6/7 お昼の『株価材料』PART Ⅱ

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■株価材料

△共栄タンカー<9130>が続騰、売り方の踏み上げ相場に
共栄タンカーが続騰、一時ストップ高となった。５日に逆日歩が３日分で１２円となるなど高額日歩が注目されたが、売り方が苦境に陥っていることで踏み上げ相場の様相を呈している。前週末現在の同社株の信用残高は、売り残が４２３万２０００株、買い残が２８５万５０００株、信用倍率は０．６７倍。

△ツクイ<2398>がストップ高、コムスン問題に伴い顧客増加の思惑も
ツクイがストップ高となっている。グッドウィル・グループ<4723>傘下で介護事業最大手のコムスンに対する厚生労働省の処分により、引き続き顧客増加の思惑が材料視された格好。値動きの軽さから短期回転狙いの資金を誘い込んだ。

△5月全国百貨店売上高、前月から小幅改善の見通し
ロイターが実施した聞き取り調査によると、６月中旬に発表される５月の全国百貨店売上高は、４月の前年比１．３％減少から小幅改善する見通し。ただ前年水準を上回るかは微妙な状況のようだ。ゴールデンウイーク中の土日祝日が前年５月に比べて１日少なかった影響で月初は伸び悩んだが、中旬以降は気温上昇・好天に恵まれ、夏物衣料の動きが良かったという。母の日商戦も全般的に好調だった。一方、６月上旬は、まちまちながら、前年を下回っているところが多い。５月の全国百貨店売上高は、４月から若干改善する見通し。回答した９社のうち、５社が前月から改善し、４社が悪化した。また４社が前年比プラス、３社がマイナス、１社が前年並みとなった。１社は全店ベースでプラスだが既存店ではマイナスでまちまちだった。

△野村証券<8604>、商品取引で豪マッコーリー銀行と提携
野村証券は７日、豪マッコーリー銀行と商品取引業務で提携することで基本合意したと発表した。原油など商品の価格変動リスクをヘッジ（回避）したい事業会社や資産運用向けの商品開発を共同で行うほか、トレーディング収益の強化にもつなげる。野村は２年後をめどに「トレーディング収益に占める商品関連の割合を１０％超に伸ばす計画」（広報）としている。野村は、商品取引で実績とノウハウのあるマッコーリーから人材を受け入れ、共同で商品を開発する。事業会社では原材料の価格変動リスクをヘッジ（回避）するニーズが高まっており、こうした顧客向けの取引やサービスを強化する。マッコーリーにとっても、日本で強固な顧客基盤を持つ野村との提携が日本でのビジネス強化につながると判断した。米ゴールドマン・サックスやモルガン・スタンレーなどは、原油、貴金属などの商品取引を活発に行い、収益の柱となっている。トレーディング収益のおよそ半分が商品関連で占める年もあるなど、商品取引は株式、債券、為替に並ぶ重要なビジネスだ。日本の証券会社は外資系証券に比べ商品取引には消極的だったが、さらなる収益多様化のために商品関連業務を強化するところが増えている。大和証券グループ本社<8601>は今年、東京工業品取引所（ＴＯＣＯＭ）や海外の取引所の会員権を取得し、原油や貴金属など商品の現物取引を開始する方針。大和はすでに、商品先物・証券の投資顧問会社アストマックス<8734>とも資本業務提携している。

△東洋炭素<5310>、100─150億円投資し等方性黒鉛を生産増強
東洋炭素は７日、等方性黒鉛の生産能力を増強すると発表した。同社では年８０００トンから１万１０００トンへの増産を行う計画だったが、需要増加に対応するため、新工場を設立し年１万５０００トンに引き上げる。同社の主力製品である等方性黒鉛は高機能カーボン製品などに使われる素材。半導体や太陽電池、発光ダイオード向けなどに需要が拡大している。２００７年秋に生産能力を１万１０００トンへ引き上げた後、詫間事業所（香川県三豊市）内に年４０００トン規模の新プラントを立ち上げ、２００９年秋には供給を開始する計画。投資額は１００─１５０億円を予定している。

△銀行株が底堅い、みずほＦＧ<8411>株は切り返す
午前の株式市場では、全体相場安のなかで、銀行株が底堅い展開。みずほフィナンシャルグループなど切り返すものも出てきている。このところ世界的に金利が上昇基調にあり、６日に利上げした欧州中央銀行（ＥＣＢ）はなお追加利上げを示唆している。米国長期金利も５％をにらむ展開が続いており、日本の長期金利も海外金利に連動して上昇基調が強まっていることから、先行きの銀行収益への期待で押し目買いが入っているという。

△小売り関連株が戻り歩調、三越<2779>など切り返す
午前の株式市場では、小売り関連株が全般に戻り歩調。三越や丸井<8252>などは朝安後に前日比プラスに転じている。資源関連株などに先導される相場展開が続いており、小売りなど消費関連株の出遅れ感が強まっていることから相対的に利食いの余地が乏しく、逆に押し目買いが入っているという。

△日立造船<7004>株が新高値、東証1部で出来高第1位
午前の株式市場では、日立造船株がしっかりとなり、５月９日に付けた年初来高値２４０円を約１カ月ぶりに更新した。９時３５分現在、同社株は東証１部で出来高第１位。数量商いをこなせる低位材料株として注目され、短期ディーリングの対象となっている。大手証券の一角が、今後の収益急拡大を想定したレポートを出したことが手掛かりにされていた。

△井関農機<6310>株が堅調、大証が監理ポスト割り当て解除
午前の株式市場では、井関農機株が堅調。６日に大証が同社株式の監理ポスト割り当てを解除したことなどが好感されている。同社は今年３月に、過去の決算で不適切な会計処理をしていたことが判明した。

▼メビックス<3780>株が売り気配、07年4月期業績予想を下方修正
午前の株式市場では、メビックス株が売り気配。同社が６日に、２００７年４月期の連結業績予想の下方修正を発表したことなどが嫌気されている。経常利益はこれまでの５億６１００万円から３億７５００万円に、純利益は同３億２１００万円から２億１３００万円にそれぞれ下方修正となった。同社では、サイエンス事業での販売低調などを背景として挙げている。

△東亜建設<1885>株が買い気配、需給思惑から投機的な動きに
午前の株式市場では、東亜建設工業株が買い気配となっている。９時１５分現在、同社株は差し引き約２２０万株の買いで１９８円買い気配。低位材料株物色の流れが小型建設株に波及した格好だが、特定筋の介入が観測されるなど需給思惑も台頭しており、投機的な動きとなった。同社は海上土木を得意とするゼネコンで、新興国で港湾インフラ整備が遅れているため、それがビジネスチャンスを大きくするとの期待感も手掛かりにされている。

▼ケミプロ化成<4960>株が下落、新株予約権発行で希薄化懸念
午前の株式市場では、ケミプロ化成株が下落。同社が６日、最大１５億円となる新株予約権の発行を決議したことで１株利益の希薄化懸念が出ている。同社では現在、有機ＥＬ事業に注力しており、調達資金（約１４億８０００万円）は新規事業を含む設備資金や運転資金、有利子負債の返済に充当するという。新株予約権の発行は最大１０回。１回につき１５００万円で１０個発行される。第１回から第５回の行使価格は当初６６０円、第２回から第１０回の行使価格は当初１０５６円となっている。申込期間は６月２１日から２２日まで。割当日・払込期日は２２日。今回のファイナンスで発行済み株式総数に対する潜在株式数の比率は１１．１１％となる。

▼田崎真珠<7968>株が売り気配、07年4月中間期は最終赤字に
午前の株式市場では、田崎真珠株が売り気配となっている。６日に発表した２００７年４月中間期業績予想の下方修正を嫌気した。連結経常利益は従来予想の７億円から１億２０００万円、連結純損益は３億円の黒字から３２億２０００万円の赤字に修正した。国内卸売の不振に加え、広告宣伝費、販売促進費などのコスト増が利益を圧迫する。固定資産の減損損失などが発生し税効果会計を考慮した結果、最終損益が赤字になる。

△生化学工業<4548>株が年初来高値、三菱ＵＦＪは「3」に上げ
午前の株式市場では、生化学工業株が年初来高値を更新している。三菱ＵＦＪ証券がレーティングを「４」から「３」に引き上げたことを材料視した。同証券では、２００８年３月期について、関節機能改善剤アルツなど国内でのヒアルロン酸製剤と、スパルツなど海外向けヒアルロン酸製剤輸出の好調で２ケタ営業増益を予想。売上高、営業利益とも会社計画を若干上回る可能性があるとみている。

▼グッドウィル<4723>の格付けを引き下げ、モニター継続＝ＪＣＲ
日本格付研究所（ＪＣＲ）は６日、グッドウィル・グループの長期優先債務格付けを＃ＢＢＢ＋から＃ＢＢＢ─に２ノッチ引き下げた。クレジットモニターはネガティブで継続。

■武田米国子会社、糖尿病治療薬に警告ラベル添付へ
武田薬品工業<4502>の米国子会社である武田ファーマシューティカルズ・ノースアメリカは、同社の糖尿病治療薬「アクトス」について、うっ血性心不全を引き起こすリスクを喚起するため、当該医薬品の箱に警告ラベルを添付すると発表した。同社は声明で、米国食品医薬品局（ＦＤＡ）からの要請による措置としている。英医薬品大手グラクソ・スミスクライン が販売している糖尿病治療薬「アバンディア」にも同様な危険性があるこことが指摘されていた。
（ロイター）

▼富士通<6702> じり安基調。
販売子会社の富士通関西システムズが、架空循環取引を繰り返していたと、一部報じられており、嫌気売りにつながっているとの見方も。5月半ばからリバウンドをみせていただけに、利食いも出易い。

△総医研<2385> 買い先行。
実質配当利回りの高さが取り沙汰されているようだ。株主優待制度の新設を発表、買い物優待券を年2回、進呈するとしている。1株の保有で年2回、株主優待を受けた場合、株主優待のみの実質配当利回りは6日終値ベースで7.8％となる。

▼メッセージ<2400> 大幅反落。
前日はコムスンの指定取り消しを受けて介護各社が急騰したが、本日は一部を除いて前日のような動きが鎮静化している。グッドウィルグループでの介護事業継続の可能性が浮上していることに加え、ロングライフ<4355>の下方修正を受け、あらためて事業環境の厳しさが表面化しているもよう。一方、いちよし証券では6日付で、投資判断を「2-C-HR」から「2-B-HR」に引き上げている。08年3月期も好調な業績推移を予想、現在の株価水準は妥当と。

△ショーワ<7274>---マド埋めの1620-1630円辺りを目先のターゲットに
大幅反発で4月末以降の膠着レンジを上放れ。マド埋めの1620-1630円辺りを目先のターゲットに。メリルリンチでは、目標株価を1800円として投資判断を「中立」から「買い」に引き上げている。

△チタン工<4098>---そろそろリバウンド狙いも？
大幅続伸で昨年4月以来の300円回復。前日ストップ高の流れを引き継ぎ、買い先行で昨年4月以来の300円を回復。ただ、その後は急速に利益確定に上げ幅を縮めている。週足ベースの均衡表の雲上限が240円であり、そろそろリバウンド狙いも。

△松尾橋梁<5913>---急騰、低位材料株の循環物色で
急騰。特に目立った材料はなく、低位材料株物色の流れが波及しているものと観測される。昨日の海洋土木会社の上昇要因として、野村がセクターレポートで再編期待が高いと指摘したことも挙げられるが、同様に橋梁業界でも業界再編の動きは進みやすいとしている。ちなみに、野村では道路業界にも再編期待と指摘していた。

△トキメック<7721>---造船株の強い値動きに刺激されているとも
続伸で25日線を一気に突破してきている。均衡表では雲下限を突破してきている。バルブなどの需要好調、船舶向け計測機器も手掛けており、造船株の強い値動きに刺激されているとも。まずは雲上限、基準線が位置する303円辺りを意識。

△阪和興<8078>---25日線をサポートに切り返す
25日線をサポートに切り返す。5日、25日線との短期ゴールデンクロス発生。均衡表では上昇する先行スパン（雲）がサポートとして意識される。鉄鋼部門、非鉄部門ともに拡大期待。総合商社から出遅れ感のある専門商社に物色の矛先も。5/10高値638円を意識。

▼メビックス<3780> 大幅安、上場来安値を更新。
一転しての減益が嫌気されているようだ。同社は6日、07年4月期の業績予想を下方修正している。経常利益については、従来予想の5.61億円に対して3.75億円（06年4月期4.05億円）にとどまる見通し。

△静岡銀行<8355>---続伸、ＪＰＭでは投資判断を格上げへ
続伸。ＪＰモルガンでは投資判断を「アンダーウェイト」から「イコールウェイト」に格上げしている。目標株価は1160円から1270円に引き上げの模様。07.3期の好決算、並びに財務体質の一段の改善などを評価している。ちなみに、ＪＰモルガンでは横浜銀行の投資判断は「オーバーＷ」から「ニュートラル」に下げ。

△みずほ<8411> プラスに転じる。
売り先行スタート後、切り返しをみせている。このところは膠着が続いているが、200日線がサポートとして機能。ゴールドマン・サックスでは銀行、保険など国内リフレ関連セクターのウエートを引き上げており、材料視する向きも。

△楽天<4755> 反発。
ＴＢＳ株の売却を示唆したとの一部報道が材料視されているようだ。5月20日の両社長会談において、楽天の三木谷社長がＴＢＳの社外取締役に就任する代わりに、楽天が保有するＴＢＳ株を売却する可能性を示唆したと伝えられている。そのため、長期化するＴＢＳ問題の終息期待が生じているもよう。

△新光商<8141>---物色の矛先が専門商社にも
大幅上昇で6/1以来の年初来高値更新。液晶パネル拡大など今期業績上振れ期待が強い。総合商社が軒並み最高値を更新する中、物色の矛先が半導体商社、鉄鋼商社といった専門商社にも広がりをみせている。1984年最高値と乖離が大きく、思惑的な買いも。

△丸紅<8002>---連日の活況、日興シティでも格上げへ
連日の活況。前日は、ＵＡＥで発電・淡水化事業に進出するとの報道、大和の投資判断格上げが評価されて急騰となったが、本日は日興シティの格上げが観測されている。バランスシートの改善にメドがついたこと、ＰＥＲ水準の割安感が強いことなどを評価。投資評価は「２Ｍ」から「１Ｍ」に、目標株価は800円から1100円にそれぞれ引き上げ。

△佐世保<7007> 利食い先行後、切り返す。
三井造船がゴールドマン・サックスによる目標株価引き上げ、日立造船が野村のレポートを評価材料として強含みで推移していることを背景に、買いが波及している。

△三井造<7003>---6営業日続伸で年初来高値更新
6営業日続伸で年初来高値更新。ゴールドマン・サックスでは目標株価を600円から800円に引き上げており、利食い先行スタート後、切り返しをみせている。業績拡大への確度が上昇と。レーティングは「買い」を継続している。

▼明治海運<9115>---大幅続落、中小型海運株の一角がきつい下げ
大幅続落。過熱警戒感の強まりから利益確定の動きが優勢に。中小型の海運株上昇を牽引してきた銘柄であるが、バリュエーションは無視される水準まで買い上げられるなど、完全に需給主導の状況となっていた。本日は太平洋海運、共栄タンカーの人気が続く一方、第一中央汽船などもきつい下げに。

△東亜建設<1885>---買い気配、ラジオ番組で取りあげられ
買い気配。ラジオＮＩＫＫＥＩで注目銘柄に取り上げられているもよう。今期連結経常利益は前期比2倍の予想など業績変化率の高さ、0.8倍というＰＢＲ水準の割安感などを評価しているもよう。前日から海上土木関連株が人気化していることも支援材料に。

△日立造船<7004>---逆行高、野村では今後の業績急拡大を予想
逆行高。前日の野村のレポートが評価材料となっているようだ。投資判断は未付与ながら、今後の業績急拡大を想定している。プラント需要に伴う圧力容器の拡大、ユニバーサル造船の業績改善が業績急拡大の背景と。経常利益は今期が会社計画70億円に対して100億円、前期比2.3倍を予想しているほか、 09.3期は130億円、11.3期には215億円と急拡大を想定。

△ＪＴ<2914>---ＭＳでは73万円に引き上げ
3日ぶり反発。なお、モルガン・スタンレーでは、目標株価を64万円から73万円に引き上げたようだ。不動産資産価値やガラハーとの将来のシナジー効果などを考慮。投資判断「Overweight」は継続。
（フィスコ）

△クラボウ<3106>は小幅続伸も１９期ぶり最高益に上値余地
クラボウは、５円高の３５３円と小幅続伸している。５月１５日の３月期決算発表以来、今期予想純利益が前期比９４％増とＶ字回復し１９期ぶりに過去最高を更新することを買い手掛かりに下値を切り上げており、信用取組が大幅株不足となる好需給も低位値ごろ思惑を高めている。同社の前期業績は、デニム販売の回復や自動車用内装材、横中ぐりフライス盤の続伸などがあり、増収転換したものの、原材料価格の高騰や中国の労務費上昇などが響き減益となり、純利益は構造改善関係費用など１５億８０００万円の計上もあり前々期比２８％減益と落ち込んだ。これに対して今期純利益は、６０億円（前期比９４％増）とＶ字回復、１９期ぶりの過去最高更新が予想されている。この大きな要因は、今年４月に連結子会社の倉敷染工を解散、関係会社清算配当金として単独決算で約２３億円の特別利益が発生することにある。株価は、このため今年２月の戻り高値３５４円を更新するとともに強弱感が対立し信用売り残が積み上がる好需給となっている。全般相場は、日経平均株価がフシ目の１万８０００円を上抜いたものの前日の米国株価急落で波乱展開となっており、同社の低位値ごろが見直される展開からなお下値切り上げが続く公算は大きい。

△インテックＨＤ<3819>は続伸業績の見直し買い続き連日の高値
インテックホールディングスは、２８円高の１８０７円と連日の昨年１月の持株会社化後高値更新となっている。５月１７日に３月期決算を発表、前期は持株会社化当時の予想を上ぶれて着地し、今期続伸を見込んだことから上場来安値水準から３５０円高しているが、なお割安訂正が見込めるとして下値買いが継続している。同社の今３月期業績は、売り上げ１２００億円（前期比３％増）、経常利益８８億円（同４％増）、純利益５２億円（同４％増）が予想されている。金融機関向け情報系システム「エフキューブ」に業界再編などから大手地方銀行から強い引き合いがあり、流通業界向け次世代ＥＤＩ（企業間電子商取引）でも昨年１２月にウルシステムズ（３７９８・ＪＱ）と資本・業務提携するなど総合サービス化を進め、引き続きグループ機能の強化、プロジェクト管理の効率化を図ることが要因となる。株価は、好決算見通しを国内大手経研の投資判断１段階引き上げがフォローし大きく出直ったが、ＰＥＲ評価はまだ１７倍台にとどまる。持株会社化以前のインテック当時の高株価への里帰り思惑も高まってこよう。

△新規上場のＮＴＴＤＩＭ<3850>は大量の買い物集め買い気配
エヌ・ティ・ティ・データ・イントラマートが、東証マザーズに新規上場された。公開価格は１８万５０００円、公開株式数は４５００株となっている。寄り付きから買い気配を切り上げ１０時１０分現在、公開価格を７万円上回る２５万５０００円買い気配で売り買い差し引き４５５９株と公開株式数を上回る買い物を集めている。新興市場の底入れ、立ち直りから、ようやくＩＰＯ（新規株式公開）市場にも個人投資家の再参戦の兆が強まってきており、ＮＴＴデータを強力バックとする同社のネット関連の強みが買い評価されている。同社は、ＮＴＴデータの社内ベンチャー制度を活用して設立され、ウエブシステム基盤を構築するパッケージソフト「ｉｎｔｒａーｍａｒｔ（イントラマート）」の開発、販売、保守を主力業務としている。同ソフトは、システム構築の際の生産性向上やコスト削減を実現するミドルウエアで、その基盤上で「稟議システム」や「販売管理システム」などの業務システムが構築される。今２００８年３月期業績は、売り上げ２５億３０００万円（前期比２３％増）、経常利益３億円（同９２％増）、純利益１億６９００万円（同９３％増）、１株利益７８２４円を予想している。

△日カーボン<5302>は連日の高値、１Ｑの２ケタ増益・順調進捗を買い直す
日本カーボンは、１６円高の５５５円と続伸し連日の昨年来高値更新となっている。４月２７日に発表した今１２月期第１四半期（１Ｑ）業績が、大幅増益で着地し６月中間期予想業績に対して順調に推移していることを見直し割安株買いが続いているもので、上値を重くしていた信用買い残もピーク比１００万株減と整理が進んだこともフォローしている。同社の株価は、２月の今期期初予想で純利益を前期比６％減益としたことが響きさ２月高値から１００円幅の調整となった。これに対して１Ｑ業績は、前年同期比１４％増収、２５％経常増益、１８％純益増益となり、期初の中間期予想業績に対して利益は各６０％の順調な進捗率となった。ファインカーボンが半導体向けに続伸、電炉向けの黒鉛電極の値上げ浸透、円安推移などが引き続き業績押し上げ要因となっているもので、期中に３回も上方修正した前期と同様の業績上ぶれ期待にもつながっている。株価は、２月高値を更新し信用取組は今度は売り残増、買い残減と逆転、値ごろ妙味も加わり、逆行高が続きそうだ。

△セイジョー<7429>は上ぶれ中間業績を見直し下げ過ぎ訂正続き９連騰
セイジョーは、２０円高の２５４５円と変わらずを挟み９営業日続伸となっている。前９月期業績の伸び悩み着地や年初の暖冬などの天候不順の影響で２０００円台下値を固める調整場面が続いていたが、セガミメディクス（２７９７・ＪＱ）との経営統合の協議開始や５月１０日に発表した２００７年３月中間期業績が、期初予想を上ぶれて着地したことから下げ過ぎ訂正期待の買い物が続いている。同社は、東京都を地盤とするドラッグストア業界の中堅で、業界環境は高齢化の進展、団塊の世代の大量退職、メタボリック症候群意識の高まりなどビジネス機会は広がっているものの、スーパー、コンビニでの医薬品販売開始など競争が激化し、業界再編が進んでいる。同社も、今年２月に介護事業も展開しているシブヤ薬局を吸収合併するとともに、関西を地盤とするセガミメディクスと経営統合の協議を開始することに合意し業容拡大を目指す。業績も、中間期は期初予想を若干上ぶれ前年同期比２５％純益増益で着地し、通期純利益も２０億４０００万円（前期比２８％増）と期初予想通り２ケタ増益を見込んでいる。株価は、年初の戻り高値３０４０円から５００円幅の調整となっているが、ＰＥＲは１３倍台、１３週移動平均線から５％弱の下方かい離と下げ過ぎとなっている。メタボ関連人気再燃でリバウンド幅を拡大しよう。

▼トヨタ<7203>は続落、米ＮＹダウ１２９ドル安に円高継続が響く
トヨタ自動車は、８０円安の７５２０円と続落して始まっている。同社独自の悪材料による下げではなく、前日の米国市場でダウ工業株３０種平均が、１２９ドル７９セント安の１万３４６５ドル６７セントと大幅続落し、同社のＡＤＲ（預託証券）も東京市場の終値（円換算値）に対して１３５円安で引け、さらに為替相場の前日比３０銭高の１ドル＝１２１円ちょうどと３日連続の円高となったことから売り先行となっている。ＮＹダウ急落は、長短金利の上昇傾向を強め、金融当局幹部のインフレ懸念発言からＥＵに続く金利の引き上げが観測されていることが背景になっており、ガソリン価格上昇も加わり自動車販売への影響も注目されている。この日寄り付きの東京市場は、同社のほかＡＤＲ銘柄を中心に大型主力株の下げが目立っており、日経平均採用銘柄の９時３８分現在の値上がり銘２７銘柄にとどまっている。日経平均株価も、１５０円幅の続急落となっている。

△アルデプロ<8925>は２回目の業績増額を買い手掛かりに７連騰
アルデプロは、寄り付きの買い気配から９５０円高の４万２７５０円まで買い進まれ７営業日続伸となっている。前日の今７月期第３四半期（３Ｑ）決算の開示に合わせて、今期通期業績の２回目の上方修正を発表、前回修正時の株価急伸を連想する買い物が集まり逆行高している。同社の今期業績は、昨年１２月に上方修正されているが、その修正値をさらに増額した。売り上げは８２億７３００万円、経常利益は１３億円、純利益は９億４００万円それぞれ引き上げられたもので、純利益は７４億７７００万円（前期比９９％増）と前期の過去最高を大幅に更新する。全国９支店２９営業者に拡充した営業網を通じて、個人向け居住用物件の販売や法人向けの投資物件の販売が好調で、賃貸管理やビル管理、電気通信工事の子会社の業績も順調に推移していることが要因となった。投資用物件では、とくに私募型不動産ファンドや法人からの引き合いが活発となった。株価は、前回修正時には約６０００円高の好反応をしている。不動産流動化関連の内需株人気再燃で再現に走ろう。

△ＳＴＥＣＨＸＩＶ<5977>は台湾子会社上場申請受け寄り付き反発
ＳＵＭＣＯ　ＴＥＣＨＸＩＶは、寄り付き後に４０円高の７０４０円と３日ぶりに反発したあともみ合いを続けている。前日に台湾の連結子会社ＦＳＴが台湾株式市場に正式上場を申請をしたと発表したことが好感されたが、前日の米国市場が続急落したこともあり売り買いが交錯している。同社は、５月２８日に今１月期第１四半期決算の開示とともに、今７月中間期業績の上方修正を公表し１５００円幅の急伸を演じたばかりである。同社は、昨年１２月からＦＳＴの社名を変更するとともに正式上場の準備作業を続けてきた。前日の同社株主総会で正式申請することが決定され、今後、資金調達の多様化など同社業容、業績の向上に貢献する。ＦＳＴは、国内拠点とともに、３００ミリウェーハを増産する有力パートナーで生産能力の増強を進めており、同子会社の好調な推移が先の中間期業績の上方修正の要因の一つにもなっている。上場後のＳＴＥＣＨＸＩＶの業績への影響は、別途開示するとしている。前回業績修正時に１５５円高した急伸修正には定評があり、再現も有力視される。
（東洋経済新報社）