6/15 朝の『株価材料』PART Ⅲ

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■株価材料

■トヨタ<7203>、新「プリウス」の発売を半年間延期
トヨタ自動車は、全面改良し、０８年秋に投入を予定していた新型ハイブリッド車（ＨＶ）「プリウス」の発売時期を０９年春に半年間延期する。ＨＶの中核部品であるシステムの開発や供給体制の課題に加え、車両設計の変更や品質確保の観点から販売時期の延期に踏み切る。トヨタが開発上の課題から新車発売の時期を半年間延期するのは異例。月内にも部品メーカーなど関連各社に同決定を正式に伝える模様だ。通常のガソリン車とは異なるＨＶならではのシステム開発が、最終的な発売延期の決定の背景となった。トヨタは当初、次期モデルで、３代目となる新型プリウスを、日本で０８年１０月をめどに投入する予定だった。燃費性能を格段に上げる新型モデルの目玉として、ハイブリッドシステムの中核部品である二次電池に高性能なリチウムイオン電池の採用を予定。従来のニッケル水素電池からの置き換えを前提に、開発を進めていた。しかし安全上の課題から、このほどリチウムイオン電池の採用を断念。急きょ、従来のニッケル水素電池の継続使用を決めた。そのため、車両設計の見直しが生じたほか、ニッケル水素電池の生産、供給面での課題から総合的に判断し、発売時期の延期を決めた。トヨタは０３年９月に現行のプリウスを発売。日米を中心に大ヒットし、ＨＶの普及に弾みを付けた。５月末には、トヨタが世界で発売したＨＶの累計販売が１００万台を突破。そのうち約７６万台がプリウスだった。さらなるＨＶの普及を狙うトヨタにとって、新型プリウスの成否は今後のハイブリッド車戦略に大きく影響する。それだけに、より慎重を期した判断に至ったと見られる。

△超先端電子機構と産総研、比誘電率４０の絶縁膜を開発
東芝<6502>やＮＥＣ<6701>、ソニー<6758>など民間３９社で構成する技術研究組合超先端電子技術開発機構と産業技術総合研究所は共同で、次世代半導体向けに世界最高値となる比誘電率４０の絶縁膜を開発した。従来比約２倍に相当する。２０１０年にも量産化が見込まれる４５ナノメートル世代（ナノは１０億分の１）以降の高密度集積回路（ＬＳＩ）に適用すれば、薄膜化の限界にあった絶縁膜を薄くせずに十分な容量を持たせられる。回路微細化の突破口となる新しい絶縁膜材料として注目を集めそうだ。この研究は新エネルギー・産業技術総合開発機構（ＮＥＤＯ）から委託された国家研究計画「半導体ＭＩＲＡＩプロジェクト」として行った。共同チームは高誘電率の絶縁膜作製で有望な材料であるハフニウム酸化物を用いて、別の元素などを添加せず純粋な状態で対称性の良い結晶構造の「立方晶」を形成することに成功した。従来から検討されてきた低温で安定的に成長する「単斜晶」結晶構造に比べ、立方晶のハフニウム酸化膜は高い誘電率を持つことが知られていたが、その形成が難しかった。立方晶の結晶構造を持つハフニウム酸化膜の形成ではこれまでも、ハフニウム元素をシリコン元素に置き換えるなど別の第３元素を添加する試みが一部で行われていた。しかしそれでも比誘電率は３０には届かず、今回の成果はこの手法をも大幅に上回ることになる。また同様に、微細化で問題となる漏れ電流の量は現在使われているシリコン膜に比べ、立方晶のハフニウム酸化膜を適用すれば約５ケタ小さくできるという。

△ＮＥＣ<6701>、不正接続防止ソフトを発売－侵入検知し瞬時に遮断
ＮＥＣは１４日、セキュリティー製品「インフォケイジ」シリーズを拡充したと発表した。社内ネットワークへの未許可の持ち込みパソコンなどの侵入を検知し、瞬時に遮断する不正接続防止ソフト「インフォケイジ不正接続防止」を発売。最小構成価格は４２万円から。また同ソフトを用いた「ワーム感染拡大防止システム」も７月１７日に発売し、インフォケイジシリーズ全体で０９年度までに６００億円の販売を見込む。同不正接続防止はネットワークに接続されている機器のアドレス情報や基本ソフト（ＯＳ）の種別などを自動で収集し、グループ化して管理する。管理対象台数は１万台。グループにない無許可のパソコンが接続された場合、それを即座に検知して遮断する。また、インターネットセキュリティシステムズ（ＩＳＳ）と連携し、自己増殖型ウイルス（ワーム）などの感染を防止するワーム感染拡大防止システムを開発した。ＩＳＳの不正侵入検知防御システムが、ワームなどウイルスに感染したパソコンを検知。インフォケイジ不正接続防止に通知することで、感染パソコンをネットワークから遮断し被害を最小限に抑える。

△サンワテクノス<8137>、電子部品の製造受託サービスを一元管理
サンワテクノスは電子部品の仕入れ先や取引先を活用した部品の製造受託サービスの一元管理に取り組む。従来、営業所ごとに仕入れ先や取引先の工場に部品製造を委託してきたが、本社が全体を調整して顧客の意向に合わせて適切な工場に製造を委託する。新たな製造委託工場も開拓する。こうした取り組みで同事業の０９年３月期の売上高を０７年３月期の倍増となる４０億円に引き上げる。同社は４月に営業推進部を設置し、社内全体の製造受託サービス業務を統括する担当者を置いた。営業所の情報を集約し、顧客ニーズに合わせて委託工場を選択。部品調達を行って委託工場への部品販売を拡大する。主に基板やワイヤハーネスなどを対象に製造受託サービスを広げる。これまで国内営業所ごとに部品製造を委託しており、社内で連携体制が整備されていなかった。海外では中国・東莞市にパートナー企業の工場が２カ所あり、工業用ミシンの基板組み立てなどを委託。本社の品質管理担当者が製品品質に問題がないかを検査している。電子機器メーカーは生産リードタイムの短縮や工数削減などから、部品のモジュール化を進めている。サンワテクノスはこうしたニーズに対応できる企業を開拓するため、１５００社の仕入れ先と３０００社の顧客のネットワークを活用する。部品メーカーの中で顧客の海外移転に伴い受注が減少した企業や、新規事業を目指す企業などは製造受託に意欲があるとみられる。

△ローム<6963>、実装面積７０％削減した携帯向け小型ＬＥＤ開発
ロームは世界最小の発光ダイオード（ＬＥＤ）「ピコレッド・ミニ」を開発した。外形の縦横は０・６ミリ×０・３ミリメートルで実装面積を同社従来製品（１・０ミリ×０・６ミリメートル）比７０％削減した。高さは従来品と同じ０・２ミリメートル。サンプル価格１００円。０７年１０月から月間１０００万個体制で量産する。設計と微細加工方法を見直して小型化した。発光素子は高輝度長寿命なアルミ・ガリウム・インジウム・リンの４元素系。赤、黄、緑、青、白色など８色をラインアップする。携帯電話などの小型機器向け。従来品では取り付けにくかった部位での採用を狙う。

△ＮＥＣ<6701>、高耐熱性・高強度の植物性プラをノートパソコンに採用
ＮＥＣは耐熱性や強度を高めた植物性プラスチックを０８年度中に発売するノートパソコンに採用する。使用者が手を乗せるパームレストなど筐（きょう）体の一部に使用する。筐体全体の重量の５％以上は植物性プラスチックを使うことになる見通し。ノートパソコンの筐体に植物性プラスチックを採用するのは同社では初めてとなる。ＮＥＣは植物を原料とするポリ乳酸樹脂にケナフ繊維を添加、耐熱性や強度を高めた植物性プラスチックを開発していた。ポリカーボネートやＡＢＳ（アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン）などの石油からつくるプラスチックの代わりに使う。同社はノートパソコンのカード挿入口にゴミが入らないようにする「ダミーカード」には植物性プラスチックの採用実績があったが、高い強度が求められる筐体に使うのは初めてとなる。家庭用ノートパソコン「ラビィ」と企業用ノートパソコン「バーサプロ」に植物性プラスチックを採用する。特に「バーサプロ」に積極的に採用して、環境配慮を重視する企業に売り込む。パソコン業界では富士通が「ＦＭＶ」シリーズの一部機種に植物性プラスチックを採用している。ＮＥＣが開発した植物性プラスチックは、難燃性を高めるために添加する石油系材料の使用を極力避けることなどで、より環境に配慮した材料にした。プラスチック中の植物原料比率は約７５％。２０１０年までにはパソコンの筐体に使用するプラスチックの約１０％を植物由来にする意向だ。

△中央可鍛<5607>、８月めど中国で建機部品を加工－一貫生産体制整備
中央可鍛工業は８月をめどに中国工場の蘇州中央可鍛（江蘇省蘇州市）で建設機械部品の機械加工を始める。現在は部品の鋳造のみを行っているが、切削加工など後加工まで手がける一貫生産体制を整える。現地で一貫生産することで物流費などのコスト削減が可能になる。鋳物の生産量増と機械加工の開始で、３年後をめどに売上高を０６年実績の約４倍にあたる２０億円にまで引き上げる。同社は、建機の駆動部分に使用する鋳物部品を生産。現地の日系メーカーを中心に納入している。これまでは中国で製造した部品は、主に日本で機械加工をしており、物流費がかさんでいた。新たに現地の鋳物工場に機械加工ラインを導入、切削や穴開けなどの加工を始める。日系メーカーをはじめ中国での各社の建機生産は今後も拡大傾向にあるとし、現地で一貫生産体制を整える。また付加価値が高い機械加工を現地化することで、現地法人の収益向上も狙う。　

△エフテック<7212>、三重・亀山第２工場を刷新－加工工程を集約
エフテックは亀山第２工場（三重県亀山市）を刷新する。総投資額は６４億５７００万円。現工場の隣接地に工場と事務管理棟を建設し、機能を移転する。０９年度の稼働を目指す。同社は国内で製品別ラインの集約化などを進めている。だが品質や生産性を従来以上に高めるには、工場刷新など抜本的対策が必要と判断した。これに伴い、同工場近隣に点在する倉庫や関連施設を１カ所に集約。組み立てだけでなく、加工機能も含む一貫体制を築く考え。エフテックの亀山第２工場ではすでに一部が着工済み。今年度は約２５億円を投じる。建物面積は約１９０００平方メートル。新工場には加圧重量３０００トンクラスのプレス機１基や溶接ラインを１３ライン分、塗装設備一式などを導入し、加工工程を集約して施設内での一貫生産化を進める。搬送コンベヤーや金型自動収納ラックも設置する。

△バンドー化学<5195>、節電効果の高い産業機械用Ｖベルトを発売
バンドー化学は１４日、節電効果の高い産業機械用Ｖベルト「バンドー省エネパワーエース」を発売したと発表した。０７年度に５０００万円の販売を見込む。２０１０年度には既存の省エネ対応製品も含めて３億５０００万円の販売を見込む。ベルトにノッチ加工を採用したことで損失トルクが小さく、伝動効率が高い点が特徴。従来品に比べて電力量が低減できる。また屈曲性に優れており、ベルトの曲げ応力も低減するため、長寿命化が期待できる。すでに空調機器向けに販売する「バンドー省エネレッド」と合わせて省エネ対応製品を拡販する。

△コベルコ建機（神戸製鋼所<5406>）、中大型ホイールローダーを一新
コベルコ建機は土砂をダンプなどに積み込む中大型ホイールローダー（ＷＬ）「ＬＫ―Ｚシリーズ」をフルモデルチェンジし、１５日に国内向けに発売する。バケット容量３・０―４・５立方メートルの４機種。川崎重工業<7012>よりＯＥＭ（相手先ブランド）調達する。バケット容量３・０立方メートルの「ＬＫ２３０Ｚ」の価格は２３５２万円。初年度に４機種合計で２０台の販売を見込んでいる。０６年に施行した建設機械の国内排ガス規制法「特定特殊自動車排ガス規制等に関する法律」（オフロード法）に対応したエンジンを搭載した。ＬＫ―Ｚシリーズは、採石場での砕石運搬や除雪作業などに使用される。作業負荷に応じて、パワーモードとエコノミーモードの２種類のエンジン出力モードが選べる。

△日立建機<6305>、長尺材も楽に投入できる木材破砕機２機種を発売
日立建機は木造住宅解体材や伐採材を破砕する、自走式木材破砕機２機種を国内向けに発売した。本体重量２４トンの「ＺＲ２６０ＨＣ」と、同１２・５トンの「同１２５ＨＣ」。破砕材を投入するホッパ部を横入れ式とし、長尺の破砕材を楽に投入できるようにした。ＺＲ２６０ＨＣの価格は４８３０万円。初年度に２機種合計で６０台の販売を見込む。国内の建機の排ガス規制法である「特定特殊自動車排出ガスの規制等に関する法律」（オフロード法）の第３次排ガス基準に対応した、いすゞ自動車製エンジンを搭載した。ＺＲ２６０ＨＣは破砕材の供給装置や走行装置を無線操作できる、リモコンを標準装備。同１２５ＨＣは破砕室のカバーを油圧開閉式とし、整備や清掃を容易にした。

△三菱重工<7011>、舶用エンジンの生産効率化－３次元ＣＡＤ・ＣＡＭ連携
三菱重工業は神戸造船所（神戸市兵庫区）で生産する舶用ディーゼルエンジンについて、３次元ＣＡＤとＣＡＭ（コンピューター利用製造）を連携した体制を全面的に導入する。すでに次世代舶用エンジン「ＬＳＥ」の設計、生産ではほぼ連携体制を構築しているが、今後２―３年かけて現行エンジン「ＬＳＩＩ」全機種まで対象を広げる。累計投資額は約１０億円。三菱重は舶用エンジン全体の生産効率を高め能力を１０―２０％引き上げる。三菱重の神戸造船所は、旺盛な海運需要を背景に受注が急増する新船向け舶用ディーゼルエンジン生産を拡大している。ＬＳＩＩと、００年度から製品系列強化を進めている小型・高出力の次世代型ＬＳＥは、１万２０００―１万７０００馬力クラスの売れ筋を中心に、年産１００万馬力体制を敷いている。導入している３次元ＣＡＤは米ＰＴＣの「プロ・エンジニア」。

△富士通<6702>、電機・精密機器向けＣＡＤデータ管理ソフト２種投入
富士通は操作性の高い製品データ管理（ＰＤＭ）ソフト「プレミア」の品ぞろえを拡充する。米オートデスク製３次元ＣＡＤのデータを管理できる「ＥＤＭインベンター」と、自社の仮想試作ソフトのデータを管理できる「ＥＤＭＶＰＳ」を１５日に市場投入する。機種の拡充でプレミアを拡販し、３年間で１万ライセンスの獲得を見込む。プレミアのＥＤＭインベンターはオートデスクの３次元ＣＡＤ「インベンター」で作成した設計データを一元管理する。価格は３２０万円（５ライセンス）から。オートデスク製ＣＡＤに対応したことで「ミドルレンジ（中機能）３次元ＣＡＤへの対応をほぼカバーできた」（同社）という。ＥＤＭＶＰＳは自社の仮想試作ソフト「ＶＰＳ」で作成したデータの管理を一元化する。生産部門で設計データを共有でき、生産工程の最適化を検証する。価格は２８０万円（同）から。両機種は電機関連や精密機器などのメーカーを中心に提供する。

△ＴＨＫ<6481>、世界４極体制を整備－３年で５７０億円の設備投資
ＴＨＫは１４日、東京都内のホテルで経営方針説明会を開き、０７年度から０９年度までの３年間で５７０億円の設備投資をすると発表した。５月末に自動車部品メーカーのリズム（浜松市南区）を１００％子会社化したことに伴う説明会。寺町彰博社長は「今年度、来年度は設備投資に圧迫されるが、０９年度以降はＴＨＫとの相乗効果で（リズムの業績は）改善してくる」と説明した。０７年度の設備投資は当初１７０億円を予定していたところ、リズムの生産設備増強などで２０億円上積みし、１９０億円の投資を３年間継続することを決めた。主力の直動案内機器などの産業用機器関連事業は、中国の２カ所の工場に増産投資するなどして日米欧亜の世界４極体制を整備する。

△日産<7201>、日系初ディーゼル搭載フルサイズピックアップトラック投入
日産自動車はフルサイズピックアップトラック「タイタン」に、日本メーカーとしては初めてディーゼルエンジン車を投入する。現在のタイタンは５６００ｃｃのＶ型８気筒（Ｖ８）ガソリンエンジンのみで、同分野で圧倒的なシェアを誇る米ビッグスリーは長距離の走行性能に優れたディーゼル車を持つ。日産はＶ８ディーゼルエンジンを米トラック・エンジンメーカー、ＩＴＥＣから調達する計画で０９年までに製品化する。また０７年秋に一部改良する「０８年イヤーモデル」には小型で燃費の良いＶ６ガソリンエンジン車も投入し、販売のテコ入れを狙う。タイタンは０３年に日産初のフルサイズピックアップとして発売、年１０万台程度の販売を見込んでいた。ただビッグスリーの販売奨励金攻勢もあり、０６年の販売実績は前年比１６・７％減の約７万２０００台。

△東ガス<9531>の５月ガス販売量、３．５％増で２カ月連続増
東京ガスが１４日に発表した５月のガス販売量実績は、前年同月比３・５％増の１０億７４８６万立方メートルとなり２カ月連続でプラスとなった。工業用の伸びが鈍化したものの、業務用や卸供給が伸長。家庭用もほぼ横ばいで持ちこたえた。工業用は３カ月連続で増加しているが、同２・５％増の４億１７６３万立方メートルにとどまり、２ケタの伸びとなった前月からは勢いが鈍った。一方でガス事業者への卸供給は同１２・１％増の１億４３９２立方メートルで高い伸びを達成した。家庭用は０・０％減の３億２４７万立方メートルで７カ月連続のマイナス。業務用は同５・４％増の２億１０８２万立方メートルで６カ月ぶりにプラスとなった。

△新日石<5001>、産機用多目的潤滑油の品ぞろえ強化－工作機械向け拡販
新日本石油は産業機械用の多目的潤滑油の品ぞろえを強化した。これまで製鉄所など大型プラント向けだけだったのを、自動車、家電工場などで使われる工作機械向けにも広げた。多目的潤滑油は、従来は用途ごとに分かれていた専用油を一本化するもの。機械用潤滑油の国内需要は縮小傾向にあるが、同社では多目的潤滑油の売上高は年５％以上の伸びを見込む。多目的潤滑油「スーパーマルパスＤＸ」で、粘度グレード（ＶＧ）が２―６８までの７タイプを追加。各種軸受装置や工作機械、油圧設備、ギアユニットなど多目的に利用できるため、生産現場で使用油種が削減でき、管理コストの低減につながるのが利点。添加剤を見直したことで摩擦特性を向上し、多目的ながら長寿命を実現した。同社ではＶＧ１００―４６０と高粘度で、圧延機など大型設備向け多目的潤滑油を０６年度に製品化していたが、今回のラインアップ追加で全１２タイプとなる。

△住友ベークライト<4203>、中国にフェノール樹脂の製造子会社を設立
住友ベークライトは１４日、中国・江蘇省南通市にフェノール樹脂を製造する１００％出資の子会社「南通住友電木」を設立すると発表した。中国でのフェノール樹脂需要の拡大に対応するため。資本金は約１７億円、年産能力は１万５０００トン。０８年末に工場を稼働する計画で、初年度売上高目標は約２０億円。工場の敷地面積は約３万３０００平方メートルで、当初の従業員数は約５０人。住友ベークライトはフェノール事業について、蘇州に樹脂成形材料、上海と東完に樹脂成型品の生産拠点を展開している。南通へのフェノール樹脂生産拠点設置により、同社の中国でのフェノール事業のサプライチェーンが整う。中国のフェノール樹脂需要は自動車用タイヤなど広範囲な分野で需要が拡大している。

△サンウェーブ<7993>、現場作業者を多能工化－生産量の増減に対応
サンウエーブ工業はシステムキッチンの主力生産拠点である深谷製作所（埼玉県深谷市）で、現場作業者の多能工化に着手した。欠員や生産量に左右されない生産体制の構築が狙い。各ラインの工程ごとに作業者の習熟度を５段階で評価し、最終的にすべての工程をマスターさせる。また、ライン間の異動も行う。これにより、団塊世代の定年退職に伴い課題となっている技能伝承にもつなげる考え。作業者が特定の工程にしか習熟していないと、欠員が生じた場合、主力のシステムキッチンの生産に影響が出る。また、生産量の増減に柔軟に対応できる体制をとることで、生産効率向上につなげる。さらに、サンウエーブ工業では生産リードタイムの短縮と製品在庫の削減を目的に、深谷製作所の組み立てラインで、同じ顧客に納める流し台やガス台、調理台、キャビネットなどの製品を一つのラインで組み立てる「邸別生産方式」を導入している。

△イオンディライト<9787>、１１月に中国進出－グループの建物管理
イオンディライトは１４日、中国に進出すると発表した。全額出資の現地法人を１１月１日付で設立し、イオン<8267>やイオングループ各社の中国での事業展開に伴う建物の保守・保全を支援する。イオンは中国・北京など華北地区で今後５年以内に３０店の大型店を出店するなど、３―５年後に中国全体で１００店体制を目指している。今後、イオンの大型店出店に伴い、グループ企業の中国進出が活発化しそうだ。新会社は「イオンディライト北京物業管理（仮称）」で、資本金は５００万元（約７５００万円）。０８年７月下旬から業務を始める。

△みずほ<8411>ＣＢ、イスラム金融に参入へ－協調融資の需要見込む
みずほコーポレート銀行（ＣＢ）は、シャーリア（イスラム法）にのっとったイスラム金融（用語参照）の取り組みを本格化する。今夏にはサウジアラビアのリヤドに証券現地法人を、ＵＡＥのドバイには出張所をそれぞれ開設するなど中東地域での金融事業の拠点を整備。同拠点を活用しながら、今後は現地の日本企業や機関投資家などを対象としたイスラム金融に参入する方向で検討していく。イスラム金融には貸し出し（ローン）と運用（アセット・マネジメント）の二つの側面がある。現時点では、銀行・証券の業務分離などの法律面や許認可などの問題があり、みずほＣＢがイスラム金融に参入するのには時間がかかる。しかし、法整備などの問題がクリアされれば、ローンではシンジケートローン（協調融資）などプロジェクト・ファイナンス分野でのニーズが見込める。
（日刊工業新聞）

△スリープログループ<2375>　３回目の上方修正発表
ＩＴ支援サービスのスリープログループは、１４日引け後に３回目となる今１０月期中間業績の上方修正を発表した。
０７年１０月期中間連結業績予想の売上高は、前回予想を９３００万円上回る４１億９３００万円（前年同期比４０．７％増）、経常利益は１１００万円上回る９１００万円（同８．２７倍）、純利益は１６００万円上回る１億１６００万円（前年同期は４００万円の損失）となる見込み。今通期の業績予想については、中間決算発表時に開示するとしている。
（証券日刊新聞）

△ソヤファームが新商品　紀香さんも「大豆で健康」
油脂最大手の不二製油<2607>が４月に設立した豆乳関連商品販売のソヤファーム（東京都港区）は１４日、今月１日の営業開始を受けて、事業発表会を開催した。１１日に関西地方で販売開始した新商品の商品説明のほか、ＣＭキャラクターの藤原紀香さんによる「紀香の美容・健康宣言」と題したトークセッションが催された。新商品「大豆計画β（ベータ）」（２００ミリリットルで１０５円）は、中性脂肪や内臓脂肪の低減効果が期待される、大豆β－コングリニシンを配合した豆乳飲料。メタボリックシンドローム（内蔵脂肪症候群）にも効果があるという。同社は「大豆で健康生活」を活動指針に、大豆の健康、美容効果を訴求していくという。初年度５０億円、３年後に１００億円の売上高を目指す。藤原さんはトークセッションで、自己の健康、美容法を紹介。メタボリックシンドロームを気にしている父親に「（大豆計画βを）ガッツリ買って送ります」と話した。

△桟橋大型化で効率アップ　ジャパンエナジー（新日鉱ＨＤ<5016>）　鹿島製油所で相次ぎ設備投資
ジャパンエナジーは、子会社である鹿島石油の鹿島製油所（茨城県神栖市）で物流の効率化を図るため、新たな設備投資に相次いで踏み切った。具体的には、石油化学製品用の船舶が停止する桟橋の一部を大型化。従来に比べ約２・２倍の積載能力を持つ船舶で出荷できるようにする。また、プロパンガスを１４本のシリンダー（容器）へ同時に充填（じゅうてん）できる設備も設置した。桟橋については従来の６、７号桟橋を１つに集約化する。浚渫（しゅんせつ）工事や配管の敷設などにかかわる設備投資額は約５０億円で、１０月の完成を目指す。ジャパンエナジーは約７００億円を投資して、鹿島製油所に石油化学製品の大型設備を設置。２００８年１月から稼働し、ポリエステル繊維の原料となるパラキシレンやベンゼンなどを生産する。これらの製品はとくに東南アジアでの需要増が見込まれるため、１万２０００トンの輸送用船舶（従来は５５００トン）にも対応できる桟橋へと大型化。輸送の効率化を図り、コスト削減につなげていく。一方、プロパンガスの出荷設備は、約５億円を投資して、このほど稼働を開始した。従来のタンクローリー出荷に加え、容器を直送する体制を構築。充填・配送コストを含めた、トータルの物流コストを削減し、ジャパンエナジーグループ全体の競争力強化につなげる。

△オムロン<6645>　節目迎えた中国戦略　テーマ・研究者倍増、１０年度売り上げ２０００億円計画
オムロンの中国戦略が大きな節目を迎えた。今月８日、同社にとって初の海外研究開発拠点「オムロン上海Ｒ＆Ｄ協創センタ」が上海市にオープンし、３年間に及んだ中国への集中投資がほぼ終了。これからは「まいた種を育てて収穫する」（幹部）段階に入り、中国での売上高を２００６年度の約８５０億円から１０年度には２・４倍の２０００億円に引き上げる計画だ。

△産総研と日本電波工業<6779>　流路型の水晶振動子式免疫センサーを開発
産業技術総合研究所（産総研）と大手水晶振動子メーカーの日本電波工業（東京都渋谷区）は１４日、高感度・高精度を実現した流路型水晶振動子式の免疫センサーシステム（ＱＣＭシステム）を開発したと発表した。溶液中での発振周波数の安定度を大幅に改善して、疾病マーカーや環境汚染物質などの測定を迅速化したのが特徴だ。従来のＱＣＭシステムでは、センサー上に付着した重さの変化を周波数の減少で測定するため、溶液中での発振周波数安定度、周波数測定の高精度化、ノイズ低減が課題となっていた。新技術は、水晶振動子にポンプで送液しながら試料を注入する流路型を採用。水晶振動子に送液して発振周波数を安定化してからセンサーの役目を果たす抗原を固定化。その後に試料である抗体を入れて周波数の減少を測定する仕組み。特殊低雑音回路なども採用して、溶液中での周波数安定度を大幅に改善、また測定精度もこの分野では初の１０ミリヘルツを実現した。産総研は、ＱＣＭ素子と分子選択性に優れたモノクローナル抗体分子を組み合わせて、極微量の疾病マーカーや環境汚染物質を対象とした高感度センサーを構築し、２００２年にゴミ焼却灰中のダイオキシン濃度を迅速に検出することに成功している。しかし、実用化にはより簡便な方式の実現が望まれていた。６月２０日から東京都江東区の東京ビッグサイトで開催される国際バイオＥＸＰＯに出展し、近く実用化する。

△小田急<9007>、９月から新型通勤車両を投入
小田急電鉄は１４日、９月に東京メトロ千代田線への直通運転車両として営業運転を開始する新型車両「４０００形」を、同社の唐木田車庫（東京都多摩市）で報道陣に披露した。同社の通勤車両の新型は５年ぶり。今年度中に８７億円を投じて７編成（７０両）を導入し、現行の１０００形を順次、置き換える。新型車両は、ステンレス製の車体に、同社のシンボルカラーであるブルーの帯を配した。ＪＲ東日本が中央線に導入している「Ｅ２３３系」をベースに、設計。電気機器や保安装置など、主要な機器や回路をすべて２重化し故障に強い車両にした。１人あたりの座席幅は１０００形に比べ２０ミリ広い４６０ミリ、車両床面とホームの段差も同比２０ミリ縮小の１１３０ミリとすることで、居住性を向上しバリアフリーに対応している。地下鉄線内の運行に必要な最前部と最後部の非常扉を設置しているほか、全密閉式の主電動機、低騒音のコンプレッサーや冷房装置の採用で、走行時の騒音を低減した。

△通話相手もソフトバンク<9984>かな　呼び出し音で識別サービス
ソフトバンクモバイルは１４日、同社の携帯電話に発信すると最初の呼び出し音でソフトバンク携帯と認識できる無料サービスを８月１日から開始すると発表した。ソフトバンク携帯に発信した際、最初の呼び出し音が約２秒間「プププッ、プププッ、プププッ」と鳴り、着信音でソフトバンク携帯か他社かが判別できる仕組みだ。ソフトバンクモバイルは、今年１月から午前１時から午後９時の間は同社の携帯同士での通話が無料となる「ホワイトプラン」を提供しており、新たなサービスの提供で、同プランの利便性を高め、利用者獲得につなげるのが狙いだ。提供するのは「ソフトバンク呼び出し音」と呼ぶサービス。これまではソフトバンク携帯に発信した際に、最初から「プルルルルッ、プルルルルッ」という発信音が鳴っていた。新サービスはすべてのソフトバンク携帯で利用できる。着信先が転送電話を利用しているときや、国際ローミングサービスを利用している場合は判別できないことがあるという。

△「Ｋ１０Ｄ」に限定記念モデル　ペンタックス<7750>が販売
ペンタックスは１４日、デジタル一眼レフカメラ「Ｋ１０Ｄ」が最も優れたカメラに贈られる賞「カメラグランプリ」を受賞したことを記念し、特別仕様モデルを７月１２日に発売すると発表した。昨年１１月に発売したＫ１０Ｄは有効１０２０万画素の高精細で、独自の手振れ補正などの機能を搭載しながら、本体が約１２万円という低価格が評価された。特別仕様モデルは本体などのラバー部分にダークブラウンを、ロゴには金色を配色して高級感を演出した。特別仕様の革製ストラップとバッテリーグリップを付属し、７月下旬に発売予定のレンズに対応したソフトも標準搭載している。実勢価格は約１４万円で、限定５０００セット。

△ＫＤＤＩ<9433>　法人向け携帯サイトを無料提供
ＫＤＤＩは１４日、「ａｕ」携帯電話を利用する法人向けのポータル（玄関）サイト「ビジネスＥＺ」を１８日から無料提供すると発表した。社員間でスケジュールや業務報告を共有・閲覧可能な「グループウェア」と呼ばれる機能を国内通信事業者としては初めて搭載したほか、経済ニュース定期配信などビジネスシーンで役立つ機能も盛り込んだ。グループウェア機能の申し込みはａｕ携帯のポータルサイトから行える。

△「東京へ旅行」喚起　ＪＡＬ<9205>、ＪＲ東<9020>と共同展開
日本航空は１４日、東京への旅行需要を喚起するＪＡＬ東京キャンペーン「東京ＪＡＬ２００７」を７月１日から来年３月３１日まで展開すると発表した。ＪＡＬは、７月から１０月の４カ月間で昨年３６０万人台だった東京への団体旅行者を３７０万人に引き上げる考え。第１弾として１０月３１日まで、ＪＲ東日本と共同で東京の最新スポットを盛り込んだ共同編集の情報誌「アソビバ東京“ＴＹＯ”」を発刊するほか、ＪＲ東日本のＩＣ乗車券「Ｓｕｉｃａ（スイカ）」を使った特典プログラムを展開する。また、傘下の国内旅行会社、ＪＡＬツアーズが特別企画商品「ＪＡＬ東京ストーリー」を２１日に発売する。同商品で東京を訪れると、オリジナルストラップや１５００円がチャージされたスイカなどの特典を受けられる。さらに、ＪＡＬツアーズとＪＲ東日本の「びゅう」が共同でオリジナルのオプショナルツアーを企画。羽田空港内のＪＡＬ機体整備工場や大井町のＪＲ東日本東京総合車両センターの見学ツアーなど、両社ならではのコースを設定する。
（FujiSankei Business i）