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2010 12,25 09:00 |
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【日本株週間展望】反発し昨年末値挑戦、米景気良好と海外勢買い期待 12月第5週(27-30日)の日本株は反発し、日経平均株価が昨年末終値(1万546円)を意識した動きとなりそう。米国経済の緩やかな回復期待が高まるなか、海外投資家による資金流入が継続。海外勢に次ぐ売買規模を持つ個人投資家の買い意欲も持ち直してきており、需給面の改善もプラスだ。 ちばぎんアセットマネジメントの桶矢雅嗣運用部長は、「来年のテーマになる可能性がある『日本株のキャッチアップ』を意識した買いが待ちきれずに出てくる」と指摘。クリスマス休暇を取っていた海外投資家の一部が戻ってくることもあり、「海外勢の買いが続けば、戻り売り圧力が強まる日経平均先物12月物の特別清算指数(SQ)値の1万420円を上抜け、買いに弾みがつく可能性もある」と見る。 第4週の日経平均は、週間ベースで8週ぶりに反落した。週末24日終値は前の週末に比べ24円(0.2%)安の1万279円。東証1部の値上がり、値下がり銘柄数の割合を示す騰落レシオ(25日移動平均)が140%台と、一般的に過熱気味とされる120%を上回って推移するなか、テクニカル分析上の過熱を冷やす日柄調整の色彩が濃かった。 それでも年初からの日米欧の主要株価指数騰落率を見ると、米ダウ工業株30種平均、ストックス欧州600指数がともに11%高であるのに対し、日経平均は2.5%安と出遅れている。 米国で最近発表される経済指標は総じて良好。22日に発表された7-9月期実質国内総生産(GDP)確定値(季節調整済み)は年率換算で前期比2.6%増と、前月発表の改定値から0.1ポイント上方修正された。23日発表の統計では、11月の耐久財受注で設備投資の先行指標となる航空機を除く非国防資本財(コア資本財)の受注が前月から回復したほか、18日に終わった週の失業保険申請件数は前週比で減少した。 興味のある方は、"つづきはこちらです"をクリック!
量的緩和第2弾(QE2)に続いて減税延長も決まり、米経済が今後も着実な回復をたどるとの期待が強まっていることを背景に、米株式市場では23日にダウ工業株30種平均が2008年8月28日以来、約2年4カ月ぶりの高値水準を回復するなど、主要株価指数が軒並み08年のリーマン・ショック前の水準まで戻してきた。「株高による資産効果が米GDPの約7割を占める個人消費の持ち直しにつながる好循環も期待される」と、ちばぎんアセットの桶矢氏は話す。 米国の消費関連統計では、28日に12月のコンファレンスボード消費者信頼感指数が発表される。エコノミスト53人の予想中央値は56.3と、7カ月ぶりの高水準に改善する見通し。このほか、28日に10月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数、30日に12月のシカゴ購買部協会景気指数の発表が予定されている。 世界最大の経済大国である米国景気の先行き不安が和らいできたほか、今秋に急速に進行した為替の円高が一服気味であることも、輸出依存度の高い日本株にはプラス。市場全体の売買代金の約6割を占める海外投資家からの資金流入が続いている。東京証券取引所が24日に公表した12月3週の投資部門別売買動向によれば、海外勢は7週連続で買い越した(金額は2129億円)。 為替波乱ない限り海外勢買い続く、個人損益改善 BNPパリバ・インベストメント・パートナーズの清川鉉徳執行役員は、「円相場の落ち着きが外国人による日本株買い継続の最大要因」と指摘しており、為替市場で大きな波乱がない限り、海外投資家の買い基調は簡単には崩れそうにない。また、いちよし投資顧問の秋野充成運用部長によると、「欧州に比べ当面の財政リスクが小さく、アジア株の中での出遅れ感もある」ため、海外勢はリスク資産を配分する際の日本株の選好度合いを高めているという。 海外勢の買い出動で日本株が水準を切り上げる中、売買代金シェアで2割強の個人投資家も「損益が改善に向かい、余裕を取り戻しつつある」と、水戸証券の吉井豊投資情報部長は話す。個人は逆張り志向が強いだけに、相場下落局面での下支え役として期待できそうだ。信用取引で株式を買った投資家の含み損益の度合いを示す信用評価損益率は、17日申し込み時点でマイナス8%と、4月30日(マイナス5.1%)以来、約7カ月半ぶりの水準まで回復してきた。 大手銀行株がこのところ堅調な値動きとなり、「メガバンク株の下値を買い続けてきた個人の採算が改善してきた」点も見逃せないと吉井氏。TOPIXの直近安値だった11月2日から12月24日までの33業種別指数の騰落状況を見ると、銀行は18%高と、TOPIX(12%高)のパフォーマンスを大きく上回る。銀行株の上昇過程で、個人による信用買いの整理も進み、10月29日時点で21倍あったみずほフィナンシャルグループの信用倍率は今月17日に3.7倍まで低下している。 一方、欧州財政問題の広がりや、それを受けたユーロ安の進行が最大のリスク要因と見る市場関係者が多い。欧州では格付け会社による国債格付け見直しが相次ぎ、財政問題への懸念が再び意識されやすい状況にある。米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは21日、ポルトガルの経済成長の弱さを理由に同国国債の格付け「A1」を1段階または2段階引き下げる可能性を示唆した。またフィッチ・レーティングスは23日、ポルトガル国債の格付けを1段階引き下げた。 こうした中、世界の投資家の悲観度を映すシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数(VIX指数)は、12月22日に15.45まで下げ、リーマン・ショック後の最低水準を記録した。VIX指数の低下は、投資家のリスク許容度が上がっていることを反映する半面、欧州財政問題を考えれば「楽観に傾きすぎているとも受け取れ、いつ波乱が起きても不思議でない」といちよし投資顧問の秋野氏は言う。 国内スケジュール面では、27日に11月の自動車生産や住宅着工戸数、28日には11月の家計調査や鉱工業生産、失業率、消費者物価指数など多くの経済指標が発表される予定。注目度の高い鉱工業生産指数については、エコノミスト29人による予想中央値は前月比0.9%上昇と6カ月ぶりにプラス浮上する見通し。 【市場関係者の日本株の見方】 ●大和証券キャピタル・マーケッツ金融証券研究所の西村由美次長 ●中央証券の大越秀行株式部長 ●十字屋証券投資情報室長の岡本征良氏 ●証券ジャパンの大谷正之調査情報部長 記事:東京 河野敏 Satoshi Kawano PR |
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