2011/06/17 株式クロージングコメント
CLUB Fisco　2011年06月17日15時47分
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■大型株への見直しのタイミングを見極める

　日経平均は下落。59.88円安の9351.40円（出来高概算19億4000万株）で取引を終えた。前場段階では底堅さが意識されていた日経平均だったが、後場に入ると欧州信用不安によるユーロ安が重荷となり、株式先物売り・債券先物買いといったリスク回避の流れが強まった。日経平均は一時9318.62円と、3月29日以来の安値水準を付けた。東証1部の騰落銘柄は、値上がり289に対して値下がり1252、変わらず124と、値下がり数が全体の7割を超えている。

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　日経平均は結局、週前半の上昇分を帳消しにし、レンジ下限からの下振れ懸念を残した状況である。米国を中心とした景気減速懸念や中国の利上げへの警戒、そしてギリシャ債務問題など多くの懸念要因が払拭されるまでは、投資家のリスク許容度は高まらないだろう。

　ただし、6月末の米量的緩和第2弾（QE2）終了が近づき、QE2終了を見据えたリスク圧縮の動きが最終段階にある状況とし、QE2終了後の投資再開のタイミングを見極める局面にあるとみておきたい。日経平均はテクニカル面では保ち合い下放れから9100円辺りがターゲットとして意識されてきているが、シグナル通りの調整の局面においては、押し目買いのタイミングに。

　物色としては、大型株への見直しのタイミングを見極めるスタンス。規模別指数では小型株指数の弱さが目立ったほか、新興市場の中小型株などにも利益確定が強まっている状況が目立ち始めている。震災後にいち早くリバウンドをみせた中小型株から、相対的な出遅れが目立つコア銘柄への資金シフトも。
（村瀬智一）