー企業内に混在する広範囲なアプリケーションの統合に乗り出す。ＡＩＡはオラクルの基盤ソフト「フュージョンミドルウエア」を組み込んだプロセス統合パック「ＰＩＰ」と、各業界特有の業務プロセス（手順）を図式化した参照モデル「業種別リファレンスモデル」などで構成。第１弾として顧客情報管理（ＣＲＭ）関連のＰＩＰ２種を投入した。今後３０業種を対象に順次品ぞろえを強化し、サービス指向アーキテクチャー（ＳＯＡ）によるシステム統合を強化する。ＡＩＡは０８年に発売する次世代統合業務パッケージ（ＥＲＰ）「フュージョン・アプリケーションズ」のＳＯＡ基盤にも採用される予定。ＡＩＡ対応製品の普及により多様な顧客ニーズに対応するほか、フュージョン・アプリケーションズ投入に向けての基盤を固める。アプリケーションビジネス担当の藤本寛日本オラクル執行役員は「ＩＴ投資の４割がオーダーメードのソフトウエアをインテグレーション（統合化）するために費やされている」と指摘。ＡＩＡによる統合化により「買収戦略によるシナジー（相乗効果）」を加速させる。

△シャープ<6753>、６５型・５２型のホームシアター用液晶ＴＶを９月に発売
シャープはホームシアター用受注生産モデルの液晶テレビ「アクオス・Ｔシリーズ」の６５型、５２型を９月１日に発売する。映画鑑賞向け映像・音響機器を評価する第三者機関の米ＴＨＸ（カリフォルニア州）からホームシアター用ディスプレーの規格認定を得た。液晶テレビのＴＨＸ認定は初めて。価格は６５型が１４１万７０００円、５２型が８４万円。コントラスト（黒と白の対比）は２５００対１、輝度は３５０カンデラ。薄暗い室内での視聴に適する仕様とし、ＴＨＸの規定に従って細かい調整を施した。本体は反射光を抑えたマットブラック（つや消し）に仕上げた。
　
△ホンダ<7267>、日系で初めて南米に知財担当の専任スタッフ配置
ホンダは日系自動車メーカーで初めて南米に知的財産担当の専任スタッフを置く。まず９月にブラジルにある南米事業の統括会社に１人が常駐する。南米では最近、２輪車の“コピー被害”が急増しており、摘発や訴訟などに備える。同社は世界６地域本部制で事業を展開しているが、これで全地域本部に知財管理の専門家が配置されることになる。ホンダ２輪車の外観そっくりなコピー車のほとんどは、中国メーカー製。当初は中国内で販売され、その後東南アジア諸国連合（ＡＳＥＡＮ）などにも数多く輸出されている。ここにきて南米各国でもコピー車が急増しているという。ホンダは以前から２輪車、４輪車の模倣品対策に力を入れており、中国で意匠権侵害の訴訟なども起こしている。現在、世界で１００件を超える知的財産権の係争を抱えているが、最も多いのが対中国の案件。現在、ホンダ全体の知財スタッフは約２４０人（特許の出願部隊なども含む）。

△タンガロイ、コマツ<6301>の出資受け入れ－再上場へ安定株主対策
タンガロイがコマツからの出資を受け入れていたことが明らかになった。株式再上場に向けた安定株主対策の一環。タンガロイは新規事業分野として、焼結金属や超硬合金を応用したブレーキパッドやクラッチ板などの摩擦材部品を強化中。コマツの有力サプライヤーで作る「コマツみどり会」の会員企業でもあり、出資受け入れで関係をより強化する。タンガロイの発行済み株式の０・４％となる１５０株をコマツが取得した。取得額は明らかになっていない。出資割合は微小だが、０７年３月末時点でコマツは野村プリンシパル・ファイナンス（東京都千代田区）やオーエスジーに次いでタンガロイの第４位の株主になった。追加取得などについては未定。タンガロイは事業ポートフォリオの見直しを進めていた東芝から、０４年にＭＢＯ（経営者・従業員による買収）で独立。近い将来に再上場を計画している。

△マツダ<7261>、北米向け「ＣＸ―９」用Ｖ６エンジンを内製化
マツダは北米向けスポーツ多目的車（ＳＵＶ）「ＣＸ―９」のＶ型６気筒（Ｖ６）エンジンを内製化、搭載車を発売した。２月に市場投入した当初は、米フォード・モーターから排気量３５００ｃｃＶ６エンジンの供給を受けていたが、パワーのある自社製の同３７００ｃｃに切り替え、販売促進につなげる。Ｖ６エンジンは本社工場（広島市南区）で生産し、機械加工ラインで初めて直列４気筒（直４）エンジンと混流生産する。新型Ｖ６エンジンはＣＸ―９専用に開発した。マツダではＶ６エンジンを０３年まで自社開発・生産していたが、フォードの意向でフォード製を採用していた。マツダの業績が回復する一方、フォードの業績が低迷。エンジン開発でもマツダの独自色が強まりつつある。

△森下仁丹<4524>、医療機器の通販に参入－今秋に血液検査キット発売
森下仁丹は通信販売での医療機器の取り扱いを始める。今秋にも血液検査キットの発売をスタートするほか、メタボリックシンドロームをチェックできる検査機器を順次投入する計画。血圧計や体脂肪計もラインアップに加える。同社は０８年３月期で営業、経常損益とも黒字化を見込むものの、０７年３月期は両損益とも赤字を計上するなど振るわなかった。健康をテーマにした新事業展開で収益改善を確実なものにする。通信販売はインターネットのほかカタログなどを使って行う。価格は６０００―７０００円台の予定。製品には同社の“仁丹”のロゴマークを付け、自社ブランドを前面に押し出す。採取した血液は検査機関へ送れば、キット購入者に診断結果を通知する。

△石油資源開発<1662>、来年度も高水準の探鉱投資を継続
石油資源開発は０７年度に引き続いて０８年度も高水準の探鉱投資を継続することに決めた。１２０億円から１３０億円を想定しており、今年度計画の１５２億円には及ばないものの、０６年度実績の８１億円は大きく上回る。探鉱は成功すれば将来の生産量の拡大につながるものの、リスクが高い上に、最近では費用も高騰している。同社では原油高騰で業績に追い風が吹いている間に、国内外で探鉱を積極化する。０８年度の探鉱の柱となるのは、０５年１０月の公開入札で獲得したリビアでの２鉱区。
権益を１００％保有する「陸上１７６―４鉱区」では２月から、新日本石油<5001>や三菱商事<8058>とともに落札し４２％の権益を持つ「海上４０―３／４鉱区」では３月から地震探鉱を開始。現在はどちらも作業を終了し、今後は評価や解析に１年程度かけた上で試掘井を掘る。

△ファーストエスコ<9514>、東北地区での電力小売り参入へ子会社設立
ファーストエスコは東北地区での電力小売り参入を狙い、新潟ニューエナジー（東京都中央区）を設立した。ＩＨＩ子会社である新潟原動機の新潟内燃機工場（新潟市東区）内にガスエンジン発電設備を置く。０８年８月に商業運転を開始するが、同設備からは関東地区への供給も可能で、東北での電力販売も早期実現を目指す。新設するガスエンジン発電設備は出力１万１６００キロワットで、今月中にも着工する。投資額は明らかにしていないが、十数億円に達する模様。すでに同社では関東と関西で電力小売りに参入しており、東北への進出で営業エリアの拡大を図る。関東向けの電源としては福島県白河市のバイオマス発電所や群馬県太田市のガスエンジン発電所が稼働し、１０月には千葉県袖ケ浦市のガスコンバインドサイクル発電所が加わる。東北では今回建設する電源だけでなく、これら既設の電源も活用できる。

△三和シヤッター<5929>、群馬・太田に試験センター－自社で耐火・耐久分析
三和シヤッター工業はドアやシャッターの耐火・耐久テストを行う試験センターを太田ドア工場（群馬県太田市）内に開設する。投資額は約９億円で、９月末までに着工し、０８年３月末までに運用を始める計画。自社で耐火・耐久試験を手がけることで開発期間の短縮とコストダウンにつなげる。安全・安心へのニーズが高まる中、徹底したテストを通じて商品力を高め、拡販に結びつける考え。太田ドア工場は軽量・重量ドア生産を手がけており、車で約１５分の場所には重量シャッターなどを生産する足利工場（栃木県足利市）がある。首都圏にある両主力拠点で生産した試作品を効率的に試験できる体制を考え、太田ドア工場内に試験センターを設置することを決めた。新設する試験センターは敷地面積４１０平方メートルの防耐火試験棟と、同２２００平方メートルの環境・耐久試験棟で構成する。

△鹿島<1812>など、廃コンクリ微粉末で軽量外装壁タイル開発
鹿島はオリオン商事（東京都北区）、丸美陶料（岐阜県土岐市）と共同で、廃コンクリートの微粉末を原料にした軽量外装壁タイル「コア・インプレッション」を開発した。鹿島の工事で出た廃コンクリートを利用する。微粉末を高温で発泡化することで気泡を形成し、従来のセラミックスタイルより４０％ほど軽量化した。また、原料費が浮くことで２割のコストダウンも実現した。オリオン商事が１平方メートル当たり１万円から発売した。住宅メーカーへのＯＥＭ（相手先ブランド）供給も行う。年間１０万平方メートルの販売を目指す。鹿島は廃コンクリートから骨材を分離し、それをリサイクルする技術を実用化しているが、分離後に残る微粉末の処理が課題だった。今回、活用方法を広がったことで、廃コンクリートのリサイクルがさらに進むとしている。
　（日刊工業新聞）

△バーテックス　リンク<9816>　韓国企業の株式取得
ＩＴ（情報技術）機器販売や投融資事業を展開するバーテックス　リンク（東京都千代田区）は、韓国の消費者金融業ユア・キャピタル（ソウル市）の株式の４３％を取得する。同社は、今年度からボーダー・ギャップ（国内外格差）をキーワードにした独自視点の投融資事業方針を打ち出している。日本の個人向け金融市場は違法取り立てやグレーゾーン金利などにより収益力にかげりがみられるが、韓国は２００２年の貸金業法整備で拡大基調にあり、成長が見込まれる消費者金融業に投資することで、ハイリターンが見込めると判断した。この投資は短・中期的なリターンが目的で、同社が消費者金融事業などへ進出するためではないとしている。

△第一カッター興業<1716>　西日本事業基盤強化へ
コンクリート構造物の解体・切断工事などを手掛ける第一カッター興業（神奈川県茅ヶ崎市）は、東海地区でコンクリート穿孔（せんこう）工事を行うウォールカッティング工業（愛知県海部郡）を子会社化した。第一カッター興業の営業基盤は、関東、東北、北海道の東日本エリアに限られていた。東海地区に営業基盤を持つウォールカッティング工業を子会社化することで、西日本地域での強固な基盤構築を目指す。第一カッター興業は、ウォールカッティング工業の発行済み株式（２００株）の８０％にあたる１６０株を取得した。取得金額は６２００万円。ウォールカッティング工業の２００６年６月期業績は売上高が４億６１００万円、営利利益が３４００万円。

△タスコシステム<2709>　共同購買などで提携
「とり鉄」「高田屋」など外食チェーンを展開するタスコシステム（東京都港区）は、焼き肉屋さかい、ジーテイストなどの外食企業を傘下におさめるジー・コミュニケーションと共同購買の実施やブランド力の強化などで業務提携した。今回の提携により、ブランド力の強化や店舗運営、ＦＣ店舗のサポート機能に関するノウハウを両社で共有する。また、共同購買を実施することで、仕入れコストの削減を目指す。両社は最大限の効率を追求するために、今回の業務提携にとどまらず、資本提携も視野に入れている。タスコシステムは、２００５年１２月期から２期連続で営業、経常、最終の各利益段階で赤字を計上した。０８年１２月期では全利益段階での黒字化を目標に掲げている。

△国際航業<9231>　微生物使い土壌浄化　短期間、低コスト
測量や建設関連のコンサル事業などを手がける国際航業は、「バイオレメディエーション」と呼ばれる手法を使い、汚染された土壌や地下水を修復する浄化サービスを本格的に開始する。土壌汚染問題への関心の高まりを背景に、工場敷地などを浄化する企業が増加。そのなかでも、微生物を利用する同手法による浄化が今後、有望視されるためだ。バイオレメディエーションは、微生物などが持つ化学物質の分解能力や蓄積能力などを利用し、有害物質で汚染された土壌や地下水を修復する技術。これまで揮発性有機化合物（ＶＯＣＳ）によって汚染された土壌や地下水を浄化する場合、主に掘削して除去するなどの方法が取られていたが、莫大（ばくだい）な費用がかかるうえに、工場が稼働していると工事が行えないといった難点があった。これに対しバイオレメディエーションは、短期間、低コストで浄化することができるため、ここへきて急速に注目を集めている。同社では、建設コンサルタントとして培った地質や地下水流動解析などのノウハウを生かし、この手法を利用してその土地に合った最適な施工を施す。汚染された土壌や地下水を微生物の力で浄化するには、最適な栄養剤をつくり、土質にあった注入方法を選択するなどの技術がカギを握るといわれる。このため同社では、日本製粉の生物科学研究所の技術協力を得て、新栄養剤を開発済み。これを浄化土壌や地下水に応じて最適に調合して注入することで、微生物の良好な成育環境が保持される。この結果、分解効率が高まり、これまでに比べ浄化コストを３０～４０％削減することが可能になるという。

△セイコー<8050>インスツル　環境配慮型商品　売上高構成比が９０％に
セイコーインスツル（ＳＩＩ）は、環境に配慮した「ＳＩＩグリーン商品」の売上高に占める比率が９０％に到達した。「ＳＩＩグリーン商品」は省エネルギー、省資源、化学物質対応などに優れた製品群のこと。商品ごとに独自に定めた環境配慮項目を５段階で評価し、平均が３・５点以上をクリアした商品に対して認定している。２００１年１２月の制度導入以降、その比率を高める努力をしてきた結果、０５年度は７３・２％に上昇。さらに、０６年度末時点で８８・３％に高まり、０７年度第１四半期で９０・２％となり、目標としていた９０％台に乗せることに成功した。製品別ではデータ通信カード、サーマルプリンター、電子部品など大半が９０％以上に到達していた。しかし、大型製品である工作機械、分析・計測装置、ネットワーク製品、インクジェットプリンターなどは、部品が多品種なこともあり、比率アップに難航していたという。一方、同社は０６年１０月に、より高いレベルの環境配慮型製品の創出を目指し、「ＳＩＩハイグレードグリーン商品」制度を導入。同年１２月には無水銀酸化銀電池「ＳＲ６２６ＳＷ」と小型内面研削盤「ＳＳ１－０５ＩＧ」の２製品を第１号として認定した。今後、「ＳＩＩグリーン商品」比率１００％を目指すとともに、「ハイグレードグリーン商品」づくりに力を入れる方針。
（FujiSankei Business i）