6/12 朝の『株価材料』PART Ⅲ

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■株価材料

△コムスン（グッドウィルグループ<4723>）ＧＷＧが介護撤退　ニチイが引き受け名乗りへ
訪問介護最大手、コムスンが介護事業の不正行為で厚生労働省から新規指定・更新を禁止された問題で、訪問介護２位のニチイ学館<9792>は１１日、コムスンの事業の一括引き受けを申し入れる方針を固めた。一方、コムスンの親会社グッドウィル・グループ（ＧＷＧ）は同日、介護事業から完全撤退する方針を固め、各事業の譲渡先選定の具体的な作業に入った。コムスンについてはニチイのほかにも受け入れに前向きな企業があり、複数社の争奪戦となる可能性もある。ニチイ学館の寺田明彦会長は１１日夜、毎日新聞の取材に対し、離島なども含めコムスンが全国で展開する事業を一括して引き受ける用意があることを明らかにした。ＧＷＧの折口雅博会長と近日中にもトップ会談し、申し入れる意向だ。コムスンのサービス利用者や従業員も全員引き受ける方針で、コムスン以外の介護事業の一括引き受けも「前向きに検討する」としている。ニチイ学館は、医療事務代行から介護事業に参入。現在は８９１拠点で、約６万２０００人に訪問介護サービスを提供している。コムスンの事業を一括して引き受ければ、１０万人を超える利用者を抱える業界で圧倒的なトップ企業となる。ＧＷＧの折口会長は８日の会見で、介護事業の継続に意欲を見せていた。しかし「福祉を食い物にした」との批判が強まっており、株価も急落していることから、完全撤退は避けられないと判断した模様だ。
譲渡先を巡っては、他の介護大手も前向きな姿勢を示しているほか、居酒屋チェーンのワタミ<7522>は老人ホームの一括引き受けに意欲をみせている。

▼コムスン（グッドウィルグループ<4723>）　ヘルパー訪問介護中、心臓病の３歳児死亡　千葉
コムスンのヘルパーの訪問介護中に容体が急変し０５年１１月、心臓病の３歳児が死亡していたことが分かった。両親は、コムスンへの損害賠償請求訴訟も検討している。死亡したのは千葉市若葉区の自営業、秀嶋建夫さん（３８）の長男、健太ちゃん（当時３歳）。健太ちゃんは先天性の心臓病で寝たきりだった。
（毎日新聞）

△「2011年まで待つつもりはない」──MediaFLO導入を急ぐソフトバンク<9984>モバイルのビジョン
「私どもは2011年まで待つつもりはない。どれだけ実現性があるか分からないが、2009年中になんとか部分的、地域的でもいいのでサービスをしたいと思って可能性を追求している」──。ソフトバンク傘下のモバイルメディア企画を率いる矢吹雅彦社長が、このような言葉で導入への意気込みを示したのが、携帯向け放送技術のMediaFLOだ。
（ITmedia）

△ホンダ<7267>、高級車「アキュラ」の国内販売で８年採算を系列店に通達
ホンダが０８年秋にも立ち上げる高級車ブランド「アキュラ」について、店舗の採算が合うまで約８年を要すると系列販売店に通達していることが分かった。小型車やミニバンを得意とするホンダは高級車の顧客基盤が相対的に弱い。しかし、原則としてアキュラ以外のブランドのサービス入庫を禁じるなど販売店には厳しい制約を設けるという。体力の乏しい小規模地場販社によるアキュラ店経営は実質的に困難とみられる。ホンダは大規模販社を中心にアキュラ店を運営する一方、既納客に頼らずプレミアム路線を徹底する。関係者によるとアキュラ店では、「アキュラ購入者の親、兄弟の車やホンダブランドの点検・サービス入庫も禁止」するという。トヨタ自動車の高級車ブランド「レクサス」ではこうした制約はない。ホンダは８６年にアキュラブランドを創設。米国では０６年に約２０万台を販売している。米国以外にカナダやメキシコ、中国で販売しており、日本が５カ国目になる見通し。アキュラブランドの国内での販売はスポーツカー「ＮＳＸ」の後継やスポーツ多目的車（ＳＵＶ）、現在の国内最高級車「レジェンド」の次期モデルなど５車種を予定。スポーツ感を前面に出し、レクサスと差別化する。ホンダは現在、アキュラ店の出店地域を選定する一方、販売店の募集や一部仮契約を進めている。当初１００店舗の開設を予定するが、下回る可能性がある。ホンダの販社は２輪車販売から出発した小規模企業が多く、国内約９００社。国内約２９０社のトヨタの３倍を超える。ホンダ系販社の平均売上高は業界平均値（乗用車店）の５分の１程度、売上高営業利益率は１％を下回るとされ、販社の統廃合や高級車ブランド導入で採算を改善する。

△富士通<6702>、「Ｈ２６４方式」対応の映像伝送システムを安価に提供
富士通はハイビジョン（ＨＤ）映像を安価なインターネット・プロトコル（ＩＰ）網を介して高い圧縮率でライブ中継できる「Ｈ２６４方式」対応の映像伝送システムを月額利用でサービス提供する。システム一式をサービス形態のパック商品にすることで最低でも１０００万円以上かかる初期導入費用を不要とし、伝送装置１台当たりの利用料も月額３５万円と安価に設定した。これを機に放送局や公共機関向けで培ってきた映像配信・蓄積ノウハウを広く民需展開する。Ｈ２６４は既存のＭＰＥＧ２方式に比べて２倍以上の高い圧縮効率を実現する映像符号化方式。競合する国産メーカーに先駆けてＨ２６４方式対応の映像伝送システム「ＩＰ―９５００」を発売。０６年末から約半年ですでに３５０台を放送局や公共機関向けに販売した。しかし市場を民需用途に広げるには「システムの単体売りだけでは限界がある」（富士通）と判断。企業向けネットワークサービス「フェニックスＩＩ」やデータセンター（ＤＣ）を組み合わせ、Ｈ２６４対応の新サービスをブロードバンド映像ソリューション「ブロードサイト」に追加した。第１弾では遠隔地に点在する事務所や工場の様子などを月額料金でモニターできる「ビデオウィンドウ」を提供。また市販の監視カメラの映像を約１０分の１に圧縮しデータセンターで長期保存する「監視映像長期保存」（個別見積もり）、圧縮映像をデータベース（ＤＢ）化して自由に取り出すことができる「映像コンテンツ共有」（同）の計３サービスをそろえた。いずれもライブ映像配信と同時に蓄積型の２次配信も可能。ビデオウィンドウサービスは１対１接続でスタートし、１１月に１対Ｎ（多地点）接続も用意する。さらに遠隔監視のほか、遠隔での教育や医療への展開も視野に入れる。監視映像長期保存サービスはオフィスビルや工場のほか、コンビニ、現金自動預払機（ＡＴＭ）などの２４時間監視や企業設備の証跡管理といった新規需要も開拓する。

△ＮＥＣ<6701>など、設計データをサーバで管理するソリューション発売
製造業の最高機密を守ります―。ＮＥＣとトヨタケーラム（ＴＣＩ、名古屋市）、ＮＥＣネクサソリューションズ（東京都港区）は１１日、端末にデータを残さない万全のセキュリティー環境でチーム設計が可能な「３次元ＣＡＤシンクライアントソリューション」を発売したと発表した。業界初の商品になり、ＴＣＩのＣＡＤソフトとＮＥＣが提供するネットワークブート（起動）型のシンクライアント基盤を組み合わせた。価格は端末５０台構成で１３５万円から。３社共同で２年間に２５億円の販売を目指す。設計者はサーバに格納している設計データやＣＡＤソフト「セーラムＸＸ」（ＴＣＩ製）、基本ソフト（ＯＳ）などを利用時にクライアント端末にダウンロード。端末側のＣＰＵやグラフィック機能によってデータ処理する。設計データは製造業の最高機密になる。設計者それぞれの端末に設計データを保存せず、サーバ側で集中管理をすることでデータの紛失や漏えいを防止する。大容量の設計データの高速処理についても実現。夜間に管理サーバ側から各端末を起動し、端末のＣＰＵ能力を活用しながら大量のデータ変換を一括処理するなどコンピューター資源を２４時間活用することが可能になる。

△ＮＴＴデータ<9613>、システム開発プロセスの自動化強化へ独社と資本提携
ＮＴＴデータは１１日、独アイケイブイ・プラスプラス（ｉｋｖ＋＋）と資本提携し、コンピューターが解析可能なモデルを用いてシステム開発プロセスを自動化する取り組みを強化すると発表した。０７年度を初年度とする３カ年の中期経営計画で打ち出したシステム構築（ＳＩ）力強化の一環として始める。共同するのは「次世代型モデル指向開発技術」。技術改善に継続的に取り組むためｉｋｖ＋＋に８・９％を出資した。従来、手作業で行っていた要件定義、設計、実装、テストの成果物を自動で生成し品質や開発生産性の向上につなげる。適用範囲を順次広げ、２０１０年までに年間５０プロジェクト以上への適用を予定。開発プロセスの約５０％を自動化し、２０―３０％の省力化を目指す。同開発技術はモデル管理機能を提供するｉｋｖ＋＋の基盤ソフト「メディーニ」にＮＴＴデータのモデル開発技法を組み込んだツール群。成果物の自動生成のほか、仕様変更時の関連成果物への自動波及や影響範囲分析などを行う。ＮＴＴデータは同技術の現場への適用を支援するため１２人の専門チームを設置。ｉｋｖ＋＋も１日付で横浜市中区に日本法人を設立した。

△日新電機<6641>、設置スペース半分のユニット型コンデンサー装置を発売
日新電機は従来比半分のスペースで設置できる業界最小のユニット型コンデンサー装置「スーパーユニバールツイン」を開発、６月から受注活動を始めた。通常の１ユニット１回路を変更して２回路を搭載、受変電設備の小型化要求に応えた。価格は従来の２台分と同程度。初年度、従来の一般的な機種で６０台に相当する３万キロバール規模の受注を目指す。これまで横に配置していたヒューズを縦に配置するなど設計の工夫でユニット内スペースを効率化して小型化、２回路搭載を実現した。定格容量が１００キロバール２回路から１０００キロバール２回路までの１０機種を用意。寸法は幅１０００ミリメートル、高さ２３００ミリメートルで、奥行きが１４６０ミリ―１９３０ミリメートル。大規模や中小規模の工場、商業施設など広く需要を見込む。６・６キロボルトのコンデンサー設備構成では、従来機種では４ユニットで５・８平方メートル必要だったスペースが２ユニットで３・１平方メートルと半減する。同社は受変電機器のコンパクト化を進めており、「ＸＡＥシリーズ」でガス絶縁装置で業界最小を達成済み。今回の小型コンデンサー投入で、おう盛な同機器需要を取り込む。

△富士通コンポーネント<6719>、有機導電ポリマー使用のタッチパネル開発
富士通コンポーネントは１１日、有機導電ポリマーを透明電極フィルムに使ったアナログ抵抗膜方式のタッチパネルを開発し、サンプル出荷を始めたと発表した。有機導電ポリマーを使ったタッチパネルの実用化は業界初。一般に透明電極に使われるインジウム・スズ酸化物（ＩＴＯ）と比べ、筆記で５倍（５０万回）、打点で１０倍（１０００万回）の使用寿命を実現した。有機導電ポリマー材料の薄膜をナノメートル（ナノは１０億分の１）レベルで制御して均一で低い抵抗値を実現した。用途は販売時点情報管理（ＰＯＳ）や現金自動預払機（ＡＴＭ）などの端末を見込む。アナログ抵抗膜方式のタッチパネルは通常、透明電極フィルム材料としてＩＴＯを樹脂フィルム上に真空中で成膜する。入力動作を何回も繰り返すとＩＴＯに微小な割れが発生し、寿命が短くなることが課題だった。有機導電ポリマーの採用で、希少金属で価格が高騰しているインジウムの使用量を削減でき、真空と高温が必要なＩＴＯ膜に比べ製造時の省エネルギーにもなる。

△アタカ大機<1978>、生産コスト２割削減－内製化率７０％に拡大
アタカ大機は０９年度末までに、水処理装置や電解装置など主力製品の生産コストを０６年度比で約２０％削減する。収益力を高めるのが狙い。０７年度中にも生産拠点の工程見直しや相互活用を推進するのをはじめ、効率化に１０億―２０億円投資する。部品の内製化率も現状の５０％未満から約７０％に高める。これらにより、２０１０年３月期を最終年度とする中期経営計画の達成につなげる。柏事業所（千葉県柏市）は０７年度中に、機械設備や部品ラックの配置を抜本的に見直す。ラックなどを立体化し、床面積あたりの生産性を向上する。余剰スペースに電解装置の電極製造ラインを増設するほか、０８年度から、ばっ気撹拌（かくはん）装置など下水処理機器の一部も製造する。関東で需要が伸びている高度下水処理設備を柏事業所でも生産することで、納期短縮や輸送費削減につなげる。

△日本トムソン<6480>、メンテフリー型直動案内機器のラインアップ強化
日本トムソンはメンテナンスフリー型ローラータイプ直動案内機器「ＭＸシリーズ」のラインアップを強化した。レール幅の広いタイプとスライダー長の短いタイプ、さらにはスライダー長が長い超高精度高剛性タイプを新たに追加。ほとんどのサイズでメンテフリー型製品が整うことになる。シリーズ全体で年間１０億円の販売を目指す。ＭＸシリーズはスライダー内部に潤滑油をしみこませた樹脂を配置し、人手による追加給油が不要なのが特徴。今回新たにレール幅３５―６５ミリメートルの中大型サイズを追加、工作機械などでの使用が可能になった。また従来あるレール幅１５―３０ミリメートルのタイプに、スライダー長を標準形の７４％に短くしたショートユニットを追加。より柔軟な機械設計ができる。さらに新たに開発した超高精度高剛性タイプは、スライダー長を従来のロングタイプの１・２倍に伸ばし、動作時のブレを半分に抑えた。

△不二越<6474>、ロボット保守用部品の在庫を神奈川の新拠点へ集約
不二越はロボットの保守用部品の流通体制を見直す。これまで全国９カ所に分散していた部品の在庫を、神奈川県綾瀬市に稼働した新しいサービス拠点「ナチエンジニアリング」に集約する。部品類を１カ所で集中的に管理することで在庫を適正化する。新しい流通体制では、産業用ロボットのメカ部品とエレクトロニクス部品すべてをナチエンジニアリングで一括管理。ナチエンジニアリングはロボットの補修やメンテナンスの工場も兼ねており、作業を効率化できる。一部、使用する頻度の低い旧型ロボットの部品については富山本社で保管する。これまではロボット関連サービス担当の子会社、ナチロボットエンジニアリング（東京都港区）が全国９カ所に持つサービスセンターがそれぞれ部品在庫を抱えていた。分散して管理するために、使用頻度の低い部品などは社内の問い合わせに時間がかかるという問題があった。

△アーレスティ<5852>、中国でアルミ部品増産－ダイカストマシン２基導入
アーレスティは中国工場を増強する。０７年度中に現地生産子会社の広州阿雷斯提汽車配件（広東省）にダイカストマシンを２基導入。自動車用エンジンやトランスミッション（変速機）に使うアルミダイカスト部品を増産する。中国は日系自動車メーカーが各地で生産を拡大しており、これに対応する。中国向けの今年度の投資額は約１３億円。既存設備の稼働率も引き上げ、中国拠点の今年度売上高は前年度比８６％増の２８億円を見込む。アーレスティの中国工場は０４年に操業を開始。ホンダ<7267>など日系自動車メーカーの現地拠点向けを中心に、エンジンなどに使うアルミダイカスト部品を生産している。現在の月産量は６５０トン程度。今年度は型締め力が８００トンクラスと６５０トンクラスのダイカストマシンを１基ずつ設置する。既存の２５００トン、８００トンクラスなど計８基のマシンと合わせ、稼働率を引き上げて生産量を増やす。

△三和シヤッター<5929>、学校の防火・防煙シャッター向け危害防止機構を発売
三和シヤッター工業は１１日、学校の防火・防煙シャッター向けの危害防止機構「スクリーンセーバー」を１２日に発売すると発表した。シャッターの下部に布製シートを後付けすることで、シャッターに挟まれた際にかかる荷重を減らすとともに、脱出しやすくして児童の挟まれ事故を防ぐ。価格は幅３０００ミリメートルの場合で、工事費を含め４４万３１００円。初年度に１０００セットで４億円の売り上げを目指す。０５年１２月に改正建築基準法施行令が施行され、新たに設置する防火シャッターには挟まれ防止のための危害防止措置を講ずることが義務づけられた。同社では後付けできる危害防止機構を開発・投入し、危害防止措置実施に伴う需要増に対応する。

△清水建設<1803>、アスベスト対策に力－責任技術者７人を確保
清水建設はアスベスト対策事業に力を入れる。技術研究所内にアスベスト分析の専任技術者として７人を確保し、専用の分析機器も配備するなど社内体制を充実させるとともに、調査、除去、処分のそれぞれの工程で使う複数の技術を新たに開発した。これらを活用することで、同事業を積極的に推進していく。清水建設では、建材中のアスベスト含有量の分析を迅速に行うため、技術研究所に専用分析機器を導入。また、調査記録や除去の履歴など、アスベストに関連した社内の工事情報も全社規模でデータベース（ＤＢ）化した。これにより、建物の調査から施工、復旧にまでの情報をどこでも確認できるようにした。さらに、施工計画書を標準化した施工管理ツールを作成した。これは施工管理ツールの整備や行政指導の変更点などを盛り込んだもので、管理方法を見直して顧客に工法計画を迅速に提示するのに役立てる。

△昭和電線ＨＤ<5805>、免震製品の生産能力５０％増－相模原事業所を拡充
昭和電線ホールディングスは０８年３月期にゴム製免震製品などの生産設備を増強し、生産能力を現在に比べて５０％高める。総額１１億円を投資し、相模原事業所（神奈川県相模原市）で増産体制を整える。０４年の新潟県中越地震以降、地震対策製品の需要が半導体工場など民間施設を中心に急拡大しているため。実際の生産は年間２５００体（０７年３月期実績）から、０８年３月期には同４０００体に増やす計画だ。０８年３月期の免震事業は売上高３３億円（前年度比６５％増）を目指す。７億円を投じて、１１月までに積層ゴムアイソレーターなど免震製品の試験装置を増やし、処理能力を倍増させる。すでに、ゴムやその間に挟む鋼板などの生産設備を４億円かけて増強しており、コストや納期などの製品競争力を一段と高める。

△住友金属<5405>、茨城・鹿嶋でＩＰＰの石炭火力発電所を稼働
住友金属工業は鹿島製鉄所（茨城県鹿嶋市）内でＩＰＰ（電力卸供給）事業による石炭火力発電所を稼働した。最大出力は５０７メガワットで常時５００メガワットを発電。このうち、契約先の東京電力に４７５メガワットを供給する。総投資額は５７０億円で、３分の１を環境対策投資に割いた。石炭ヤードや排水口など既存の製鉄所のインフラを活用しており、投資額を大幅に削減できたとしている。発電端効率も４２・５％で国内最高水準。１５日に完成式典を行う。

△住友金属鉱山<5713>伸銅、０９年度に伸銅品生産能力を１５％増強
住友金属鉱山伸銅は、０９年度に伸銅品の生産能力を現在の月２０００トンから１５％増の月２３００トンに拡大する。旺盛な国内の車部品向け需要に対応し、三重工場（三重県いなべ市）の黄銅条やスズメッキの設備を増強する。０７年７月から社長直轄の「プラン２３」活動を試行、製造工程管理の工夫や納期順守率の向上を図ることで、０７－０９年度の３年間の設備投資総額を１０億円に抑える。０９年度に車用コネクターやワイヤハーネス向け黄銅条は同１５％増の月１５００トン、リフロースズメッキが既存ラインの手直しで同２０％増の月６００トン、圧延銅箔が現在と同じ同２００トンの計画。ただ、スズメッキは排出ガスで傷む車部品向けに使用が増えており、市場動向次第で新たに１基の追加も検討する。０８年度中に決断し、追加の際は同６０％増の月８００トンを視野に入れる。

△ＪＳＲ<4185>、高機能合成ゴム引受権をダウ・ヨーロッパから取得
ＪＳＲは１１日、スイスのダウ・ヨーロッパ（チューリヒ）からタイヤ向け高機能合成ゴムである溶液重合ＳＢＲ（Ｓ－ＳＢＲ）の引受権を取得したと発表した。ダウがドイツのシュコパウ工場（ザクセンアンハルト州）で建設中の年産６万トンのＳ－ＳＢＲのうち、半数の３万トンをＪＳＲが引き受ける。引受金額は非公表。同工場は０８年下期の稼働を予定している。タイヤの省燃費特性に貢献するＳ－ＳＢＲの需要が世界的に拡大していることに対応する。ＪＳＲは０３年からダウ・ヨーロッパにＳ－ＳＢＲの生産委託も行っており、さらに引受権も取得し、Ｓ－ＳＢＲ事業の一層の拡大を目指す。

△丸大食品<2288>、物流機能併設の営業拠点を３年で１３カ所設置
丸大食品はルートセールス用の物流機能を兼ね備えた営業拠点の設置に乗り出す。全国の営業拠点か工場に、３年間をめどに１３カ所設置する。物流と営業拠点の見直しを進め、コスト削減効果を狙う。営業面では例年の７倍の設備投資を行う計画だ。物流と営業の両機能を持つ「ＲＳセンター」を各地に設けていく。手始めに、中央営業所（東京都江戸川区）の建て直しと大阪ＲＳセンター（大阪市西成区）の増築に着手した。中央営業所は７月下旬に、大阪ＲＳセンターは９月下旬に完成する予定。このほか、岩手工場（岩手県石島谷町）、関東工場（栃木県下野市）、唐津工場（佐賀県唐津市）にも開設していく。

□イオン<8267>、横浜市のジャスコでレジ袋を有料化
イオンは１１日、横浜市金沢区にあるジャスコ金沢シーサイド店でレジ袋の有料化を始めた。厚みのあるＬＬサイズのビニール袋を１枚５円で提供することを通じ、レジ袋の削減につなげる。収益金は環境保護や地域貢献の活動費にあてる。関東にあるジャスコでは初の取り組み。現在約１７％にとどまる買い物袋の持参率を、２０１０年度中に８０％以上までに高めることを目指す。対象となるのは食品売り場を中心とした同店１階フロア。有料で提供するレジ袋は従来より耐久性を持たせ、消費者が複数回使えるタイプとした。マイバッグ持参者に対するポイントサービスは継続する。ジャスコでのレジ袋削減のための有料化は全国では同店が６店目。横浜市と、金沢シーサイド店周辺の自治会の環境に対する意識が高いことから同店を選んだ。今後、消費者の動向を見ながら、一階以外のフロアにも広げていくか検討する。

△近ツー<9726>、「エルヴィス」世代向け北海道ツアー販売
団塊世代に贈るエルヴィスツアー―。近畿日本ツーリストは、エルヴィス・プレスリーの没後３０周年にちなんだ北海道ツアーを１２日から販売する。旅行中に映画上映会などのイベントを開く。青春時代にエルヴィスに憧れた団塊世代を対象に提案する。ラスヴェガスでのエルヴィスのステージを記録した２作品を上映するほか、米国で活躍する“エルヴィス・パフォーマー”によるライブを開催。また、エルヴィスに詳しいパネリストらによるシンポジウムも開く。このほか札幌市内の教会「羊ヶ丘ウエディング・パレス」でゴスペルコンサートを開く。旅行日程は１１月９―１３日の５日間。代金は東京発１人１７万９０００円（２人１室利用）、大阪発１人１９万３０００円（同）。７０人以上から催行する。
（日刊工業新聞）

△ゼンケンオール<2446>　プッシュ型からプル型営業へ方向転換
ゼンケンオールの０７年９月期中間連結業績は、売上高３５億４６００万円、経常利益２億円、純利益１億２１００万円となった。今中間期より初めての連結中間決算の発表となる。全国に１１３８教室を持ち、乳幼児向け英会話教室「ミネルヴァ」の運営、自治体および学校法人の英語指導事業の請負による講師の派遣と不動産事業を行っている。これまでの営業方針では、戸別訪問によるプッシュ型の生徒募集を実施してきたが、今期より、プッシュ型を取りやめて、駅前等の人目につく場所にプラザ店を開設し、英語教育に関心を持つ父兄の注目を引くことをきっかけとして、生徒の募集を始めるプル型営業に切り替えている。従来の地域密着型のサテライト構想に変化はないが、その中核となるプラザ店の出店を急ぐことで、生徒の入会促進を図るため、プラザ出店を加速している。中間期末で１４店のプラザ店が出店している。また、教材費は、これまでの７万７５００円から１万９０００円に値下げしている。しかし、月謝は７０００円から８０００円（幼児英語教室）としている。さらに、事業部を開設し、幼稚園（保育園）での英語教育を受託するビジネスへの進出とＡＬＴ（公的機関でのＡｓｓｉｓｔａｎｔ　Ｌａｎｇｕａｇｅ　Ｔｅａｃｈｅｒ）事業受託をするために派遣事業許可を取得し、首都圏での事業拡大を図っている。プッシュ型からプル型営業に方針を転換した影響により、０６年９月期中間期には２億５８９６万１０００円あった教材売上高が、今中間期は８９４４万２０００円と１億６９５１万９０００円減少した。一方、直販経費は０６年中間１億８１３８万６０００円であったが、今期は直販を取りやめているので経費は全くかかっていない。したがって、売上高は１億６９５１万９０００円減少したが、直販経費１億８１３８万６０００円が無くなったことで、売上減を十分にカバーしている。また、前期の直販入会を除いた学院入会数は４１２６名、今中間期は４１２８名と横ばいであるが、新規入会数は、前期１２６１名に比較し７３２名多い１９９３名となっている。
今９月期連結業績予想は、売上高７０億８４００万円（前期比８．５％増）、経常利益２億２４００万円（同５０．４％減）、純利益１億２１００万円（同４７．９％減）を見込んでいる。プル型営業に変更したことから、プラザ店の出店、リニューアルなどの経費がかさむことを見越し、利益面での減少を予想しているが、効率的な経営となっていることから、地域に根付いた教育環境を整えることで、今後の業績拡大が期待される。

△ナイスクラップ<7598>　第１四半期最終利益５４．５％増
ナイスクラップの今０８年１月期第１四半期連結業績は、売上高３０億２２００万円（前年同期比２５．４％増）、経常利益２億７７００万円（同２４．６％増）、純利益１億４６００万円（同５４．５％増）と大幅な増収増益となった。増収となった要因は、新規出店による売上増と既存店の売上高が対前年同期比で１２．０％増加と好調に推移したことによる。販売管理費、人件費の増加があったものの増収効果により利益面でも大幅に増加した。
（証券日刊新聞）

△ミズノ<8022>「北京プロジェクト」結成　五輪を機に中国事業強化
ミズノは、来年８月に中国で開かれる北京五輪を中国市場拡大のビジネスチャンスととらえ、社内にプロジェクトチーム「北京プロジェクト」を結成した。同社は中国事業を最重要テーマと位置付けており、北京五輪を機に中国事業の売上高を０６年度の８５億円から０８年度ははぼ倍増の１６０億円に引き上げる。北京五輪開催中は、北京にＰＲ拠点を設置し、地元中国をはじめ世界各国のスポーツ用品業界関係者との商談を進める計画だ。プロジェクトチームは開発や企画、販売促進、営業、広報宣伝など全社横断的な組織で、メンバーは計２１人。統括リーダーには同社専務でＪＯＣ（日本オリンピック委員会）国際専門委員会委員を務める上治丈太郎氏、サブリーダーは中国統括子会社の中国ミズノの林錫河総裁が就いた。ミズノは、国内外で好調なスポーツウエアに加え、全社的に「スポーツシューズを伸ばす」（大阪広報課）方針で、北京プロジェクトも同方針に沿った施策を中心に展開する。プロジェクトチームは定期的な会合などを通じて国内や中国などでの五輪戦略を立案し、関連部署が実行に移す。同社には陸上の末続慎吾選手や室伏広治選手が所属。水泳の北島康介選手など日本を代表する選手と契約を結んでおり、これら選手を起用したブランドＰＲや販促活動を展開する考えだ。

△高価格白物の販売好調　機能充実で購買意欲刺激　家電各社
家電各社が相次いで投入した高価格帯の白物家電の販売が好調だ。団塊世代を中心に「製品の価値を認めて高くても買ってくれる」（業界関係者）ためだ。１９９７年４月の消費税引き上げ前に駆け込みで購入した製品が、買い替えの目安となる１０年を経過していることも追い風になっている。メーカー各社も健康、省エネ、便利な機能などで消費者の購買意欲を刺激しようと懸命だ。
高機能白物として最初にヒットしたのは、シャープ<6753>の水蒸気オーブン「ヘルシオ」。約３００度の高温の過熱水蒸気で余分な脂や塩分を落とすため、健康志向にマッチし、１０万円超ながら、２００４年の発売から１年で１０万台を販売した。その後、自動清掃機能がついたエアコン（１４畳用で２０万円超）や掃除機（８万円）、「野菜のビタミンを増やす」という５００リットル超の大型冷蔵庫（２５万円超）、低温乾燥の洗濯乾燥機（１５万円超）などが登場し、いずれも好評だ。炭素素材の釜を職人が手作りする三菱電機の炊飯器は約１０万円と高価だが、生産が追いつかないほど引き合いがある。
ダイキン工業<6367>は、店頭想定価格が９万円と、既存の高級機種の２、３倍する空気清浄機「クリアフォース」を１０月に投入する。空気清浄機に初めて衣類の乾燥にも利用できる本格的な除湿機能を搭載。加湿機や除湿機などを「季節ごとに片付ける必要がない１台４役」（加藤豊常務）をアピールしている。

△資生堂<4911>　基礎化粧品など発売　紫外線防止新成分　厚労省リスト入りで検討
資生堂は１１日、厚生労働省が定める化粧品に使用できる成分リスト「ポジティブリスト」に、同社が申請した紫外線吸収剤が収載されたと発表した。この成分を日焼け止め製品や基礎化粧品に今後応用していく。今回、収載された成分は「チノソーブＳ」と呼ばれ、スイスの化学品大手のチバ・スペシャルティ・ケミカルズが開発したトリアチン系化合物。紫外線には、波長が短く、屋外での日焼けの原因となる「レジャー紫外線（ＵＶＢ）」と、波長が長く、ガラスも通過して肌の奥までダメージを与える「生活紫外線（ＵＶＡ）」の２種類があるが、チノソーブＳはその両方の紫外線を吸収する。同社ではチノソーブＳが既存の吸収剤よりも紫外線防止性能がよいことから、日焼け止め製品に応用。さらに生活紫外線吸収効果もあることから、基礎化粧品や乳液に含ませ、日常の紫外線対策に使用する製品も商品化を検討する。欧州ではすでに、化粧品に採用されており、同社もチバ社と共同で、日本の法規対応に向けた試験、検証に乗り出していた。この中で優良性を確認し、０３年に厚労省へ申請。また、日本人の肌に合わせる処方開発も行い、特許を申請している。

△初の光触媒外壁　パナホーム<1924>がオール電化賃貸　メンテコスト削減
パナホームは１１日、業界で初めて、光触媒タイル外壁を標準採用するとともに、公共施設並みの耐震性能を備えたオール電化賃貸住宅「エルメゾン　ネクスト」を１６日に発売すると発表した。ユーザーの高級化ニーズに対応し、戸建て住宅感覚の「重ね建てタイプ」と「戸建貸家タイプ」をそろえ、企業の借り上げ社宅ニーズにも対応する。価格は３・３平方メートルあたり４４万円。初年度３００棟の販売を目指す。新商品は汚れにくく、メンテナンスコストが低減できる光触媒タイルを採用することで、快適性に加えて、メンテナンスコストを一般的な賃貸アパートに比べて３０年間で約２９５万円削減できる。オール電化仕様のため、電気・ガス併用に比べて４人家族で光熱費が年間４万２０００円低減できるという。また、ＩＨ（電磁誘導）クッキングヒーターなど、電化設備は松下グループ製品を採用。新幹線や航空機などに使われる、強くて変形しにくい「モノコック構造」を独自の大型パネル構造で実現。国の住宅性能表示制度で最高ランクの「等級３」をクリアした。住宅業界では、晩婚化の進行により、賃貸住宅の入居者世代が３０歳後半から４０歳前半へと移行。高品質住宅が従来以上に求められている。

△川崎重工<7012>　Ｈ２Ａロケット先端部を出荷
川崎重工業は１１日、今年８月に打ち上げが予定されている「Ｈ２Ａロケット」１３号機用のフェアリング（衛星を格納するロケット先端部）を播磨工場（兵庫県播磨町）完成し、宇宙航空研究開発機構（ＪＡＸＡ）種子島宇宙センターに向けて出荷したと発表した。出荷したフェアリングは直径４メートル、全長１２メートル。スペースシャトルなどと同規模の直径３・７メートル、長さ１０・４メートルまでの衛星を搭載できる。Ｈ２Ａロケット１３号機では月周回衛星「かぐや」を搭載する予定だ。川崎重工はこれまでＨ２ロケット向けに７機分、Ｈ２Ａロケットでも１２機分のフェアリングを納入した実績を持っており、今後も多様な打ち上げ需要に対応していくという。
Ｈ２Ａロケット１３号機は、国が行っていた打ち上げ事業を民間企業の三菱重工業<7011>に移管後初の初の打ち上げとなる。機体デザインには、従来無地だった日の丸の上部に、スリーダイヤのマークと三菱重工のロゴを入る。

△コラーゲン飲料改良　ビタミン成分量２倍　アサヒ飲料<2598>正式発表
アサヒ飲料は１１日、昨年１１月末に発売した清涼飲料水「アサヒぎゅぎゅっとしみこむコラーゲンウォーター」を２６日からリニューアル発売すると正式発表した。ビタミンの一種「ナイアシン」を従来に比べて２倍に増やしたほか、飲みやすいピーチ味に仕上げた。同飲料水は、体内で１日に分解される量（約２０００ミリグラム）を超える約２８００ミリグラムのコラーゲンを配合。みずみずしい肌になるといわれるコラーゲンを手軽に摂取することができるのが特徴だ。女性から支持を集め、約７カ月で目標の販売数量である１００万ケース（１ケースは３５０ミリリットル、２４本）を達成する見通しとなったことから、ビタミンの配合量や味を変えた、リニューアル製品の販売を決めた。従来の３５０ミリリットルのペットボトル（１５０円）に加え、新たに２８０ミリリットル（１２４円）、９００ミリリットル（２８６円）も追加。年間１８０万ケースの販売を目指す。
（FujiSankei Business i）