6/12 お昼の『株価材料』PART Ⅱ

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■株価材料

△米国の太陽光発電、2010年までに日本に並ぶ＝シャープ<6753>米現法
シャープ米国現地法人ソーラー営業本部長のロン・ケネディ氏は、米国のソーラーシステムによる発電量について、２０１０年までに世界第２位である日本と並び、その後すぐに１位のドイツを追い抜く可能性があるとの見解を示した。同氏はロイターとのインタビューで「米国には電力が必要だ。われわれは、資源を持っている」と述べた。ドイツと日本は、数年間にわたってソーラーシステムによる発電量で上位を占めていた。国内のエネルギー資源が十分でないことを認識している両国政府は、再生可能エネルギーの利用を奨励してきた。一方、米国では、連邦政府レベルで再生可能エネルギーの利用が奨励され始めたほか、多くの州では、様々な要因によって太陽光発電の利用が拡大する可能性がある。米国の人口は全世界の人口の３％に当たるが、米国民は全世界の電力の約２５％を使用している。

△コニカミノルタＨＤ<4902>が堅調、大和総研が評価余地大と判断
コニカミノルタホールディングスが堅調。大和総研が１２日、同社社長とのミーティングを踏まえて、評価の余地が大きいとのリポートを発表したことなどが材料となっている。大和総研では、特にコア事業である情報機器について、カラー化シフトの余地が大きく、プロダクション市場の成長が見込める、としている。株式レーティングは、「２（アウトパフォーム）」を継続する方向だという。

■海運株がさえない、原油価格上昇に伴うコスト増を懸念
午前の株式市場では、海運株がさえない。日本郵船<9101>、商船三井<9104>、川崎汽船<9107>などが軟調。１０時１０分現在、東証１部の値下がり率ランキングで、明治海運<9115>、太平洋海運<9123>が１、２位を占めている。市場関係者によると「原油価格上昇に伴うコスト増を懸念した格好」（中堅証券ディーリング担当者）という。これまで中小型株を中心に、投機的な動きも目立っただけに、悪材料をきっかけに反動安の局面に入ったとの指摘もあった。

△モロゾフ<2217>株が堅調、07年2─4月期の経常利益が50％増
午前の株式市場では、モロゾフ株が堅調。同社が１１日に発表した２００８年１月期第１四半期（０７年２─４月期）の業績で経常利益が前年同期比５０％増となったことが材料となっている。同社によると、バレンタイン商戦などで売上高が増収となったほか、事業所の統合や生産体制再構築による業務の効率化などの効果があったという。

△国際帝石<1605>株が堅調、欧米市場で原油価格が急反発
午前の株式市場では、国際石油開発帝石ホールディングス株が堅調。１１日の米国とロンドンのエネルギー市場で、先週末に急落していた原油の代表油種がそれぞれバレル当たり１ドル前後急反発したことが好感されているという。石油輸出国機構（ＯＰＥＣ）に増産する意思がないことが確認されたとの見方が広がったことや、イランの核開発をめぐる問題に対する懸念が尾を引いていることが背景。ロンドン市場の北海ブレント原油先物は１バレル＝０．８７ドル反発し、６９．５６ドルで取引を終えた。米原油先物も同１．２１ドルの大幅反発となり、６５．９７ドルで引けた。

△三菱重工<7011>株が堅調、次世代飛行機の概要に関心集まる
午前の株式市場では、三菱重工業株が堅調な展開になっている。次世代のリージョナルジェット機の概要が明らかにされたことに関心が集まった。同社は１１日、１８日から２４日までの７日間、フランス・パリ郊外のル・ブルジェ見本市会場で開かれる第４７回パリ国際航空ショーに、次世代のリージョナルジェット機「ＭＲＪ（Ｍｉｔｓｕｂｉｓｈｉ　Ｒｅｇｉｏｎａｌ　Ｊｅｔ）」の客室モックアップ（実大模型）を出展すると発表した。ＭＲＪは同社が新エネルギー・産業技術総合開発機構（ＮＥＤＯ）の助成事業として研究開発を進めている小型ジェット旅客機で、各国エアラインの幹部をはじめとする世界の航空機市場関係者に広く公開する。同社によると、ＭＲＪは複合材を本格的に採用する初めてのリージョナル機で、新型エンジンの搭載により、燃費の大幅な低減を実現、エアラインの競争力と収益力の向上に大きく貢献するという。

△三井造船<7003>株が堅調、エジプト社からクレーン受注との報道
午前の株式市場では、三井造船株が堅調。１２日付日経新聞朝刊で、同社がエジプトの港湾運営会社からコンテナ荷役用の移動式クレーン３０基を受注したと報道されたことなどが材料となっている。受注額は約６０億円とみられると、報道では伝えている。

△ビジネスバンク<3719>株急伸、ＮＩＳグループ<8571>が増資引き受け
午前の株式市場では、ビジネスバンクコンサルティング株が急伸。１１日に、ＮＩＳグループと業務提携し、第三者割当増資を実施すると発表した。投資銀行業務を行うＮＩＳグループと、会計や人事などのコンサルティングを行うビジネスバンクが、投資銀行業務において協力関係を構築し、投資先に対するコンサルティング・アドバイスや営業・販売チャネルの強化などを行うという。ビジネスバンクは１６０万株（増資後の発行済み株式総数の２３．９％）の第三者割当増資をＮＩＳグループを割当先として実施する。実施日は６月２６日。ＮＩＳグループの取得総額は４億９６００万円。

△テーオーシー<8841>株式、創業者一族らが16.07％まで買い増し
ダヴィンチ・アドバイザーズ<4314>から株式公開買い付け（ＴＯＢ）されているテーオーシーの創業者一族である大谷卓男社長らが、テーオーシー株式を買い増したことが１１日に関東財務局に提出した大量保有報告書で分かった。直近の保有比率は共同保有分もあわせ、１４．３９％から１６．０７％に増えた。保有目的は政策投資としている。テーオーシーをめぐっては、創業者らが１株８００円でＭＢＯ（マネジメント・バイ・アウト、経営陣による自社買収）を試みたが、ダヴィンチ・アドバイザーズ<4314>が１株１１００円でＴＯＢを開始し、ＭＢＯは失敗に終わった。ダヴィンチによるテーオーシーのＴＯＢ期間は７月１８日までで、５０．００１％の取得を目指している。
（ロイター）

△洋鋼鈑<5453>---野村では中計達成時に割安感強まる企業
続伸。じりじりと上げ幅を広げてきている。なお、野村では中期計画の内容を数字に落とし込み、目標達成時にバリュエーション面で割安感が強まる銘柄を紹介しており、リスト内で取り上げられている。

△横河ブ<5911>---大幅上昇で年初来高値更新
大幅上昇で年初来高値更新。昨年4月高値レベルが上値抵抗線として意識される一方、下値を切り上げており、三角保ち合いを形成していたが、これを上放れる格好。信用倍率は4週連続で1倍を下回るなど需給妙味大きい。06年7月の戻り高値732円辺りを意識だと達成感も。

△バックス<4306> 一時ストップ高。
月次動向が評価材料となっているようだ。11日に5月の売上高を発表、前年同月比12.3％増となった。4月は増収率が同6.3％増にとどまっていたため、業績の回復期待につながっているとみられる。

△東レ<3402>---続伸、水処理分野の拡大期待にＣＬＳＡ格上げで
しっかり。水処理膜事業を世界市場で攻勢、中国で研究開発の人材を5割増強させるなどと報じられている。テーマ性の強さから、あらためて同分野の成長期待が高まる状況につながっているようだ。また、ＣＬＳＡは投資判断を「ＢＵＹ」に格上げ、炭素繊維、水処理、電子材料など先端分野において、素材から加工までのビジネスモデル形成に注力していることを評価。妥当株価は1020円としているもよう。

△明星電<6709> 大幅続伸で2/27以来の年初来高値更新。
防災関連として手掛けているようだが、2月高値を意識した仕掛け的な動きとみられ、まずは達成感が高まりやすいところ。信用買い残高は300万株超であり、これがどの程度消化されているか。

△まぐクリック<4784> ストップ高。
新会社の設立が材料視されているようだ。6月1日にシャープ<6753>からモバイルメールマガジン配信サービス「メルモ」の運営事業を譲り受けたことに伴って、「メルモ」を運営する新会社を設立すると発表している。「メルモ」の運営事業を譲受すると発表した2月中旬に人気化した経緯があるため、これを再びハヤす動きとみられる。

△ホソミクロン<6277>---昨年2月以来の水準を回復
連日の年初来高値更新。昨年2月以来の水準を回復している。なお、大和総研ではレーティングを新規「2」としてカバレッジを開始。目標株価を1270円としている。経営改革による海外子会社の復活で力強い業績回復が続くと。

▼アビリット<6423>---急落、中間業績の大幅下方修正で
急落。前日に中間期業績の下方修正を発表、修正幅の大きさに対してネガティブなサプライズも強まる格好へ。中間期の経常損益は従来予想1.7億円の黒字から7.9億円の赤字まで減額修正。パチスロ機やプリペイドカード事業の不振が響いた模様。下期挽回期待から通期計画の変更はないが、下ぶれ懸念は強まる状況のもよう。

△ホソカワＭ<6277>---賑わう、大和の新規「２」格付けで
賑わう。大和が投資判断を新規に「２」としていることを好材料視。海外子会社の経営改革効果が外部環境の好転とともに業績を後押しと評価、ナノ技術の発達に伴い粉体関連ビジネスの需要は今後も拡大が見込めるともしている。目標株価は1270円と設定しているようだ。

▼エンＪ<4849> 軟調、連日で年初来安値を更新。
モルガンでは投資判断「Equal-weight」を継続、目標株価については63万円から54万円に引き下げたようだ。好調の中にも懸念が存在すると指摘、ネット化の過熱と広告費の増額競争が懸念材料と。

△ダイドーＤ<2590>---強い動き、再編期待などが波及の展開
強い動きが目立つ。味の素のカルピス完全子会社を映して再編期待などが波及する状況のもよう。ＧＳでは、飲料業界の中堅メーカーで大手と資本提携を行なっていない企業などと指摘している。充実した自動販売機網なども再編思惑を高めさせる要因と考えられる。

△トランスコス<9715> 大幅反発。
三菱ＵＦＪが投資判断を「２」から「１」へ格上げ、目標株価は2910円としている。今期の業績は会社計画を上回るとみているほか、来年度はＢ２Ｃ事業の先行投資負担軽減によって、大幅増益を予想している。09.3期の経常利益は前期比43％増益を予想へ。

△双日<2768>---バイオ燃料製造事業に参入
3営業日ぶり反発。バイオ燃料製造事業に参入すると報じられており、材料視されているようだ。世界規模でバイオ燃料の製造・販売網を築くと。信用倍率は3週連続で1倍台と、需給妙味も大きい。

△ＢＢコンサル<3719> 大幅高。
ＮＩＳグループ<8571>との資本・業務提携が好感されているようだ。ＮＩＳグループ完全子会社の投資組合などを引き受け先として、第三者割当増資を実施する。増資後は同組合が第2位株主となり、同投資組合の持分法適用会社となる見通し。

△イハラケミ<4989>---急伸、中間業績予想を大幅上方修正
急伸。前日に発表した業績の上方修正が買い材料視されている。中間期の経常利益は従来見通しの6億円から16.3億円にまで増額している。円安効果や高採算製品の出荷が早まったことなどを要因としている。他の農薬関連に効果が波及するか注目される。

△東芝<6502>---年初来高値更新、半導体増産報道で
出来高トップで続伸、5月10日以来の高値を更新している。フラッシュメモリーの増産報道が好材料視されているもよう。前日は市況の底堅さが買い材料とされたが、本日はパソコン向け需要の拡大を背景に、来年6月末までに生産能力を7割引き上げると伝えられている。

□大明<1943>---雲下限がサポートとして意識
小反落。直近戻り高値レベルでの膠着。一目均衡表の雲下限を突破しており、この雲下限がサポートとして意識される。なお、野村証券では、レーティングは未付与ながらＮＴＴドコモ以外の基地局工事にも強い通信工事会社として紹介している。

□みずほＦＧ<8411>---小幅続落、ＣＳでは投資判断を格下げへ
小幅続落。ＣＳでは目標株価を947000円から962000円に引き上げているが、投資判断は「アウトパフォーム」から「ニュートラル」に格下げしている。株価上昇に伴い株価の割安感が乏しくなったこと、金利上昇による利ざや拡大メリットは他のメガバンクと比べてやや劣後する可能性があることなどを背景としている。

△ＢＭＢ<9841> 買い気配から。
ＴＯＢ価格にサヤ寄せしているようだ。親会社のＵＳＥＮが1株600円でＴＯＢを実施すると発表、ＢＭＢはこれに賛同するとしている。ＵＳＥＮは完全子会社化を目指すとしており、JASDAQでは11日付でＢＭＢ株を監理ポストへ割り当てた。

△カルピス<2591>---買い気配、株式交換比率にさや寄せへ
買い気配。味の素が株式交換で完全子会社化すると発表、交換比率にさや寄せする動きとなっている。昨日の味の素の終値1470円を基準にすると、同社の理論価格は1390円程度となり、20％強のプレミアムが付与される格好に。なお、味の素は小幅安のスタート、概ね、今回の再編は好意的な見方になっているようだ。
（フィスコ）

△ジャスダックのバックスグループ<4306>は5月度月次売上高を発表　STOP高まで買われる
昨日、07年5月度月次売上高を発表。5月は前年同月比12.3％増となり、累計では同9.4％増となったと発表。これが手掛かり材料となってか、本日は買いが殺到し、一時STOP高まで買われる場面も。

△携帯電話用のワンセグチューナーを生産しているピクセラ<6731>が連続STOP高に　騰勢衰えず
足元600円割れを示現する場面があったものの、値幅、日柄ともに調整一巡との見方が優勢となったようで、昨日は買戻しが殺到してSTOP高となり、本日も騰勢は衰えず、連日のSTOP高となっている。

△ナカノフドー建設<1827>は第Ⅰ種優先株式の買戻しを発表　株価は小幅反発
第Ⅰ種優先株式が普通株式に転換されることによる普通株式の希薄化を抑制し、優先株式の配当負担を軽減すること等を目的として、1株当たり512円で三菱UFJと第Ⅰ種優先株式についての譲渡契約を締結したと発表したことが下支えとなっている模様。

△グループウェアを手掛ける東証2部のサイボウズ<4776>は特別買い気配に　上期経常利益を上方修正
広告宣伝費を下期に重点的に配分する方針に変更したことなどを踏まえて、08年1月期中間連結経常利益見通しを従来の2.6億円→3.8億円へ上方修正したことが好感されて、買いが殺到している。

△マザーズのザッパラス<3770>が75日線を頼りに切り返す　07年4月期決算を開示
07年4月期連結経常利益が前期比66.5％増益の12.52億円であったのに対して、今08年4月期は同15.9％増益の14.51億円を見込んでいるとの見通しを示している。

▼JFEホールディングス<5411>が4日続落　鉄鋼株が全般的に冴えない
米国の鉄鋼株の値下がりの影響からか、東京市場の鉄鋼株は本日も全般的に冴えず、同社は4日続落となっている。

▼東証2部の萩原工業<7856>は反落　上期36％増益も通期は6％増益見通しを維持
07年10月期連結中間純利益が前年同期比36.2％増益の9.20億円となったのに対して、通期見通しは前期比6.7％増益の15.05億円に据え置いたことが失望されているのか、反落している。
（NSJショートライブ）

△カルピス<2591>は株式交換比率換算思惑高まりストップ買い気配
カルピスは、寄り付き前から気配値を切り上げ２００円高の１３０６円ストップ買い気配と急続伸している。前日に同社株式を２４．９％保有する親会社の味の素（２８０２）が、株式交換方式により同社を完全子会社化する株式交換契約の締結を発表、株式交換比率換算で前日終値現在、なお２９０円の上値余地があるとして買い先行となっている。完全子会社化は、味の素グループの飲料事業のアジア市場への展開や経営一体化、経営資源の効率的運用によりカルピスの保有する乳酸菌・微生物活用技術を取り込み健康事業を拡大することを目的にしている。株式交換は、８月２８日のカルピスの承認株主総会を経て１０月１日を効力発生日に実施され、それに先立つ９月２５日にカルピスは上場廃止となる。株式交換比率は、カルピス株式１株に対して味の素株式０．９５株を割り当て交付する。明星食品ー日清食品、カゴメーアサヒビール、不二家ー山崎製パンなどと続いた食品業界の再編に新たな一石を投じることになる。なお、味の素の株価も、２０円高の１４９０円と３営業日続伸となっている。

△東レ<3402>は水処理膜事業の海外展開加速報道を好感し続伸
東レは、２０円高の８７８円と続伸している。本日、旭化成（３４０７）や東レなど合成繊維大手が水処理膜事業の海外展開を加速すると日本経済新聞社が報じたことを好感している。東レは中国で研究開発の人材を５割増員するとしている。世界的な水不足を背景に水処理施設の需要が拡大しており、各社は合繊で培った高分子技術を武器に浄水技術の核である水処理膜分野で攻勢をかける模様。海水淡水化装置の逆浸透膜で、量産化技術とエネルギー効率コストを過去１０年間で半分以下に低減を買い手掛かりに買われた直近４日高値８８１円と顔合わせしている。今後も水不足を長いテーマとして、押し目買い姿勢が強まりそうだ。

△ＢＭＢ<9841>はＵＳＥＮ<4842>のＴＯＢ価格にサヤ寄せしストップ高買い気配
ＢＭＢは、寄り付き前から気配値をアップさせ８０円高の５５８円ストップ高買い気配と５営業日ぶりに急反発している。前日に同社株式を４６．０７％保有するＵＳＥＮが、株式公開買い付け（ＴＯＢ）により同社を完全子会社化すると発表、同社も賛同を表明したことからＴＯＢ価格６００円にサヤ寄せする動きとなっている。完全子会社化は、２０００年１０月にＵＳＥＮと業務・資本提携してグループのカラオケ事業の中核となってきた同社が、同事業のデイ市場の開拓、有線放送の商品販売などのクロスセルなどさらに強化するためには業務プロセス統合により意思決定の迅速化、共同開発体制の確立、本社機能の合理化なぢによりシナジー効果を高めることが必要として実施される。ＴＯＢは、買い付け期間を６月１２日から７月１０日までの２１営業日、買い付け株式数を１３７８万６４００株、買い付け資金８２億７２００万円を予定、ＴＯＢ後に所定の手続きを経て同社は上場廃止となる。なおＵＳＥＮの株価も、１円高の９３１円と続伸している。

△小松ウオル<7949>は業績の増益転嫁を見直し買いし７連騰
小松ウオール工業は、１円高の１９２２円と７営業日続伸している。同社の前期業績は、期中に中間期も含めて増・減額入り交じり３回も修正されたが、最終の今年４月は純利益が減益へマイナス転換する減額となった。過年度役員退職慰労引当金５億９７００万円の特別損失と原材料価格高止まりが影響したもので、株価は昨年来安値水準に迫る１８２１円まで調整した。これに対し今期は大幅増益転換、純利益は前期比４４％増の１３億５０００万円を予想し株価の底入れ反転を支援している。間仕切りの大手メーカーとして、官公需は公共投資抑制で頭打ちとなっているが、民間の設備投資拡大を受け、工場・生産設備、事務所・オフィスビル向けに需要が好調に伸び、名古屋市の「ミッドランドスクウェアー」、東京・六本木の「東京ミッドタウン」などの新築大型オフィスビル向けに固定間仕切りの納入が続くことなどが寄与する。株価は、底離れとなったが、ＰＥＲは１５倍台、ＰＢＲは０．８倍とまだ下げ過ぎ水準にある。一段のリバウンドが見込まれる。

△博報堂ＤＹ<2433>は自己株取得を二の矢に最高業績見直し続き反発
博報堂ＤＹホールディングスは、１０円高の８２５０円と変わらずを挟み３営業日続伸し８０００円台固めからの出直りに弾みをつけている。５月１４日に発表した３月期決算で今期予想純利益が市場コンセンサスを上回るとして７０００円台から持ち直し、５月２２日までに実施した自己株式取得が追撃材料になり業績評価の内需関連人気を高めている。同社の今期業績は、売り上げ１兆１６００万円（前期比２％増）、純利益２７０億円（同０．３％増）、純利益１３５億円（同１２％増）を予想、純利益は過去最高を連続更新するとともに、市場コンセンサスを約８億円上回った。２００７年の広告費は、１％増と前年の伸びを上回って４年連続の増加と想定し、原価管理の徹底や制作業務の内製化などの売上総利益率の改善を進め、純利益は分散している東京地区のオフィスを赤坂地区に集結するため前期に計上した事務所設備早期償却などの特別損失が一巡するため増益率を拡大する。配当は、８０円に連続増配される。株価は、７８１０円で日足チャートのダブルボトムを確認して出直っており、参議院選挙関連の特需思惑もフォローに内需株人気の高まりが想定される。

△モロゾフ<2217>は１Ｑの大幅増益・高進捗率をバネに急続伸
モロゾフは、１０円高の３６０円と続伸している。前日に発表した今１月期第１四半期（１Ｑ）業績の大幅増益・高進捗率が、業績上ぶれ期待を高め低位のディフェンシブ株人気を刺激している。同社の１Ｑ業績は、前年同期比５％増収、５０％経常増益と伸び、純利益は、前年同期の７８００万円の赤字から６億３４００万円の黒字と大きく方向を変えた。バレンタイン商戦での多彩なブランド戦略、高品質商品の投入、半生菓子の売り上げ続伸に生産体制再構築による業務の効率化が加わり、純利益は減損損失が一巡して大幅黒字転換となった。１Ｑ実績は、経常利益、純利益とも期初の中間期予想を大きく上回り、通期予想に対してもそれぞれ９２％、１０５％の高進捗率となったが、期初予想に変更はなく据え置いた。前期は一昨年８月、今年２月と２回も上方修正をしているだけに、同様の上ぶれる思惑につながっている。株価は、ＰＥＲでは２１倍台と市場平均を上回るが、ＰＢＲでは１倍ソコソコと出遅れており、持ち前の逆行高習性を発揮しよう。

△イハラケミカル<4989>は中間業績増額が低位材料株人気を誘発し急反発
イハラケミカル工業は、２６円高の３７５円と４営業日ぶりに反発している。前日に発表した２００７年４月中間期業績の上方修正が、低位値ごろの材料株人気を誘発している。同社の中間期業績は、売り上げが期初予想を５億４６００万円、経常利益は１０億３６００万円、純利益が４億２００万円それぞれ上回り、純利益は８億１５００万円（前年同期比３２％減）と減益率を縮小する。期初からの円安や高利益品目の出荷の早期化、販管費の発生の下期ズレ込みなどが上方修正要因となった。通期業績は、期初予想通りとして純利益は４億円（前期比６６％減）を据え置いた。株価は、昨年１２月発表の今期業績が大幅減益を予想したことから３００円台を再び確認する調整場面が続いた。その安値から、世界的な資源争奪戦の激化、素材価格上昇が食品、水産物にまで及ぶとして農薬株や水産株に思惑が高まり、同社株も３７５円高値まで急伸したところである。全般相場の上値が重くなった環境下で再度の思惑人気拡大が有力となろう。

△新規上場のカービュー<2155>は公開価格を６万円上回るスタート
カービューが、東証マザーズに新規上場された。公開価格は１１０万円、公開株式数は６０５０株となっている。寄り付きは、公開価格を６万円上回る１１６万円、９時２５分現在１２０万円前半で推移している。ＩＰＯ（新規株式公開）市場は５月２２日の再開以来、ようやく本来の人気を取り戻し６銘柄のうち初値倍率が公開価格を９７％上回るケースも出ており、同社のインターネット関連の時流性のある業態とソフトバンク（９９８４）が筆頭株主となっている話題性がミックスして買い評価されている。同社は、自動車総合ウエブサイト「ｃａｒｖｉｅｗ．Ｃｏ．Ｊｐ」を運営し、インターネット広告事業を主力事業としている。自動車の見積もりや在庫情報を求める利用者と同社の顧客管理支援システムを導入している中古車や新車の販売事業者を結び付けて、サービス利用料を事業者から受け取る。サイトの月間ページビューは、自動車関連ではトップを誇っている。今２００８年３月期業績は、売り上げ５８億２９００万円（前期比４６．４％増）、経常利益１０億１０００万円（同５１．２％増）、純利益５億９４００万円（同３．７％増）、１株利益１万９８７０円を予想している。

△大和システム<8939>は公募増資織り込み割安株買い拡大し反発に転じる
大和システムは、９０円高の３６４０円と４営業日ぶりに反発している。今年２月２２日払い込みで実施した公募増資・株式売り出し（発行価額２７３０円）が響き発行価額を固める動きが続いていたが、５月１５日に発表した３月期決算が、前期、今期と６０％前後の大幅純益増益となることから再評価機運が高まり、割安株買いが増勢となっている。同社の前期業績は、上方修正値を上ぶれ前々期比６３％純益増益で着地したが、今期も売り上げ５７２億円（前期比３％減）、経常利益７５億円（同４４％増）、純利益４０億円（同５６％増）を予想、純利益は連続の過去最高となる。大型商業施設や福祉施設に絞った建築事業や自社・共同マンション事業、さらに匿名組合出資や流動化手法を取り入れた不動産開発事業などが寄与するもので、先の公募増資による調達資金も新規用地仕入れ原資として寄与してくる。株価は、６日に最高値３７３０円をつけ利益確定売り押され好押し目を形成し反発に転じている。ＰＥＲは９倍台と超割安である。上値余地大を示唆している。

△アイチコーポ<6345>は連続最高純益の割安株買い続き続伸
アイチコーポレーションは、１０円高の１６７９円と続伸し７日につけた年初来高値１６９７円を窺う動きになっている。４月２５日の３月決算発表以来、前期業績の期中の上方修正値を上回る連続過去最高更新着地、今期の２ケタ増益続伸を買い上げる割安株買いが優勢となっており、信用取組が売り超で逆日歩のつく好需給も押し上げ効果を発揮している。同社の今期業績は、売り上げ７２０億円（前期比６％増）、経常利益１３５億円（同１２％増）、純利益７８億円（同１１％増）が予想されている。高所作業車の専業トップ企業として電力工事向けの買い替え需要、光ケーブル工事向け通信工事需要、さらに建築工事向けの超小型屋内高所作業車の導入など、好調な需要拡大が続いており、原材料価格の上昇を費用削減や製造コスト低減でカバーする。株価は、決算発表とともに一気に６００円高し、この過程で強弱感が対立、信用売り残は倍増した。売り方の買い戻しも弾みをつけＰＥＲ１６倍台の割安訂正でさらに上値を伸ばそう。
（東洋経済新報社）