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2011 05,22 17:56 |
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【日本株週間展望】こう着続く、景気落ち込み警戒-割安と円安支え 5月第4週(23-27日)の日本株相場は、こう着状態から依然脱せない公算が大きい。東日本大震災の影響で国内経済は予想以上に落ち込み、年後半から見込まれる回復の度合いが緩やかになるとの不安がある。ただ、株価指標の割安や為替相場の円高修正などが支えとなり、一方的に売りも出しにくい状況だ。 日経平均株価の第3週末値は前週末比0.4%安の9607円8銭。週間値幅は229円と、2月第3週以来の小ささだった。為替の円安が企業収益にプラスに働く半面、内閣府が19日に発表した1-3月国内総生産(GDP)が年率換算で前期比3.7%減と、市場予想以上に落ち込み、警戒感が広がった。ギリシャの債務再編が取り沙汰されるなど、欧州債務問題もくすぶる。 中央証券の大越秀行株式部長は、「景気悪化などの足元の不安と、7-9月以降の回復という先行きへの期待が綱引きしている。原発問題の収束が見えない今、先々の回復を織り込むほど投資マインドは盛り上がっていない」と言う。 1-3月のGDPの前期比3.7%減は、ブルームバーグ調査によるエコノミストの事前予想中央値の1.9%減を上回る落ち込みだった。マイナス成長は2四半期連続だ。SMBC日興証券の岩下真理チーフマーケットエコノミストは、3月の消費関連データが軒並み大幅に減少した点を挙げ、「震災の甚大な影響力を物語る数字」と受け止めた。 岩下氏は、「夏場まではサプライチェーン障害と電力不足を背景に生産は底ばい圏での推移となり、9月以降は持ち直すとみている。GDPの正念場は、4-6月の落ち込みから7-9月にどの程度戻せるかだろう」と指摘している。 興味のある方は、"つづきはこちらです"をクリック!
生産回復は前倒し それでも、落ち込みからの持ち直しを期待させる話は出ている。ホンダの池史彦専務は17日、生産正常化の時期が従来計画の年末より前倒し方向との見通しを明らかにした。生産の立ち上がり時期が少しずつ前倒し方向になっているという。大手自動車メーカーでは、トヨタ自動車が11日、生産回復の開始時期が6月ごろに前倒しになる見込みと発表。日産自動車も13日に、10月には世界的に通常の生産に戻る見通しを示している。 明るい材料は出てきたものの、震災前の株価水準(日経平均で3月10日終値1万400円)を早期に回復するとみるのは、やや楽観的過ぎるようだ。6月末に政府の復興構想会議が第1次提言をまとめるが、復興にかかる膨大な金額を政府が今後どうねん出していくかは不透明。仮に財源を増税で賄うとなれば、震災で落ち込んだ個人消費への一段のダメージは必至だ。 商品市況高止まり 原油価格の高止まりも製造業にとってはコスト高となり、懸念材料だ。原油先物7月限の19日終値は1バレル当たり98.86ドル。1年前に比べると、45%高い水準だ。ブルームバーグ・ニュースがアナリスト43人を対象に実施した調査では、42%が第4週の原油先物の上昇を予想している。下落予想は35%、横ばい予想は10人だった。 HSBCグローバル・アセットマネジメントでは、経済成長著しい中国やインドでの需要増大と中近東の政情不安を考えると、原油価格は今後強含むと予測。原油をはじめとする「エネルギー価格の上昇によって、世界的にインフレ圧力が高まる」とHSBC投信・投資情報部の孕石健次部長は話している。 一方、為替市場での円高修正は好材料だ。円は対ドルで5月5日に付けた直近高値79円57銭からじりじりと下げており、20日現在は81円台後半で推移。対ユーロでは、第3週の週初に113円42銭まで上昇したが、その後は一貫して下落、20日は117円付近で取引された。 レンジ推移続く 日経平均は3月後半以降、9400-1万円のレンジでの動きが続いている。TOPIXのPBR(株価純資産倍率)は20日時点で0.98 倍と、解散価値とされる1倍程度で割安感がある。海外投資家は第2週まで28週連続で日本株を買い越し、過去最長記録を更新した。一方、東京電力の福島第一原子力発電所の事故収束に向けた進展がなかなか見られず、国内景気は停滞している。 ムーンライトキャピタルの糸島孝俊チーフ・ファンドマネジャーは第4週は大きな材料がなく、「日経平均で9400-9800円程度のレンジ内の動きに収まる」との見方だ。 糸島氏は、3カ月以内には相場の方向性が明確になると予想。前期決算発表時に今期業績予想の開示を見送った企業も、「4-6月の実績が出れば、通期の見通しを立てられるだろう。懸念される夏場の電力不足も、供給制限が回避できるかどうかが分かる」ためだ。海外株が堅調を維持し、6月に終了する米の量的緩和第2弾(QE2)後も流動性が確保され、国内の電力供給にも問題がなければ、「サマーラリーになる可能性がある」と同氏は話した。 指数の大きな値動きが期待しにくいなか、投資収益を得るには個別株投資が有効となりそう。中央証の大越氏は、決算発表が出そろうことから「今期きっちりと利益を出せる企業のなかで、株価指標が割安な銘柄を買うという投資の基本に戻るべき」と強調している。 第4週のスケジュールで相場に影響を与えそうなものは少ない。25日に4月の貿易統計、27日に4月の全国消費者物価指数(CPI)が予定されている。米国では、24日に4月の新築住宅販売件数、25日に4月の耐久財受注など。企業の決算発表では、プレイステーションネットワーク(PSN)からの個人情報流出問題を起こしたソニーが26日に予定しており、注目される。 【市場関係者の当面の日本株見解】 ●カブドットコム証券の山田勉マーケットアナリスト ●ソシエテジェネラル証券の久保昌弘グローバルエクイティ部長 ●証券ジャパン大谷正之調査情報部長 ●イワイリサーチセンター長の有沢正一氏 記事:東京 浅井真樹子 Makiko Asai PR |
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