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2010 01,23 09:00 |
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【日本株週間展望】一進一退、好決算見直しと海外不透明感の綱引き 1月第4週(25-29日)の日本株相場は、一進一退が予想される。 メッツラー・アセット・マネジメントの小林光之社長は、「自動車や電機の主要企業は四半期決算の発表に併せ、10年3月期通期の業績予想を上方修正してくる可能性が高い」と指摘。本来なら日本株への見直し買いが強まる局面だが、「外部環境の不透明感からリスク許容度は上がりにくくなってきた」という。 1月3週の日経平均株価終値は前週末に比べ392円(3.5%)安の1万590円と、8週ぶりに下げた。中国で金融引き締め観測が広がったほか、米国では高リスク投資などを制限する金融規制案への懸念が浮上。円高進行、国際商品市況の下落なども嫌気され、輸送用機器や機械、鉄鋼、商社といった海外景気に敏感な業種の下げが目立った。 国内企業の10-12月期決算発表が来週後半にかけて本格化し、週末29日にピークを迎える。四半期決算の発表を予定する主要企業は、25日にKDDI、カゴメ、26日に花王、森精機製作所、27日にキヤノン、ヤフー、日立建機、28日に新日本製鉄、コマツ、任天堂、京セラ、29 日に東芝、リコー、三菱商事、みずほフィナンシャルグループ、JR東日本、ヤクルト本社など。 興味のある方は、"つづきはこちらです"をクリック!
上振れ決算も個別見極め重要 3月を本決算とする企業では、「4-9月期時点で通期業績計画に対する進ちょく率が50%を大きく上回っていたにもかかわらず、計画を据え置いた企業が輸出関連を中心に多く、第3四半期決算の発表時には上方修正が相次ぐ」と、メッツラーの小林社長は見る。 もっとも、主要企業の先陣を切って第3四半期(10-12月)決算を21日発表した信越化学工業の決算内容と業績計画が市場の期待値に届かず、22日に信越化株は急落しており、個別ごとの見極めが重要だ。みずほ証券の北岡智哉シニアストラテジストは、小売企業を中心とした9-11月期決算と発表後の株価動向に基づき、「減収減益トレンドから減収増益に転じる銘柄が最も評価されやすい」と分析する。 フォルティス・アセットマネジメントの清川鉉徳シニア・ファンド・マネジャーによると、総合的なバリュエーション面で見て、日本株の割高感はぬぐえないが、「根強い出遅れ感に加え、来期の増益率が先進国の中で最も高くなる見通しであることに着目した海外勢による一定の買い需要は、引き続き見込める」という。
日本株市場では、外国人が売買代金の5割超を占め、その動向が相場の方向性を決める。東京証券取引所が21日発表した1月第2週の投資主体別売買動向では、外国人は8週連続の買い越しだった。今年に入ってからの買越額は1兆1885億円に達し、月間ベースで2年8カ月ぶりの高水準だった昨年12月(約1兆3000億円)に迫る勢い。 米大手金融機関のバンク・オブ・アメリカ-メリルリンチが19 日に発表した1月のファンドマネジャー調査によると、日本株のネット・アンダーウエート(オーバーウエートからアンダーウエートを引く)はマイナス2%と、昨年12月のマイナス17%から15ポイント改善。世界の投資家の日本株に対する弱気の程度が低下した。メリルリンチ日本証券の菊地正俊チーフ株式ストラテジストは、「世界の投資家は他国株を減らして、日本株を増やす余地がある」と指摘している。 一方、世界景気の先行き不透明感の広がりを背景に、リスク回避の動きがにわかに勢いを増しつつある点が、日本株の重しとなる。ギリシャの財政問題や中国の金融引き締め観測に加え、米国ではオバマ大統領が金融危機の再来を防ぐため、金融機関のリスクテークを抑制し、機関の規模やトレーディング活動に制限を設ける意向を21日明らかにした。
グローバルなリスク資産圧縮の動きが警戒される中、為替は円高気味に推移、輸出企業の業績悪化懸念が再燃する可能性もある。22日は円が対ドルで一時1ドル=89円79銭と、約1カ月ぶりの高値を更新。対ユーロでも一時1ユーロ=126円56銭と、約9カ月ぶりの円高値を付けた。いちよし投資顧問の秋野充成運用部長は「さらに円買いが強まるようだと、輸出株からの資金流出の継続は避けられない」と話す。 ただ、米国の金融規制強化に対する警戒感から、円買い圧力が増した22日のドル・円相場の日中足を見ると、午後には円買い一服感も出ており、「現状水準から一方的に円高が進行するとは考えにくい」と、秋野氏は見ている。
25-26日に日本銀行の金融政策決定会合、26-27日には米連邦公開市場委員会(FOMC)の開催が予定され、日米で将来の金融政策の変化が示唆されるかどうか、にも投資家の関心は高い。もっとも、「日米ともに景気認識などに変化が出る可能性は低い」と三菱UFJ証券投資情報部の山岸永幸ストラテジストは話し、金融市場への影響は限定的との見方が大勢だ。 このほか、米国でマクロ経済統計の発表が相次ぐ。25日は12月の中古住宅販売、26日に11月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数と1月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、27日に新築住宅販売、28日に耐久財受注、29日に10-12月期国内総生産(GDP)速報値など。日本では、26日に日銀「展望レポート」の中間報告、27 日に12月の貿易収支、29日に12月の家計調査や失業率、鉱工業生産などの公表を控える。
【市場関係者の当面の日本株相場の見方】 ●SMBCフレンド証券投資情報部の松野利彦次長 ●証券ジャパンの大谷正之調査情報部長 ●岩井証券イワイリサーチセンター長の有沢正一氏 記事:東京 河野 敏 Satoshi Kawano PR |
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