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2010 02,20 09:00 |
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【日本株週間展望】1万円攻防、米国出口でマネー逆流も-景気支え 2月第4週(22-26日)の日本株相場は、日経平均株価が1万円の節目をにらんで安くなりそう。1月中旬以降の世界的な株価調整につながった3つのリスクへの警戒がほどけてきたところに、米国の公定歩合引き上げが水を差した。金融緩和で株式市場に流れ込んだマネーの逆流が、再び懸念され始めている。 東海東京証券エクイティ部の倉持宏朗部長は、「株式投資の側からは、これまでの世界的な経済刺激策の動きが解消されていくように見える」と指摘。米国を中心とした海外勢の投資資金引き揚げの可能性に加え、国内でも年度末に向けた持ち合い解消売りなどが出やすく、「需給面で厳しい」と見ている。 ギリシャの財政赤字問題、オバマ米大統領の金融機関に対する規制強化姿勢、中国の預金準備率引き上げは、世界の株式市場で最近不安視された3つのリスク。このうち米金融機関の規制で目立った新材料はなく、ギリシャ問題では欧州連合(EU)指導部がギリシャへの支援姿勢を見せ、過剰な不安は後退した。16日のEU財務相会合で具体的な支援策は発表されなかったが、大和総研投資戦略部の野間口毅部長は「ギリシャの財政危機が差し迫ったものではないことの裏返し」と話す。 一方、中国人民銀行は12日に2カ月連続となる預金準備率の引き上げを表明。上海株式市場が旧正月で19日まで休場と、投資家の反応を探るには不透明さを残すが、ひと足先に17日から再開した香港ハンセン指数が同日の取引で上昇。預金準備率引き上げは「不動産価格の上昇をけん制したものだった可能性が高く、経済そのものの流れを変えるものではないと判断された」と野間口氏は言う。 興味のある方は、"つづきはこちらです"をクリック!
3つの懸念後退は欧米など海外株式、国際商品市況の上昇を通じて日本株市場の参加者にも安心感を与え、17日の日経平均は前日比272 円高と今年最大の上げ幅を記録した。相次ぐ米経済統計の改善傾向も支援し、代表的なチャート分析の1つである均衡表を見ても、抵抗帯の下限で踏みとどまり反発余地を探る気配だったが、19日に212円安の1万123円と急落、一挙に楽観ムードに暗雲が立ち込めてきた。 米連邦準備制度理事会(FRB)は18日に公定歩合を従来比0.25ポイント引き上げ、0.75%に設定した。FRBのデューク理事は「金融政策見通しの変更を意味しない」と強調。アトランタ連銀のロックハート総裁も、米経済の回復基調はなおぜい弱で、引き上げは早期引き締めを意味するものではないとの認識を示したが、金融緩和からの本格的出口戦略への地ならし的動きが中国に続き米国でも見え、市場では昨年からの過剰流動性相場の変調につながるとの懸念が浮上。日本や香港などアジア株の下落を招いた。
日本株相場の温度は、東証1部売買代金の約6割を占める海外投資家が調節している。中華圏の旧正月、米国が祝日休場だった15、16日の売買代金は、大発会の1月4日以来の低水準に沈んだ。主要国との対比で出遅れを修正する動きから、海外勢は昨年12月、今年1月と2カ月連続で1兆円以上を買い越したが、足元はその勢いを失いつつある。 米バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチが毎月まとめる世界のファンドマネジャー調査でも、2月は日本株をオーバーウエート(アンダーウエートを引いたネット)とする比率が1月から5ポイント増えたものの、割安と見る比率も低下、メリルリンチ日本証券の菊地正俊株式ストラテジストは、海外勢の「日本株への見方は横ばい」と分析する。企業決算も一巡し、「日本独自の株高要因がないため、世界の投資家による最近の日本株の評価改善は相対的なもの」と受け止める。 米国の公定歩合引き上げは、19日朝の東京外国為替市場で一時1月14日以来となる1ドル=92円台のドル高・円安を演出した。東海東京証の倉持氏は「日本の輸出関連株などにはプラスの側面もある」というが、海外勢の動きには慎重にならざるを得ないようだ。
ただ、東京証券取引所が18日に発表した投資部門別売買動向によると、約2カ月ぶりに日経平均が1万円の大台を割り込んだ2月2週の局面では、外国人が3週ぶりに買い越したのに加え、個人、年金資金などを反映している信託銀行、投資信託など国内勢も総じて買い方に回った。米国、中国の金融引き締めショックが海外市場でうまく吸収されれば、節目接近の場面で下げ渋る展開が予想される。 2月4週の日本株相場、金融市場に影響を与えそうな材料は、国内では26日に1月の鉱工業生産、全国消費者物価指数が発表され、海外では23日に米国の2月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、ドイツのIfo景況感指数、25日に1月の米耐久財受注の公表などを控える。また週を通じ、バーナンキFRB議長をはじめ米政策当局首脳の議会証言、講演なども多数。 24日には、世界的リコール(無料の回収・修理)問題に揺れるトヨタ自動車の豊田章男社長が、米下院監視・政府改革委員会の公聴会で証言する予定。米議会によるトヨタ・バッシングの度合いも日本株の方向性を左右しそうだ。
●富国生命投資顧問の桜井祐記社長 ●日興コーディアル証券の宮原浩之エクイティ部部長 ●岩井証券イワイリサーチセンター長の有沢正一氏 記事:東京 院去 信太郎 Shintaro Inkyo PR |
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