5/22 お昼の『株価材料』PART Ⅱ

お昼の『株価材料』PART Ⅱは、"つづきはこちらです"をクリック！

[0回]

■株価材料

△米スティールの大量保有銘柄は30社、取得金額3373億円
米スティール・パートナーズ・ジャパン・ストラテジック・ファンドが株式を５％超保有する銘柄は５月２１日現在、３０社あり、これまでの取得金額は３３７３億円に上っていることが分かった。同ファンドは、１８日からブルドックソース<2804>にＴＯＢ（株式公開買い付け）を開始した。スティールはこれらの投資先への攻勢を強めている。ブルドックへのＴＯＢのほか、５月２４日の株主総会での買収防衛策の否決に向けて、アデランス<8170>とは委任状の争奪戦を繰り広げている。江崎グリコ<2206>など６社に対しては増配を要求した。ただ、サッポロホールディングス<2501>と三精輸送機<6357>の２社とは、買収防衛策の手続きに従って攻防を続けているが、いずれも買収の意向を表明したのは今年２月で、事態が進展せずにこう着している。三精輸送機は５月１１日、「回答の内容が不十分」として追加質問を突きつけた。この一方で、具体的な要求を受けていない投資先でも、買収防衛策を導入する動きが慌しくなっている。４月以降、新たに買収防衛策を導入したのは、日清食品<2897>、高田機工<5923>、松風<7979>、シチズンホールディングス<7762>、石原薬品<4462>。また、ユシロ化学工業<5013>とキッコーマン<2801>は、すでに取締役会で導入した防衛策を株主総会で承認を求める仕組みに変更し、導入の妥当性を強化する。

△住信<8403>の法人税納付、金融機関がリスクテイクできる局面に＝金融担当相
山本有二金融担当相は２２日の閣議後の会見で、住友信託銀行の２００７年３月期決算で累積損失が一掃され、同行が１３年ぶりに法人税を納めることについて「好感を持っている」と述べるとともに、「本格的に金融機関がリスクテイクできる新しい局面になる」との見解を示した。また、これまでの主要行の２００７年３月期決算については「不良債権比率はなお低下傾向が続いており、すでに欧米と比べてそん色ない水準だ」と述べた。そのうえで「今後の課題は、収益力の強化や金融仲介機能のさらなる発揮。こうした課題に対しては、顧客ニーズにあった魅力ある商品を提供するなど、金融サービスの向上を通じて達成することを期待している」と述べた。

△三井住友ＦＧ<8316>株が堅調、増益・増配見通しを好感
２２日朝方の株式市場では三井住友フィナンシャルグループが堅調。２１日に発表した２００８年３月期の増益・増配予想が好感されている。鉄鋼株などに比べて出遅れ感が強いこともあって買いが先行しており、みずほフィナンシャルグループ<8411>など他の銀行株にも買いの手が広がっている。三井住友ＦＧによると、２００８年３月期連結当期利益は前年比２２％増の５４００億円と増益に転じる見通し。２００７年３月期は３６％減の４４１３億円だった。年間配当は２００７年３月期比３０００円増の１万円を予定している。

△平和不動産<8803>株が買い優勢、兜町の新金融街構想を材料視
２２日朝方の株式市場では、平和不動産が買い優勢の展開となっている。兜町周辺で新金融街構想が浮上したことが材料視された。平和不動産は、東京証券取引所ビルの家主であるほか、日本橋兜町で日証館ビルを展開している。山本有二金融・再チャレンジ担当相は２１日、都内で開かれた在日米国商工会議所の講演で、東京の日本橋から茅場町の地域を有力な金融機関の集積地として区画したいとの考えを示した。この構想については、都市再生本部（本部長：安倍晋三首相）と連携するとともに、経済財政諮問会議の６月の骨太の方針に「国際金融機能強化」を盛り込んで推進していく考えを示した。山本金融担当相は、英国がロンドン東部の造船跡地の再開発で新しい金融センターとして「カナリー・ウォーフ」を誕生させた例を挙げたうえで、「都市再生本部の主要テーマに金融機能の強化を入れて、カナリー・ウォーフと同じゾーニング（区画）をしたい」と述べた。そのうえで、具体的な地域について「日本橋から日本銀行、証券取引所のある兜町周辺になる」と語った。

△学研<9470>株が堅調、九州企業を買収との報道で
２２日朝方の株式市場では、学習研究社が堅調。２２日付日経新聞朝刊で、同社が九州で学習塾を運営する照和（北九州市）を買収すると報道したことなどが材料視されている。今回の買収で、九州地域の事業拠点を確保するのが狙いと報道では伝えている。学研は、１８日に発表した２００８年３月期連結決算見通しで営業利益が１４億円と、前期の２億円の赤字から改善する予想となったことも好感されている。

▼ラオックス<8202>株が売り気配、07年3月期予想を下方修正
２２日朝方の株式市場では、ラオックスが売り気配となっている。２１日に発表した２００７年３月期の業績予想と配当予想の下方修正を嫌気した。減損会計の対応や投資有価証券評価損などを特別損失に計上したことなどで、連結純損益は１２億２０００万円の黒字から５２億９０００万円の赤字に修正した。年間配当も従来予想５円から無配となる。薄型テレビの価格競争により粗利益率が低下。経費削減を進めたが、粗利益の下振れを補い切れなかったことも最終利益を圧迫した。
（ロイター）

△セレブリックス<2444> ストップ高買い気配。
決算内容が好感されているようだ。07年3月期実績は2月中旬の大幅な下方修正値から上振れ、最終赤字で2.76億円（従来予想4.88億円の赤字）となった。また、08年3月期の見通しについては経常利益で1.62億円となっており、四季報予想の0.5億円を上回っている。

△長谷工コーポ<1808> しっかり。
前日に決算発表、今期は営業減益見通しとしているものの、保守的な予想との見方が先行でネガティブな動きにはつながらず、短期筋の買い戻しが先行する状況となっているようだ。ＧＳでは649円目標で「買い」を継続、前期同様に今期も保守的な見方との指摘、建設セクターの中では投資対象として魅力的としている。

△バックス<4306> ストップ高買い気配。
自社株買いが手がかり材料視されているようだ。前日に1万株、2億円を上限とした自社株買いを実施すると発表している。上限の株数は発行済み株式総数の6.73％に相当するため、需給インパクトは大きいとの見方につながっているもよう。

△三井住友<8316>---決算通過でアク抜け感も
9営業日ぶりに反発。決算通過でアク抜け感も。25日線を突破しているが、これまでの下降トレンド内でありテクニカル範囲内。ただ、今後均衡表の雲の薄い部分に接近するため、一気に雲を突破してくる可能性はある。同時に遅行スパンの上方転換シグナル発生期待も。

△日立<6501>---続伸も戻りの鈍さ目立つ
続伸も戻りの鈍さ目立つ。ハイテクの一角が強い動きをみせているものの、戻りの鈍さが目立つ。均衡表では雲下限レベルの攻防となっているほか、遅行スパンの上方転換シグナル発生には日柄調整が必要か。

△佐世保<7007>---大幅続伸で5/14高値654円を意識
大幅続伸で5/14高値654円を意識。今期大幅増益見通しをあらためて材料視している。直近の利益確定の流れでは25日線がサポートとして機能。信用倍率は1倍割れが続いており、踏み上げ的な動きにも

△キヤノン<7751>---5/9高値7160円にあと1ティックに
5営業日続伸。じり高基調が続いており5/9高値7160円にあと1ティックに迫っている。為替相場の円安傾向や、日本株の相対的な出遅れ感からの修正期待が高まる中、指数連動性の大きい優良株リードの展開に。

△オリックス<8591>---反発、安心感台頭でリバウンド期待
反発。前日の株価下落が話題になった銘柄、市場の見方ではパチンコ業界向け融資に対する懸念が背景になったとされているもよう。ただ、同業界向けに対しては長い歴史などもあり、各アナリストともに懸念は大きくないとの見方を示しているようだ。

△みずほ<8411>---上方転換シグナル発生
大幅続伸で直近戻り高値突破。25日線をサポートして反転し、5/10戻り高値79.2万円を突破。これまで抵抗線として機能していた先行スパン（雲）下限を突破。遅行スパンは過去の実線を下から上に突き抜ける、上方転換シグナル発生。目先的には、雲上限の81.5万円レベルを意識。

△武田薬品<4502>---続伸、アクトスのシェア上昇期待が先行
出来高伴い続伸。英グラクソの糖尿病治療薬「アバンディア」に、心臓発作を起こす確率を高めるなどの副作用の恐れがあるといった調査結果が伝わっているもよう。同社の「アクトス」のシェア拡大につながるとの期待感が先行と観測される。

△国際帝石<1605>---5/8以来の高値を更新
5/8以来の高値を更新。ＮＹ原油相場の上昇基調を手掛かりに。その他、三菱ＵＦＪ証券ではレーティングを「3」から「2」に引き上げており、材料視されている。会社計画は保守的で、上方修正の可能性高いと。

△トッキ<9813> 大幅高。
凸版印<7911>の有機ＥＬへの参入報道が刺激材料となっているようだ。凸版印が09年度までに有機ＥＬパネル事業に参入すると一部で報じられていることから、有機ＥＬ製造装置で世界トップのトッキにも連想が働いているもよう。

△Ｖテク<7717> 10日ぶりに反発。
ＧＳでは、投資判断「中立」並びに目標株価33万円を継続したようだ。株価は今期の会社計画を受けて大きく調整したが、会社の利益計画は最大限のリスクを織り込んだ水準であるため、現状からの下値余地は限定的と。一方、短期の株価カタリストに乏しい点も指摘、上値余地を探るには4－6月期決算を待つ必要があるとしている。

△ＮＥＣ<6701>---強い動き、決算発表通過で買い戻し先行へ
強い動き。前日に決算発表、前期実績は修正済みでインパクトなし、今期の見通しもややコンセンサスを下回る数字となっている。アナリストの評価も総じて高まりを見せる状況には至っていないようだ。ただ、決算発表後の株価下落を見込んだ動きも先行していたとみられ、見通し数字にそれほどネガティブなインパクトもないことから、買い戻しの動きが先行する状況と考えられる。ちなみに、今期の営業利益計画1300億円には、戦略的投資200億円程度を含んでいるもよう。

△明星電気<6709>---急伸、地震警報システムの受注報道を受け
急伸で5月8日以来の100円台回復。韓国サムスングループから地震警報システムを受注したとの報道が買い材料につながる。受注額は明らかにされていないようだが、海外企業からは初の受注となり、今後の販路拡大などにつながっていくとの期待感が先行へ。

△日本電工<5563> 続伸。
製造業が価格高騰に対応して使用金属の見直しに乗り出していると報じられている。なかでも、ステンレスへのニッケルからクロムへの転換が関心を集めている模様であり、同分野を手掛ける同社に期待感が高まっているようだ。

△芝浦電子<6957> 買い気配から。
決算内容が評価材料となっているようだ。07年3月期実績は従来予想から上振れ、経常利益で前期比24.8％増の22.64億円となった。また、08年3月期については経常利益で25億円となる見通し。成長率は鈍化するものの、四季報予想の20.5億円を上回っている。なお、大和では好決算との評価、株価の割安感も依然強いとして、投資判断「1」を継続する方向と。

△カカクコム<2371>---反発、三菱ＵＦＪでは適正株価40万円と
反発。今期の業績見通しが嫌気されて、決算発表後は急落となっていたが、本日は三菱ＵＦＪの投資判断格上げを理由に、リバウンドを目指す展開へ。今期予想に関しては、株式市場が過大評価していただけであり、フェアバリューと考える40万円との比較では割安感があるとして、投資判断は「３」から「２」へ引き上げへ。

△ケミプロ<4960>---08/3期連結経常益は前期比倍増へ
買い気配スタート。直近の下げで25日線レベルまで調整しており、テクニカル妙味が出ていた。これに昨日発表の決算内容が評価されチャート上でもきれいな切り返しに。08/3期連結業績は経常益は前期比倍増の4.1億円を見込む。

△コスモ石<5007>---3営業日続伸で連日の年初来高値更新
3営業日続伸で連日の年初来高値更新。ＮＹ原油先物相場の上昇が手掛かりになっているようだ。原油価格を1バレル58.5-60ドルに想定。原油相場の上昇基調により、在庫評価益などが出る可能性。

△牧野フライス<6135>---買い優勢、モルガンが投資判断格上げ
買い優勢。モルガンが投資判断を「イコールＷ」から「オーバーＷ」に格上げ、本日の買い材料につながっている。目標株価も1740円から1940円にまで引き上げへ。底堅い受注環境を背景にして、今期業績は会社計画を上回ると判断、今期営業利益は会社計画170億円に対して、モルガンでは190億円と予想へ。行き過ぎた懸念による株価下落で上値余地は広がったとみているようだ。

△三井住友ＦＧ<8316>---買い先行、決算発表通過で買い安心感
買い先行。前日に決算発表、前期純利益は36％減益となったが、消費者金融会社の大幅損失計上が主因であり、想定の範囲内と受け止められている。今期の業績回復見通し、増配見通しなどを評価する動きが先行へ。概ねアナリストのポジティブな意見も目立っており、他のメガバンクにも買い安心感から買いが先行。

▼ダイナシティ<8901> 売り気配から。
使途秘匿金の発覚が嫌気されているようだ。費用の中に支払先を明らかにしない約6億円が含まれていたとして、東京国税局から使途秘匿金と認定されていたと一部で報じられている。
（フィスコ）

△帝人<3401>は連続最高純益見直し割安訂正期待高め続伸
帝人は、１４円高の６９０円と続伸している。３月期決算発表がほぼ終了し、業績相場の再発進期待が高まっているが、同社の今３月期純利益が２ケタ増益で連続して過去最高を更新、市場コンセンサスを上回ったことが見直され好業績株の一角として割安訂正が有望視されている。同社の今３月期業績は、売り上げ１兆３００億円（前期比２％増）、経常利益６９０億円（同１４％増）、純利益３９０億円（同１４％増）と予想されている。前期は合成繊維のポリエステル繊維分野や化成品事業の樹脂分野が伸び悩み経常利益は減益着地となったが、今期は同２分野も含め全セグメントが増収となり、減価償却費２６０億円を上回る積極的な設備投資や３７０億円の研究開発費を吸収して増収増益となる。株価は、決算発表で昨年来安値水準に並ぶ６００円台下位から持ち直しているが、ＰＥＲは１６倍台となお割安である。上値を抑えていた信用買い残もピーク比３割減と整理進捗となっており、下値押し上げ効果を発揮しよう。

△ＮＯＫ<7240>は市場予想上回る増益転換を買い直し続伸
ＮＯＫは、６５円高の２４６０円と続伸している。５月１４日に発表した今２００８年３月期業績が増収増益転換を予想、市場コンセンサスを上回ったことから昨年来安値水準からＶ字反騰を鮮明化しており、割安株買いを株不足で逆日歩のつく信用好需給が後押しをしている。同社の前期業績は、中間期、第３四半期と決算発表のたびごとに減益着地、業績予想は下方修正されてきた。自動車向けのシール事業、携帯電話、ハードディスクドライブ向けフレキシブル基板事業とも需要拡大で増収となったが、フレキシブル基板の急激な販売価格下落が響いたもので、前期実績は、前年同期比６％増収、６％経常減益、１５％純益減益と連続減益となった。今期は、昨年１０月にフレキシブル基板事業を製造子会社の日本メクトロンに統合して価格変化に迅速に対応する体制を整えることなどから増益転換を予想している。売り上げ５１００億円（前期比６％増）、経常利益４７５億円（同４％増）、純利益２６５億円（同６％減）としているもので、市場コンセンサスを約２６億円上回る。株価は、今年２月の業績再減額が響き昨年来安値１８５４円まで突っ込み、このリバウンド場面で信用取組は売り方が取り残され買い方有利の展開となっている。ＰＥＲ１６倍台の割安修正は速そうだ。

△長瀬産<8012>は連続最高業績を見直し割安株買い高まり続伸
長瀬産業は一時、４１円高の１５４７円まで買い進まれ続伸している。３月期決算発表が一巡し、好業績株のセレクトが本格化しているが、同社の連続最高純益を更新する好業績を見直し割安株買いが増勢となっている。５月１７日開催の決算説明会で「好環境下で商社機能に加えメーカー機能を強化するビジネスモデルの転換をスピードアップする」（長瀬洋社長）と表明されたことも上ぶれ期待を高めている。同社の今３月期業績は、売り上げ７５２０億円（前期比７％増）、経常利益２３６億円（同２％増）、純利益１４１億円（同４％増）と続伸が予想され、全項目で前期の過去最高を更新する。化学専門商社として、タイ、ベトナム向け合成樹脂の伸長や化成品の塗料原料・ウレタンなどの自動車関連素材の増加などが業績を押し上げる。この好環境を追い風に同社は、前期から推進の中期経営計画に基づきメーカー機能の強化を推進、ライフサイエンス事業の子会社ナガセケムテックスでは、リン脂質製造プラントの設備を増強するなどニッチ分野での存在感を一段と高める。株価は、１株純資産１５９７円水準で方向感を探る展開となっているが、ＰＥＲ１４倍台の割安修正から一段と上値指向を強めよう。

■東証１部指定替えの山下医<3022>は小反落でスタート
山下医科器械は、この日から東証１部に指定替えされたが、１５円安の２０８５円と３営業日ぶりに小反落している。５月２日に指定替えが承認されて以来、１５０円幅の水準訂正をし利益確定売りが交錯しているが、下値では改めて好業績や株価指数連動型ファンドの買い増しによる需給好転を見直す展開も想定される。同社は、今年５月２日に立会外分売（分売価格１８４９円）を発表してこの実施日に上場が承認され、追撃材料となった。上場に際して公募増資・株式売り出しを伴わないことから素直に好業績を見直す動きにつながった。同社の初連結決算となる今５月期業績は、今年１月の中間期決算の発表に合わせ、純利益が上方修正されるなど好調に推移している。九州地方トップの医療機器販売会社として低侵襲治療機器や一般消耗品が順調に伸びているためで、売り上げは３３６億５８００万円、経常利益７億１５００万円、純利益３億６５００万円が予想され、期末配当も期初予想の３０円が５０円に増配される。株価は、いまだに昨年２月の新規上場時の公開価格２６００円を下回っており、ＰＥＲ１２倍台、ＰＢＲ１倍台の割安修正からも昨年２月以来の人気再燃が有力となる。

△大東建<1878>は好業績・好需給手掛かりの割安修正期待で急続伸
大東建託は、１７０円高の６２７０円と急続伸している。４月２７日の３月期決算発表以来、昨年来安値水準の５０００円台下値ゾーンから上放れ気配を強めているもので、今期純利益が２ケタ増益で連続過去最高となり市場予想平均を上回ることが割安株買いを刺激している。同社の今期業績は、売り上げ６６４１億円（前期比１７％増）、経常利益７４２億円（同０．７％増）、純利益４８４億円（同１５％増）と５期連続の過去最高業績更新が予想されている。住宅地の公示地価が、１６年ぶりに上昇転換し、住宅着工戸数、貸家着工戸数も前年比プラス推移する好環境下、前期伸び悩んだ建築事業の受注棟数が１３％増と拡大し、不動産事業では管理棟数が８％増、管理戸数が１０％増と続伸し売り上げが倍増することが寄与する。純利益は、市場コンセンサスを約７８億円上回る。株価は、決算発表から９００円高し６０００円台固めを続けているが、ＰＥＲは１５倍台と割安顕著で、信用取組は株不足、逆日歩がついている。昨年７月につけた昨年来高値円６８７０円への意識を高め内需関連人気拡大が予想される。

▼ＩＰＯ再開第１号のＮＴＬ<3849>は売り気配を切り下げる
日本テクノ・ラボが、札幌証券取引所アンビシャスに新規上場された。４月２６日以来、５月の連休を挟んで約１カ月の中断期間を経たＩＰＯ（新規株式公開）再開の第１号で、公開価格は１０万円、公開株式数は１４００株となっている。寄り付きから売り気配を切り下げ５０００円安の９万５０００円売り気配となっている。資金吸収額が１億４０００万円と小規模で公開価格がＰＥＲ１２倍台と割安で業態も人気のＩＴ（情報技術）関連に属するが、ＩＰＯ中断期間中に新興市場は、年初来安値更新が続くなど個人投資家離れが進み、ＩＰＯ市場への悪影響や地方市場上場のハンデが懸念されておろ売り先行となっている。同社は、特殊・産業用プリンターに組み込む制御システムのソフトウエアを開発、ＯＡ機器製造会社に販売・納入、納入メーカーからライセンス収入を得ている。主納入先にはキヤノン、ミノルタ、理想科学などが並び、このほかセキュリティー機器の製造・販売も展開している。今２００８年３月期業績は、売り上げ１１億１４００万円（前期推定比１４％増）、経常利益１億５５００万円（同２５％増）、純利益９１００万円（同３５％増）、１株利益７９５２円を予想している。

△長谷工<1808>は２４％純益増益予想をテコに安値水準から急反発
長谷工コーポレーションは、１７円高の３８９円と９営業日ぶりに急反発し、前日ザラ場につけた昨年来安値水準に並ぶ３６８円安値から再動意となっている。同社は、今年４月に昨年１１月の上方修正から一転して前２００７年３月期業績の下方修正を発表、株価は再び下ぶれた。前日発表の前期業績は、前々期比１６％増収、１８％経常増益と連続２ケタ増収増益と回復色を強めたが、純利益は減額通りに固定資産の減損損失１９５億円、工事代金請求訴訟関連の損失引当金繰入額７８億円などの計上が響き２９％減益となった。今期業績は、「都市型新産業」を目指してマンション事業への特化を進め、売り上げ７３５０億円（前期比１％増）、経常利益６１０億円（同３％増）、純利益４２０億円（同２４％増）を予想している。株価は、優先株式の転換完了や阪急阪神ホールディングス系の森組との資本・業務提携を手掛かりに４９８円まで買い進まれ、信用買い残の重みも加わり往って来いとなっている。ＰＥＲは１１倍台となるだけに思惑再燃となりそうだ。

△ＮＥＣ<6701>は今期の３倍純益増益予想に反応し急反発
ＮＥＣは、４０円高の６２９円と急反発し東証１部値上がり率ナンキングのトップ１０入りをしている。前日に集計が遅れていた３月期決算を発表、前期は５月１５日の再下方修正通りに黒字転換幅を縮小して着地したが、今期純利益を前期比３．２倍増益と予想したことに素直に反応し買い先行となっている。２１日の米国市場で同社ＡＤＲ（預託証券）が、小反落したものの東京市場の終値に対しては小高く引けたこともフォローしている。同社の前期業績は、コンピューターのサーバーやソフトウエアの販売が不調で売り上げは前々期より５％減少、営業利益も３％の減益となり、純利益は９１億２８００万円（前々期は１００億６２００万円の赤字）と４００億円の黒字転換予想が大きく縮小した。今期は、売り上げ４兆７０００億円（前期比１％増）、経常利益８００億円（同４．８倍）、純利益３００億円（同３．２倍）とＶ字回復を予想している。欧州の個人向けパソコン事業売却による減収をＩＴサービス・ＳＩ事業やワイヤレスシステムなどのネットワーク事業でカバー、デバイス事業も回復し業績を押し上げる。株価は、相次ぐ業績減額や日米での訂正連結財務諸表の提出遅れなどから大きく値を崩した。株価は、２５日移動平均線から６％超のマイナスかい離となっており、悪材料出尽くしとして下げ過ぎ訂正に進もう。

△三井住友ＦＧ<8316>は２ケタ増益転換、連続増配を買い評価し反発
三井住友フィナンシャルグループは、４万円高の１１０万円と２営業日の変わらずを挟み反発している。前日にメガバンクのトップを切って３月期決算を発表、前期は４月２７日の下方修正通りに減益着地したものの、今期は２ケタ増益転換、配当も１万円に連続増配することが買い評価され買い先行となっている。同社の前期業績は、子会社の三井住友銀行で消費者金融のプロミス向けに投資損失引当金を計上したことから下方修正され、実績は修正通り前々期５％増収、１７％経常減益、３５％純益減益となった。今期は、昨年秋に公的資金を完済したことから積極的なグローバル展開を進め、売り上げは４兆１０００億円（前期比５％増）、経常利益９８００億円（同２２％増）、純利益５４００億円（同２２％増）の増益転換を予想している。配当は、前期に４０００円引き上げて７０００円としたが、さらに１万円へ連続増配する。株価は、消費者金融株の業績悪化、株価波乱のアオリを受け再度１００万円台を試す人気離散が続いていた。ＰＥＲは１５倍台と投資採算的にも割安となり、リバウンド余地が拡大する。

△べルックス<4672>はＭＭ特性発揮し一気にＭＢＯ価格にサヤ寄せ
ベルックスは、２営業日ぶりに商いが成立し５月１８日終値に対して３６１円高の１１６５円と急伸している。前日に同社創業者一族などが出資する買収目的会社ＫＹプランニング（札幌市中央区）が、同社株式を株式公開買い付け（ＭＢＯ）すると発表、同社も賛同を表明したことから、マーケットメーク（ＭＭ）銘柄特性を発揮し一気にＭＢＯ価格１１７０円にサヤ寄せする動きとなっている。ＭＢＯは、地方自治体の財政難や北海道経済の長期低迷などでビルメンテナンス事業の苦戦の続く同社が、抜本的な経営再建を目指すには短期的な業績変動に左右されず営業基盤の強化・再構築を迅速、柔軟に遂行する必要があり、非上場化することが最善として実施する。買い付け期間は５月２２日から６月２５日までの２５営業日、買い付け株式数は３４６万１０００株、買い付け代金は４０億４９００万円を予定、ＭＢＯ後の所有割合は６６・６６％に高まり、その後の株式交換を経て全株式を取得し上場廃止となる。同社は、前日同時発表の前３月期業績も、今年１月の下方修正値を下回り大幅減益で着地するなど厳しい状況が続いた。
（東洋経済新報社）