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2010年代を占う、株式相場にとって吉か凶か-M・リン どんな熟練した占い師だって、次の10年について細かい予想をするのは難しい。2010年の1月について予言するのですら難しいのに、2019年12月のことなど分かるはずもない。 次の10年について取りあえず投資家が知らなければならないことは1つ。株式相場にとって良い10年になるか悪い10年になるかだ。 その答えは「良い10年」。株式市場以外から調達できる資金の乏しさ、緩やかだが持続的なインフレ、そして恐らく予想を上回る経済成長に支えられた企業利益が、2010年代の株式相場のエンジンをロケット燃料で満たすだろう。 興味のある方は、"つづきはこちらです"をクリック!
株式相場は通常、10年のサイクルで動く。2000年以降は良い10年ではなかった。多くの市場で10年間、ほとんど株が値上がりしなかった。例えば英FT100種株価指数は1999年12月に6930の最高値を付けたが、10年後の今、同指数は5300前後だ。他の指数も似たようなもので、一部の新興市場を除き2000年からの10年は暗かった。 どんな種類の資産の低迷にもいつかは終わりが来るという単純な点を除いても、2010年代が株式相場にとってその前の10年より良くなると考える3つの強い理由がある。 その1。資金不足。2000年代の株式相場低迷の理由の1つは、企業と経営者が株主を真に必要としてはいなかったことだ。その昔、工場や店舗、倉庫を建てるために企業は株式市場で資金を調達したものだ。しかしここ10年は、現金が必要ならば銀行でも債券市場でもプライベートエクイティ(未公開株)投資会社でも、金を出してくれる相手は大勢いた。企業は必要としていない株主に気を遣う必要もなかった。
今後の10年は違う。資金ははるかに手に入れにくくなり、調達できる場所は株式市場だけになる。その結果、企業は株主に気を遣わなければならなくなる。つまり、配当を支払い株価を上昇させなければならない。そうしなければ次の資金調達はできない。 その2。インフレ。金の信奉者を中心に、ハイパーインフレを予想する人は数多い。中央銀行がせっせとマネーを印刷し続ければ、それが現実になるかもしれない。しかしその前に、5-6%程度の緩やかだが持続的なインフレという時期が来るだろう。 そのような環境は株式相場に追い風だ。主要株価指数で大きな割合を占めるような国際的大企業は通常、インフレ率に沿って製品価格を引き上げることができる。それが可能な限り、こうした企業は利益と配当を物価上昇に沿って引き上げていけるだろう。 その場合、株式はインフレに後れを取らない数少ない資産の一つとなる。投資家がインフレに弱い債券から株式へと資金を移す中で、インフレ率以上の値上がりが得られるかもしれない。
その3。予想以上の経済成長。半世紀で最悪の金融危機を経験したばかりの人々は今、世界経済についてかなり悲観的になっている。壊れた銀行システムやドルの信認低下、巨額の政府債務など、心配すべきことは数多い。 しかし、考えてみよう。先人たちは飢饉(ききん)や疫病、世界大戦を生き延びてきた。危ない銀行と財政赤字ぐらいはそれほど大しことではない。 2010年代の成長が好ましい驚きをもたらす公算は大きい。楽観的になる理由も多数ある。スイスの銀行UBSが最近の調査リポートで指摘したように、世界の人口は向こう30-40年で約30億人増える見込みだ。所得や消費が伸びている新興市場での人口増は世界の成長を押し上げる強い原動力となるだろう。 先進国・地域でも社会福祉制度を見直せば労働人口が増える大きな可能性がある。財政悪化の結果、やっとこれが実現するかもしれない。これも成長を押し上げる要因になる。さらに、改革と進歩をけん引する技術の発展に、鈍化の兆しは見られない。賢い人材が次々と生まれてくる中で、これはさらに加速するに違いない。これも成長加速要因だ。 もちろん、未来の経済には波乱も待っている。さらに幾つかの銀行がつぶれるかもしれないし、ドルは暴落するかもしれない。戦争の1つや2つ起こるかもしれない。それでも、株式相場にとって素晴らしい10年の舞台は整った。世界の主要株価指数は2010年初めよりも高い水準で2019年を終えるに違いない。(マシュー・リン) (リン氏は、ブルームバーグ・ニュースのコラムニストです。このコラムの内容は同氏自身の見解です) PR |
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