7/4 朝の『株価材料』PART Ⅱ

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■株価材料

△ローム<6963>、ＳｉＣ素子を自社で試作－パワー半導体サンプル提供
ロームは、京都大学などと開発したエピタキシャル膜成長装置の量産型試作機をシリコンカーバイド（炭化ケイ素、ＳｉＣ）素子の研究開発用サンプル製作に利用する。安定した品質の膜を成長させられることから、従来の社外調達では難しかったチップ面積が大きなハイパワーデバイスを試作できる。今後、外部からの調達品も併用しながらＳｉＣデバイス実用化に向けた技術研究を進める。同装置では直径３インチのＳｉＣ基板上に不純物成分が０・１ｐｐｍ以下で、粒径０・１３マイクロメートル（マイクロは１００万分の１）以上の粒子発生を６０個以下に抑えた高品質なエピタキシャル膜（結晶膜）を成長させられる。このため従来より大きいサイズのチップが得られ、電流容量が従来比１０倍の１００アンぺアのダイオードをつくれる。ロームにとっては同装置を利用することでＳｉＣデバイスの高品質材料調達が容易になる。サンプル提供先の要望にも素早く応えられるようになる。エピタキシャル膜成長装置の量産型試作機はロームと京大、東京エレクトロンが共同で試作、実用化のめどを付けた。要素技術を京大、装置を東京エレクトロン、デバイスをロームが担当した。今後も関連技術の高度化で協力を続ける。ロームと東京エレクトロンは研究の成果をそれぞれ自社の製品に反映させる。ロームはこれまで結晶成長済みの海外製ＳｉＣウエハーを調達。自動車や電源分野にエンジニアリングサンプルを提供し、デバイスの特性調査などを行ってきた。
【用語】シリコンカーバイド＝シリコンと炭素で構成される。現在の半導体材料の主流であるシリコンに比べ、高電圧に耐え、高温に強く電力損失が少ないのが特徴。このため、電源向けなど大電力を扱うパワー半導体分野で用途が期待されている。ただ、硬くて加工しにくく、小口径のウエハーしか製造できないといったネックもある。

△ケンウッド<6765>、中級カーナビを国内投入－価格１０万円の普及機
ケンウッドはカーナビゲーションシステムについて、同社としては初めて設置費用を含め１０万円前後の中級機を日本で販売する。これまで欧米を中心に販売していた中級機を「普及型ナビ」と位置づけて日本市場に投入する。日本のカーナビ市場では価格２０万円以上の高級機を主力製品にしてきた同社が戦略を転換した。既にダイハツ<7262>やマツダ<7261>、三菱自動車<7211>などの販売店がケンウッド製カーナビ中級機の取り扱いを始めた。同社は０７年度に国内外でカーナビ中級機の販売１０万台を目指す。ケンウッドは欧米を中心にテレビとＤＶＤプレーヤーなどの音響・映像（ＡＶ）機能を組み合わせた中級機「ＡＶ一体型ナビ」を価格１５００ドル前後で販売している。いまのところ欧米では計画を上回る売れ行きだという。０７年から中東やシンガポール、マレーシア、タイ、豪州にも販売地域を拡大した。この中級機を日本でも販売する。同社の日本向けカーナビ中級機はＡＶ機能の中でＤＶＤプレーヤーとテレビチューナーを省いた。機能を絞って価格を抑えた。同社のカーナビ事業は日本では高級機種を主力にしてきたが、中級機を投入することで販売台数を増やして市販カーナビ上位のパイオニアなどを追撃する。これにより０６年度９４９億円だった車載機器などを扱うカーエレクトロニクス（ＣＥ）事業全体の売上高を０７年度に１０００億円まで引き上げる。電子情報技術産業協会（ＪＥＩＴＡ）によると、０６年のカーナビ世界需要は７４１万９０００台で、２０１１年には１１５２万３０００台になると予測している。日本では０６年の４０１万４０００台から２０１１年には５２５万に成長する見込み。ケンウッドはこうしたカーナビ需要のすそ野の広がりを好機ととらえ、普及価格帯の製品を投入してＣＥ事業の規模拡大を目指す。

△日本ＨＰなど３社、ナノ材料開発支援システムの提供開始
日本ヒューレット・パッカードは３日、アドバンスソフト、住商情報システム<9719>（ＳＣＳ）と協業しナノ材料に関する開発支援システムとサポートサービスの提供を開始したと発表した。材料の設計支援アプリケーション（応用ソフト）の改良などにより解析時間の高速化や低コスト、低消費電力化を実現。価格は推奨構成で１４００万円程度から。研究機関向けに初年度１０システムの販売を目指す。同システムはＨＰのサーバで構成するクラスター（複数コンピューターをつなぐ）システムをベースに、アドバンスソフト製アプリケーション「アドバンスフェイズ」を改良し組み込んだ。これによりナノレベルの電子・機能材料の設計や評価などのシミュレーション時間を従来に比べて最大約１・８倍高速化。高速化に伴いシミュレーションに必要とするサーバ数を半減できるため、初期投資や電力消費の削減などにもつなげることが可能になる。

△ＮＥＣ<6701>、画像を携帯電話にメール送信できるファクスを来月発売
ＮＥＣは３日、手書きの文字などを携帯電話やパソコンにメール送信できる普通紙ファクス「ネットワークスピークス」を８月下旬に発売すると発表した。携帯電話などの操作は苦手だがメールを送りたいという要望に応えたもの。価格は本体と子機１台で３万２０００円程度、本体と子機２台で３万９０００円程度。販売目標は２機種合計で月１万台。通常のファクスと同様の操作でイラストなどを画像ファイル化し、メールに添付して相手先に送信する。ファクスで画像ファイルを携帯電話での送受信・表示に合うサイズに変換する仕組みは業界初。受信したファクスを登録したアドレスに転送することも可能。パソコンと接続すればスキャナーとして使用できるほか、パソコンへの画像転送などが行える。

△キヤノンソフトウェア<9623>、システム構築支援ソフトを発売
キヤノンソフトウェアは業務手順をとらえやすくするワークフローシステム構築支援ソフトウエア「ウェブ　プラント」を８月１日に発売する。業務手順を視覚的に分かりやすく示してシステム構築の工数を減らし、内部統制にも対応しやすくした。価格は登録者数１００人の小規模用が２１０万円から、サーバ単位の大規模用が５７７万５０００円から。同ソフトを使ったシステム開発を含め、０９年度に８０社、１０億円の受注を目指す。稟議（りんぎ）書など決裁書類の流れをモデル化。申請条件に応じて決裁ルートが変わる場合、条件を簡単に表示できるようにするほか、モデルとして示した決裁部門の仕事の流れをさらに詳細に表示できる。導入に際し、新旧バージョンの並行運用も可能。

△アネスト岩田<6381>、オイル不要の小型スクロール真空ポンプを発売
アネスト岩田はオイル不要の小型スクロール真空ポンプ「ＩＳＰ―１０００」を発売した。潤滑油を不要にすることで、油回転真空ポンプに発生していた排気時の潤滑油の吐き出しや、油の逆流現象を防止。毎分１０００リットルを排出する従来製品と比べ設置面積を約２０％縮小した。価格は１５０万円。初年度で２００台の販売を見込む。従来の油回転真空ポンプは、半導体製造装置の真空チャンバー内に潤滑油が逆流するのに加え、排気時に潤滑油をクリーンルーム内に排出するなどの現象が発生。加工対象物（ワーク）の不良原因になるほか、油をクリーンルーム外へ逃がす配管や装置の冷却設備が必要だった。同製品は潤滑油を用いない空冷ドライ方式で逆流を防止し、配管・冷却設備なども不要とした。

△キヤノン<7751>、観察しながら撮影可能な散瞳型デジタル眼底カメラ発売
キヤノンは散瞳型デジタル眼底カメラ「ＣＦ―１」を９月上旬に発売する。小型のため、眼科医が患者の眼の観察や開瞼動作をしながら撮影できるのが特徴。医療現場のデジタル化とともに発生するデジタル機への切り替え需要を取り込む。本体価格は３６２万２５００円。月間３０台の生産計画。有効画素数約８２０万画素の同社製デジタル一眼レフカメラ「ＥＯＳ　３０Ｄ」と組み合わせて高画質で撮影できる。カラー撮影や蛍光色素を血管に注入して撮影する蛍光撮影、緑内障診察用のレッドフリー撮影の３種類の撮影が可能。撮影できる角度（撮影画角）は５０度。大きさは幅３２０ミリ×高さ５６６ミリ×奥行き５３１ミリメートル。眼底カメラは、アナログ機からデジタル機への切り替えが進んでおり、現在の国内市場でのデジタル機比率は５０％程度。電子カルテや遠隔診断の導入に伴い、さらに普及が進むとみられている。

△コマツ<6301>、マーケティング活動を強化－小型建機の海外ニーズ探る
コマツはミニ油圧ショベルやバックホーローダーなど小型建設機械（ユーティリティー）のマーケティング活動を強化する。ミニ建設機械とフォークリフトの各事業子会社を合併し４月１日に設立した「コマツユーティリティ」に市場開発や販売代理店開発などマーケティング機能を持たせ、ユーティリティーに関する国や地域別、商品別の全社の戦略立案の権限を集中する。コマツは主力である鉱山開発（マイニング）用の超大型油圧ショベルやダンプ、土木建設用の中大型建機に比べ「小型建機の海外の販売力が弱い」（礒田進コマツユーティリティ社長）のが課題だった。コマツユーティリティの直接の担当事業はミニショベルとフォークリフト。

△三菱重工<7011>、米ボーイングと国産ジェット機「ＭＲＪ」事業で協力
三菱重工業は２０１２年の商業化を目指す国産ジェット機「ＭＲＪ」事業で、米ボーイングと協力する。戸田信雄常務執行役員航空宇宙事業本部長が３日、明らかにした。両社は今後、ＭＲＪに関して（１）技術支援（２）部品の供給（３）パイロットのトレーニング（４）機体の修理―の４点を軸に、協力関係を話し合う。８月末をめどに詳細を詰める。三菱重工業とボーイングは「基本的に協力するのがスタンス」（戸田常務）として、幅広い協力関係を模索する。すでに、双方の実務者レベルの作業部会を設置しており、近く本格的な話し合いに入る。ＭＲＪは三菱重が中心となって官民共同で開発を進める７０―９０人乗りの国産ジェット機。０８年春までに事業化の可否を正式決定する予定で、今秋に心臓部のエンジンを選定する計画。

△アンリツ<6754>、中国に携帯の量産ライン用計測器を投入
アンリツは中国独自の第３世代携帯電話方式「ＴＤ―ＳＣＤＭＡ」に対応した携帯電話端末の量産ライン用計測器を８月に中国市場に投入する。中国ではＴＤ―ＳＣＤＭＡの商用化に向け、０６年ごろからネットワークの構築や試行が本格化しつつある。今後、ＴＤ―ＳＣＤＭＡ対応の端末の量産に移る携帯電話メーカーに提供する。量産ライン用計測器は携帯電話端末に向けて信号を発生し性能を評価する汎用のワンボックステスター。端末の量産ラインの一部に組み込んで利用する。ＴＤ―ＳＣＤＭＡのほか、国際的な第３世代方式「Ｗ―ＣＤＭＡ」や第２世代方式「ＧＳＭ」などにも対応する。中国や欧米のメーカーに販売する。ＴＤ―ＳＣＤＭＡは０８年の北京五輪までにはサービスが始まると言われる。すでに同社はＴＤ―ＳＣＤＭＡ対応の端末の研究開発用計測器を中国に投入しており、商用化の進展を見据え量産用計測器も発売する。

△三菱電機<2503>、名古屋でサーボモーターの組み立てラインを増設
三菱電機はサーボモーターの生産能力を増強する。国内唯一のサーボモーター生産拠点である名古屋製作所（名古屋市東区）でモーター組み立てラインを増設し、現在の生産台数が月間８万台のところ、０８年度に同１０万台の生産能力を整える。サーボモーターは各種ＦＡシステムや工作機械などの生産設備に向けに、受注が好調。能力増強で供給力を強化する。名古屋製作所は現在、小容量モーター６本、中容量モーター５本、計１１本の自動組み立てラインを持つ。生産数の少ない機種については人手を交えた半自動生産で対応している。自社製の汎用ロボットや専用機を組み合わせて、電磁石を使ったステーター部分の組み立てを中心に無人化を進めてきた。新たにこの自動生産ラインを１本増設し生産能力を増強する。

△ヨロズ<7294>、研究開発を強化－売上高の５％・年６０億円投資へ
ヨロズは０９年度までに研究開発費の売上高比率を０６年度の３％程度から５％に引き上げる。金額ベースでは同十数億円上積みして６０億円とする見込み。具体的には、鋼管を水圧で膨らませて成形するハイドロフォームや、複合部品を組み込むモジュール化など、サスペンション（懸架装置）の部品数削減や高付加価値化に効果のあるコア技術を進展させ、軽量化や低コスト化を図る。これにより、市場優位性を確保していく考え。ヨロズは研究開発投資の拡大で、まずハイドロフォーム設備の小型化を検討する。栃木（栃木県小山市）、米国、タイの３工場で稼働する同設備は型締め力５０００トン、最大液圧４０００気圧と同業他社の装置に比べ大型だが、小ぶりな設備・技術を開発、各工場への水平展開を容易にする。

△日本化薬<4272>、メキシコにシートベルト用小型ガス発生器の新工場建設
日本化薬は０８年にシートベルトの作動に使う小型ガス発生器の新工場をメキシコに建設する。北米市場を中心に需要が増加しているためで、米国子会社のライフスパーク（カリフォルニア州）で生産する同ガス発生器を全量新工場に移管。年産２０００万―２５００万個のガス発生器を生産する。新工場建設は日本、米国、欧州、中国での自動車向け安全部品の生産体制強化の一環で、同社では０８年５月期に全社の設備投資額の４分の１以上にあたる４０億―５０億円を世界４極の同分野に投じる方針。メキシコの新工場は０７年中に着工し、０８年秋に稼働する予定。投資額は十数億円で、従業員は当初５０―６０人でスタート。２０１０年をめどに１３０―１４０人まで増員する。ガス発生器の生産を移管するライフスパークは、もうひとつの主力製品であるガス発生器向け点火具の生産に集中する。

△住友林業<1911>、マンションのリフォーム事業に本格参入－基礎工事定額制に
住友林業は３日、一戸建て住宅のリフォームを展開する１００％子会社の住友林業ホームテック（東京都千代田区）を通じて、マンションリフォーム事業に本格参入すると発表した。基礎工事部分を定額制にして、設備仕様をプランの中から選択するサービスを「Ｍａ：Ｒｉ（マリ）」として１２日から展開していく。０７年度は東京と大阪に専任部署を設置、今後、都市圏にエリアを拡大する。マンションリフォーム事業で０８年３月期に売上高１０億円、２０１０年３月期には同３０億円を目指す。リフォーム市場の伸長を背景に、戸建てとマンションの両面からリフォーム事業を拡充することにした。サービスは「マンションの中にも　木の家を」を基本コンセプトに、配管や二重床などの基本工事部分を１平方メートル当たり６万１９５０円で請け負う。７０平方メートル以上が対象。これにキッチンやシステムバス、内装材などを仕上げる。

△コジマ<7513>、家電の省エネ比較サイトを開設
省エネ家電に買い替えを―。家電量販大手のコジマが家電の電気代を簡単に調べられる「コジマ省エネ比較サイト」（ｗｗｗ．ｋｏｊｉｍａ．ｎｅｔ／ｓｈｓ／）を開設した。家庭で使用している家電と、それを省エネ製品に買い替えた場合の電気代の差異などを計算できるのが特徴。同サイトを販促ツールとして活用し、省エネ家電の普及に役立てる。同サイトはエアコンや照明器具、洗濯機などが対象で、製品の購入時期や１日当たりの使用時間など簡単な情報をサイト上で入力するだけで、１年間の電気代（洗濯機の場合は水道代）が計算できる。最新の省エネ製品に買い替えた場合の「年間節約金額」も調べられる。コジマは店頭で省エネ情報を掲載した冊子などを配布するほか、省エネ家電への買い替えに特別ポイントを進呈するなど普及キャンペーンに力を入れている。今回のサイト開設もその取り組みの一環。

△ＪＡＬ<9205>、９日就航の中型貨物専用機を報道陣に公開
日本航空（ＪＡＬ）は３日、中国線に９日就航する中型貨物専用機のボーイング７６７―３００Ｆを報道陣に公開した。ＪＡＬが同機を導入するのは初めて。０７年度中に２機、０９年４月にさらに１機追加。中国線のほか東南アジア線に投入し、大型貨物機では対応が難しかった中規模需要の取り込みを図る。公開した１号機は成田―関西―上海、関西―大連など中国線７路線に投入する。最大積載量は５４．９トン。塗装を施さない「ポリッシュドスキン」仕様で軽量化し、大型貨物専用機に比べ燃料効率を約２０―２５％向上させられるという。ＪＡＬの国際貨物事業の売上高は０６年度１９０５億円だが、０９年度に２０６０億円まで引き上げる計画。

△ＪＲ東日本<9020>、無線デジタル化と新幹線更新に６００億円を投資
ＪＲ東日本は３日、０９年度までに首都圏在来線の列車無線システムをデジタル化すると発表した。現状のアナログ２回線がデジタル化で４回線に倍増、障害発生時の対応が迅速化できる。まず８月２６日に山手線で先行導入し、７段階に分けて全面更新する。投資額は山手線分が９６億円で、総額３６６億円。現行の列車無線システムは、ダイヤが乱れた時などに輸送指令員が各列車の乗務員に状況を伝える一斉回線と、個別列車と連絡を取る通話回線の２本だけ。デジタル化で増える２回線のうち１本はデータ専用回線とし、運転台のモニター表示と乗務員の確認操作により、通話なしで運行計画変更の指示・確認が行えるようになる。すでに東北・上越新幹線では０２年に列車無線システムをデジタル化しており、その実績を踏まえて首都圏の在来線に導入する。

△小田急<9007>、全駅売店を一新－０９年度末めどにウオークイン型導入
小田急電鉄は０９年度末までに駅売店「Ｏｄａｋｙｕ　ＳＨＯＰ」全店をリニューアルする。内外装の刷新のほか、一部店舗は売り場面積や駅の特色に応じて対面販売型からウオークイン型へと切り替える。駅売店は中高年のビジネスマンが主要顧客だが、リニューアルを機に若年層や女性客の取り込みを図る。リニューアル後は駅売店全体の売上高を少なくとも１割アップさせる考え。同社は現在、沿線駅で計１２０の駅売店を運営している。（１）全店舗の内外装刷新（２）３０平方メートル以上の店舗をウオークイン型に切り替える（３）対面型店舗の販売窓口を増やす―などを基本方針にすでにリニューアルを進めており、現在までに４７店の工事を終えた。なかには従来と比べ売り上げが３割アップしたケースもあることから、リニューアル効果が大きいと判断、作業を急ぐことにした。

△ドン・キホーテ<7532>、コンビニ新業態テコ入れ－黒字化優先で出店抑制
ドン・キホーテはコンビニエンスストア新業態の「情熱空間」のテコ入れを進める。これまでに５店を展開しているが、店舗段階での黒字化を目指し、年内をめどにオペレーションや総菜部門、ロジスティクスを改革する。情熱空間は当初、年間３０店程度の出店を目指していたが、今後の出店計画では、今期（０８年６月期）も１０店舗未満に抑え、店舗段階での黒字体質定着を優先する。ドン・キホーテは０６年夏に情熱空間１号店を出店し、現在、東京・渋谷区、同・杉並区などで計５店舗を展開している。加工食品や日用品などコンビニ商材に加え、出来たての総菜や弁当、書籍やレンタルＤＶＤまでそろえており、売り場面積も通常のコンビニの２倍以上の規模。現在、商品の中でもオペレーション上、手間のかかる総菜や弁当などの加工体制、品ぞろえ面でのノウハウ確立が急務となっている。

△東急電鉄<9005>、ローソン<2651>と共同開発の新型駅売店を来春開業予定
東京急行電鉄はローソンと共同開発した新型駅売店「ＬＡＷＳＯＮ＋ｔｏｋｓ（ローソンプラストークス）」の２、３号店を０８年３月末までに開業する計画だ。店舗運営を担う東急ステーションリテールサービスによると、東急田園都市線長津田駅構内に０６年８月オープンした１号店の売り上げが当初の予想を上回る水準で推移していることから、新規出店に動く。ローソンプラストークスは対面とカウンターの両方の販売窓口を備える。２、３号店は東急田園都市線、東急大井町線に１店舗ずつ設置予定。

△オリコ<8585>、個品割賦事業を再構築－カード事業との相乗効果狙う
オリエントコーポレーション（オリコ）は個品割賦事業の再構築に乗り出す。０７年３月期に４６１３億円の当期赤字を計上し、みずほフィナンシャルグループ<8411>などを引受先とする１５００億円の第三者割当増資で財務面を強化。営業面では主力の個品割賦事業に経営資源を集中し、数年内にショッピングクレジットの業界シェアを２５％（０６年度約１７％）に、オートローン事業のシェアも２５％（同約２０％）に引き上げる計画だ。個品割賦領域に力を注ぐとともに、個品割賦とカード事業との相乗効果を見込んでいる。「カードと個品割賦は区別していない。モノやサービスの支払いで分割ニーズのある顧客がいるところを個品領域と呼んでいる」（西田宜正社長）とし、顧客ニーズに応じて個品割賦とカードを両面で展開していく方針。
（日刊工業新聞）

△旭化成<3407>・青学大など　せっけん分子などから新材料　ディスプレー開発も
青山学院大学理工学部の長谷川美貴専任講師と、大型放射光施設「ＳＰｒｉｎｇ－８」を運営する高輝度光科学研究センター、理化学研究所、旭化成の研究グループは、セッケンの原料分子と希土類金属、３角形の有機分子「メレム」から新しいディスプレー誕生につながる可能性のある材料を開発した。偏光（一定の方向にだけ振動する光）を自ら発し、横から見えないのぞき見防止ディスプレーや、光通信デバイスなどへの応用が期待できるという。セッケンの原料分子は、水に溶けやすい親水基と油に溶けやすい疎水基を持ち、水と油を仲介できる。セッケン分子を水面に浮かべて周囲から圧力をかけると、すべての分子の親水基が下になってそろう。これを基板にうつし取ることで分子が規則的に並んだＬＢ膜と呼ばれる分子膜ができる。上下を繰り返すと、親水基同士または疎水基同士がくっつくように交互に何層も重ねることができ、これまでガス分子の吸着材などに応用されている。研究グループは、セッケン分子と希土類金属に加え、旭化成が開発して長谷川専任講師らが発光機構を見つけた３角形の有機分子「メレム（トリアミノ－トリ－ｓ－トリアジン）」を利用した。セッケン分子ステアリン酸と希土類金属プラセオジム（Ｐｒ）が結合した「Ｐｒステアリン酸錯体」を水面に浮かべ、水中にメレムを溶かした状態でＬＢ膜を１０層分作成したところ、偏光を持つ光を発生した。ＳＰｒｉｎｇ－８で観測すると交互に傾きながら層をなしている「マッチ棒」状の分子の間にメレムが規則的に挟まることが分かった。メレムからの発光が、セッケン分子でできた格子戸と、希土類金属シートによる磁気的な影響を受け、３０度のずれがある２方向の偏光が生じた。通常ののぞき見防止ディスプレーではバックライト光を偏格子に通すが、直接偏光を作れる。また、１素子で２種類の光を発光できることから光通信の情報量を倍増するデバイスへの応用も期待できるという。この研究成果は、英国王立化学会が４日に発行する科学雑誌「フォトケミカル・アンド・フォトバイオロジカルサイエンス」に掲載される。

△住商<8053>、中国に物流会社　マツダ<7261>に部品迅速納入
住友商事は３日、完成車から部品までを扱う総合自動車物流会社を中国・南京市に現地物流企業などと合弁で設立したことを明らかにした。８月にも認可を取得し、営業を開始する。新会社は、長安汽車グループと米フォード・モーター、マツダの合弁会社、長安福特馬自達汽車（長安フォードマツダ）の南京工場が今秋本格稼働するのに合わせて設立、部品を必要な時に必要な数だけ納入する「ジャストインタイム」方式の物流に対応する。新会社「長安民生住久物流（南京）」（ＣＭＳＣロジスティクス）の資本金は１２６０万ドル（約１５億３７２０万円）で、出資比率は長安汽車の物流子会社、重慶長安民生物流服務が５１％、住友商事２５％、現地物流会社、長久実業集団が２４％。南京市の江寧開発区内に約２万６０００平方メートルの敷地を確保し、物流センターを設置。ＩＴ（情報技術）を駆使したシステムで部品の在庫管理などを徹底し、自動車メーカーへの納期短縮を図る。長安フォードマツダ南京工場の年産能力は１６万台。今秋稼働し、来年１月をめどにマツダの「Ｍａｚｄａ２（日本名マツダデミオ）」の生産も始まる予定だ。新会社は、同工場に隣接し、４月にエンジンの量産を開始した長安フォードマツダエンジン（ＣＦＭＥ）の物流業務も担当する。中国の自動車生産台数は２００６年に前年比２６・３％増の７２０万台に拡大し、ドイツを抜いて世界第３位に浮上した。国内販売も好調で、自動車各社は生産効率を上げるため、部品の納期短縮などジャストインタイムの物流効率化による生産性改善や在庫管理の徹底に力を入れている。住友商事は中国での自動車関連物流を強化している。０４年に中国中信集団（ＣＩＴＩＣ）傘下の物流会社と合弁で陸友物流（北京市）を設立。日産自動車の中国合弁、東風汽車花都工場からの完成車輸送を手がけているほか、０５年には重慶に現地物流会社と合弁で部品物流会社、重慶住商雲信物流を設立。重慶長安鈴木などに製品を納める部品メーカー数十社向けにきめ細かい部品物流サービスを提供している。

△松下電器<6752>　新３カ年計画　物流費、最大２割削減　在庫圧縮一段と
松下電器産業は３日、在庫圧縮の一環としてロジスティクス（物流）関連費用を１、２割削減する方針を明らかにした。物流費削減は２００７年度にスタートした新３カ年経営計画に新たに織り込み、コスト削減の柱に位置付ける。競争力を高めるために４月に発足したモノづくりイノベーション本部が精査したところ、「物流に関係した費用が社内で数千億円あるという分析結果が出た」（大坪文雄社長）という。物流費の具体的な削減方策は今後詰めるが、中村邦夫前社長（現会長）時代から進めてきた在庫圧縮の考え方をもう一歩進め、原材料や完成品の効率的な輸送システムを構築することで物流費の削減を図る。大坪社長は「現在の松下グループのロジスティクスを見直せば、在庫を発生させている理由がはっきりする。中村前社長時代の思想を維持しながら、新しい視点で深く切り込む」と話している。同社は、原材料や完成品、仕掛品（工場在庫）などを含む棚卸資産（在庫）が０１年３月末に１兆円を突破。中村前社長が「在庫は“罪庫”」と圧縮を厳命し、一時は７０００億円台に押さえ込み、構造改革の大きな推進力になった。しかし、０５年３月末から松下電工やパナホームを子会社化した影響で再び在庫が膨らんだほか、販売数量が増えた要因も加わり０７年３月末には棚卸資産が９４９４億円に増大していた。棚卸資産には、製品輸出のために海上輸送しているプラズマテレビ用のパネルなども含まれ、物流を含む在庫圧縮にもう一度取り組むことにした。

△エフティコミュニケーションズ<2763>　検索連動広告に参入　中小企業向け販売
中小企業向けにＯＡ機器や携帯電話などの販売を展開するエフティコミュニケーションズ（東京都中央区）は、検索連動型（リスティング）広告事業に参入する。リスティング広告大手のクロスリスティング（東京都渋谷区）との間で、同社が展開する検索型広告サービス「ＲＥＭＯＲＡ－ｌｉｇｈｔ－」の販売を手掛けることに合意した。リスティング広告とは、検索エンジンの検索結果画面で、指定したキーワードの場合にのみ広告を表示する。事前に指定したキーワードまたはＵＲＬでの検索時のみに表示される。例えば、Ａ社がターゲットとするユーザーが使用しそうなキーワードを設定することで、費用効果の高い広告展開が可能となる。クリックされた際に料金が発生するクリック課金となっており、検索エンジンの検索結果画面での広告表示では料金がかからない。インターネット広告の中で費用対効果が高い広告の１つとして注目を集めている。「ＲＥＭＯＲＡ－ｌｉｇｈｔ－」は、インターネット利用者を効果的にサイトに誘導するよう設計され、広告料金が際限なく上昇する変動制ではなく、固定制の利用者にわかりやすい料金体系が特徴。また、検索を行う利用者へより効果的にアピールできるよう、専門のライターが広告文やタイトルを作成してくれる。主要ユーザーの中小企業を販売ターゲットにして、同事業を収益の１つの柱に育てる。

△富士電機<6504>がＦＡ機器で　初のインド販売拠点
富士電機グループで初のインド販売拠点が営業を開始した。同グループの富士電機機器制御のシンガポール法人が設けたインド支店で、ＦＡ（ファクトリーオートメーション）機器全般の販売・サービスを手がける。従業員は１０人。年内にニューデリー、チェンナイに営業所を開設し、２００９年に１５億円の売り上げを見込んでいる。インドには日米欧の製造業が相次いで進出し、ＦＡ機器の需要が拡大している。富士電機機器制御はこれまで現地代理店を通じて営業展開していたが、自前の販売網を構築し、成長市場を取り込む方針だ。

△スズキ<7269>が電動車いす　体型に合わせて調整
スズキは３日、一部改良した電動車いす「カインドチェア」を発売した。背もたれの張りを調整したり、肘の高さを調節できる機構を採用したほか、電池容量を増やして連続走行距離を伸ばした。利用者の体形にあわせて背もたれの張り具合を調整することで長時間の利用でも疲れない。また、肘部分は高さ調節のほか伸縮も可能にした。改良で従来型以上にコンパクトにできる構造とし、折り畳んでの持ち運びを一段と容易にした。電池に長寿命の小型ニッケル水素バッテリーを採用し、連続走行距離を１２キロメートルに伸ばした。価格は３５万円。使い慣れた車いすを電動化するユニットが２６万２５００円。年間１０００台の販売を目指す。

△ＢＭＷ　水素自動車を初公開　普及へ地ならし　公道認証得て全国で試乗会
ＢＭＷジャパンは３日、水素を燃やして動力源とする水素エンジン車「ハイドロジェン７」を日本で初公開した。燃料電池車、電気自動車と並び、ガソリンなど化石燃料を必要としない究極の環境対応車で、日本での公道走行の認証を１７日までに取得する予定。同社は取得後、全国で一般の人を対象にした同乗試乗会を開催する。４日からは水素エネルギーに関する展示会も東京で開き、将来の水素エンジン普及へ向けて地ならしを図る考えだ。同社は「ハイドロジェン７」２台を公道走行試験用に日本へ持ち込み、年末までに全国９都市で、一般の人を対象とした同乗試乗会と水素エネルギーに関する展示会を開催する。水素社会を実現するための署名活動も展開する予定だ。その皮切りとして４日から８月１９日まで、東京都江東区の日本科学未来館で「モビリティの現在・未来　水素エネルギー展」を開催。小学生など未来のドライバーを対象に、水素エンジンを啓蒙していく。一般公開に先立って３日に招待された地元小学生は、「環境にいい水素エンジン車で走りたい」と夢を語っていた。水素エンジン車は、地球温暖化の原因となる二酸化炭素（ＣＯ２）を排出せず、排気管から排出されるのは水だけ。燃料電池車や電気自動車と違い、従来のガソリンエンジンとほぼ同じ機構のエンジンを利用できるメリットもある。
マツダ<7261>が独自のロータリーエンジン方式で先行開発。ＢＭＷが、一般のガソリンエンジンと同じ構造のピストン方式のエンジンを採用した「ハイドロジェン７」の開発に成功し、これまでに１００台を生産し、リース販売している。日本でリース販売する予定は現時点でないという。
（FujiSankei Business i）