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2010 02,06 09:00 |
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【日本株週間展望】下落へ、国際マネー変調で世界株安と円高を警戒 2月第2週(8-12日)の日本株相場は下げが続きそうだ。ギリシャなど欧州の財政リスクへの不安や、米国の景気不透明感などを背景に投資家のリスク許容度が低下、世界の金融市場を揺さぶっている。日本株は相対的に底堅く推移してきたが、為替の円高は輸出企業の収益を押し下げるため、影響は不可避だ。 東海東京調査センターの隅谷俊夫投資調査部長は、「今はファンダメンタルズより株式需給が勝っている局面。リスク投資の巻き戻しはある程度のタームで続くため、相場低迷は2月いっぱい続くかもしれない」と警戒する。日経平均は心理的節目の1万円で強く抵抗するだろうが、いったん9900円程度までの下げもあると同氏は予想した。 2月1週の日本株相場は、米国株や為替など日本株を取り巻く環境が安定するなかで、発表される企業の第3四半期(09年10-12月)決算がおおむね良好だったことから、株価指数は前週末の水準を上回って推移していた。 しかし、スペインとポルトガルがギリシャと同様に財政赤字の削減で困難に直面するとの懸念が投資家の間で強まり、4日に両国をはじめとする欧州株が急落。米国でも失業保険申請件数が予想外に増加し、雇用改善や景気回復に対する楽観的な見方が後退、株式や商品相場が大きく下げた。為替市場で円が急騰したことも手伝い、日本株相場は週末5日に急落。日経平均株価は前週末比1.4%安の1万57円と、昨年12月10日以来の安値水準で終えた。 興味のある方は、"つづきはこちらです"をクリック!
ラウンドロックキャピタルアドバイザーズの糸島孝俊チーフ・ファンドマネジャーは、5日の急落で「日本株が外部環境に左右されやすいことを再確認した。第4四半期(1-3月)で見た場合、円高や米国株安、中国株安が加速しなければ、日経平均は1万円を中心に上下1000円の範囲で推移するだろうが、目先は下に向きやすい」と見る。 オバマ大統領が1月に提案した商業銀行によるヘッジファンド投資禁止や、自己勘定取引抑制などを柱とする金融規制案に対する警戒は強い。中国の金融引き締め姿勢も、世界経済が同国への依存度を高めるなかでは影響が懸念される。投資家のリスク許容度が高まる要因は見当たらない。 海外発の不安要素に加え、国内発の懸念材料も出てきた。トヨタ自動車のリコール(無料の回収・修理)問題だ。リコールの対象は米国を中心に全世界で約800万台に膨らみ、過去最悪。販売面にも影響が出ており、同社の1月の米自動車販売台数は前年同月比で16%減少した。台数を伸ばした日産自動車や米ゼネラル・モーターズ(GM)などと対照的となった。 ゴールドマン・サックス証券は4日、トヨタの業績予想を下方修正し、投資判断を「中立」に下げた。アナリストの湯澤康太氏は投資家向けリポートで、「今後数カ月はネガティブなニュースフローが続き、月次販売への影響を見極めることになるだろう」との見解を示した。
トヨタは日本を代表する国際企業で、株式時価総額1位だ。いちよし投資顧問の秋野充成運用部長は、1月に1兆4666億円を買い越した海外投資家の投資先が、トヨタやホンダ、ソニーといった誰もが知る銘柄であることを挙げ、「実際に工場などを見学して分析し、個別銘柄に投資するというより、日本株自体を買っている印象。トヨタの問題で日本の製造業全体のブランド価値が低下すれば、こうした買いは止まり、相場全体に影響する可能性がある」と危惧している。 不安材料には事欠かないが、企業業績の良さは健在だ。ファンダメンタルズの良さが株価に反映されにくいのは、昨年秋と同じ。企業の第2四半期(7-9月)決算が発表された当時は、企業の大型増資が相次ぎ、株式需給の悪化がファンダメンタルズに勝る形で日本株は世界のなかで独歩安となった。 しかし、その後増資ラッシュが一巡すると、株価は業績好調を次第に織り込んで上昇、12月と今年1月は世界市場をアウトパフォームした。第1週で主要企業の第3四半期決算発表がひと段落した今回も、目先の株価は弱含むと見られるものの、企業業績を相場の下支え役として期待する向きは多い。
水戸証券投資情報部の岩崎利昭課長は、「発表内容を精査し、業績期待が持てる銘柄に資金が向かうだろう」と予想。具体例として電子部品関連企業、内需関連のなかでもともと強い企業を挙げる。需給がひっ迫している電子部品関連では、TDKや京セラ、村田製作所などが通期予想を上方修正した。 ラウンドロックキャピタルの糸島氏も、輸出産業を中心にリストラを着実に進め、在庫もコントロールできている点を評価。「トップラインが伸びてきたなか、費用抑制も効いており、来期業績への期待が持てる。指数が弱含む局面ではこうした個別銘柄を、中身を確認しながら選別投資することが大切」と強調した。 デンソーが上方修正するなど、自動車関連も業績好調が確認されたが、トヨタのリコール問題が明るみに出て「第4四半期以降の業績に与える影響が懸念され、買いにくい」と岩崎氏は言う。 第2週は、足元の景気を確認する経済指標の発表が相次ぐ。8日は1月の企業倒産と景気ウォッチャー調査、9日は1月の工作機械受注、10日は1月の企業物価指数と中古車販売、09年12月の機械受注などが予定されている。海外では、11日に1月の米小売売上高と12月の企業在庫の動向が明らかになる。
●みずほ証券・投資情報部の高橋幸男マーケットアナリスト ●ユナイテッド投信投資顧問の井上淳最高投資責任者(CIO) ●日興コーディアル証券エクイティ部・西広市部長 ●水戸証券投資情報部の門馬且康課長 ●ニッセイ基礎研究所経済調査部の伊藤さゆり主任研究員 記事:東京 浅井 真樹子 Makiko Asai PR |
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